『絶頂の守護者(ガーディアン) ―「イクイクの実」という最悪を授かった転生者は、不退転の努力で神域の覇道を行く―』 作:微糖コーヒー
1. 情熱と悲劇の都
「……なるほど。表向きは花と香水の香り、だがその下には鉄錆と涙の匂いがこびりついているな」
新世界、ドレスローザ。
陽光に照らされた街角では、命を吹き込まれたおもちゃたちが人間と笑い合い、情熱的な踊り子たちがステップを踏んでいる。しかし、アルスの「見聞色」は、この国全体の地面を這う、無数の「不可視の糸」を捉えていた。
「アルス! おもちゃが喋ってるぞ! 仲間にしようぜ!」
ルフィが目を輝かせて駆け出す中、アルスは一人、コロシアムの影に潜む「神経の歪み」を観察していた。
「……おもちゃ、か。あれは魂を無理やり別の器に押し込み、記憶の神経回路を強制的に遮断された『元・人間』だな。シーザーよりも質が悪い。ドフラミンゴ……お前はこの国を丸ごと、自分の指先で踊る『操り人形の箱』に作り変えたわけだ」
アルスの指先が、怒りと共に静かに脈打つ。
彼にとって、他者の神経や感情を弄ぶことは「救済」か「処刑」の二択であり、ドフラミンゴのような「支配」のための蹂躙は、最も容赦すべきでない禁忌(タブー)だった。
2. 「鳥カゴ」の始動:絶頂による糸の切断
「フッフッフッフ! さあ始めよう、殺し合いのゲームだ!」
ドフラミンゴの能力によって、ドレスローザ全土を覆う「鳥カゴ」が収縮を始める。逃げ場を失った国民や海兵たちは、ドフラミンゴの糸に操られ、愛する者同士で殺し合いを強要される地獄に叩き落とされた。
「やめて! 私の体が勝手に……! お父様、逃げて!!」
悲鳴が街に溢れる中、アルスは中央広場の時計台に降り立った。
彼は自身の覇気を指先に集中させ、大気中に張り巡らされたドフラミンゴの寄生糸(パラサイト)の「波長」を逆探知する。
「……ドフラミンゴ。お前の糸は、相手の運動神経を外部から強制駆動させているだけだ。……なら、内側からその神経を『悦び』で焼き切れば、お前の支配は届かない」
アルスは両手を地面に突き立てた。
「──『覚醒:愛の再編・全土絶頂(ドレスローザ・シンクロニシティ)』」
「──ッ!! ぁ、……あ、あああああああああああああああッ!!?」
次の瞬間、ドレスローザ全土を「桃色の波動」が駆け抜けた。
操られていた国民、海兵、そしてコロシアムの戦士たち。
彼らの身体を支配していた糸の張力が、突如として彼らの脳内に流れ込んだ「限界突破の絶頂」によって無効化された。
人は、極限の快楽に達した時、筋肉は弛緩し、いかなる外部からの強制力も受け付けない「空白」の状態になる。
糸で操られていた腕が力なく落ち、殺し合っていた人々が、その場で一斉に恍惚の涙を流しながら膝を突いた。
「……これ、は……っ。……殺したいほど憎かったはずなのに、今は……ただ、愛おしい……っ!!」
ドフラミンゴの「支配」という名の糸は、アルスの「絶頂」という名の解放によって、一本残らず切り裂かれた。
3. 性欲処理という名の「記憶の復元」
シュガーの気絶により、おもちゃたちが次々と人間に戻り、忘れ去られていた記憶が国民の脳内に激流となって流れ込む。
十年分の愛、十年の孤独。その激しすぎる神経の負荷に、多くの者が精神崩壊の危機に瀕していた。
「……レオ、そしてトンタッタの者たち。……お前たちの小さな体に、この大きな国の記憶は重すぎるな」
アルスは、人間に戻ったキュロスや、パニックを起こしている国民たちの中心に座った。
「──『神経定着:記憶の調律(カタルシス・リンク)』」
アルスの指先から、激しい感情の昂ぶりを優しく鎮める、慈悲深い波動が放たれる。
失われていた家族の記憶。奪われていた十年の歳月。
それらを、アルスは「穏やかな絶頂」を介して神経に優しく定着させていく。
泣き叫んでいた人々は、アルスの「指先の魔法」に包まれ、十年分の悲劇を、未来への希望へと書き換えていった。
そしてその夜、王宮のバルコニー。
ドフラミンゴとの決戦を前に、レベッカとロビンがアルスの元を訪れた。
「……アルス様。私、明日……本当にお父様と一緒に笑えるでしょうか……。震えが、止まらなくて……」
「……アルス。私も、この国の闇を見すぎて……少し、胸が苦しいわ」
アルスは無言で、二人の女性を同時に抱き寄せた。
「……案ずるな。……お前たちのその『震え』。……俺が今、すべて『戦うための悦び』に変えてやる」
アルスの指先が、二人の最も敏感な神経節を貫く。
それは、恐怖を焼き切り、勇気を強制的に沸騰させるための「出陣の儀」。
ドレスローザの星空の下、最も淫らで最も気高い、決戦前夜の喘ぎが響き渡った。
4. あとがき:性欲処理という名の「王の交代」
ドレスローザの戦いは、ルフィの「ギア4」によってドフラミンゴが墜落し、終結した。
天夜叉と呼ばれた男は、海軍に連行される際、アルスの方を一瞥した。
「……フッフッフ……。麦わらの一味のアルス……。お前がその指先で、この世界の『神経』をすべて繋ぎ直すつもりか……。面白い、地獄の特等席で見せてもらうぜ……」
アルスは答えず、ただルフィの眠るベッドの傍らに立った。
一味の懸賞金は跳ね上がり、ルフィを慕う「麦わら大船団」が結成される。
5600人の子分たち。彼らの忠誠心を繋ぎ止めるのもまた、アルスが時折見せる「圧倒的なカリスマ(神経干渉)」の影であった。
「……さて。……次は、象の背中の島、ゾウか」
アルスは、四皇カイドウの腹心『ジャック』によって壊滅したミンク族の国を想い、自身の指先を冷たく光らせた。
「……ミンク族。……『月の獅子(スローン)』という野生の昂ぶり。……俺の指先で、どこまで美しく狂わせてやれるか……」
サニー号は、霧に包まれた巨大な象の足元へと進む。
そこには、獣の血を引く者たちの、剥き出しの神経が待っていた。
【次回予告:幻の島ゾウ。ミンク族の危機。四皇カイドウの腹心『旱災のジャック』。アルスの指先が、傷ついた獣たちを絶頂で癒やし、満月の下で『究極の野生』を呼び覚ます】