『攻撃できないキャスターで聖杯戦争を勝ち抜く方法』   作:牛☆大権現

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ライダー陣営
ライダー:ハンス=ウルリッヒ・ルーデル
真名
ハンス=ウルリッヒ・ルーデル
クラス
ライダー
第二次大戦ドイツ空軍の急降下爆撃機パイロット。戦車519両撃破などの戦果を主張し、右脚切断後も飛行任務に戻ったとされる。ただし、彼は戦後もネオナチ活動に関与した人物なので、作中では「英雄」ではなく「危険な戦争機械」として反英雄に近い形で扱われる。
スキル
急降下爆撃:A++
Ju87スツーカ運用の象徴。
対戦車攻撃:A++
戦車撃破逸話由来。
鉄の執念:A
片脚を失っても復帰した逸話由来。
反英雄:A
栄光と忌まわしさが同居する霊基。
宝具
「鋼鉄を喰らう急降下」
ランク:A+
種別:対軍/対城宝具
レンジ:100〜2000
Ju87Gの37mm機関砲による対戦車攻撃を宝具化。
装甲・結界・防御概念に対して特攻。
第二宝具
「片脚の帰還飛行」
ランク:B+
種別:自己継続宝具
致命傷、操縦不能、撃墜判定を一度だけ覆す。
ただし、復帰するたびに精神汚染が進む。

ライダーのマスター
名前
ヴィクトール・シュタインベルク
所属
時計塔・現代魔術科。
家系
第一次・第二次大戦期に軍需産業と結びついたドイツ系魔術家系。
家系としては有能だが、思想的に危険視されている。
魔術
機械降霊《マキナ・エヴォケーション》
現実の参考魔術例:
錬金術の人工生命思想
近代オカルティズムの機械霊信仰
戦場で兵器に宿る迷信
テクノマンシー
要するに:
機械に「用途の霊」を宿す。
例:
ドローンに偵察霊を宿す
エンジンに加速術式を刻む
銃火器に命中補正
乗り物を簡易礼装化
性格は冷酷な合理主義者。
ルーデルを「兵器として」扱うが、逆にルーデルの狂信性に飲まれていく役回り。



都市は戦場になる

 赤い警告灯が、

霧の街を染めていた。

 

 信号機。

 

 監視カメラ。

 

 電波塔。

 

 配送ドローン。

 

 全部が、

赤く点滅している。

 

 まるで。

 

 都市そのものが、

呼吸しているみたいだった。

 

「……気持ち悪ぃ」

 

 アレクセイが呟く。

 

 その瞬間。

 

 ガコン――!!

 

 道路脇の自販機が開いた。

 

 内部から、

機銃が展開される。

 

「下がれ!」

 

 真澄が叫ぶ。

 

 ガガガガガガガッ!!

 

 掃射。

 

 火花。

 

 コンクリートが砕ける。

 

 避難民の悲鳴。

 

 園部秀雄が、

即座に前へ出た。

 

 薙刀が唸る。

 

 ガギィィン!!

 

 機銃弾が逸れる。

 

 だが。

 

 今度は別方向。

 

 監視カメラのレンズが赤く発光。

 

『熱源ロック』

 

 機械音声。

 

 アレクセイの背筋が凍る。

 

「クソッ!」

 

 火星護符を展開。

 

 身体強化。

 

 踏み込む。

 

 拳で監視カメラを叩き壊す。

 

 爆散。

 

 だが。

 

 次の瞬間。

 

 別のカメラ。

 

 別の信号機。

 

 別のドローン。

 

 全部が動き出す。

 

『アレクセイ!』

 

 エルメロイⅡ世の声。

 

『都市全体が術式核だ!』

 

『部分破壊では止まらん!』

 

 フラットが叫ぶ。

 

『うわ最悪!』

 

『これ都市インフラそのものが魔術回路化してる!』

 

 その時。

 

 高層ビル屋上。

 

 ヴィクトールが、

静かに両手を広げた。

 

 背後のケーブル群が脈動する。

 

 赤黒い光。

 

「美しいだろう」

 

 冷たい声。

 

「これが現代だ」

 

 一拍。

 

「人類史最大の魔術基盤」

 

 アレクセイが睨み返す。

 

「ふざけんな」

 

「人が住んでる街だぞ!」

 

 ヴィクトールは即答した。

 

「だから利用価値がある」

 

 その言葉に。

 

 植芝盛平が、

静かに目を閉じた。

 

 怒っている。

 

 声を荒げていないのに、

分かった。

 

 空気が違う。

 

「お主」

 

 老人の声。

 

「人を器材として見ておるな」

 

 ヴィクトールが笑う。

 

「違う」

 

「人間もシステムの一部だ」

 

 一拍。

 

「感情も、恐怖も、戦争も」

 

「効率化できる」

 

 その瞬間。

 

 ルーデルの爆撃機が、

低く唸った。

 

 空。

 

 雲の向こう。

 

 ライダーの声が響く。

 

「……ヴィクトール」

 

「何だ」

 

「お前」

 

 一拍。

 

「兵士を見たことがないな」

 

 ヴィクトールは鼻で笑う。

 

「精神論か?」

 

「違う」

 

 ルーデルの声が低い。

 

「死体を見てない」

 

 沈黙。

 

 その瞬間。

 

 空気が変わった。

 

 アレクセイは息を呑む。

 

 初めてだ。

 

 ルーデルが。

 

 “戦争”じゃなく、

“人”を語った。

 

「帰れなかった奴らを見てない」

 

 低い声。

 

 爆撃機がゆっくり旋回する。

 

「だから、お前は軽い」

 

 ヴィクトールの目が細くなる。

 

「……感情論だな」

 

「そうだ」

 

 即答。

 

「戦争は感情だ」

 

 一拍。

 

「恐怖と怒りと後悔でできてる」

 

 その言葉に。

 

 舩坂弘が、

静かに顔を上げた。

 

 血まみれのまま。

 

 傷だらけのまま。

 

「……そうだな」

 

 低い声。

 

「帰れなかった奴は、多い」

 

 ヘイヘも、

霧の奥から呟く。

 

「だから俺は、守る」

 

 静かな声。

 

「戦場を広げないために撃つ」

 

 ボブ・マンデンが帽子を回す。

 

「俺は逆だな」

 

 軽い声。

 

「人が死ぬなら、せめて顔見て死ねって思ってる」

 

 園部秀雄が、

静かに薙刀を握る。

 

「武とは、本来」

 

 一拍。

 

「生きて帰すためのものです」

 

 その瞬間。

 

 アレクセイは理解した。

 

 今。

 

 ここにいる英霊達は。

 

 全員。

 

 違う“武”を背負ってる。

 

 でも。

 

 ヴィクトールだけは違う。

 

 こいつ。

 

 武を知らない。

 

 ただ。

 

 “運用”してる。

 

 その時。

 

 ヴィクトールが、

小さくため息を吐いた。

 

「……非効率だ」

 

 パチン、と指を鳴らす。

 

 瞬間。

 

 都市全域の赤い光が、

一斉に強まった。

 

『っ!?』

 

 カウレスが叫ぶ。

 

『都市術式、第三段階移行!!』

 

『マズい!』

 

『来るぞ!!』

 

 次の瞬間。

 

 地面が揺れた。

 

 道路が開く。

 

 地下搬送路。

 

 その奥から。

 

 無数の軍用ドローンが、

ゆっくり浮上してきた。

 

 まるで。

 

 都市そのものが、

兵器を産み始めたみたいに。

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