流行らせたいので縛りプレイをしようと思います。   作:正体不明の筆者A

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黒聖女と第2回イベント④

 

 

 その後も私はひたすら銀翼を狩り続けました。バフを盛りまくった【炎帝剣】でワンパンしてみたり、いつもの無重力オーバーヘイストで自爆させてみたり、地球投げの要領で地面に投げつけてワンパンしてみたり。

 ですが結局スキルの入手には至りませんでした。まったくしけたボスですね。せめてあと一つくらいスキルを用意してくれても良かったではありませんか?分かってないですねぇ運営も。縛りプレイがなんたるかがまるで分かっていません。この教訓を次回以降のイベントで是非とも生かしてほしいものです。

 

 

 

 <運営サイド>

「お前のようなプレイヤーがいるかっ!?」

「お、俺たちの悪意の塊が……」

「しかもなんかスキル手に入って無くて不満げだぞあいつ」

「いやもともとそんな周回する前提で作ってねぇよっ!!」

「俺たちはヤバいプレイヤーを解き放ってしまったのでは……」

「もはやワンパンされたら運営のメンツもクソもねぇよっ!!」

 

 

 

 ん?今何か聞こえた気がしましたが気のせいですね。

 さて、時間も良い頃合いですのでさっさとサリーとメイプルの元に戻ることにしましょう。そうだ、丁度良い機会ですので手に入った新スキルを使ってみましょうか。

 

「【銀翼】……おぉっ」

 

 スキル【銀翼】。発動すると私の背中から6枚の巨大な翼が生えてきました。これで空を飛べるようになったと言う事ですか。試しに翼を動かしてみますと、私の身体がふわりと空中に浮き上がりました。

 

「おぉ、遂に来ましたか飛翔スキル。これで無重力空間で疑似飛行とかしなくても良くなるのですね」

 

 オープンワールドと言えば空を飛ぶ事と言っても過言ではありません。しかも今回はVRMMOで空を飛べるのですからその爽快感は段違いです。少しだけ飛ぶ練習をしてから、私は2人の元に向かうため空へ舞い上がりました。

 

「ふふ。どうせですから空中でドッグファイト出来る位には挙動を極めてみたいものです」

 

 空を飛ぶのは今も昔も人間の夢ですからね。そんな夢すら叶えてしまえるゲームと言うのはやはり素晴らしいものです。それに専用の攻撃スキルまで内蔵されているのですから、

 空を飛んでいると地上の様子が分かりやすくて良いですね。プレイヤーが探索している様子やモンスターの分布が丸わかりです。マッピングも楽ちんですしメリットしかないスキルですね。

 まぁちょっとだけ消費MPが大きい気もしますが、常日頃モンスター達のMPを根こそぎ奪っているので余裕です。【MP消失】で得たMPが最大値を超過する仕様で大変助かりました。現在のMPの値は100,000を丁度超えたところですね。

 ちなみにさっき手に入った【悪食】も根底の仕様は【MP消失】と同じですので、今後も1日10回はモンスターを吸収してMPを稼いでおきましょう。え、方法ですか?メイプルみたいに盾に付与とか出来ないので直接がぶりです。プレイヤーだろうがモンスターだろうが関係ありません。気分は美女の血を吸う吸血鬼ですね。

 PVPイベントとかあったら悲惨な事になりそうですね。まぁ私は男性でも女性でも問答無用でがぶりですが。キル対象は男女平等主義、私のモットーです。

 

 

 

「リーフおかえ……り?」

「あ、あれ気のせいかな……なんか翼生えてる気がする」

 

 夜になってリーフが私達のところに戻ってきた。私もメイプルもいつも通り迎えようとしたんだけど……明らかに何かしらの影響と思われる6枚の翼がリーフから生えていた。あれ、ついに聖女を越えて天使になっちゃった?

 と、取りあえずリーフが持ってた銀のメダルを受け取ってから話を聞いてみる事に。私達も色々と報告することがあるしね。

 

「ふぅ……案外メダルと言うのは落ちていないようですね」

「そ、そうだね。えっと……色々聞きたいことがあるんだけど」

「えぇ構いませんよ」

 

 リーフはあっさりと種明かしをしてくれた。なんでも銀翼って言うさっき私達が苦戦したボスを倒したら入手したスキルらしい。取得条件は例の【毒竜使い】と同じHPドレインでの撃破。え、あの猛攻を凌いでそれやったの?え、やばすぎ。

 効果は空が飛べて銀翼のスキルを使えるようになるって言うまさにぶっ壊れ。何かリーフがドンドン手が付けられないバケモノになってる気がする。でもそれ以外にスキルが見つからなかったみたいだから、まぁ元々そんなに多くの要素を入れたボスにする予定は無かったかもだし。いや、あのクラスのボスだし当たり前でしょ。

 

「ですがHPドレインのみスキルがあったのは意外でした。お陰様でさらなる高機動を実現出来ましたが」

「あの攻撃を避けながらやれるプレイヤーがいないから安心してただけだと思う」

「ふむ……まぁ手に入ってしまったものは仕方ないので、今後ともたっぷりこき使わせてもらいます」

 

 あ〜あ。

 ちなみに私達は銀翼の討伐報酬で謎の卵を2個貰ったんだよね。私とメイプルで1個ずつで分けて今現在も温めてる途中。いつ孵化するかは分からないからしばらくは大人しくしてようかなと思う。

 メダルも現在全体で20枚くらい集まってる。リーフが頑張ってくれたお陰で既に2人分の素材は集まっちゃったんだよね。一応色んなリスクを考えて明日からもメダル集めをするつもりだけど、少しはペースを落としても大丈夫げかなぁと思ってたりする。

 

「それにしても卵ですか……テイムモンスターの類いなのでしょうか」

「どうだろうね。私も何が生まれるかは全く分かってないからねぇ」

「でもこの子達が生まれたら私達のペットになるんでしょ〜?やっぱりワクワクしちゃうよねぇ」

 

 メイプルの言うとおりだと思う。だって私達だけの専用ペットだよ?もうそんなのワクワクしない訳がないよねっ。きっと私達と一緒に戦ってくれるだろうし、なんかファンタジーって感じで楽しみだったりするんだ。

 

「分かりました。それではしばらくは卵の孵化をメインに添えるとしましょうか」

「良いの?リーフもっと探索とかしたいでしょ?」

「それでしたら今日中にある程度の情報は手に入れてきました。メイプルとサリーにも共有しておきます」

「さ、流石の効率だぁ……っ」

 

 もうほんと探索面においてリーフの右に出る者は居ないよね。ほんと任せておけば欲しい情報全部持ってきてくれる。別に私達が望まなくても持ってきてくれるせいで色々と頭が追いつかないけどね。

 ということでリーフからイベントマップ全域の情報と、大まかなプレイヤーの分布についての情報を貰った。あぁ〜奇跡的に私たちってトップ層や炎帝の国から離れた場所にいたんだね。2日で1回も遭遇してないから不思議だと思ってたけど。

 

「飛翔スキルはやはり偉大ですね。移動速度はAGI依存なので、障害物を気にせずに最短距離で迎えるのはやはり偉大です」

「まぁね〜。私はそんなにだけどメイプル辺りが持ったら凶悪かも」

「私?えぇ〜そうかなぁ?」

「メイプルの弱点である移動がある程度克服されますからね。それはもう手が付けられなくなると思いますよ」

 

 うんうん。まぁそんな簡単に飛翔スキルなんてゲットできないと思うけどね。まぁ出来て専用の乗り物が実装されるのが関の山ってところかな。

 ということで概ね報告の時間は終わり。後は明日に備えてゆっくり休むだけだね。今日も今日とてリーフが徹夜しようとしてたから、私とメイプルで必死になって押さえ込むハメになった。最近ずっと押されてばっかりだったからそろそろ意趣返しがしたいってのも……まぁある。でもゲーム補正でリーフが強すぎて物理じゃどうにもならなかった事だけを報告として残しておくよ。

 

 

 

「すぅ…すぅ…」

「すぅ…すぅ…」

 

「ふぅ、やっと寝ましたか……そこにいるのでしょう?」

「あはは、さっすがリーフちゃんだねぇ。あたし結構上手く隠れてたつもりだったんだけど」

「そもそも私はほぼ常時索敵結界を張っていますから隠れるだけ無駄ですよ」

「絶対相手したくないタイプのプレイヤーじゃん」

 

「それで、何か伝言でもあるのですか?」

「まぁない事は無いけど、今日は単純に遊びに来ただけだよ」

「偵察の間違いでは?」

「疑り深いなぁ。まっ、何も間違っちゃ居ないんだけどね」

 

「そもそもの問題、私はともかくメイプルの情報はほとんど出てきませんよ。悲しいですがメイプルは素で秘匿性能が高いので」

「そうなんだよねぇ。なんて言うの、存在がインチキなんだよね」

「うちの懐刀は伊達ではありませんよ」

「へぇリーフちゃんは随分と信頼してるんだねぇ」

 

「当たり前です。メイプルの脅威を一番知っているのは私ですから」

「一番側で見てるんだから当たり前ってこと?」

「えぇ。メイプルは我々ゲーマーの思考で計れる様な逸材ではありません。彼女の存在そのものがイレギュラーで構成されていますから」

「インチキの塊みたいなリーフちゃんが言うと説得力が違うや」

 

「それでさっさと帰ってみてはどうですか?」

「相変わらず冷たいなぁ」

「それとも……もしや帰り道が分からなくなったとでも言うつもりでしょうか」

「ぎくっ……そ、そんなわけないじゃん」

「図星だったんですね。あなたもあなたで抜けているところが多いですよ」

 

「うっ……精進します」

「はぁ、仕方ないですね……お仲間はここから南東方向に20キロ進んだところに集まっていますね。参考程度にどうぞ」

「うげ、私達の居場所まで知られてるのかぁ。やっぱりリーフちゃんを敵に回すのは得策とは言えないなぁ」

「私は構いませんよ?敵は多ければ多いほど燃えますから」

 

「いやいや目怖すぎ。んじゃそういうわけであたしは帰るからね〜」

「さようなら。もう二度と来ないでください」

「直接的な罵倒っ!?」

「おっと失礼しました。必要最低限以外は来ないでください虫唾が走ります」

「悪化してるっ!?」

 

 

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