アルセリオンの歌声
作者:

オリジナルファンタジー/冒険・バトル
タグ:R-15 残酷な描写
 かつてそこには現在の人の種がこの地に生まれたばかりの頃、既に高い文明と文化を手にしていた種族が住んでいた。
 彼等は皆一様にたおやかな美しい容姿を持ち、自然を友と呼び、その恩恵を受けて穏やかに暮らしていたという。
 そして、その者達の澄んだ美しい声から紡ぎ出される言語(ルーン)は歌うような独特の音律を伴い、友である自然から自在にその力を引き出す事が出来たと伝えられていた。
 その伝説の中に生き、自然と共に暮らす心優しき()の種族を、後世の人々はこう呼んだ。
 ——自然の恩恵を受けし者(アルセリオン)——
 と……


 アルセリオンの民に憧れ、異世界に旅立ったとされる彼等の後を追う為に賢智院(アルセルス)に入学したエル・スティシアは、術者(ルーサー)となりかつて彼等が使ったとされる術「ルーン・レム・サークセラ」を使って失敗し、異形の獣——魔物(ディール)をこの世界に呼び込む事となった。
 その事実は三百年の時を越えて、再び現世に近い空間に現れたエル・スティシアによって、アルセルスの関係者達が知る事となる。
 更に不自然な形で「ルーン・レム・サークセラ」が発動した反動で新たな空間の歪みが現れ、この世界の空間がズタズタに裂ける危険が増した。
 それを回避する為に学院の面々は今度こそ完全なる「ルーン・レム・サークセラ」を唱えなければならなかった。
その為それに不可欠な最も重要なファランスの花を取りに、最も危険と言われるディールの巣として知られるセルレア山脈の麓に広がる森林地帯の中にあるアルセリオンのリンファリア遺跡の赴くのだった。