『攻撃できないキャスターで聖杯戦争を勝ち抜く方法』   作:牛☆大権現

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今更ながら、ランサーのステータスとランサーのマスターについての情報を開示

ランサー:園部秀雄

真名

園部秀雄

クラス

ランサー
※槍ではなく薙刀だが、Fate的には長柄武器枠で成立すると思う。

スキル

直心影流薙刀術:A++
直心影流薙刀術第15代宗家としての武技。

老練:A
93歳まで生きた武道家として、若い肉体ではなく「老いた完成形」で召喚可能。

女武芸者の極致:A
女性武芸者・薙刀教育史の象徴。
対男性武人、対剣士に補正。

不敗の名人:A
生涯で敗北が一度または二度のみとされる逸話由来。

宝具

「直心影流・一千本の朝稽古」

ランク:A
種別:対人/対軍宝具
レンジ:1〜8

若年期、十分に稽古時間が取れない中、早朝と夜に一日千本の薙刀を振ったという修行逸話を宝具化。

効果:

* 一撃ごとに精度が上がる
* 長期戦になるほど強くなる
* 1000撃目に必殺の「型」が完成する

短期決戦ではセイバーに劣る。
だが長引けば長引くほど、最も危険なランサーになる。

第二宝具

「修徳館・女武道の継承」

ランク:B+
種別:結界宝具

薙刀教育・女性武道教育の功績を結界化。
結界内では、弱者・非戦闘員・女性・子どもへの攻撃に強烈なペナルティがかかる。

キャスターと思想的にかなり相性が良い。


ランサーのマスター

名前

蘆屋 真澄(あしや ますみ)

所属

時計塔・降霊科。

家系

陰陽道の末裔を自称する日本系魔術師。
本当に蘆屋道満の血かは怪しい。本人も半分ネタにしている。

魔術

式神・方位・干支呪術

* 陰陽道
* 式神信仰
* 九字
* 方違え
* 暦注
* 呪符

つまり
土地の方角、時間、干支、五行を使って戦場を調律する。

得意技:

* 東方木気:回復補助
* 南方火気:攻撃補助
* 西方金気:斬撃強化
* 北方水気:隠形
* 中央土気:結界固定

性格は柔らかいが底が読めない。
アレクセイの幼馴染。
「また調子に乗ってる」と言いながら助けるタイプ。


冬戦争

霧が、揺れていた。

 

 白い。

 

 静かな霧。

 

 その奥から。

 

 低いエンジン音が近づいてくる。

 

 ゴォォォォ――――……

 

 腹に響く音。

 

 戦争の音。

 

 アレクセイは思わず空を見た。

 

 雲の向こう。

 

 巨大な黒い影。

 

 ライダー。

 

 ルーデル。

 

「……来る」

 

 真澄が符を握る。

 

 園部秀雄が静かに薙刀を構える。

 

 舩坂弘は、

傷だらけのまま立ち上がっていた。

 

「バーサーカー!」

 

 ヘレナが怒鳴る。

 

「座ってなさい!」

 

「無理だ」

 

 即答。

 

「この音は、立たなきゃならん」

 

 その声に。

 

 アレクセイは言葉を失う。

 

 戦争の音。

 

 空襲の音。

 

 この男は、

身体に刻み込まれている。

 

 その時。

 

 霧の奥から、

アサシンの声が響いた。

 

「下がれ」

 

 静かな声。

 

「ここから先は、狙撃線になる」

 

 アレクセイが眉をひそめる。

 

「狙撃線?」

 

『キリングフィールドだ』

 

 エルメロイⅡ世が低く言う。

 

『ヘイヘは、“ここから先は撃ち抜ける”という空間を作っている』

 

 フラットが小さく笑った。

 

『うわぁ……』

 

『現代狙撃術を結界化してる』

 

 その瞬間。

 

 空。

 

 爆撃機の影が、

霧の上空へ現れた。

 

 ルーデル。

 

 低空飛行。

 

 爆音。

 

 圧力。

 

 だが。

 

 ヘイヘは動かない。

 

 撃たない。

 

 ただ。

 

 待っている。

 

 アレクセイは息を呑んだ。

 

(何を待ってる)

 

 その時。

 

 植芝盛平が静かに呟いた。

 

「風じゃ」

 

「え?」

 

「狩人は、風を待つ」

 

 次の瞬間。

 

 霧が流れた。

 

 ほんの一瞬。

 

 風向きが変わる。

 

 パンッ――!!

 

 乾いた銃声。

 

 遅れて。

 

 爆撃機の翼から火花が散った。

 

「命中!?」

 

 カウレスが叫ぶ。

 

『いや待て、あの距離で!?』

 

『機関部じゃない』

 

 エルメロイが即座に分析する。

 

『“流れ”を撃った』

 

 アレクセイは理解できなかった。

 

 だが。

 

 ルーデルは理解していた。

 

 爆撃機が旋回する。

 

 空。

 

 霧。

 

 その中で。

 

 ルーデルが初めて、

明確に“敵”を見る目をした。

 

「……狩人か」

 

 低い声。

 

 その瞬間。

 

 爆撃機が急降下する。

 

「来るぞ!」

 

 真澄が叫ぶ。

 

 轟音。

 

 爆風。

 

 だが。

 

 ヘイヘは動かない。

 

 霧の中。

 

 白い迷彩だけが揺れる。

 

「何で避けない!?」

 

 アレクセイが叫ぶ。

 

 パンッ――!!

 

 第二射。

 

 今度は、

爆撃機の機銃が逸れる。

 

『視界誘導!?』

 

 フラットが叫ぶ。

 

『ヘイヘ、“撃つ”ことで相手の操縦ライン壊してる!』

 

 その瞬間。

 

 アレクセイは気づいた。

 

 これは。

 

 決闘じゃない。

 

 空戦でもない。

 

(防衛戦だ)

 

 ヘイヘは、

“ここを越えさせない”ために撃っている。

 

 その時。

 

 ルーデルが笑った。

 

 爆音の向こうで。

 

 狂気じゃない。

 

 本当に楽しそうな笑み。

 

「いい」

 

 低い声。

 

「それでこそ兵士だ」

 

 次の瞬間。

 

 爆撃機が、

さらに低く降りる。

 

 建物スレスレ。

 

 危険すぎる高度。

 

「ライダー!?」

 

 ヴィクトールの怒鳴り声が聞こえる。

 

「高度を下げすぎだ!」

 

「黙れ」

 

 即答。

 

 ルーデルの目は、

完全にヘイヘを見ていた。

 

「戦場で会いたかった」

 

 その言葉に。

 

 霧の奥で、

ヘイヘが初めて僅かに目を細めた。

 

「俺は会いたくなかった」

 

 パンッ――!!

 

 第三射。

 

 今度は、

爆撃機の脚部へ命中。

 

 火花。

 

 揺れる機体。

 

 だが。

 

 ルーデルは笑っていた。

 

「そうだ」

 

「それでいい」

 

 アレクセイは息を呑む。

 

 この二人。

 

 似ている。

 

 どちらも、

“戦争を知りすぎている”。

 

 でも。

 

 決定的に違う。

 

 ルーデルは、

戦争へ進む。

 

 ヘイヘは、

戦争を止めるために撃つ。

 

 その時だった。

 

『アレクセイ!』

 

 エルメロイが叫ぶ。

 

『後ろだ!』

 

「え――」

 

 振り返る。

 

 そこには。

 

 黒い影。

 

 無数の小型ドローン。

 

 霧の死角から、

避難民へ向かっていた。

 

「っ!!」

 

 ヘイヘの狙撃線の外。

 

 つまり。

 

 “守れていない場所”。

 

 ルーデルが笑う。

 

「戦場は、一方向ではない」

 

 アレクセイの血の気が引く。

 

 避難民がいる。

 

 子供が。

 

 老人が。

 

 その瞬間。

 

 舩坂弘が、

前へ出た。

 

 血まみれのまま。

 

 傷だらけのまま。

 

「バーサーカー!」

 

 ヘレナの悲鳴。

 

 だが。

 

 舩坂は止まらない。

 

 銃剣を握る。

 

 その背中を見ながら。

 

 植芝盛平が、

静かに目を閉じた。

 

「……ああ」

 

 老人の声。

 

「帰れんかった兵士が、また前へ出る」

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