とある古城に迷い込んだ貴方は、不思議と誘われるように地下室へと足を進める。その先で出会った少女とのひと時の物語。
注)主人公は読者様です。」

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どうも、通りすがりの船長です。不定期とか言っておきながら連続で投稿してますね(笑)
今回は言わずと知れた東方キャラクター、フランちゃんをモデルに、主人公が読者自身という、少し奇妙な短編小説を書いてみました。


途中の主人公との雑談シーンは丸々白紙(手抜きじゃないよ!)にしてありますので、ちょっとした想像や妄想で楽しんでいってもらえると幸いです!


吸血鬼の住まう地下室~scarlet night~

 あぁ……退屈……退屈すぎて死んでしまいそうよ。

 ねぇ、ねぇってば。貴方よ貴方、私は貴方に話しかけているのよ。 

 え? 此処はどこかって? どこでもいいじゃない。…………そんな顔しないで、とりあえず私の話し相手になってくれないかしら。大丈夫よ、貴方を退屈させるような話はしないから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふぅ、かなり話し込んでしまったわね。今何時ごろかしら……って此処には時計は無いんだった。

ん? なにか私に聞きたいことでもあるような顔ね。いいわ、質問があるなら答えてあげる。もちろん答えられる範囲でね。

え? どうして私がこんな地下室にいるのかって? むぅ、どうして人間って皆同じことを聞くのかしら。正直あまり話したくはないんだけど…………まぁいいわ、散々私の話し相手になってくれたお礼に、ね。

 

 どうして私がこんなところにいるのか。まぁ、簡単に言えば閉じ込められたってところね。誰に? って顔してるわね。まぁまぁ、順を追って話すわよ。 

 私をこんなところに閉じ込めたのは私の姉よ。私が物心ついた時にはすでに地下室暮らしだった。ふふ……もう、何百年前の話かしら。え? あぁ、言ってなかったわね。私は人間じゃない、吸血鬼、要するに化け物の類に入るわね。 

 大丈夫よ、こんな楽しい時間を過ごさせてくれた貴方を襲ったりはしないから。

 話が逸れたわね。とにかく姉は私をここに幽閉した。まぁ、なにも仲が悪かったわけじゃない……たぶん。じゃあ何故かって? 聞きたい? 本当に? じゃあ教えてあげる。

 殺した、いや、喰らったのよ、人をね。 

 え? 吸血鬼だから当然じゃないかって? ふふ、驚かないなんて……貴方、変わっているわね。

 確かに私の一族は吸血鬼。人間を殺してその血液を飲むのは当然といえば当然のことよ。私も私の姉もやっていることは同じ。ただ、私と姉じゃあ、その程度が違ってたってだけ。

 殺して殺して殺して……そりゃもう沢山の人間を喰らったものよ。得体の知れない衝動に任せてね。

 姉が恐怖の眼差しを私に向けていたのを今でもはっきり覚えているわ。あれから数百年経った今でも、たまに会いにくる姉は、何処かに私への恐怖を持っているのが分かるのよ。だから余計に寂しく感じるのよ。

 さ、これが私が此処にいる理由よ。どう? 少しは引いたかしら…………べつにって……貴方の前に座っているのがその狂った吸血鬼だって分かっているの? もしかしたら次の瞬間には貴方を殺してしまっているかもしれないのに? 

 

 ふふ……………あはっ……あははははっ。貴方って、本当に変わった人間ね。今までこの話を聞いた人間は皆青ざめて逃げ出そうとしたのに。貴方ときたら、逃げ出そうともしないし、かといって怯えているわけでもない。そうやって私に接してくれたのは貴方が初めてよ。 

ふふ、なんだかすごく嬉しいわ。

 

 

 

 

 

 ふぁあ。なんだか眠たくなってきたわ。さすがに話し疲れちゃった。そろそろお開きにしなくちゃね。

 今日はどうもありがとう。おかげで最高の一日が過ごせたわ。……え? また話をしに来てもいいかって? ふふふ、貴方、普段周りから変人って言われない? まさか人間の方から吸血鬼に会いに来たい、なんてね。もちろんいいわよ、私もまた貴方と話がしたいし。

 今度は美味しい紅茶とお菓子を用意しておくわね。いつでもいい、貴方が会いたいと思ったときに来ていいわよ。ずっと待っているから。

 

 

 

 

 

 もう一度、貴方がその扉を開ける日まで……

 

 


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