ヒナの兄はG3になりたい   作:曽流斗

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G3系って背中のバッテリーからエネルギーを供給してるから時間制限があるんですけど、明確な数字が出てないんですよね。
なので、この小説のオリジナル設定として、G3の最大稼働時間は1時間としておきます。

それはそれとして、今日から仮面ライダーマイスが始まりますね
でも作者はですね、この話を投稿する時には夢の中なので、たぶんリアタイできないんですよね
なので作者の代わりに楽しんできてくださいね…



A09話.正邪ゆらめく、砂漠の守り人

【2年前】

 

 

 

『お前は……誰だ……?』

 

 

理解が追いつかないことが立て続けに起きたせいで碌に働かない頭で考えて、やっと出てきたのは疑問の言葉。

先にやらなきゃいけないこと、言わなきゃいけないことがあるはずなのに、これだけは聞いておかなきゃいけないとも思った。

 

『我が名は『アビドスノーワン』。我が最強となり、この地をナンバーワンとするべく生み出された。』

『アビドス……ノーワン?』

 

ノーワン、聞いたこともない言葉だった。

カイザーの新兵器だと言われた方が、納得はしたくないけど、まだ理解できる。

 

『これで、この地の予言者、そして最高の地位をこの手に収めた。あとは『憤(・)怒(・)』を手にすれば真のアビドスナンバーワンとなる。矮小な雛鳥よ、さらばだ』

 

そう言って奴は宙に穴を開ける。

 

『ま、待てっ!!』

 

静止の声も届かず、奴は穴の中に消えていき、その穴も消えてしまった。

 

『返せ…………先輩を……ユメ先輩を……返せええええええええええええええええええええっっっ!!!!!』

 

引き裂かれる想いをやっとのことで絞り出した。

でも、それが叶わない夢と嘲笑うかのように、私の叫びは静かな砂漠に溶けていった。

 

 

────── ────── ──────

 

【現在】

 

 

「そういうことね。だいたい分かった」

 

出張から帰ってきたものの、風紀委員会の部室が空だったことを不審に思い、アコに通信をしたとうヒナちゃんは、彼女の所業を悟りアビドスの現場へ急行。そして周囲の状況を見て、理解したのだった

 

便利屋?ヒナちゃんが来ると知って帰ったよ。

今頃は事務所の引越し準備でもしてるんじゃないかな?

事業登録してるから、どこに会社を構えたとしても万魔殿と風紀委員会にはバレバレなんだけど。

 

「アナタが他の学園の自治区で、委員会のメンバーを独断で運用しないといけないようなことをした理由は分かった。それでシャーレとアビドス、そして兄さんと戦った経緯もね……」

『……』

「まぁ、先生が珍しい大人っていうのも、凄い権限を持ってるから欲しいっていうのも分かるけどな」

「そうね。でもアコ、私たちは風紀委員会であって、生徒会じゃない。シャーレ、ティーパーティー、それに連邦生徒会長。そういうのは兄さんや『万魔殿』(パンデモニウム・ソサエティー)のタヌキたちにでも任せておけばいい。詳しい話は帰ってから。通信を切って校舎で謹慎していなさい、アコ」

『……はい』

 

 

 

 

 

通信が終わり、沈黙が支配すること数秒。

その沈黙を破るのは……

 

「……じゃあ、あらためてやろうか」

 

アビドスの狼だった。

 

「そうね。風紀委員会は事前通達無しで他校の自治区での無断兵力運用、それと他校の生徒たちと衝突した。とはいえ、そちらが公務を妨害したから、こちらとしては戦う理由はある」

 

こいつら、この状況でまだ戦おうとしてやがる。『柴関ラーメンの爆破を防ぐ』っていう俺の目的は達成されたし、G3の装備も外してるし、もう帰りたいんだが……。

 

「お前らなぁ……さっきのは『戦闘訓練』だぞ。公務の妨害じゃないからな」

「……そう。『戦闘訓練』なら、公務を妨害したことにはならないから、これ以上争う理由は無いわね。訓練への協力、感謝するわ」

「ん、やらないのは残念」

『ダメですよ、シロコ先輩。ゲヘナの風紀委員長と言ったら、キヴォトスでも匹敵する人物を見つけるのが難しいほどの、強者の中の強者なんですから。戦うことになるんでしたら、せめてホシノ先輩がいないと……』

「……ホシノ?」

 

ホシノという名前を聞いて驚いたのか、体を震わせるヒナちゃん。

ホシノがどうしたんだろうか?

 

「アビドスのホシノって……もしかして、小鳥遊ホシノ……?」

『はい?』

「……ん?」

 

そういえば、アビドスの学校にホシノがまだ在学してるって、ヒナちゃんには言ってなかったんだっけ。

 

とかなんとか思っていると、ピンク色の髪をした人影が1つ、こちらに歩いてきた。

 

「うへ〜。こいつはまた何があったんだか。すごいことになってるじゃ〜ん」

『ほ、ホシノ先輩!?』

「ごめんごめん。ちょっと昼寝しててね〜、少し遅れちゃった」

「昼寝ぇ!?こっちは色々大変だったのに!ゲヘナのやつらが……!」

 

ホシノの登場により、他のアビドスの生徒たちが彼女に集まり状況の説明とと抗議の声を上げていく。

 

「うーん、事情はよく分からないけど、対策委員会はこれで勢揃いだよ。ということで、あらためてやり合ってみる?風紀委員長ちゃん?それに……ジ(・)ョ(・)ウ(・)く(・)ん(・)?」

「やらねぇよ!?こっちはやることやったから、もう帰りたいんだが!」

 

これ以上の運動は、前世の年齢と足し算すると結構な歳になってるおじさんには辛いよ。

柴関で注文してたアイス食ってとっとと帰りたいよ……。

 

「……」ジトーッ

「その目で見るのをやめてくれ、ヒナちゃん。罪悪感で居た堪れなくなるから……」

 

名前呼びで察したヒナちゃんが「なんで知り合いだってこと言わなかったの」と言わんばかりに睨んできて、お兄ちゃん怖いんだけど。

 

「……小鳥遊ホシノ。あなたのことは、各自治区の要注意生徒たちの1人として、知っていた。あの事件の後、アビドスを去ったと思ってたけど。……それと、1年生の頃とはずいぶん変わった。人違いじゃないかと思うくらいに。」

 

2年前のことを思い出しているのか、ホシノは少し苦い顔をしてヒナちゃんの言葉に耳を傾けている。

 

「……そうか、そういうことか……だからシャーレが……」

 

そしてホシノがまだアビドスにいると知ったヒナちゃんは

 

「イオリ、チナツ。撤収準備、帰るよ」

 

部下たちに撤収命令を下した。

 

ヒナちゃんは何か察したようだが……少なくとも、先生は助けを求めた生徒を見過ごせないだけなんだけどな。

ここら辺はヒナちゃんみたいな第三者からしたら、連邦生徒会か失踪してる連邦生徒会長がシャーレの先生という『代理人』の人柄を利用しているように見えているのだろうか。

 

「ま、あの子が先生を信じるなら全然いいか」

 

 

────── ────── ──────

 

 

「この度は、事前通達無しにゲヘナの兵力を用いてアビドスの自治区で騒動を起こしたことを、ゲヘナ学園の万魔殿の議長、空崎ジョウと……」

「そして、風紀委員会の委員長、空崎ヒナより、アビドスの対策委員会に対して正式に謝罪する。今後、ゲヘナの風紀委員会がここに無断で侵入することは無いと約束する。どうか許してほしい」

 

アビドスの生徒たちに頭を下げて謝罪する。

 

周りの奴らが驚愕するが、騒動の中心にもいた長としては部下の失態にケジメをつけなくちゃならないからな。

それに……ヒナちゃんにだけ頭を下げさせて俺だけ棒立ちなのもカッコ悪いしな!

 

「そら、帰った帰った。イオリ、ちゃんと反省文書いておけよー」

「げえぇ……」

 

嫌そうな顔をするイオリ。そして彼女を筆頭に撤収していく風紀委員会の部隊。

迅速に撤収し、この場はまるで嵐の後のように静かになった。

 

「帰ろう、兄さん」

「……その前に、そこの柴関ラーメンで飯を食っていかないか?」

「いいよ。まだお昼を食べてないから、お腹空いた」

 

カイザーコーポレーションがアビドスの砂漠で何か企んでいることを先生に告げて戻ってきたヒナちゃんと共に、柴関へと向かう。

 

さっき飯を食ってたって?

運動しまくって腹が減ったんだよ!

言わせんな恥ずかしい!

 

「それで、『例の条約』の件は大丈夫だったか?」

「ええ、何も問題無かった。向こうの風紀委員との話も滞りなく済んだし」

「それは重畳」

 

例の条約は将来的に白紙とか延期とかになるかもしれないが、だからといって手を抜くわけにもいかないからな。

 

それはそれとして……。

 

「なぁ、ヒナちゃん。今度、元情報部としての力を借りてもいいか?」

「それはいいけど、どうして?」

「これから否が応でも相手を知るんだ。だったら相手の流儀を真似するのも面白いと思ってな」

「そういうこと……。はぁ、加減はしてね」

「善処するさ」

 

トリニティはゲヘナと長年歪みあっていた関係だ。どんな陰湿な手を使ってくるか分かったもんじゃないから、自衛の手段を持っておくに越したことはない。

 

そんなことを思い、睡眠不足とかの解消で原作よりも背が伸び、身長が150センチを少し超えた彼女の頭を撫でると、「恥ずかしいからやめて」と言われ手を弾かれた。

寂しい。

 

 

 

 

 

「ところでヒナちゃん。さっきは硬い口調だったけど、初対面の先生の前だったから緊張しちゃった?」

「うるさい」ゲシッ

「ぐえっ!」

 

マジで痛いからブーツで脛を蹴るのはやめて!

 

 

────── ────── ──────

 

 

数日後……

 

「……これで良い?」

「……はい、確かに。ご契約ありがとうございます。あなたに提案していた、契約時の2(・)つ(・)の事柄を実行しましょう。まず、これで正式にアビドス高校が背負っている借金の大半は、こちらで負担することになります」

 

ある事務室で、桃色の髪の少女と、黒服の男が契約を交わしていた。

 

 

 

「そして今から……」

 

 

 

 

 

 

 

「『憤(・)怒(・)のティフォン』についてのお話をするといたしましょう」

 

 




ノーワン:
夢を持つ者を取り込み、それぞれの分野でナンバーワンとなっている夢喰らいの怪物。
ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーの世界にて、異界から発生した怪人。
ナンバーワンの称号を簒奪しなければ討伐不可能。


次回の投稿は9月13日か9月20日の予定です。

仮面ライダーのアイテムを使った場面とかをある程度省略した方がいいと思いますか?

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