『絶頂の守護者(ガーディアン) ―「イクイクの実」という最悪を授かった転生者は、不退転の努力で神域の覇道を行く―』 作:微糖コーヒー
1. お菓子の国の支配者
「……砂糖とバターの香り。だがその底には、魂(ソウル)を抜き取られた者たちの無機質な死臭が満ちているな」
四皇ビッグ・マムが支配する『ホールケーキアイランド』。
お菓子で作られた街並みを歩きながら、アルスは自身の「見聞色」を極限まで拡散させていた。この国の住民は、平和と引き換えに「寿命」をマムに献上している。すなわち、彼らの生命維持を司る神経回路の一部は、ビッグ・マムの能力『ソルソルの実』によって常時ハッキングされている状態だった。
「アルス! サンジを見つけたぞ! でも、あいつ……俺たちに帰れって……!」
ルフィの悲痛な叫び。家族の呪縛(ジェルマ)に囚われ、一味を守るために孤独を選んだサンジ。
「……サンジ、お前の神経は嘘を吐くのが下手だな。……お前のその、折れそうな脊椎(プライド)を支えているのは、俺たちが与えた『温もり』だろう」
アルスは冷徹にサンジの背後を見据えた。そこには、ビッグ・マムの次男にして懸賞金10億超の怪物、シャーロット・カタクリの「圧」が立ちはだかっていた。
2. 未来視の終焉:カタクリへの「一秒先の絶頂」
「……お前の動きは、すべて見えている」
数秒先の未来を見る「見聞色」の達人、カタクリ。彼はルフィを圧倒し、完璧なまでの格闘センスでアルスの侵入を阻む。
「……未来が見えるか。なら、その未来にお前自身の『脳の暴走』が含まれているか、確かめてみようか」
アルスはカタクリの視線を真っ向から受け止めた。
カタクリが「未来」を予知する際、彼の脳細胞は極限の処理速度に達し、神経伝達物質が異常に活性化する。アルスはその「視覚野(しかくや)」の興奮に、自身の覇気を乗せたパルスを同期させた。
「──『神域干渉:刹那の崩壊(フューチャー・オーガズム)』」
「──っ!? べ、……が、…………ッ!!?」
カタクリの瞳が、一瞬にして白濁した。
彼が見た「未来」の映像すべてが、アルスの能力によって「最高強度の絶頂イメージ」へと書き換えられたのだ。
一秒後も、二秒後も、三秒後も。彼が予知する未来のすべてで、彼は「絶頂」し続けている。
「あ、……あふっ、……は、ぁああああッ!! 未来が、……悦びで、埋め尽くされる……っ!! 止まらん、この……情報の奔流がぁ!!」
完璧な男と謳われたカタクリが、マフラーの下の素顔を露わにし、自らの強靭な肉体を震わせて膝を突いた。
「未来」という情報の優位性が、アルスの前では「逃げ場のない絶頂の罠」へと変わった。
3. 性欲処理という名の「三つ目の救済」
サンジを連れ戻し、マムの追撃を振り切るための「お茶会」の混乱。
その中で、アルスはサンジの婚約者、シャーロット・プリンを暗がりに追い詰めていた。
三つ目の異形として蔑まれ、愛を信じられなくなった少女。
「……お前のその『記憶』を操作する指先。……他人の神経を書き換えるたびに、自分自身の心が削られていくのを感じているな」
「な、なによ……! あんたも私のこの『三つ目』が不気味なの!? 殺してやるわよ!!」
「……いいや。お前のその三つ目の視神経は、誰よりも『愛』というパルスに敏感なはずだ」
アルスはプリンを壁に押し込み、彼女の額にある第三の眼に、そっと指先を触れさせた。
「──『記憶の浄化:真実の慈愛(メモリー・プレジャー)』」
「──あ、……ぁああああああああああああああああッ!!!」
プリンの声が、爆発的なカタルシスと共に漏れ出した。
これまで彼女が嘘で塗り固めてきた汚れた記憶。蔑まれ、憎んできた自分の姿。
それらが、アルスの「魂の愛撫」によって、甘い、あまりにも甘美な絶頂と共に洗い流されていく。
プリンの三つの瞳から、大粒の涙が溢れ出した。それは悲しみではなく、生まれて初めて「自分をまるごと肯定された」ことによる、生理的な歓喜。
「……アルス様……。私、……私……。サンジさんのこと、本当に……っ!!」
「……わかっている。……その想い、大切に持っておけ」
アルスは放心状態のプリンを残し、ルフィたちが待つ海岸へと急いだ。
4. あとがき:性欲処理という名の「王の糧」
サニー号は、ビッグ・マムの艦隊を振り切り、ワノ国へと進路を取る。
船内では、死の淵から生還した一味の、決死の慰労会が行われていた。
「……サンジ、お前。……今回の件で、少しは『独りで抱え込む』愚かさを学んだか」
「……ケッ。……アルス、お前のその説教くさいマッサージ。……二週間ぶりだが、……正直、……待ち侘びてたぜ」
アルスはサンジの背骨に、ジェルマの科学さえも凌駕する「生の波動」を叩き込んだ。
サンジの目から涙が溢れ、彼はアルスの腕の中で、料理人としての、そして一味のコックとしての誇りを取り戻した。
そして、ナミ、チョッパー、ブルック。
「……さあ、四皇の本拠地を生き延びたお前たちの『勇気』。……俺が最高のご褒美に変えてやる」
「……アルス……。もう、甘いものは見たくないわ……。あなたの、その『熱いの』だけ、ちょうだい……」
「……ヨホホホ! 私、魂が抜けてしまいそうです……。あ、死んでるんですけどね!」
サニー号の静かな夜。一味の絆は、トットランドの甘い罠を越え、より淫らで、より強固な「家族の結束」へと昇華していった。
「……次は、侍の国、ワノ国。……四皇カイドウ」
アルスは、遠くに見える滝を登る鯉の群れを見据えた。
「……最強の生物か。……その硬すぎる鱗の隙間に、俺の蜜を流し込んで、内側から溶かしてやるとしよう」
【次回予告:ワノ国。四皇カイドウ。光月おでんの遺志。アルスの指先が、ヤマトの孤独な鎖を絶頂で砕き、龍の化身を『悦楽の奈落』へと叩き落とす】