「皆さん、今年の最終特別試験お疲れさまでした。細かい話はさておき、クラスポイントについてですが……」
Aクラス:1180cpt→1310cpt
Bクラス:1090cpt→1060cpt
Cクラス:1080cpt→1210cpt
Dクラス:80cpt→50cpt
流石は坂上先生。ちゃんと変動まで書いてくれてる。……というよりこれは単純に──
「おめでとうございます。君達は来年度からはBクラスとしてスタートすることになります。一年間よく頑張りましたね」
クラスから歓声が上がる。坂上先生もにっこにこ。この発表の為にわざわざ分かりやすい表を用意してくれたのね。
「君達ならAクラスを目指すのも夢ではないでしょう……とはいえ、気を抜いて足元をすくわれないようにしてくださいね? まだこの学校での生活も二年間ありますから」
「はっ、誰に言ってやがる」
そういうとこだと思うよりゅーたん。来年からは私もどうなるか分かんないし。りゅーたん退学イベントとか無いよね……? 一年生でフラグ立ってへし折ったわけだし。あと貴重な他クラスでのモブじゃない男子だし。他には葛城君と神崎君ぐらいだったもん。各クラスでキャラ立たせるためにも大丈夫、と思いたい。これで男ばっか退学することになったら笑うしかないね。
と、私としてはそんなことを心配しながら終業式を迎えたのだけど──
「お前ら、今日はとことんまで騒ぐぞ」
「うん、まあ打ち上げは良いと思うんだけど……龍園、持ってるそれは?」
「ケヤキモールの店員を脅して手に入れた酒だな」
「なんで早速足元をすくわれかねないことを……!」
いやまあ、似合ってるんだけども。というかほんとこの学校は酒撤去しろよ。誰のための商品なのさ。
「安心しろ。カラオケの部屋にカメラは無いことは確認済みだ」
「入学してすぐから知ってるよそんな事……! というか皆も困るで……あれ、もしかしてみんな興味津々な感じ……?」
まあこの年頃なら興味出てくるか……? タバコやり出すよりはマシかもしれないし……いや、どっちも法律違反なんだけどさ。昭和なら許されただろうけど。
「諦めろ虎居。むしろここで取り下げたら士気が下がる。」
「ええ……うわ、しかもなんでそんないっぱい……」
ビール、ウィスキー、リキュール……日本酒とか焼酎とかもあるんじゃ? なんかりゅーたんの荷物多いと思ったんだよ。持ってたのザッキー達だけど。
「はぁ……分かったよ、もう止めない……けど、飲んで後悔しても知らないからね?」
「クク、後悔なんかするかよ」
だってお酒の飲み方知らないでしょ貴方。ウィスキーをグラス一杯ストレートでいこうとしてる時点でお察しだよ。というかクラスほぼ全員お酒に手出すの流石(元)Cクラスだね……! やっぱアウトロー気質が集められてたんだ……!
「なんだ虎居。お前は飲まなくていいのか?」
「どうせ皆一口舐めて嫌になるだろうから……こういう時後始末させられるのが私なんだよ……」
「どうだろうな?」
そんでまあ、りゅーたんが音頭を取って乾杯することにはなったのだけど。
「「にっっっが!!」」
そりゃそうなるよ……ビール飲んだ組が一番嫌な顔してる……けどちらほらいる平然としてる君らは飲み慣れてるな? まあ未成年飲酒を咎めるほど清廉潔白に生きてないけどさ。
「……あの野郎、さては不味い酒を寄越し──」
「はいはい、せめて割って飲もうね。虎ちゃんがやったげるから待ってなさい」
大体の洋酒なんてコーラと混ぜとけば何とかなると思ってます。年とってくると苦味を美味しく感じられるんだけどねぇ……昔行ってたバーのマスター曰く味覚の老化らしいけど。味蕾が鈍くなるから喉越しとかで楽しめるようになるんだって。本当かは知らない。
「ビール組は……ジンジャーエールとでも混ぜよっか。あと何人かちょっとスーパーとかコンビニ行って買い出しお願い。カクテル作ったげるから」
こういう時はケヤキモールって便利だね。商店街みたいな感じでお店がすぐ近くにあるから。
そんなわけで。
「あーもう君ら苦いの嫌なくせにお酒楽しもうとして……酔っぱらって迷惑かけてクラスポイント減らすとかやめてよ? ほんとに……」
幸いなのは40人で分ければ一人当たりは大した量にはならないこと。でもりゅーたんはウイスキーをストレートで飲もうとするのをやめなさい。コークハイにしてあげるから。
まあこうしてちょっと悪いことをするのも青春だし、飲みたがらない子に無理矢理呑ませる人とかも居なかったからちょっと安心してたのだけど──
「優里さん! なんで飲まないんですか!」
「飲んでる飲んでる。ほら」
「ソフトドリンクなの見たら分かるんですからね?」
ひよりん、お酒弱かったんだねぇ……
「大体優里さんはいっつもそうやってクラスのお母さんして……」
「いやいやいや、それは無いでしょ」
やだよこんなレズお母さん。子供を産んだらちょっとは落ち着きなさい。まあなんかいつの間にか参謀枠にはなってたけどさ。
「なんですか? 私の意見を否定するんですか?」
「うお、絡み酒……」
「優里さんも、もっと素直にお喋りしましょうよぉ」
「いっつも欲望に素直なんだけどな……?」
「嘘です。だって私には遠慮してるじゃないですか」
「え、そんな事無いと思うけど……」
むしろ友人として大分ワガママ聞いてもらってるぐらいなんだけど。
「だって私にはえっちなお願いしてこないじゃないですか!!」
「──っ!? ゲホッ! ぉえ……!」
「私の身体じゃ満足できないってことなんですか? でも伊吹さんには──」
「ひよりんストップストップ! みんな聞いてるから!」
「聞かせたらいいじゃないですか。皆さんもおかしいと思いますよね!」
誰か酔っ払いを止めてくれ。というかひよりんそんなこと思ってたの? ばっちりムラついてるから安心して欲しいんだけど、そんなの本人に言えるわけないじゃんね。
「そうだそうだー!」「全員抱くぐらいの甲斐性見せろー!」「椎名さんほんとに悩んでたんだぞー!」
私の味方は居ないんですか……? りゅーたんはニヤニヤしながら飲んでるし。肴にするなや。
「ほ、ほら、こういうのは二人きりの時にね……?」
「でも一之瀬さんとは公衆の面前でキスしてましたよね?」
「ぐぅ」
自分のしたことって自分の首を絞めるんですね。どんどん追い詰められていくよ……?
「私にもキスしてください」
「ヒェ」
「……そんなに私には魅力がありませんか? ……それとも、私のことは好きになってくれないんですか?」
負けで良いです。もう後でどうなってもしーらない。どうせ半分ぐらいは覚えてないでしょ。ひよりんがどうかは分かんないけど。
唇を重ねて塞ぐ……所までは良かった。周りから囃し立てる声も聞こえてきたけどそれは別にどうでもいい。慣れてるし。
問題なのは、そのままひよりんがこっちに倒れ込んで……というか私を押し倒してきたことで。
「あ、あの、ひよりさん? なんで私の服のボタンを外してるんでしょうか……?」
「他の人にしてきたことを今度は優里さんがされる番なだけですよ?」
「ヒェ」
お、犯される……? こんな皆の前で……? あ、やばい濡れてきた──じゃなくて!
「お、落ち着こうひよりん。絶対後で後悔するって」
「私の想いはその程度だと言いたいんですか?」
「うっ」
口喧嘩で勝てる気しないよ。助けてりゅーたん。そんな思いで視線を送る……ちくしょうずっとニヤニヤしてやがる。
「おい椎名」
「なんです? 龍園君。まさか今更マトモなお説教しませんよね?」
「隣の部屋も貸切る。好きに使え」
「りゅーたん!?」
裏切り者……!
「ふふ、行きましょう優里さん。いっぱい楽しみましょうね?」
「み、澪! 助け──寝てる……!」
抵抗して傷つけたくないからとズルズル隣の部屋へ。で、でもまあひよりんも初心者だし主導権握っちゃえばこっちのもんだよね? なんとかそのまま寝かしつけてしまいま──
「ひよりん? ひよりさん? どっから手枷なんて出してきたんです?」
「龍園君がくれました」
「馬鹿野郎……!」
「ふふ、言いましたよね? 皆にしてきたことを優里さんがされる番って」
「な、なにをする気なんでしょう」
「そうですね……とりあえず、膀胱が緩むぐらい気持ちよくなってみましょうか」
「待って! 私まだそんなことしたことないよ!?」
「別に黒幕ぶってる人がひんひん鳴いてるところを見たいなぁなんて思ってませんよ?」
「せ、せめて優しくして欲しいかなぁ、なんて……」
「大丈夫ですよ? 道具とかありませんし、指と口しか使いませんから」
「何も大丈夫じゃない! ちょ、待って、汚いから……! せめて洗ってから──」
「知りません」
まさかこんなことになるなんて思わないじゃんね。最後の最後、九回裏満塁逆転ご主人様……! 正直滅茶苦茶興奮する。いいんですかこんなご褒美。
ただ……この後私、マトモに立てるかなぁ……? 既に期待だけでイキそうなんだけど……
「優里さん」
「は、はい」
「好きです。初めてバスで会った時から」
「……私も好きだよ。この学校の初めての友達だし」
「ええ、親友だと思ってました。でも今は…」
「今は?」
「……いえ。今だけは、友達、辞めちゃいましょう?」
そうして私達は────
これにて完結です。よければ評価よろしくお願いします。
今後についてとか裏話みたいなのとかは活動報告に