(準備は整った。順当にいっても、不測へ逸れても、リカバリーは効く筈)
(……これが上手くいったとて、過去が変わるわけじゃない)
(たとえホシノを助けられても、それは代替行為にもなり得ない)
(私は私の意思で天秤を傾けた)
(既知の未来か、未知の未来か)
(取ったのは前者。
(……結果、小鳥遊ホシノは『盾』を持った)
(アビドス出身ではなく、その場にも居なかった私が抱くのも筋違いの罪悪感)
(自然現象を前に人が出来る事は無く、それによる責は取る必要が無い)
(私にできることは一つも無かった)
(黒服と同じ論理で誤魔化す私は、きっとどうしようもなく『偽物』だろう)
(『本物』なら、きっと……)
(……それでも、私は)
(悪として誰からも非難されようと、未来のためと
「やっぱりここに居たんだね、アルちゃん」
「―――あら、ムツキ。起こしてしまったかしら?」
「いや、たまたまだよ。喉が渇いちゃって。そう言うアルちゃんはなんで起きてるの? 明日……もう今日か。どっちにしろ決戦前の最後の夜だよ? あっ、カイザーのムカつく連中をぶっ飛ばせるからってワクワクしてたり?」
「してないわよ」
「くふっ。まあ、だよねー」
「ちょっと、抱き着くと暑いわよ」
「んー少し辛抱してほしいかな? ハグはねぇ、人が簡単に幸せになれる手段なんだよ?」
「なによ、ムツキってば幸せに飢えてるの?」
「そうだねぇ。アルちゃんが楽しんでる姿に飢えてるね」
「―――……」
「ここに来てからだけじゃなくて、便利屋を始めてから……いや、それよりも更に前からかな。少なくとも私はアルちゃんが楽しそうに何かをしてるとこ、見たこと無いよ」
「……そうかしら? 昨日の大暴れの時はそれなりに笑っていた筈だけど」
「たしかにモチベと入れ込み具合
「……」
「アルちゃんさ、便利屋はやりたくて始めるって言ってたよね」
「ええ、そう言ったわね」
「でも私はさ、やりたくて始めたにしてはなんかずっと楽しくなさそうだなーとは思ってるんだよね。その割にはずるずる続けてるって感じでもないしさ? まあ付き合っちゃう私も私なんだけどね」
「―――私も同感だよ、アル」
「アル様……」
「カヨコ、ハルカ……あなた達も起きたのね」
「ムツキが起きる時の振動でね」
「私は、その……アル様が起きられた時から実は……」
「くふふっ♪ これは正に決戦前夜って感じだねぇ。今の内に思ってること言っちゃう? 私は言ったから、次はカヨコちゃんで!」
「……私はアルのこと、正直、よくわからない子だと思ってるよ。能力目当ての媚びかと疑った事もあるけど割と素の時あるし、罪悪感ある癖に続けるし、何のためにやってるのかなって……まあ、楽しいからいいんだけど」
「おお、カヨコちゃん真っ直ぐだねぇ……じゃ、次はハルカちゃん!」
「私は、疑問を持てる立場でもないので……
「あはっ! ハルカちゃん、気が早いって! 戦いは寝て起きてからだよ!」
「うぁっ、そ、そうでした! す、すみませんすみません!」
「…………」
「ま、何にせよ、そういう事だから。なにか不安があるんだろうけど今は寝ようよ。夜更かししても思考がドツボに嵌るだけだよ?」
「……そうね」
「なら水を飲んで、さっさと寝よう。寝不足なんて恰好つかないし寝坊なんてしたら洒落にならない」
「お、お水、全員分お持ちしました……」
「お、ありがとハルカちゃん! じゃあ明日の決戦勝利を願って、乾杯!」
「乾杯」
「か、乾杯」
「……乾杯」
「もー、アルちゃんってば珍しくスイッチが完全に落ちちゃってるじゃん! ほら、『下手の考え休むに似たり』! さっさと寝るよ!」
「アルの場合、正しくは思考の袋小路な気がするけどね……」*1
「アル様……行きましょう」
「……ええ」
(何にも代え難い
「―――寝て起きたら頭もスッキリしたわ! さぁムツキ、カヨコ、ハルカ! 決戦に行くわよ!!!」
「「「了解!!!」」」
―――それから、場面が変わる。
おそらくホシノを助けに向かうために移動したことでシッテムの箱が記録できる範囲から出たから場面が飛んだんだろう。
再び浮かんだホログラムは、風紀委員会や紙袋を外したファウストらしき少女、"
『おかえり、ホシノ先輩』
『―――ただいま、みんな』
程なく目を覚ましたホシノが対策委員会のみんなと抱き合いながら無事を喜び合う。心配を掛けたことを叱られたり、一人で抱え込んでいたことを気付けなかったことの謝罪だったりと、揉みくちゃにされながら嬉しそうにしていた。
それを少し離れたところから見ていた"
それに気付いたアヤネちゃんが『あ!』と喜色いっぱいの声を上げた。
『アルさん! 今回は本当にありがとうございました! お陰でホシノ先輩を無事に助けられました……! ほらホシノ先輩からも! 先輩が一番お礼しなきゃなんですよ!』
『うへ、分かってるよぉ……』
ずい、とアヤネちゃんに押し出されたホシノは困ったように笑っていた。バツが悪そうにしながら、"
『その……今回は、ありがとうね。アビドスを守るためにも戦ってくれたって聞いたよ』
『……まあ、色々言いたい事はあるけど。もう全部野暮だからいいわ。後輩達にしこたま言われてなさい』
『うへ……』
呆れたように言われた彼女はぐでっと肩を落とした。それが少し幸せそうなのは、自分を犠牲にしてでも守りたい子達からの親愛と思えているからかもしれない。
そんな彼女に"
『その代わりと言っては何だけど、聞きたい事があるわ。私、未だにあなたから自己紹介してもらってないのよね』
『うへ? そうだっけ?』
『あなたとこうして対面するの、初日の襲撃以来よ』
『ん? …………あー……』
"
しかしホシノにとっては多分覆面水着団の時のことや風紀委員会戦後の電話のやり取り、そしてメッセージを送った事もあり既に名乗ったようなものだったのだろう。そういえば、という風にホシノは声を上げた。
『改めて。あなたの
そんな彼女に、"
名前だけでなく所属も敢えて言及するそれは、一人で抱え込み、退学届を出して所属から抜けようとした相手にはよく効くだろう問いかけ。シロコ達には『ただいま』で済ませたそれを、対外的にもさせようとする言外の詰問。
その意図を察したらしいホシノは一瞬苦い笑みになって、それからふにゃりと幸せそうに綻ばせる。
『―――
『ええ……よろしく、
挨拶をし返した"
それを汲んだホシノは一瞬呆気に取られたように目を瞠るも、遅れて右手を差し出し、握手を交わした。
『うへへ。奇妙な縁があったものだねぇ。初めて会った時は、仲良く出来ないだろうなって思ってたよ』
『あら、そう? 仲間を守ろうとする姿勢を見て、私は仲良く出来そうと思ってたわよ』
『……うへぇ』
握手を解きながら、ホシノがまた声を上げた。
『……ああ、そうだ。これだけは私から言わないとね』
なにかを思い出したようにそう言った"
『うへ!? な、なにさ!?』
『もう二度とあんなメッセージを寄越さないでよ』
それは黒服からの依頼で先生に会いに行った時に言及していた事だった。
詳細は不明だけど『あの子達をお願い』と末尾に添えられていたメッセージに、"
『……うん』
それもまた自分に非がある事だからか、ホシノは神妙な様子で頷いた。
それを見て反省していると受け取ったか、"彼女"は厳しい目をすぐ柔らかいものにした。
『でも、一人で全てをやる必要は無いわ。後輩達と協力して、それでも手が足りないならシャーレなり、ウチなりに連絡しなさい。報酬次第で手伝うわよ』
『うへぇ。お金取るの?』
『当然でしょう。シャーレと違ってウチは慈善事業じゃないのよ』
『いや、あんたって今回なんの報酬も無しに助けに来てくれたわよね……?』
『ふふ。悪党もあぶく銭で気まぐれに良い事をするだけよ』
セリカの呆れを含んだ問いに、"彼女"は薄く微笑みながらそう返した。
そうして話は終わったと言わんばかりに踵を返す。ばさりと、コートがはためいた。
『それに、これは私の矜持を賭した戦いでもあった。放っておいたら人が死に、誰かが泣くと分かっていて無視するなんて真似―――ハードボイルドじゃあないからね』
静かに、けれど強い声音だった。
『知識』に沿うためだけではないなにか。
何となくだけど……後悔を、感じる。
それが何に対する後悔なのかは分からなかった。
そんな答えの出ない疑問を抱いていると、"彼女"は携帯端末を取り出し、誰かに電話を掛け始めた。
『カヨコ、無事に終わったわ』
『[そっか……この後、どうすればいい?]』
『全隊へ、任務完了と帰投の伝達を』
『[私達はどうする?]』
『トラックでこっちまで来てちょうだい。先生達の帰りの足にもなるから』
『[了解……お疲れ、アル]』
『……ええ』
傭兵達の指揮をしていたのだろうあっちのカヨコちゃんと静かに会話して、"
少しの間、"彼女"は携帯端末を見ていたが、接近してくる足音に気付いてそれを仕舞い振り返る。
"彼女"と対面したのはゲヘナの風紀委員長のヒナだった。
ヒナを見て、"
『何かしら? まさか今ここで私を捕まえるなんて、そんな野暮なことはしないでしょうね?』
『いいえ。今日はしないわ』
挑発混じりの問いに、ヒナが表情を変えないまま首を横に振りつつ否定を返す。それに"彼女"は怪訝な表情をした。
『なら、何の用?』
『陸八魔アル。イオリから聞いたけど、あなたは生まれつきアウトローを理想としていたそうね』
『ええ、そうよ』
『更にハードボイルドというものを目指している』
『そうね』
『……今のこの結果を、あなたは望んでいたの?』
『……? 質問の意図が分かりかねるけれど……まあ、望んではいたわね』
ヒナの問いに、更に怪訝な色を深めながら"
ただ、私にはその問いの意図が分かった。カイザーという悪を倒しホシノを助けるという行いを望んで色々やったのか、という確認。わざわざ傭兵達を雇うという大金を掛けてまで人命を助けたことの真意を図りに来ていた。
"彼女"からすれば、『知識』の面から当然のことだった。
けど周囲から見れば乖離したものだったんだろう。だからヒナは訊きに来ていた。
『あなた……いったいどこまで分かった上で、アビドスに来たの?』
善を尊ぶならアビドス襲撃の依頼を受けたのは何故なのか。
私達はアルちゃんの資金繰りや見栄、カイザーという大口案件だったこともあって引き受けた。
でも"彼女"にそんな不安定感は多分無かった。なぜ受けたのか、という疑問に納得のいく答えは出ず、ホシノ救出に際した行動で余計に疑問は深まっただろう。
更に言えば風紀委員会も当初把握していなかったシャーレの先生の滞在もある。ホシノ救出の鍵は「顧問」という立場だった。アコをしてどう動くか分からない不確定要素と判断したそれを、"彼女"がどう判断したのか―――それは深い謎に包まれている部分だ。
分かる筈も無い。だってそれらは『知識』による前提なのだから。
ヒナのその問いでそこに疑問を持たれていると気付いたらしい"
『……そうね。悪人が善人から搾取している事は、知っていたわ。粗方調べ上げたから』
『その上で、襲ったの?』
『ええ』
『なぜ?』
『それが『私』だから。それ以上でも、それ以下でもない』
"
『知識』について知っているから分かる。
でも、知らない人には伝わらず、理解もされない答え方だ。
『…………どういうこと?』
『理解する必要は無いわ』
そして"彼女"自身、理解を求めてはいなかった。『知識』について知られないようにという心境があってのそれは、明確な拒絶だった。
ヒナはその言外の拒絶をハッキリと感じ取ったのか、眉根を寄せながらも口を閉じた。
『……なら、もう訊かないわ』
少しして、ふぅ、と息を吐いてから彼女は矛を収めるようにそう言った。その目はまだ諦めてなさそうだったけれど、無理に聞き出そうとする気配は無い。
『最後に一つだけ。偶にはゲヘナに帰って来なさい。ゲヘナだけ依頼を受け付けてないのはうちが指名手配にしてるからって苦情を出してる人もいるくらい、あなたに仕事を頼みたいという市民が結構な数いるのよ』
そして気持ちを切り替えるように、話題もガラリと変わった。
その雰囲気の変化に"
『嬉しい限りだけど、戻ったらあんた達が出張ってくるじゃない』
『風紀委員会も把握している内容よ、それをこなしにゲヘナに来ても捕まえはしないわ。大半が去年あなたが請け負って私達も看過していたものでもあるから……まあ請け負う時はうちにも一報欲しいけれど』
『……ちなみに一報入れなかった場合は?』
『私が出張るわよ。あなたを倒せるの、現状私だけみたいだから』
『実質脅しじゃない……後日、調整しましょうか。仕事を頼みたいと言ってる人達のリストがあれば貰えるかしら』
『いいわよ。後でイオリに送らせるわ』
『天雨アコじゃなくイオリに? どうしてその人選なのよ』
『あなた達、仲が良いんじゃないの?』
『別に良くはないわよ……?』
『そうなのね……』
おかしいな、と首を傾げるヒナ。それに困惑しながらも苦笑を浮かべた"彼女"は、ちょうどやってきた二台のトラックを見て手を振った。運転席には私とカヨコちゃんがそれぞれ座っていた。
それから片方に対策委員会と先生、ファウスト、もう片方に風紀委員会と捕まえた理事、そして"
そして、そこでホログラムは終わった。
「―――以上が、アビドスに於けるベルさんとの記録になります」
ナラム・シンの玉座に構築された事務所の奥の闇が、再び壁が構築されて見えていく中で、ベレナちゃんが静かに終わりを告げた。
「この後は理事はヴァルキューレに引き渡されましたが何者かの手引きで逃亡。ベルさん達便利屋や風紀委員会はシャーレの当番として来るようになり、また便利屋はゲヘナ内の仕事も受けるようになりました」
「なるほどねー……ちなみに指名手配扱いは無くなったの?」
「いえ、無許可で起業してそのまま継続していたので指名手配はそのままでしたね。不法な依頼も変わらず受けてはいましたから」
「あ、そこは変わらずなんだ……律儀というか、なんというか……」
アルちゃん同様にベルちゃんも正直アウトローにはあんまり向いてないと思うけど、それでも『知識』から外れることへの恐怖心だけじゃなく義務感でも続けていただろう。
とはいえ―――その『知識』も、聞いてはいたけど思っていたより穴空きらしいけど。
1年の頃のアルちゃんは猫探しが精々で、風紀委員会が認知するレベルの仕事はやってなかった。そこの行動の差でイオリやヒナとの関係性に変化が生じている。
本気で『知識』に沿おうとするならそんな変化は起きていない筈だ。
「とりあえず、あれだね。ベルちゃんって素と演技が凄く分かりやすいね」
「そうね。私達がベルの秘密である『知識』を知っているからでもあるけど、あからさまにテンションが違うことは分かるわ」
「ベル様って、基本的に静かな方ですからね……」
私の一先ずの感想に、アルちゃんとハルカちゃんも肯定するようにそれぞれ言った。
ハルカちゃんのそれは、遠回しにアルちゃんが凄く騒がしい人だと言っているも同然だけど、でも言わんとすることは分かる。
「昔のベルちゃん、楽しくなさそうだったね」
笑ってはいた。それ自体は多かった。
でも、じゃあそれは楽しいから浮かべていたのか?
―――私は違うと思った。
笑いには、恐怖を紛らわせる力がある。人を勇気づける力もある。自分を安心させるための力も。そして、時には自身を嘲る意味さえも。
楽しいから笑うだけじゃない。
そして今回の再現で一通り見てきて、"彼女"が楽しくて笑ってる姿は一度も見なかった。
『社長モード』の時は、うまく事を運べている笑みだった。
そうでない時の笑みは、恐怖を紛らわせるか、人を勇気づけるためのものだった。
先生と話している時は、どこか自嘲する雰囲気があった。
「……一人で抱えて、怖かったんだろうね」
ベレナをぎゅうっと抱きしめながら、ぽつりと零す。
誰にも話さずにいた。『知識』から外れてしまう恐怖を常に一人で抱え続けた。未来のために一人で考え、抗い続けた。
誰かに相談できていたら……そう思うけれど、それは詮無き事だ。彼女の世界が終わったのは彼女が原因ではなかったほどにそれで上手く事を運べてしまっていた。
「それでも、ずっと進み続けたのよ。先生が亡くなり、大乱に見舞われても尚、嚮導者が生まれるその瞬間まで抗い続けていた。彼女は……『知識』に依存しない、彼女だけの理由で生きていたわ」
「ベル様だけの理由、ですか……」
「ええ。先生の死を契機に滅びへ向かうと知っていて、それでも抗い続けたのは……」
そこまで言ったアルちゃんは、徐に視線を巡らせた。ハルカちゃんを見て、それから私を見た後、少しの沈思を挟んでふっと笑みを零す。
「アルちゃん?」
「アル様……?」
「……いえ。言葉にするのは、野暮というものね」
「えー! そこで内緒にされると気になるんだけど!」
「こればかりは話せないわ! まあそれに、今のベルが楽しく笑えてるのは確かよ!」
誤魔化すようにそう言ったアルちゃんの言葉に、私の脳裏に記憶が蘇る。
窓辺で遠くを見ていた、『大乱』の話をしてくれた日の夜の姿。
同時に、副社長として財務管理や家事に忙しくしている姿や、私の悪戯に呆れたようにしながらも笑ってくれる姿も。
「―――……そうだね」
ベルちゃんの心の傷は癒える事は無い。奪われたから奪い返す復讐心の根幹が無くなる事はあり得ない。過去は消えないのだから。
でも―――未来は、紡いでいける。
アルちゃんがその選択肢を作ったから。全てを終えたら自決する気で放浪していた彼女が、この世界で休み、留まるという道を。
「責任重大だよ、アルちゃん?」
「あら、今更よ? それにやる事は今までと変わらないわ! ベルの事だって当然背負っていくんだから!」
「流石です、アル様……!」
末路を知っているからこそ哀しい過去もなんのその。そう言わんばかりに胸を張って見栄じゃない宣言をする幼馴染に、私はにんまりと笑みを向ける。
―――こういうところは似ているかもしれない。
憧れと恐怖。とても似てないそれらを根底にする二人は、それでも未来を目指して進んでいた。そしてその根底で人を想えるのも同じ。
そういうところが大好きなのだ、私は。
「くふふ♪ そうでなくっちゃね♪」
そうして私は、ベルちゃんの大好きなところをいっぱい知ることが出来たのだった。
・『陸八魔アル』
『本物』ならば、知れば未知だとしても進んだだろう*2
すべては未来のため―――それを建前にした『己の宝物』を喪わないための決断と選択の責任に常に悩み苛まれ続けながら、笑みと見栄で誤魔化して進み続けた
そうして全てを喪う最後の瞬間まで宝物を守ろうと足掻き続けた
・(故)ホシノ
『アル』のことを信用した対策委員会委員長
シロコが矢鱈懐いている事や情報をしっかり渡してくれた事を理由に信用してメッセージを送った
最後の自己紹介を経て友誼を結ぶ
後にアビドスの問題に直面した時、先生は即死し、『アル』は意識不明の重体に陥って暴走した末に命を落とす。最期まで『アル』が黒服とやり取りしていた事は知らなかった
・(故)ヒナ
アウトローを見つめる風紀委員長
『アル』の行動原理に謎が多過ぎる事から質問を投げたが、言外の強い拒絶が返って来たので触れるのをやめ、一先ず『線』を越えないなら好きにさせようと見守る事にした
『あぶく銭』が何のことかは知らないが、それを人助けに費やせるならきっと大丈夫だろうと考えている
これを機にゲヘナでの仕事でやり取りを続けていくが、後にアビドスの一件で命を落とす
・陸八魔アル
偉大なアウトローの社長
アルにとって、ベルが『留まる』選択肢を作ったことは特別なことではない。それ故『アル』やベルの自身への入れ込み具合を正確には把握できていない*3
だからこそ、打算の無い言葉が人には響く
・浅黄ムツキ
アルちゃん大好き幼馴染
痛々しい演技、末路を知るからこその哀しさから、それらの言動に恐怖が潜んでいることを鋭敏に察知した『アル』が歩んだ旅路は、決して楽しいものとは言えない
しかし、その旅路は好ましいものだった
彼方の"自分"はきっと、そういうところが好きだったのだろうと察している
・伊草ハルカ
アル様至上の平社員
ハルカにとって自身を救った方の道に疑問は挟むものではない。ただあるがままを見て、あるがままに受け入れ、そして敬愛するのみである
彼方の"自分"もきっとそうだったと確信している
以上でアビドス過去回想終了です
アビドス回想編はシロコとの絡み、ベル世界の便利屋の戦闘だけでなく、ベル世界の三人に第一話冒頭のあのセリフを言わせたくて始めたまであります
書きたかったことを概ね書けて満足です(ムフー)
まあ当初は4、5話程度で済ませる筈が倍掛かってるのですけどね
それから『アル』の
視点キャラでの地の文や最後に本編アルが言っているようにテンションで分かるようにはしているつもりです。「!」があるテンションかムツキが「アルちゃん社長」と言っている時は基本演技で、付いてないローテンションか「アルちゃん」と呼ばれてる時が大体素ですね(発破の時は素)
対策委員会に発破を掛けるところは今回一番熱が入った部分でもあります。『アル』の素の部分なので。前々から度々書いていましたが『出力が同じなだけで根本は違う』の顕著な部分です。でもアウトローです。頭が混乱しますね
そして今話にも書いた第一話のムツキ達のセリフを見てからもう一度『陸八魔アル』の~シリーズのセリフや表情を見ると心がキュッ()としますね……
笑ってるけど実は一切楽しんではないので……
なお便利屋組といる時は素でも普通に内心は吐き出さなかったし単独行動が多過ぎて三人と若干距離感があります。でも信頼感は抜群です。その辺も伝わっていれば嬉しいです
また転生者、原作知識持ちが避けて通れない『ユメ先輩』のことも最後に触れました
下手に触れると変な責任感どうこうになっちゃうのでこれまで一切書かなかったのですが、アビドス編となるとどうしても触れざるを得ないので軽くだけ
とはいえ話の時点で既に選んだ後です。本編アルちゃんに救われる前のメンタルなのでダウナーとネガティブ極まってますが、天秤を傾けて選択した後なので行動自体は止まらずそのまま進み続けていました。ホシノの守りは対ビナー戦で必須ですからね
それくらい両親やムツキのことが大好きな現れでもあります
最後は地下生活者関連のことで関わろうとしていましたが、諸共爆破されて気絶してる間に終わったので無意味に終わりました。無情ですね
お気に入りやしおり、ここすき、感想、評価などなど、いつも感謝してます。ありがとうございます
お陰でモチベが湧いて連日投稿が出来ました
ん、書いちゃった
しかし滅茶苦茶長くなったなぁ……(回想編だけで11話&平均約8~9千文字て)
楽しんでいただけていたら私としても嬉しいです
最後に今後についてですが
シロコ*テラー、ミレニアム、トリニティ、第2部などなど妄想はしていますが充電のためにまた休みます
流石にね、疲れちゃいました……楽しかったけども!
再開した時はまた本作をよろしくお願いいたします
またいずれお会いしましょう