『絶頂の守護者(ガーディアン) ―「イクイクの実」という最悪を授かった転生者は、不退転の努力で神域の覇道を行く―』 作:微糖コーヒー
1. 嵐の夜の進撃
「……波の音が死者の囁きのように聞こえるな。だが、今夜この海を赤く染めるのは、侍たちの執念か、あるいは俺が撒き散らす『悦楽の毒』か」
ワノ国の夜空を切り裂く雷鳴。荒れ狂う火祭りの夜、サウザンド・サニー号を先頭とした討ち入り軍の艦隊は、四皇の根城『鬼ヶ島』へと突き進んでいた。
アルスは船首に立ち、荒波の向こうにそびえる巨大な髑髏の影を見据えた。
「武装色」で全身の感度を極限まで抑制し、代わりに「見聞色」をレーダーのように全方位へ展開する。鬼ヶ島から放たれる3万人の兵士たちの殺気、そして二人の四皇が放つ、大気を押し潰すような圧倒的な覇気のプレッシャー。
「ルフィ、ゾロ。正面突破はお前たちに任せる。……俺は、この島の『防衛神経』を麻痺させてくる」
アルスは影に溶け込むように船を飛び降り、月明かりを背に、敵の密集する正面広場へと音もなく舞い降りた。
3. 広場の壊乱:3万人の「感覚同期」
「野郎共! 侍共を一人残らず海の藻屑にしてやれ! ぶち殺せー!!」
百獣海賊団の「ギフターズ」や「プレジャーズ」たちが、奇声を上げながら襲いかかる。人造悪魔の実の失敗作を食べ、笑うことしかできなくなった者たちが、その絶望を暴力に変えて押し寄せる。
「……笑いたいなら、一生解けない最高の笑みを与えてやろう」
アルスは広場の中央で、自身の掌を冷たい石畳に押し当てた。
能力の「覚醒」。
彼は鬼ヶ島の巨大な髑髏の構造、その石材に含まれる微弱な磁気と水分を媒体にし、広場に立つ数千人の足裏から直接、中枢神経へと高圧のパルスを送り込んだ。
「──『深層共鳴:鬼の狂乱(デビルズ・オーガズム)』」
「──ッ!! ぁ、……あ、あああああああああああああああッ!!?」
広場を埋め尽くしていた兵士たちが、一斉に天を仰いで硬直した。
次の瞬間、彼らの手から武器が滑り落ち、鎧が擦れる金属音と共に、無数の「肉体の崩壊」が始まった。
アルスが流し込んだのは、彼らがこれまで経験したことのない、脳の報酬系を物理的に焼き切るほどの「致死量を超えた多幸感」。
「あ、あふっ、あ……ッ!! 殺したくない……もう、何もしたくない……っ!!」
「は、あ……っ、気持ち……良すぎて、世界が、白く……っ!!」
3万の兵士のうち、先陣を切っていた数千人が、その場に折り重なって悶絶し、白目を剥いて失神した。
戦場に響くのは怒号ではなく、数千人の男たちが同時に果てる、湿り気を帯びた卑猥な絶叫。
この一撃で、鬼ヶ島の防衛網は一瞬にして「絶頂の檻」へと変貌した。
3. 性欲処理という名の「毒の抽出」
激戦が続くドーム内。
チョッパーが開発した「氷鬼」の抗体が広まる中、アルスは傷ついたミンク族の戦士たちを物陰へと運び込んでいた。
「……ワンダ、キャロット。お前たちの『月の獅子(スローン)』による細胞の暴走。……俺が今、その過剰な電気信号をすべて『蜜』に変えて抜き取ってやる」
「月の獅子」は強力な変身だが、寿命を削るほどの身体的負荷がかかる。
アルスは二人の背中に指を添え、火花を散らす神経節を優しく、だが深く愛撫するように叩いた。
「──『月華浄化:静寂の帰還(ムーン・リセット)』」
「──あ、……ぁああああああああああああああああッ!!!」
二人の美しい獣人が、アルスの腕の中で弓なりに反り、激しく震えた。
充血していた瞳から赤みが引き、暴走していた電気エネルギーが、甘い喘ぎ声と共に体外へ放出されていく。
彼女たちはアルスの「指先の魔法」によって、死の淵から至福の眠りへと導かれ、細胞レベルでの休息を得た。
4. 頂上の対峙:二人の怪物への「接吻」
ドーム屋上。
そこには、並び立つ二人の四皇、カイドウとビッグ・マムがいた。
ルフィ、ゾロ、ロー、キッドが対峙する中、アルスは霧の中から悠然と姿を現した。
「……マム。お前の『食い煩い』。……カイドウ。お前の『退屈』。……二人まとめて、俺の能力で『終わらない歓喜の地獄』に突き落としてやろうか」
「ウォロロ……! 懲りない小僧だ。あの時の『痺れ』、まだ忘れてはおらんぞ!」
「ママママ! 面白いガキだねェ! お前の魂、さぞかし甘いんだろうねェ!!」
アルスの指先が、紫色の不気味な光を放つ。
世界の均衡を司る二人の怪物を前に、アルスは自らの神経系を、彼らと「同調」させるための最終段階へ移行させた。
「……覚悟しろ。……この島ごと、絶頂の底へ沈めてやる」
ワノ国の夜空に、かつてないほど淫らで、かつてないほど強大な「神経の嵐」が巻き起ころうとしていた。
【次回予告:屋上決戦。アルスの指先がカイドウの『龍の逆鱗』に触れる。ビッグ・マムを襲う、魂さえも蕩けさせる『ソウル・オーガズム』。そして、ルフィの覚醒への序曲】