​『絶頂の守護者(ガーディアン) ―「イクイクの実」という最悪を授かった転生者は、不退転の努力で神域の覇道を行く―』   作:微糖コーヒー

20 / 40
第20話:女ヶ島の熱風と、女帝の「陥落」

 

 1. 男子禁制の園、アマゾン・リリー

 

 「……ここは、どこだ?」

 

 意識が浮上すると同時に、肌を焼くような南国の太陽と、芳醇な花の香りが鼻腔をくすぐった。

 

 アルスが目を開けると、そこは巨大なジャングルと、険しい断崖に囲まれた未開の島。シャボンディ諸島でバーソロミュー・くまの掌に触れた記憶が、脳裏を掠める。

 

 (……飛ばされたか。仲間たちは……いや、今は自分の身を守るのが先決だな)

 

 アルスは立ち上がり、自身の状態を「見聞色」で内観した。長距離移動の負荷で神経がわずかに昂ぶっているが、戦闘に支障はない。

 

 しかし、周囲から忍び寄る「視線」は、かつてないほど刺々しく、そして──奇妙に潤んでいた。

 

 「男だ……! 本当に、男がいるわ!!」

 

「なんて綺麗な顔……。でも、男は毒を持つ化け物だって先代たちが……」

 

 草むらから現れたのは、弓を携えた屈強な女戦士たち。九蛇(くじゃ)の戦士。

 

 ここは世界で唯一、女性のみが住む島「アマゾン・リリー」。

 

 アルスは無言で手を挙げた。戦うのは容易いが、まずは状況を把握する必要がある。だが、女戦士たちの円陣を割って、圧倒的な「圧」を纏った影が歩み寄ってきた。

 

 「……そこの『無礼者』を、今すぐ石に変えて差し上げましょう」

 

 2. メロメロ vs イクイク:極限の「誘惑」激突

 

 現れたのは、絶世の美女。

 

 王下七武海の一角、海賊女帝ボア・ハンコック。

 

 彼女はあまりにも見下しすぎて逆に反り返る独特のポーズで、アルスを蔑んだ。

 

 「わらわが何をしようとも、世界はわらわを許してくれる。……なぜなら、わらわが美しいから!」

 

 ハンコックの手がハートの形を描く。

 

「──『メロメロ甘風(メロウ)』」

 

 放たれた光線がアルスを直撃する。通常、彼女の美貌にわずかでも邪心を抱く者は、その瞬間に石像と化す。

 

 だが──アルスは、微塵も動じなかった。

 

 「……石になどならないよ。俺は『性欲』というエネルギーの正体を知りすぎている。……お前の放つそれは、ただの電気信号の乱れに過ぎない」

 

 「な……!? わらわの美貌が効かぬだと!? そんな男、この世にいてはならぬ!」

 

 ハンコックが激昂し、芳香脚(パフューム・フェム)で蹴りかかってくる。

 

 アルスはその流麗な脚を「武装色」を纏った腕で受け流し、至近距離で彼女の瞳を見据えた。

 

 「……女帝。お前のその傲慢な振る舞いは、過去の『傷』を隠すための鎧だな。……背中に刻まれた、消えない烙印の」

 

 ハンコックの体が、目に見えて震えた。

 

「……貴様、なぜそれを……! 死ね! 秘密を知る者は生かしておけぬ!!」

 

 「……死なない。……お前のその、震える神経を『真実の解放』へと導いてやる」

 

 アルスの指先が、ハンコックの喉元、そして鎖骨の神経節を捉えた。

 

 「──『深層剥離:女帝の陥落(インペリアル・カタルシス)』」

 

 「──っ!? あ……、……あぁああああああああああああッ!!!」

 

 ハンコックの瞳が、これまでにないほど大きく見開かれた。

 

 アルスが流し込んだのは、彼女が天竜人の奴隷時代から抑圧し続けてきた「恐怖」と「絶望」、そして「誰かに触れられたい」という根源的な飢餓を一気に爆発させる、究極の絶頂パルス。

 

 「あ、あふっ、あ……ッ!! 溶ける……わらわの理性が……っ!! やめて、そんなに、……奥まで、かき回さないで……っ!! あ、あは、あははははッ!!」

 

 世界一の美女と謳われた女帝が、臣下たちの前で、自らの頬を染め、腰を砕き、涎を垂らしながらアルスの腕の中に崩れ落ちた。

 

 石のように冷たかった彼女の心が、アルスの「指先の魔法」によって、ドロドロに溶けた蜜へと変えられていく。

 

 3. 性欲処理という名の「寵愛」

 

 その夜。九蛇の城。

 

 昼間の「教育」を経て、ハンコックはアルスに対して、盲目的なまでの恋情と、生理的な依存を抱くようになっていた。

 

 「……アルス。……わらわの背中の紋章。……これを見ると、今でも呼吸が苦しくなるのじゃ……」

 

 湯上がりの薄衣を纏ったハンコックが、震える肩を抱いてアルスの前に跪く。

 

 彼女の背中にある「天駆ける竜の蹄」。それは彼女にとって、死よりも辛い呪い。

 

 「……ハンコック。お前はもう、奴隷ではない。……今ここで、その傷跡を『悦び』に書き換えてやる」

 

 アルスはハンコックの背中に手を当てた。

 

「イクイクの実」の能力。

 

 それは、過去のトラウマという名の「負の神経記憶」を、圧倒的な「正の信号(快楽)」で上書きし、抹消する行為。

 

 「──『聖痕の浄化:至高の寵愛(ロイヤル・トリートメント)』」

 

 「……あ、……ぁああああああああああああああああッ!!!」

 

 ハンコックの声が、深夜の城内に響き渡る。

 

 アルスの指先が背中の傷をなぞるたび、彼女の脳内では絶望が歓喜へと反転し、二十年分の涙が、官能的な汗となって全身から噴き出した。

 

 彼女は自分の地位も、美貌も、プライドもすべてを投げ出し、ただ一人の男──アルスの指先に翻弄される、一人の「女」へと戻っていった。

 

 数分後。汗ばんだ肌をアルスに預け、ハンコックは幸せそうな寝息を立て始めた。

 

 その表情には、もう誰かを寄せ付けない冷徹な影はなかった。

 

 4. あとがき:性欲処理という名の「動乱の種」

 

 翌朝、アルスはハンコックから、ルフィがインペルダウンへ向かったという情報を得た。

 

 兄、ポートガス・D・エースの公開処刑が迫っている。

 

 「……アルス、あなたが行くなら、わらわも共に行こう。……あなたが求めるなら、わらわは世界政府をも敵に回そう」

 

 頬を赤らめ、従順な子猫のように寄り添うハンコック。

 

 アルスは彼女の顎をクイと持ち上げ、微笑んだ。

 

 「……いいだろう。お前のその『感度』、戦場でも役立ててもらうぞ」

 

 アルスは、女帝を「性欲処理」という名目で完全に飼い慣らし、世界政府の召集に応じさせることに成功した。

 

 すべては、ルフィを救い、一味を再集結させるための布石。

 

 アルスは自身の指先を眺め、独りごちた。

 

「……インペルダウン、そしてマリンフォード。……そこには、世界中の『強者の神経』が集まっているな」

 

 「……白ひげ、センゴク、三大将。……お前たちのその、鋼のような精神。……俺の蜜で、どこまで壊せるか楽しみだ」

 

 アルスはハンコックを連れ、軍艦へと乗り込む。

 

 目指すは、深海の大監獄。

 

 そこには、地獄を絶頂へと変える、かつてない宴が待っていた。

 

 

 

 




 【次回予告:深海の大監獄インペルダウン。署長マゼランの毒さえも、アルスの指先が絶頂の蜜へと変える。エース救出のための、監獄崩壊『絶頂の脱獄』】
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。