ようこそ百合至上主義のハーレムへ 作:ド級のスランプ、ドスランプス
「お疲れ様です! 龍園さん!」
「You must be tired」
「クク、出迎えご苦労」
他のクラスと違ってみんな船で待機してたからお出迎えが賑やか。他はDクラスの高円寺君だけだからね。というかみんなもう結果知ってるのかな? まあ知らなくても(ほぼ)7日ガチサバイバルは労ってくれてもいい気はする。りゅーたん髭面だし。……アニメ、りゅーたんしか髭面になってなかったけど、他のクラスは髭剃りとかも買ってたの? まあ、苦労の演出に突っ込みいれるのも野暮だね。
「優里、お疲れ」
「優里さん、大丈夫でしたか?」
澪とひよりんがこっちに来てくれた。当然嬉しい……んだけど。
「ちょ、ちょっと待って! 今私絶対臭いからあんまり近付かれると──」
「別に気にしないよ」
「それだけ頑張ったってことでしょう?」
結婚しよ。いや、簡易シャワーぐらいは浴びてたんだけどさ。まあたかが知れてるよねって。女の子が良い匂いしてるのは努力の結果なのです。野生暮らししてたら野生の匂いしかしないんだよ。
「うう……ありがとね……ついでに一緒にお風呂入ろ……?」
「はいはい」
「とりあえず、着替え取り行きましょうか」
「あ゛~、極楽~」
「あんま動かないで。洗いにくいから」
全身筋肉痛(嘘)で髪を洗うのが大変(ちょっと本当)って言ってたら澪が洗ってくれることになった。心が優しい奴なのか?
「こんな泡立たないとは思わなかった」
「脂がね……何回か洗い落とさないとね……」
ドーラン塗ってないだけまし。化粧品落としには大変お世話になりました。
「それにしても優里さんが筋肉痛……私達はさっさと戻らせてもらえて本当に助かりましたね……」
「運動苦手だもんねぇ……」
「あのね優里。ひよりったらあのビーチバレーだけで筋肉痛になってて──」
「な、内緒って言いましたよね!?」
うーん文学少女。もしくはデスクワークの中年。このままだと代謝が落ちて将来苦労しそう。まあ体育祭の時にでも鍛えてもらいましょう。ついでにスポーツ系の遊びにも誘ってみよう。ウチのクラスは肉体系だし。
「澪~身体も洗って~」
「……まあ、ついでだからいいけど。そんなに疲れたの?」
「やっぱりね、現代人はお風呂とお布団が無いと疲れが取れないんだよ……」
野外で生活するのも楽じゃねぇんだよ。
もっとAクラスに甘えとけよ、原始人。
「お~そこそこ~。痛気持ち~」
「はいはい」
「次は身体で洗って~」
「はいは……は?」
「え、こう……身体にボディソープ付けてそのまま洗ってくれれば……」
「いや、別にやり方を説明しろってことじゃなく」
「……ダメ?」
「……今回だけだからね。もっと肉付き良い子に頼みなよ」
「澪がいいの~」
じゃれ合いじゃれ合い。……ほんとか?
なんかこの学校押しに弱い女子多くない? 澪も原作でも反発しつつ結局りゅーたんに従ってたし。ケヤキモールにホストクラブが無くてよかったね。
「それで、結局島で何してきたの?」
「うーん……詐欺?」
「何やらクラスポイントを増やしていたようでしたが」
「契約でねぇ。リーダー当てさせる代わりにポイント一部渡せって」
「ああ、道理で試験結果とクラスポイントの変動が合わないと」
「あれ、結果知ってるんだ」
「船内にも中継されてたのよ。クラスポイントは先生が教えてくれた」
サンキュー坂上先生。契約書いっぱい作らせてごめんね? 無人島で用意するのも大変だったろうに。
「まあさっき言った通りが全部なんだけど……こっちは減るポイントもう無いから好きなだけ当ててくれていいよ。その代わりボーナスポイント頂戴って。まあDクラスだけ足元見て6割貰ったけど」
「その割にはポイントが増えすぎてない? 他にも契約結んだの?」
「ううん。ただ『リーダー当てで得たポイント』を渡すって契約にして、Aの情報をDに流しただけ。一之瀬さんのとこまで当ててくれたのは棚ボタだね」
サンキュー橋本君。君は馬車馬のように働いて。
「どういう……ああ、ウチが関係ないリーダー当てのポイントも契約内ってことですか」
「そーそー。Aクラスは気づきそうだし、そもそもリーダー当てする気無かったろうから文言がちょっと違うんだけどね」
契約書はしっかり読もう、本当に。基本給がクソ低かったり週休二日に釣られたら完全週休二日じゃ無かったりするぞ。酔っぱらって外人部隊の志願書にサインしてエリア88に配属されても自己責任なんだからね。
「どっか美味しいお店あった?」
「湯上りだと……どこがいいんでしょう?」
「和食?」
「いいね。さっぱりしたもの食べたーい」
でも脂っぽい物も食べたい。やっぱ肉だよ肉。野菜狂信者のために植物油ぐらいなら入っててもいいけど。夜は中華かな……でもステーキとかも食べたいな……
「あ、綾小路君……と、佐倉さん?」
「虎居か。久しぶり……でもないな」
「まあちょっと前に会ったもんねぇ。佐倉さんは久しぶり~」
「ど、どうも……あの、そちらのお二人は?」
「ウチのクラスの友達!」
どうも初めまして。いえいえこちらこそ。そんな何でもない初対面の挨拶……だと思ったのだけど。
「あの、佐倉さん。違っていたら申し訳ないのですが……雑誌などに載ったことありますか?」
「え!? その……はい」
そういえば少年誌の表紙になったことあるレベルの人気なんだっけ佐倉さん……というか、『雫』
「やっぱり! ……あ、いえ。すみません、大きな声を出して」
「と、とりあえず……ご飯食べない?」
虎居は空腹ヌンデ……
「そういえば綾小路君って食の好みとかあるの? なんか栄養さえ取れれば何でもいいって言いそうなイメージあるけど」
「そうか……? 人並みに美味い物は好きだと思うが」
「じゃあ好きな食べ物は?」
「……カップ麺とか?」
「本当にそれが好物だったら食生活を見直しなよ」
「せめてスペシャル定食とか言っとけばいいのに」
「嫌な思い出がな……」
ちなみにひよりんと佐倉さんは雑誌トークしてる。実際グラビアモデルさんはその雑誌の漫画まで把握してるのかな? まあ現状はひよりんがマシンガントークしてるから関係ないけど……あとで恥ずかしくなるやつだね。
「そうだ虎居、特別試験ではありがとう。おかげで結果を残せた」
「どういたしまして~。でも、私が居なくてもなんだかんだリーダー当て出来てたんじゃない?」
「どうだろうな。少なくとも確証は得られなかったと思うが」
「そうかもね。……っていうか、いいの? クラスの皆と騒がなくて。どうせどっかで集まってるんでしょ?」
「俺も佐倉も、そういうのが苦手でな」
「佐倉さんも? ……ひよりん? そろそろ解放してあげな~?」
「え? あ、すいません……つい……」
「い、いえ! こちらこそ……」
うん、まあどう考えてもクラスの打ち上げとか参加するタイプじゃないよね。長谷部さんとか三宅君も参加してなかったりするのかな? 幸村君はなんか参加してそう。……名前合ってるよね?
「……クラスに友達作んないと苦労するんじゃない?」
「……時々話すぐらいの相手なら居るんだがな」
「私はそれすらあんまり……」
「あの子は? ほら、友達百人みたいな……櫛田さん?」
「「裏がありそうな人はちょっと──」」
「おおう」
というか綾小路君はありそうも何も裏を知ってるでしょ。まあ言うわけにはいかないんだろうけど。
「……まあでも、ここに居て真っ当に友達が居るの……澪ぐらい?」
「待って、それ龍園達を友達にカウントしてない?」
「え、違うの?」
「それを入れるなら優里もでしょ」
「りゅーたん私のこと友達だと思って無さそうだしなぁ……」
手下と言うか、参謀と言うか、そんな感じ?
「私はほら、図書室に数千の友人が──」
「本をカウントしだしたらいよいよだよ……」
まあでも孤独っていうより孤高って感じだから良いと思う。なんなんだろうね、この印象の差は。
「よし、とりあえず連絡先皆で交換しよう。そんで今度女子会しよう女子会」
「俺も居るんだが」
「綾小路君を女子にする会をしよう」
「おい」
もしかして綾小路君の連絡先、もう女子の方が多いんじゃなかろうか。
無人島試験が終わって一段落。もう後は豪華客船の施設を使いまくって豪遊しよう──そんな雰囲気だからか、どこに行っても生徒が居る。正直鬱陶しい。あ、可愛い女の子は別です。目の保養になるので。
けどまあ、男の水着なんて別に見たくも無い。そこで賢い私は気が付いた。
「巌窟王もこういう船操縦してたのかな……」
「当時の船は木製ですからね。環境も酷かったでしょうし」
「そりゃそっか。でも行き先が無人島でよかったよ。シャトー・ディフからの脱獄試験とか言われたら……ねぇ」
「ファリア神父でも探すんですか?」
同室に美少女が居るんだから部屋でダラダラしてればいいじゃん──と。
「ま、ある意味財宝は貰えたけどね~クラスポイントだけど」
「流石に復讐には使えそうにありませんね」
「いや、案外学校への復讐にはなるかもよ? こんな夏休みを潰しに来て……!」
「ふふ、虎居さんの恨みは買いたくないですね。執念深そうですし」
「名前のイメージに引きずられてない? 虎よ、虎よ! って?」
そんな風に最高の時間を過ごしていたのだけど……
──―学生証から、甲高い電子音が響いた。
「む……なんでしょう」
「同時に鳴るって……学校からの連絡事項か何か?」
特別試験第二弾、はーじまーるよー
アニメは惑星試験でしたが本作は原作準拠で干支試験でいきます