​『絶頂の守護者(ガーディアン) ―「イクイクの実」という最悪を授かった転生者は、不退転の努力で神域の覇道を行く―』   作:微糖コーヒー

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第15話:黄金の鐘と、神を穿つ「雷鳴絶頂」

 

 1. 雲の上の箱庭

 

 「……信じられねェ。本当に、空に海があるなんてな」

 

 『偉大なる航路(グランドライン)』の遥か上空、高度1万メートル。

 

 ゴーイング・メリー号は、白々とした雲の海「白々海(はくはくかい)」を滑るように進んでいた。

 

 酸素の薄さと独特の気圧。一味の面々は、その環境の変化に肺を喘がせていたが、アルスだけは静かに呼吸を整え、空島独特の「マントラ」──すなわち「見聞色の覇気」の密度を感じ取っていた。

 

 「おいウソップ、鼻を鳴らすな。……ナミ、気圧の変化で自律神経が乱れてるぞ。こっちへ来い」

 

 「……助かるわ、アルス。頭が割れそうに痛いの……」

 

 アルスはナミのこめかみに指を添え、微細な振動を送り込む。

 

「──『気圧調律:白雲の安らぎ』」

 

 一瞬にしてナミの眉間の皺が解け、彼女は深く息を吐いた。

 

 「……ししし! 面白そうな島が見えてきたぞ! 冒険だ!」

 

 ルフィの指差す先には、巨大な豆の木と、鬱蒼と茂る森「神の島(アッパーヤード)」がそびえ立っていた。そこは、400年前に地上から突き上げられた伝説の黄金郷。そして、自らを『神』と称する全能の支配者、エネルの領地だった。

 

 2. 神の試練と、神経の「導体」

 

 アッパーヤード。森の奥から響くのは、罪人(入国者)を下す無慈悲な雷の音。

 

 エネルの能力『ゴロゴロの実』。それは、雷そのものと化し、島全体の「声」を聴き、反逆者を光の速度で裁く絶対的な力。

 

 「……神だと? 笑わせるな」

 

 アルスは、ルフィたちが試練に挑む中、あえて一人でエネルの居城へと向かっていた。

 

 エネルの能力は確かに脅威だ。だが、アルスの分析は冷徹だった。

 

 雷とは、すなわち巨大な電気信号。そして人間の神経もまた、電気信号で情報を伝達している。

 

 「……お前の『雷』が最強なのは、物質を焼くからじゃない。……神経を一瞬で麻痺させ、心臓を止めるからだ。だが……もしその電気が、すべて『快感』に変換されたらどうなる?」

 

 アルスの前に、青白い電光と共に一人の男が姿を現した。

 

 背中に太鼓を背負い、黄金の杖を携えた男。神、エネル。

 

 「ヤハハハ! 愚かな。地上の民(青海人)が、この私に届くとでも思うたか」

 

 「……届くさ。お前の体は『雷』だが、その意志を統括しているのは……お前自身の脳だろう?」

 

 「──『2000万V(ボルト)・放電(ヴァーリー)』!!」

 

 エネルの手から放たれた巨雷が、アルスを飲み込む。

 

 だが、アルスは避けない。

 

 彼は自身の「武装色の覇気」を薄く、だが広範囲に展開し、雷を「受け流す」のではなく「吸収(アブソーブ)」した。

 

 そして、その膨大なエネルギーを、自身の能力の「増幅器(アンプ)」として利用する。

 

 「──『神罰代行:電脳絶頂(ライトニング・オーバーロード)』」

 

 「──ッ!? な、……ぬぅうううううううううッ!?」

 

 エネルの瞳が、驚愕と悦楽で剥かれた。

 

 彼自身が放った雷が、アルスの身体を回路として経由し、すべて「純度100%の絶頂パルス」へと変質して自分に跳ね返ってきたのだ。

 

 エネルの身体は雷そのもの。すなわち、彼は全身が「最高効率の導体」であり、同時に「巨大な受容体」だった。

 

 「あ、あ、が……ッ! 気持ち……いや、なんだ、この、……脳が、溶ける……っ!!」

 

 光の速さで駆け巡る絶頂。

 

 神を自称する男が、自分の放った雷の数だけ、空中で無様に腰をくねらせ、雷光を放ちながら失禁し、白目を剥いた。

 

 黄金の杖を落とし、プライドと共に雲の上へとのたうち回るその姿に、もはや神の威厳など微塵もなかった。

 

 「……神なら、死ぬまで絶頂していろ。……地上の人間を馬鹿にした報いだ」

 

 3. 性欲処理という名の「勇気(ブレイブ)の充填」

 

 戦いは、ゴムという唯一の天敵であるルフィによって終止符が打たれた。

 

 黄金の鐘が響き渡り、400年の嘘が晴れた夜。スカイピアの住人とシャンディアの戦士たちが、手を取り合って宴を開く。

 

 その宴の喧騒から離れた、巨大な豆の木の根元。

 

 ウソップは、全身を襲う激しい震えに耐えていた。

 

 空島の高度な戦い。エネルの圧倒的な恐怖。そして、ゴーイング・メリー号が傷ついたことへの、深い自責と悲しみ。

 

 「……ウソップ。お前の『神経』は、もう限界だな」

 

 背後からアルスの声が届く。

 

 ウソップは振り返る余裕もなく、その場に座り込んだ。

 

 「……アルス。俺……怖かったんだ。……メリー号が、あんなにボロボロになって……。俺、何も……何もできなかった……」

 

 「……お前は戦った。……だが、その臆病さが、お前の『勇気』を腐らせている」

 

 アルスは無言でウソップを横たわらせ、その胸元に掌を置いた。

 

 これは、ナミたちに行う「ケア」とは趣が異なる。

 

 男の誇りを取り戻すための、魂の「強制リセット」。

 

 「──『戦士の休息:雄叫びのカタルシス』」

 

 「……あ、……ぁああああああああああああああああッ!!!」

 

 ウソップの喉が裂けんばかりに鳴った。

 

 これまでの恐怖、無力感、悲しみ。それらすべてが、アルスの放つ強烈なパルスによって、ドロドロとした生理的な快感と共に体外へ「排出」されていく。

 

 ウソップは涙と涎を流しながら、自らの弱さを絶頂の中で全て吐き出し、空っぽになった。

 

 数分後、ウソップは憑き物が落ちたような、清々しい顔で空を見上げていた。

 

「……なんかさ。……俺、また明日から頑張れる気がするよ。……ありがとな、アルス」

 

 「……礼を言うのは、ルフィにしろ。……あいつを支えるのが、俺たちの仕事だ」

 

 アルスは立ち上がり、次は隣で待っていたサンジ、そしてナミへと視線を向けた。

 

 黄金郷の夜は更けていく。一味の絆を、アルスの「淫らな指先」が、誰にも知られぬところでより強固に繋ぎ止めていた。

 

 4. あとがき:性欲処理という名の「一味の総力」

 

 空島での冒険を終え、一行は再び青い海へと帰還する。

 

 船内では、アルスの役割がさらに「専門化」していた。

 

 ルフィの細胞活性化に伴う代謝の爆発。

 

 ゾロの研ぎ澄まされすぎた殺意の霧散。

 

 ウソップのトラウマケア。

 

 サンジの爆発的な性欲の、健全な食欲への変換。

 

 そしてナミとロビン。女性陣が抱える「孤独」という名の猛毒を、アルスはその指先ですべて「甘美な快楽」に変えて浄化する。

 

 アルスは、一味全員の「澱(よどみ)」をその身に引き受けることで、メリー号という小さなコミュニティの精神衛生を保っていた。

 

 それは、海賊旗の下で笑い合う彼らの背後にある、暗黙の、しかし絶対的な「性欲と精神の統制」。

 

 「……ロビン。お前、さっきから俺を見てるな」

 

 夕闇の中、甲板で本を読んでいたロビンが、アルスを見上げて微笑んだ。

 

「……フフ、ええ。……あなたのその指先が、いつ私の『空白』を埋めてくれるのかしら、と思って」

 

 「……お前は、まだいい。……その孤独が、お前を強くしているからな。……だが、もし耐えきれなくなった時は、いつでも来い」

 

 アルスはそう言い残し、自身の部屋へと戻った。

 

 次は、水の都ウォーターセブン。

 

 そこには、一味の絆を根底から揺るがす「崩壊」の予兆が待っていた。

 

 

 

 




 【次回予告:水の都ウォーターセブン。迫り来る『CP9』。仲間との決別。アルスの指先が、冷酷な暗殺者たちの仮面を、悦楽の嵐で剥ぎ取る】
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