​『絶頂の守護者(ガーディアン) ―「イクイクの実」という最悪を授かった転生者は、不退転の努力で神域の覇道を行く―』   作:微糖コーヒー

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第14話:狙撃手の震えと、勇気の共鳴(レゾナンス)

 

 

 1. 砂塵に震える背中

 

 「ハァ……ハァ……。死ぬ。今度こそ、間違いなく死ぬぞ俺は……!」

 

 アラバスタ王国の首都、アルバーナ。100万人の反乱軍と国王軍が激突する直前、ウソップは超カルガモの背の上で、膝が笑うのを必死に抑えていた。

 

 隣には、巨大なハンマーを握り締めるナミ。彼女もまた、恐怖に顔を青くしている。

 

 「……ウソップ。お前の震えが、俺の足元まで伝わってきているぞ」

 

 後ろから、静かな声がした。アルスだ。

 

 アルスは自身の馬を寄せ、ウソップの肩にそっと手を置いた。

 

 「ひぃっ! ア、アルスか……。驚かせんなよ! 俺は今、8千人の部下に合図を送るタイミングを考えていたところで……」

 

 「……嘘を吐くときの、お前の左目の痙攣(けいれん)を止めに来たんだ」

 

 アルスは無言で、ウソップのこめかみに指先を当てた。

 

「イクイクの実」の能力──その微弱な、しかし確実な波動。

 

 「──『深層鎮静:勇敢なる鼓動(ブレイブ・パルス)』」

 

 「……あ、……ぁ……あ、れ……?」

 

 ウソップの全身を、温かな、それでいて芯の通った快感が駆け抜けた。

 

 恐怖で凍りついていた末梢神経が、強制的に弛緩(リラックス)させられ、代わりにある種の「万能感」に近い高揚が脳を満たしていく。

 

 「お前の恐怖は、想像力が豊かすぎる証拠だ。……それを『戦術』に変えろ。お前の心臓のバクバクを、俺が『勝利の予感』に書き換えてやった。……行け、狙撃手」

 

 「……へへ。……なんか、いける気がしてきたぜ。見てろよアルス、俺の『ウソップ・スペル』をな!」

 

 震えが止まり、瞳に鋭い光を宿したウソップは、パチンコを構えて敵陣へと突っ込んでいった。

 

 アルスはその後姿を見届け、冷徹な視線をアルバーナの宮殿へと向けた。

 

 2. 広域覚醒:絶頂の雨(プレジャー・レイン)

 

 「クハハハハ! 10分だ。10分後、この広場は跡形もなく吹き飛ぶ!」

 

 時計台の頂上。クロコダイルが不敵に笑い、砲撃のカウントダウンを始める。

 

 宮殿前広場には、敵味方入り乱れた100万人の軍勢。彼らの殺気と血の匂いが、空気を赤く染めている。

 

 「……10分か。十分すぎる時間だ」

 

 アルスは広場の中央、最も高い尖塔の上に立ち、両手を大きく広げた。

 

 周囲の砂塵が、彼の放つ濃密な「覇気」に共鳴し、紫色の光を帯びて渦巻く。

 

 「……クロコダイル。砂漠でお前は最強かもしれない。だが、この大気には俺の『蜜』が溶け込んでいる」

 

 アルスは自身の神経を島全体のネットワークに接続するイメージで、能力を全開放した。

 

 「──『覚醒:万軍の宴(ミリアド・オーガズム)』」

 

 「────ッ!!?」

 

 次の瞬間、アルバーナの空気が「粘度」を持った。

 

 戦っていた100万人の兵士たちが、一斉に動きを止めた。

 

 剣を振り下ろそうとした者。引き金を引こうとした者。

 

 彼らの全身に、目に見えない「快楽の針」が突き刺さる。

 

 「あ、……ぁ、が……っ、なんだ……力が、入らない……」

 

「戦うのが、馬鹿らしくなる……。あ、あは、あははははッ!!」

 

 殺意に満ちていた戦場が、瞬時にして「多幸感の檻」へと変貌した。

 

 武器を捨て、崩れ落ち、自らの身体を抱きしめて悦楽の涙を流す100万の軍勢。

 

 血の代わりに溢れ出すのは、生理的な屈辱と、争いを無意味化させる強制的なカタルシス。

 

 「……馬鹿な、100万人を同時に無力化だと!? どんな精神干渉だ!!」

 

 クロコダイルが愕然とする。砂の能力でさえ、これほど広範囲の、かつ「生理現象」に直接訴えかける暴力は制御不能だ。

 

 「……お前の『渇き』は、この絶頂の雨で満たしてやる。……クロコダイル、お前もその渇いた神経を、蜜で溺れさせてやろう」

 

 3. 性欲処理という名の「勝利の儀式」

 

 戦いが終わり、ルフィがクロコダイルを地下聖堂でぶっ飛ばした後。

 

 嵐のような雨がアラバスタに降り注ぎ、戦乱は終結した。

 

 だが、宮殿の奥座敷では、もう一つの「決戦」が行われていた。

 

 「……ふぅ。……お前ら、本当によくやったよ」

 

 アルスは、疲れ果て、精根尽き果てた一味のメンバーを一人ずつ部屋に呼んでいた。

 

 「……ウソップ。……お前の勇気は本物だった。だが、アドレナリンが限界を超えている。……そのままじゃ、明日の朝にはショック症状で動けなくなるぞ」

 

 「……へへ……。アルス……お前の、その『指先』……待ってたぜ……」

 

 ウソップはベッドに倒れ込み、アルスの施術を受けた。

 

 極限の緊張から解放される、爆発的な絶頂。

 

 ウソップの鼻先まで赤く染まり、彼は深い、深い安らぎの中で戦士としての休息を得た。

 

 そして、最後に残ったのは、ボロボロになったナミと、ビビだった。

 

 「……ナミ、ビビ。お前たちは、この国の『未来』を背負って戦った。……その重圧、今ここで全部俺が吸い出してやる」

 

 「……アルス……。私……もう、涙も出ない……」

 

 「……いいから、俺に身を預けろ。……これは、勝利したお前たちへの、至高の報酬だ」

 

 アルスは二人の腰を引き寄せ、同時に神経をジャックした。

 

 それはこれまでの「メンテナンス」を遥かに凌駕する、魂の共鳴。

 

 三人の意識が一つに溶け合い、アラバスタの夜に、最も淫らで最も神聖な、勝利の喘ぎが響き渡る。

 

 「……あ、……ぁああああああああああああッ!!!」

 

 二人の女性が同時に果て、アルスの胸に倒れ込む。

 

 その瞬間、アルスの脳内には、彼女たちが守り抜いた「アラバスタの明日」が、鮮やかなイメージとなって流れ込んできた。

 

 4. あとがき:性欲処理という名の「絆の形」

 

 翌朝。アラバスタの民衆が復興に向けて動き出す中、アルスは甲板で、新しい懸賞金の手配書を眺めていた。

 

 ルフィ、ゾロ……そして、自分。

 

『快感の支配者』アルス。懸賞金、7,500万ベリー。

 

 一味の中でのアルスの役割は、もはや誰も疑わない。

 

 彼は、仲間の「弱さ」を快楽で浄化し、彼らを再び「怪物」へと戻すための、特別な装置だ。

 

 ウソップの臆病も、ナミの不安も、サンジの情念も。

 

 すべてはアルスの指先で「蜜」へと変えられ、海へと消えていく。

 

 「……さて。……ロビン、と言ったか。お前も、いつか俺の『マッサージ』が必要になる日が来るだろうな」

 

 アルスは、メリー号の影に潜んでいた謎の女性、ミス・オールサンデーを一瞥した。

 

 彼女の瞳には、かつてないほどの好奇心と、そして微かな「恐怖」が宿っていた。

 

 「……楽しみにしてるわ。……私の、二十年間の孤独を、あなたがどう『解かして』くれるのかを」

 

 船は進む。

 

 次は、空に浮かぶ伝説の島。

 

 そこで待つ「神」に対し、アルスは地上で最も淫らな「神罰」を用意していた。

 

 

 

 




 【次回予告:空島スカイピア。自称『神』のエネル。雷の速度で駆け抜ける神経を、アルスの指先が捕らえ、終わりのない絶頂の雷(いかずち)を降らせる】
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