​『絶頂の守護者(ガーディアン) ―「イクイクの実」という最悪を授かった転生者は、不退転の努力で神域の覇道を行く―』   作:微糖コーヒー

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第18話:魔の海域と、影を穿つ「霊魂絶頂」

 

 

 1. 霧の監獄、スリラーバーク

 

 「……死臭と、湿った腐敗の匂いだな。おまけに、魂の抜けた抜け殻がうじゃうじゃいる」

 

 巨大な口を模した門をくぐり、魔の三角地帯(フロリアン・トライアングル)に浮かぶゴースト島『スリラーバーク』に足を踏み入れたアルスは、鼻腔をつく異様な気配に眉をひそめた。

 

 サウザンド・サニー号の処女航海。新しい船の輝きとは対照的に、この島を覆う霧は、生者の「意志」をじわじわと削り取るような陰湿な重みを湛えている。

 

 「ししし! ゾンビだ! 変わった生き物がたくさんいるぞ!」

 

 ルフィは相変わらずの無邪気さで、襲いかかる動く死体たちを「しつけ」ているが、ナミ、ウソップ、チョッパーの『ビビリ三銃士』は、かつてない恐怖に神経を尖らせていた。

 

 「アルス……! あれ、本物のゾンビよ! 切っても叩いても死なないなんて、どうすればいいのよ!」

 

 ナミがアルスの背中にしがみつき、その細い指先を震わせる。

 

 「……ナミ、落ち着け。あれはただの死体に、他人の『影』という名の神経信号を無理やり縫い合わせた、不格好な人形に過ぎない」

 

 アルスは「見聞色」で島全体をスキャンした。

 

 この島の支配者、七武海ゲッコー・モリア。

 

 彼の『カゲカゲの実』は、対象の影を切り取り、死体に植え付けることで、影の主の性格や能力を反映したゾンビ兵を作る。だが、アルスの分析はさらにその先を行っていた。

 

 (影とは、魂の写し鏡……すなわち、本人の神経ネットワークの外部投影だ。ならば、その『影』に直接パルスを流し込めば、本体もろとも絶頂させられるはずだ)

 

 2. 三怪人の蹂躙と、消えない「感度」

 

 「ホグホグホグ! 私の天才的な外科手術で蘇ったゾンビたちに、絶望するがいい!」

 

 天才外科医ホグバックと、透明人間のアブサロム。

 

 彼らはナミを掠い、自らの欲望のままに「花嫁」にしようと画策していた。

 

 だが、その婚礼の間に、音もなく現れたのは、冷徹な殺気を纏ったアルスだった。

 

 「……お前、今その汚い手でナミに触れようとしたな、アブサロム」

 

 「な、なんだ貴様……! 俺は『スケスケの実』で透明だぞ! なぜ場所が──」

 

 「……透明になろうが、お前の『性欲』という名の不快な神経の波長は、この島で一番うるさく響いているぞ」

 

 アルスは無言で、透明な空間に向かって指を弾いた。

 

 「──『深層剥離:透明な絶頂(インビジブル・パルス)』」

 

 「──っ!? ぎ、あ、ああああああああああああッ!!!」

 

 何もない空間から、突如として全裸(透明だが、能力の揺らぎで輪郭が見える)の男が弾け飛び、床をのたうち回った。

 

 アルスはアブサロムの「皮膚」ではなく、彼の「視神経」と「快楽中枢」を、透明化の能力による光の屈折そのものを介して共鳴させたのだ。

 

 「あ、あひ、あ……ッ!! 誰かに、触られて……っ、いや、全身を舐め回されているような……っ! やめろ、俺は、俺は王になる男……あ、ああああッ!!」

 

 透明人間としての矜持。女を攫う卑劣な愉悦。

 

 それらが今、自分自身の脳から溢れ出す「蜜」によって汚され、アブサロムは衆人環視(ゾンビたちの前)で、自分の身体を掻きむしりながら絶頂し、廃人のように果てた。

 

 「……ホグバック。お前もだ。死体を弄ぶお前の指先が、二度とメスを握れないようにしてやる」

 

 アルスは、ガタガタと震える天才外科医の眉間を指差した。

 

 「──『外科的絶頂:神経の腐敗(メディカル・オーガズム)』」

 

 「ホ、ホグ……ッ!? あ、ぎ、ぎゃああああああああああああああッ!!」

 

 ホグバックは、自分が改造した死体たちの前で、自らの舌を噛み切らんばかりの絶頂を迎え、尊厳と共に「シンドリー」への歪んだ愛着をすべて排泄物として垂れ流した。

 

 3. 性欲処理という名の「影の修復」

 

 戦いは、影を1000体取り込んだルフィ(ナイトメア・ルフィ)と、モリアの自滅によって終結した。

 

 だが、影を抜かれていた一味や被害者たちの精神的ダメージは甚大だった。影が戻ったとはいえ、それは他人の身体(ゾンビ)に無理やり適応させられていたことによる「魂の拒絶反応」を引き起こしていたのだ。

 

 夜明け前。サウザンド・サニー号の医務室(兼、アルスの調律室)。

 

 「……ナミ、ロビン。それと……ブルック。こっちへ来い」

 

 新しく仲間になったガイコツの音楽家、ブルック。彼は五十年間、たった一人で霧の海を彷徨い、影を奪われ、孤独という名の地獄を生き抜いてきた。

 

 「……アルスさん。私のような骨に、あなたの『温もり』は届くのでしょうか。……あ、私、皮膚がないので感じないんですけどね。ヨホホホ!」

 

 「……笑うな、ブルック。お前のその『骨』に刻まれた五十年の孤独は、骨髄の奥で今も悲鳴を上げている」

 

 アルスはブルックの頭蓋骨に掌を当てた。

 

 イクイクの実の能力。

 

 それは、肉体を持つ者だけに効くのではない。

 

「魂の波長」が存在する限り、アルスの指先は、その「生」への渇望を快楽へと変換できる。

 

 「──『鎮魂の調べ:黄泉の安らぎ(スカル・プレジャー)』」

 

 「……っ!? あ……、……ああ……。温かい……。私、……生きていて、よかった……。あ、死んでるんですけどね……。は、あ……ああああッ!!」

 

 ブルックの空洞の眼窩から、涙(魂の雫)が溢れ出す。

 

 五十年の孤独。仲間を失った絶望。

 

 それらが、アルスの「魂の愛撫」によって、至高の多幸感へと昇華され、浄化されていく。

 

 続いて、ナミとロビン。

 

 アブサロムに狙われた恐怖と、影を奪われた倦怠感に沈む彼女たちを、アルスは同時に抱き寄せた。

 

 「……まとめて、その『影の穢れ』を抜いてやる。……声を出していいぞ。ここは、魔の海域だ」

 

 「……アルス……。私、怖かったの。……自分が自分じゃなくなるみたいで……っ」

 

 「……フフ、……あなたの指先。……影を奪われていた時よりも、ずっと深く、私の中をかき回してくれるのね」

 

 アルスの指先が、二人の腰、そして背骨の基部を捉える。

 

 三人の波長が重なり合い、サニー号の静かな夜に、最も淫らで、最も慈悲深い「浄化の喘ぎ」が響き渡った。

 

 影の戻った彼女たちの身体は、アルスの「指先の魔法」によって、より瑞々しく、より強固な「生命の輝き」を取り戻していった。

 

 4. あとがき:性欲処理という名の「生命の灯火」

 

 夜が明け、スリラーバークに朝日が差し込む。

 

 アルスは甲板で、新しく仲間になったブルックが奏でる「ビンクスの酒」を聴きながら、自身の指先を見つめた。

 

 ゾロは、バーソロミュー・くまから受け取った「ルフィの苦痛と疲労」を、アルスの『極限調律』によってなんとか耐え抜き、深い眠りについている。

 

 サンジは、アブサロムへの怒りを、アルスの『強制的排出』によって「守るための闘志」へと昇華させた。

 

 アルスは、一味の誰もが抱える「魂の傷」を、自らの能力で暴き出し、それを「快楽」という名のカタルシスで上書きし続けている。

 

 それは、汚れた仕事だ。

 

 だが、その汚れを引き受けるアルスがいるからこそ、麦わらの一味は、いかなる闇の中でも「光」を失わずにいられる。

 

 「……さて。……次は、シャボンディ諸島か」

 

 アルスは、遠くに見える巨大なマングローブの群生を見据えた。

 

 そこには、世界の頂点に君臨する「神」を自称するクズ共が待っている。

 

 「……天竜人。……お前たちのその『神聖』という名の傲慢を、俺の蜜で泥まみれにしてやる」

 

 アルスの瞳が、朝日に照らされて黄金色に輝いた。

 

 

 

 




 【次回予告:シャボンディ諸島。天竜人チャルロス聖への『神罰』。一味崩壊の危機。黄猿の光速を越える、アルス命がけの『絶頂の防波堤』】
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