『異種族玩具店(アダルトショップ)の店主はインキュバス』   作:微糖コーヒー

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第12話:禁断のオークション──叡智の映像(ビデオ)は金貨の山を築く

 

 

 「……いいかリリ。この世界には、二種類の人間がいる。**『自ら体験する者』と、『他人の絶頂を観測して悶える者』**だ」

 

 俺──ゼクスは、ベルベットのクッションに鎮座した、妖しく光る水晶を撫でた。

 

 その中には、先日クリム君(ちゃん)を「物理法則の限界」まで追い込んだ、あの**『聖魔共鳴デバッグ映像』**が、一分の隙もなく記録されている。

 

 「ゼクス様、これを売るんですか? 天使の尊厳と、我が店の技術流出を天秤にかけて、金貨を選ぶんですか?」

 

 「失礼な。これは『プロモーション』だ。この映像を見れば、俺たちの作る道具がどれほど『本物』か、全種族の金持ちどもが理解する」

 

 オークション会場:『背徳の天秤亭』

 

 会場には、顔を隠した貴族、豪商、そして「道具」の噂を聞きつけた各ギルドの重鎮たちが集まっていた。

 

 「紳士淑女の諸君。今夜お見せするのは、ただの映像ではない」

 

 俺が壇上に立ち、巨大な投影用水晶に魔力を流す。

 

 映し出されたのは、最新のデバイスに翻弄され、聖なる光を撒き散らしながら「自分」に屈服するクリムの姿。さらに、デミア先生による「専門的すぎてエロい」解説音声が流れる。

 

 『──見て、この神経伝達のスパイク。天使の魂が、機械仕掛けの愛撫によって物理的に書き換えられているわ……(デミアの声)』

 

 会場は静まり返った。……そして、直後に爆発した。

 

 「金貨100枚だ! その水晶、我が一族の家宝にする!!」

 

「200枚! 魔法騎士団の訓練教材(?)として、是非とも買い取りたい!」

 

「300枚よ! あのデバイスの『試作一号機』をセットにするなら、500枚出してもいいわ!!」

 

 1. 競り合い:欲望のインフレ

 

 価格は瞬く間に跳ね上がった。特に、サキュバスギルドの幹部が「技術研究のため」と称して、商人たちと激しい競り合いを演じている。

 

 「……ゼクス様、大変です。入札額が、アンパルの国家予算の1/10に届きそうです。リリ、計算が追いつきません」

 

 リリが算盤(そろばん)を弾く指が震えている。

 

 だが、そこで一人の老紳士が静かに手を挙げた。

 

 「金貨……1000枚。……ただし、その水晶の**『複製権(コピーライト)』**を、我がギルドが独占させてもらう」

 

 現れたのは、隣国の「魔導具流通ギルド」の長だった。

 

 彼は、この映像が単なるエロ動画ではなく、**「全人類を虜にする新たな産業」**の種火であることを見抜いていた。

 

 2. 収支報告:一夜にして成金

 

 落札価格: 金貨1200枚(水晶1個+今後の独占販売契約料)

 

 副産物: 記録水晶を見た客たちからの「特注魔道具」の注文が300件突破。

 

 リリのボーナス: 金貨50枚(「これで、故郷の村に隠居用の豪邸が建ちます……」と遠い目をしている)。

 

 3. オークション後の不穏な動き

 

 「ゼクス、おめでとう。大成功ね」

 

 会場の影からデミアが現れ、冷たく笑った。

 

「でも、これでもう後戻りはできないわよ。貴方の『道具』は、今夜から『世界の欲望の基準』になったんだから」

 

 「望むところだ、デミア先生。……次は、この映像を『触覚付き』で配信するシステムを作る。……家から一歩も出ずに、世界中の風俗を体験できる**『VR(バーチャル・レビュアーズ)』**の時代の幕開けだ」

 

 俺の懐には、一生遊んで暮らせるだけの金貨が入った。

 

 だが、俺のエンジニアとしての煩悩は、さらなる「高み」を目指して加速し始めていた。

 

 「……さあリリ。明日から、もっとデカい研究室を建てるぞ。……あと、クリム君には『口止め料』として、最高級の聖水パフェを奢ってやってくれ」

 

 「……了解です、店主様。……でも、クリム君。あの映像が流れたせいで、街を歩くたびに『あ、水晶のあの子だ!』って指を指されて泣いてましたよ。……ちゃんと、責任取ってくださいね?」

 

 ゼクスの野望は、もはや一店舗の枠を超え、世界そのものを「欲望」で塗り替えようとしていた。

 

 

 




クリム君可哀想w
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