再・恋姫†無双~紅色の向こう側   作:乱A

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(`・ω・)ブログに投稿しているので、二話目もお披露目。
今回、横島の出番はちょっとおあずけ。


第二節「二度目の出会い」

 

 

「ふう、危ない所じゃったが何とか間に合ったか」

 

此処、外史の狭間にて卑弥呼は一人の青年、横島忠夫を抱きかかえながら一息を吐いた。

あの外史世界へと送り込む"ファクター"を探している最中、偶然にあの闘いの光景に出くわし、そして横島は吹き飛ぶ究極魔体の爆炎に飲み込まれる寸前、まさに間一髪で卑弥呼に助け出されたのであった。

 

「ふふふ、仲間を救う為には己の命すら(いと)わぬか。見事とは言えるが愚かとも言えるな」

 

それがあの闘いを見ていた卑弥呼の感想であった。

自らの命すら捨てて仲間を…世界を救う、たしかにそれは英雄とも呼べる素晴らしい行為かもしれない。

が、しかし残される者達から見ればどうなのだろう。

事実、今も彼の仲間達は彼を失った悲しみと救えなかった自責の念に苛まれている。

 

「しかし、あの状況ではやむを得ぬ選択であったのも(たが)わぬ事実か…。難しい所じゃな」

 

此処で卑弥呼は少しばかり思い悩む。

これからこの青年に課そうとするモノはあまりにも辛いモノではないのかと。

むしろあのまま死なせてやった方が良かったのではないかと。

一つの世界とはいえ所詮は『外史』、この青年に更なる苦しみを与えてまで救うモノなのかと。

だが……

 

「それでもお主ならば成し遂げてくれるやもしれん。そしてお主にとってもかけがいの無い世界へと成ってくれると今は信じよう。傲慢な考えかも知れぬがな」

 

そして卑弥呼は横島を右手で抱え直し、何処からか取り出した銅鏡を左手で握り締めて砕くと其処から発する眩い光の中に彼の体は飲み込まれ、光が消えると横島の姿もその場から消えていた。

 

「とりあえずはこれで良いか」

「その様ね」

 

横島が消えると同時に何処からとも無く一人の女性が歩き出て来る。

 

「何じゃ、お主もおったのか管輅」

「ええ。でも、彼のあの力を…文珠を封印したのは何故?」

 

そう、卑弥呼は横島を外史世界に送ると同時に彼の霊能力の一部、文珠を生成する力を記憶と共に封印していたのである。

 

「あの力は強力すぎる。確かに文珠を上手く使えば天下統一など簡単に出来よう。だが、それではあの外史の終端を速めるだけじゃ。あくまでも己達の力だけで成し遂げねば意味はなかろう」

「そうね…なら私はあの外史に降りて新しい占いを流しておくわ」

「うむ、頼んだぞ」

 

そして管輅と呼ばれた女性は霧の様に消えて行った。

 

「さて、これで準備は整った。後はあの外史がどの様に改革を遂げるか見守っていくか」

 

そう言い卑弥呼も霧の様に消えて行った。

 

 

そして、彼の地に一つの占いが大陸を駆け巡った。

 

『天より舞い降りる二つの流星あり。片や、眩く輝く白き衣を身に纏い、片や眩く輝く光の剣を持つ。それは乱世を正す為に来たりた天の御使いなり』

 

 

 

第二節「二度目の出会い」

 

 

「見たか鈴々!」

「この二つのお目々でし~~っかりと見たのだ」

 

今、この大陸は荒れに荒れていた。

朝廷はまともな(まつりごと)をせず、賊に身を落した民は更に弱い民達を襲う様になっていった。

そんな中、大陸中を駆け巡った管輅の占い。

天の御遣いが乱れた世を平定してくれる、それは圧政に喘ぐ民達の希望となっていた。

 

「急げ、ぐずぐずしていると置いて行くぞ」

「うにゃ~~、待つのだ愛紗!」

 

旅の途中、空から舞い降りる白い流星を見た黒く長い髪と赤く短い髪、二人の少女は流星が降りた方角へと走って行く。

そして……

 

 

 

 

―◇◆◇―

 

一面の荒野の中、白い制服に身を包んだ一人の男が立っていた。

状況が良く飲み込めないのか辺りをキョロキョロを慌しく見回している。

 

「な、何だ?俺は何時の間にこんな場所に?」

 

何度確認しても変わる事の無い目の前に広がる荒野に茫然としていると突然後ろから何者かが声を掛けて来た。

 

「そこのお兄さん、その服と金目の物を出して下さらぬか?。痛い目に合いたくなければ大人しく言う事を聞いた方が吉でござるよ」

「つ、鶴彦の言う通りにした方が三倍いい感じなんだな」

 

突然、見知らぬ荒野に放り出された俺の前に現れた黄色の布を頭に巻いた縦長の男、かなり太めで横に伸びきってパツンパツンの女の子の絵が描かれた服を着た男の二人組。

何処のイベントのコスプレかと思ったが、どうやら彼等が持っている武器は本物らしい。

何でこんな事になったんだ?俺は確か及川と一緒に博物館に行って、三国志のコーナーを見ていた筈だが。

そして、飾ってあった銅鏡が光ったと思ったらいきなりこんな所に立っていた。

しかも、俺の手の中には部屋にしまってある筈の刀、「虎月(こげつ)」が握られていてもう、何が何だか訳が分からん。

 

だが、爺ちゃんに散々鍛えられた剣術と虎月(コイツ)があれば目の前にいる見るからに三下な相手に遅れをとる事は無い。

 

「お前ら如きの言う事を聞く必要はないな。お前達こそ何処かへ行け」

 

俺は虎月を抜くと、二人組に向けて言い放つ。

 

「人が折角忠告したと言うのに、だったら望み通りに死ぬでござるよ」

「て、抵抗はしない方が三倍楽に死ねるんだな」

 

「悪いがそれは死亡フラグだ」

 

俺はそう叫ぶと太っている男の後ろに回り込み、その首に峰打ちの一撃を喰らわせて気絶させる。

 

「へ、蔕麿っ!」

「まだやるつもりなら今度は刃の方で相手をするよ」

「ならば……戦略的撤退でござるよ!」

 

刃を(かえ)した一刀が放つ殺気に恐れをなしたのか、縦長の男は横たわっていた太った男を引きずって逃げ出した。

そして一刀は虎月を鞘に戻しながら後ろを振り向き、岩影に隠れている二人に声を掛ける。

 

「見物は終わったかい?」

 

すると岩影からバツの悪そうな顔をした黒髪の女性と、ニコニコと笑顔を振り撒く小柄な女の子が出て来た。

 

「も、申し訳ありません!覗き見をするつもりは無かったのですが」

「ふえ~~、お兄ちゃん結構やるのだ」

「こらっ、鈴々!失礼な事を言うな」

「君達は?」

「失礼しました。我々は……」

 

それは初めての、そして二度目の出会い。

 

 

 

―◇◆◇―

 

 

「俺がその天の御遣いだって言うのか?」

「はい、どうか苦しみに(あえ)ぐ民達の為にお力をお貸しください」

「鈴々からもお願いするのだ。一緒に戦ってほしいのだ!」

 

一刀は関羽と張飛と名のる女の子達から話を聞いて驚いていた。

彼女達の話を統合すると今自分がいるのは1.800年前の三国志の時代だという事。

そして、管路の占いにあった天の御遣いの噂を聞きつけ舞い降りて来る流星を見つけて此処に来た事を。

 

「……俺はそんな大層な人間じゃ無い。泣きもするし、怖い事からは逃げたりもする」

「そんな……」

「じゃあ、お兄ちゃんは鈴々達とは一緒に闘ってくれないのか?」

 

二人は一刀のそんな言葉に落胆し、項垂れるが一刀は話を続けて行く。

 

「だからと言って泣いている人や苦しんでいる人達の事を見て見ぬふりをして逃げ出すほど恥知らずでもないつもりだ」

「で、では」

「一緒に戦ってくれるのか!?」

 

歓喜の表情で一刀を見上げる二人に微笑みながら彼は答える。

 

「ああ、俺でいいのならその神輿に乗ってやる。一緒に闘おう」

「あ、ありがとうございますご主人様!」

「ご、ご主人様?」

「そうなのだ、今日からお兄ちゃんは鈴々達の主になるのだ!」

 

うろたえる一刀に張飛が抱きついてくるが関羽はそんな張飛に怒りをあらわにする。

 

「こら鈴々!ご主人様に対して無礼だぞ、お兄ちゃんとは何だ!」

「ぶ~、愛紗は怒りんぼなのだ」

「あのさ、さっきから呼びあってる鈴々とか愛紗とかって何?君達の名前は関羽と張飛だよね」

「鈴々っていうのは鈴々の真名なんだよ」

「真名?」

「はい、真名とは我等が持つ真実の名の事です。家族か、心を許した仲間のみが呼び合う事を許される聖なる名前です」

「無断で呼んだりしたら首を落っことされても文句は言えないのだ」

「え゛……俺、呼んじゃったよね…首、落とされるのか?」

 

一刀は青ざめて首に手をやりながら後ずさるが愛紗はそんな一刀に笑顔を向け、片膝を付き臣下の礼を取る。

 

「いえ、貴方様はすでに我等が主。我等の真名を呼ぶのに何の遠慮がありましょうか。では改めまして我が真名は愛紗。これからは愛紗とお呼びください」

「鈴々の事も真名で鈴々って呼んでねお兄ちゃん」

「だからその物言いは無礼だと何度言えば」

「痛いっ!痛いのだ!耳を引っ張らないでほしいのだーー!」

「ははは、好きに呼んでくれてかまわないよ」

 

愛紗は「すみません」と言いながら鈴々の耳を放し、鈴々は「愛紗は意地悪なのだ」と涙目で耳をさすっている。

 

「さて、これからどうしようか?」

「この近くに街があります。まずは其処に行きましょう」

「賛成なのだ!鈴々はお腹がペコペコなのだ」

 

そんな二人を引き連れ一刀は目指す、『幽州琢郡琢県』を……

 

 

 

そして無銭飲食で皿洗いをする羽目になる三人であった。

 

 

 

 

ー◇◆◇ー

 

「え~と、たしかこの辺りの筈なんだけど…」

 

木漏れ日が差す森の中、桃色の髪を靡かせる一人の女性が何かを探している。

 

「どこなんだろう…あっ!」

 

草むらを掻き分けながら進んでいるとその女性は遂に見つけた。

 

「居た、男の人。それにこの服の生地、こんなの今まで障った事が無いよ」

 

草の上に横たわる横島忠夫を。

 

「間違いない。きっとこの人が…」

 

女性は横島の傍にしゃがみ込むと、そっとその頬に流れる涙を拭う。

 

 

 

 

 

「ほほう、劉備玄徳に見初められたか」

 

その光景を見ていた卑弥呼は軽く笑みを浮かべると木漏れ日に溶け込む様に消えて行く。

 

 

《続く》

 

 




(`・ω・)こうして横島は再生された無印外史へと渡りました。
後、卑弥呼が真面目すぎてらしくないとお思いの方がいるでしょうがまあ、管理者モードではあんな感じでしょう。
W主人公っぽい出だしですが一刀の出番はそれほど多くありません。
そしてこの外史の一刀は若干強化されています。
最初の一刀の「もう少し俺が強ければ」という想いが反映された影響ですね。

そしてGS世界において英雄として最後を迎えた横島が計らずも出会ってしまったこの世界の劉備玄徳。
彼女はこの世界で横島と共に英雄となれるのであろうか?
それはまだ、誰にも解らない事であった。


(`・ω・´)そして卑弥呼に姫だっこされていた事実は横島には絶対ナイショだよ。
キミ達とオイラの約束だ!
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