『絶頂の守護者(ガーディアン) ―「イクイクの実」という最悪を授かった転生者は、不退転の努力で神域の覇道を行く―』 作:微糖コーヒー
1. 天上の不夜城、マリージョア
「……反吐が出るほど清浄な空気だ。だがその酸素の粒子一つ一つに、下界から吸い上げた絶望の濾過(ろか)液が混じっているな」
赤い土の大陸(レッドライン)の頂、聖地マリージョア。
アルスは単身、あるいは革命軍の影に紛れ、世界の頂点に君臨する神々の居城へと足を踏み入れた。
ここは物理的な防壁以上に、800年の「支配の歴史」という名の強固な精神的障壁に守られている。だが、アルスの「見聞色」は、パンゲア城の奥底から放たれる、冷徹で傲慢な「神の神経波形」を鮮明に捉えていた。
「……天竜人。お前たちは自分たちを『人間以上』だと思っているが、その特権意識が生み出す『過剰な選民思想』は、俺から見れば最も扱いやすい神経の脆弱性だ」
アルスは影を飛び越え、最高位の処刑人集団『神の騎士団』が守護する禁域へと踏み込んだ。
2. 神聖の蹂躙:フィガーランド・ガーリング聖への「堕天」
「──何奴だ。ここは下界の虫ケラが足を踏み入れて良い場所ではない」
月明かりの下、鋭いサーベルを携えた老人が現れた。
神の騎士団最高司令官、フィガーランド・ガーリング聖。
かつてゴッドバレーで王者のように振る舞ったその男は、今もなお、並の覇気では視界に入れることさえ叶わぬほどの「王の威厳」を纏っていた。
「……ガーリング。お前のその『高貴な血』。……それがどれほど熱く、どれほど淫らに沸騰するか、自分自身で確かめてみたくはないか?」
「……不遜な。その口、二度と開かぬよう切り裂いてくれる」
ガーリング聖が光速の一閃を放つ。だが、アルスはその剣筋を「武装色」で受け流すのではなく、剣が空気を切り裂く際に生じる「音の震動」を媒介にして、彼の平衡感覚(三半規管)に直接干渉した。
「──『神域蹂躙:堕天の絶頂(セレスティアル・フォール)』」
「──ッ!! ぬ……、……あ、…………ッ!!?」
神の騎士団の頂点に立つ男の膝が、屈辱的に折れた。
アルスが流し込んだのは、天竜人が代々受け継いできた「他者を見下すことで得られる快感」を、自己の内部で核分裂のように連鎖増幅させる、究極の自己愛パルス。
「あ、あふっ、あ……ッ!! 私が……、この私という存在そのものが……悦びで、溶けていくぅ!! 聖なる血が、……泥のように熱い……ッ!! あ、あは、あははははッ!!」
気高く、冷酷であったはずのガーリング聖が、月光の下で自らの胸元をはだけ、涎を垂らしながら身悶えた。
「神」として育てられた彼の神経は、他者から与えられる快楽には無知だったが、ゆえにアルスの放つ「直接的な脳への蹂振」には、抵抗する術さえ持っていなかった。
3. 性欲処理という名の「奴隷たちの解放」
ガーリングの無力化に乗じ、アルスは城の地下に幽閉されていた奴隷たちの居住区へ向かった。そこには、体だけでなく心まで、天竜人の「支配の波長」に調教された人々がいた。
「……お前たちの脳に刻まれた『恐怖』という名の鎖。……今、俺が最も熱い『歓喜』で焼き切ってやる」
アルスは数百人の奴隷たちを見渡し、広域パルスを放った。
「──『深層覚醒:自由へのカタルシス(エマシペーション・オーガズム)』」
「──あ、……ぁああああああああああああッ!!」
奴隷たちの瞳から、長年支配されていた暗い影が消え去った。
アルスの「指先の魔法」は、恐怖による神経の萎縮を、爆発的な「生の肯定」へと転換させる。
彼らは絶頂の喘ぎの中で、自らが「所有物」ではなく「一人の人間」であることを、本能的に再認識した。
涙と汗が入り混じる混沌の中、彼らは立ち上がり、自由へと向かって走り出した。
4. あとがき:性欲処理という名の「玉座への接吻」
マリージョアを去る前、アルスは誰もいないはずの「虚の玉座」の間に立ち寄った。
「……イム。お前が世界をどう見ていようが構わない。……だが、800年の孤独を埋めるには、お前のその『不死の神経』は、少し退屈しすぎているんじゃないか?」
アルスは玉座の肘掛けに指先を触れ、微かな「絶頂の残り香」をそこに刻み込んだ。いつかこの場所で、世界の王を直接その腕に抱き、最も淫らな鳴き声で世界を揺らさせてやるという、宣戦布告。
サニー号に戻ったアルスを待っていたのは、心配そうに彼を見つめるナミとロビンだった。
「……アルス。聖地は、どうだった?」
「……ああ。……ただの、感度の良い『老人たちの庭』だったよ」
アルスは二人の女性を同時に引き寄せ、マリージョアの冷たい空気を払拭するように、熱く、深い「調律」を開始した。
ついに世界の「脳」である聖地を汚し、いよいよラフテルへの最終航路へと加速していく。
【次回予告:新世界の終着点。ロード・ポーネグリフの解読。黒ひげとの直接対決。アルスの指先が、ティーチの『眠れない身体』に強制的な安らぎと、破滅的な絶頂を同時に与える】