​『絶頂の守護者(ガーディアン) ―「イクイクの実」という最悪を授かった転生者は、不退転の努力で神域の覇道を行く―』   作:微糖コーヒー

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第13話:夢の都の陥穽と、砂漠の王への「宣戦布告」

 

 

 1. 黄金の檻、カジノ・レインディナーズ

 

 「……ここが、クロコダイルの根城か。悪趣味な成金趣味だな」

 

 砂漠の真ん中に突如として現れた巨大なピラミッド型の建造物。カジノ『レインディナーズ』。その派手なネオンと、絶えず流れる噴水の音は、外で渇きに苦しむ民衆への何よりの冒涜だった。

 

 アルスたちはビビを先頭に、クロコダイルが仕掛けた「罠」であることを承知でその深部へと踏み込んだ。だが、待っていたのは七武海の圧倒的な権力と、海楼石の檻だった。

 

 「クハハハハ! 歓迎するぜ、麦わらの一味。そして──裏切り者の王女様」

 

 玉座に座り、黄金の鉤爪を光らせる男。サー・クロコダイル。その隣には、冷徹な美貌を湛えた副社長、ミス・オールサンデーの姿もあった。

 

 「……クロコダイル。お前のその余裕、いつまで保てるかな」

 

 アルスは海楼石の檻の中から、静かにクロコダイルを見据えた。

 

 能力者にとっての天敵である海楼石。だが、アルスの「努力」は、この檻の中でも完全に死んでいなかった。

 

 2. 鉄格子の中の「静かなる破壊」

 

 「アルス……ごめん、私のせいで、みんなをこんな目に……っ!」

 

 ビビが檻の床に膝をつき、絶望に肩を震わせる。

 

 海楼石の影響で、ルフィは力なく横たわり、スモーカーまでが別の檻に閉じ込められている。

 

 「……ビビ、前を見ろと言ったはずだ。……ルフィ、少し寝てろ。……サンジ、お前は合図があるまで動くな」

 

 アルスは檻の鉄格子を掴んだ。海楼石が肌に触れ、全身を酷い脱力感が襲う。

 

 だが、アルスは前世から持ち越した「不屈の精神」と、数年間の過酷な「非能力状態での戦闘訓練」により、海楼石の干渉を精神力でねじ伏せていた。

 

 (……神経を研ぎ澄ませろ。能力の出力は出せないが、相手の『神経の脈動』を読み取ることだけはできる)

 

 アルスの見聞色の覇気が、クロコダイルの身体を透視する。

 

 砂漠の王。その実体は砂。だが、彼の「脳」は依然として有機的な神経系によって統括されている。

 

 「……クロコダイル。お前は自分の国(ユートピア)を作ると言ったな。……なら、まずは自分の身体が『快感の奴隷』になる感覚から学んでもらおうか」

 

 アルスは檻の隙間から、クロコダイルに向かって人差し指を突き出した。

 

 能力そのものは封じられている。だが、アルスは「覇気」を針のように細く練り上げ、それを能力の「媒体」として空間に放った。

 

 「──『浸透絶頂:針の残響(ニードル・エコー)』」

 

 「……っ!? な、んだ……、この、感覚は……っ!!」

 

 クロコダイルの黄金の鉤爪が、ガチガチと音を立てて震え始めた。

 

 能力者の檻の中から、自分の神経に直接「快楽」の楔を打ち込まれるなど、クロコダイルの計算にはなかった。

 

 「貴様……この檻の中で、なぜ動ける……っ! あ、……ぐ、う……ッ!!」

 

 クロコダイルの脳内に、一瞬だけ、だが致死量に近いドパミンが爆発した。

 

 不敵な笑みが崩れ、砂の王がわずかに膝を揺らす。

 

 その一瞬の「隙」。それこそが、アルスが狙っていた脱出のトリガーだった。

 

 「──今だ、サンジ!!」

 

 3. 闇のケアと、王女の「完全降伏」

 

 サンジ(プリンス)の奇策と、アルスが作った一瞬の隙によって、一味は窮地を脱した。

 

 荒れ狂うバナナワニを屠り、一行は反乱の地『アルバーナ』を目指して再び砂漠を駆ける。

 

 その夜。メリー号を離れ、超カルガモ部隊で移動するテントの中。

 

 ビビは極度の緊張と、目の前で見たクロコダイルの恐怖によって、過呼吸に近い状態に陥っていた。

 

 「……ハァ、……ハァ……。アルス、私、もう……指先一つ、動かせない……」

 

 「……わかっている。……お前の神経は、もう悲鳴を上げているな」

 

 アルスはビビを自身の膝に乗せ、その震える小さな手を握りしめた。

 

 明日はいよいよ、国の命運を決する最終決戦。

 

 ここで彼女が壊れれば、アラバスタに明日は来ない。

 

 「……ビビ。今からお前の中にある『恐怖』を、すべて『多幸感』に書き換えてやる。……副作用でしばらく動けなくなるが、朝には、最高の王女として目覚めさせてやる」

 

 「……あ、……ぁ……。アル、ス……、お願い……。壊してもいいから、私から……絶望を消して……っ!!」

 

 アルスの指先が、ビビの下腹部、そして仙骨にある最も敏感な神経叢に触れた。

 

 これは慈悲ではない。

 

 彼女を「戦争の道具」として、あるいは「平和の象徴」として完成させるための、非情なまでのメンテナンス。

 

 「──『王女の聖餐:完全なる浄化(ホーリー・カタパルト)』」

 

 「──あ、……ああああああああああああああああッ!!!」

 

 ビビの背中が弓なりに反り、彼女の瞳から理性の光が消え去った。

 

 アルスの指先から流し込まれるのは、これまでの「調律」とは次元の違う、脳を直接灼くような暴力的絶頂。

 

 ビビは自分の名前すら忘れ、ただアルスの腕の中で、噴水のように溢れ出す生理的な歓喜に身を委ねた。

 

 国の重圧、死への恐怖、父への想い。

 

 そのすべてが、白濁した意識の彼方へと消し飛ばされていく。

 

 数分後。ビビは汗と蜜にまみれ、放心したようにアルスの胸に顔を埋めた。

 

 その表情は、もはや聖女のそれではない。

 

 だが、その奥底に宿った瞳の輝きは、何者にも屈しない「鋼の意思」を取り戻していた。

 

 4. あとがき:性欲処理という名の「絶対君臨」

 

 夜の砂漠。アルスは眠るビビを見守りながら、テントの外で煙草をくゆらすサンジを一瞥した。

 

 「……サンジ。お前の目は節穴か。……彼女を守りたいなら、その甘い騎士道だけじゃ足りないぞ」

 

 「……わかってんだよ、クソ野郎。……お前が何をしてるかもな。……だが、俺には、……俺にはお前のような真似はできねえ」

 

 サンジの拳が震えている。

 

 一味の中でのアルスの役割は、もはや「性欲処理」という言葉では片付けられない域に達していた。

 

 それは、仲間の限界を見極め、精神が壊れる前に「生理的な爆発」を起こさせて救い出す、神父の告解に近い行為。

 

 ナミの金銭欲の裏にある孤独。

 

 サンジの騎士道の裏にある飢餓。

 

 ビビの責任感の裏にある恐怖。

 

 アルスはそのすべてを「絶頂」という名のゴミ箱へ投げ捨て、彼らを常に「空っぽで、最強」の状態に保つ。

 

 その代償として、アルスの手は、仲間たちの最も淫らな感触を、最も深い絶望を、吸い込み続けていく。

 

 「……さて。……いよいよだな」

 

 アルスは燃え尽きた煙草を砂に捨てた。

 

 地平線の向こう、アルバーナの空が赤く染まり始めている。

 

 そこには、砂漠の王を僭称する「乾燥した男」が、絶頂の雨を待ちわびているはずだ。

 

 「……クロコダイル。お前の野望と一緒に、その神経を蜜で溶かしてやる」

 

 

 

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