血液パック……足りるか……!?
「赤燐躍動」
いや。
(まずは散らばった血液を集める……!)
地面、服、顔。様々な場所に散らばった血液を集めて、一旦1つにまとめる。
(この脳無は、俺のことを殺せる。赤子の手を捻るように。血星磊を一撃で割ったんだ……。こんなパワー、そうそうない。……耐えうる構造を探せ……!)
「百歛……と!!」
集め損ねたやつに付着した瓦礫で……!
「ふんっ!!」
脳無の腹に集めて、足止め……!!
「!!」
ヤバ、もう突破してくる……
「SMASH!!!」
緑谷……!?なんでここに……!!
いや、今はいい!時間が出来た!
「もっと……もっとだ」
もっと圧縮しろ……!!こんなものじゃ足りない……!
「……今」
・・・・・
「漿くん、君の個性は”血液操作”だね」
「けつえきそうさ?」
「ああ。君の体に流れてる血を操れるんだ!」
「……ち」
「そう、血」
幼い頃、姉と行った個性検査。その時既に個性が発現していた姉が付き添ってくれて、嬉しかったことを覚えてる。
そして、それと同じくらい覚えてるそこで言われた言葉。
「それで、これは親御さんにもお願いしたいんですが……」
「はい。なんでしょうか……?」
「操作出来るのは、自分の血液限定です。他人の血液は、たとえ血液型が同じだろうと操作できません」
「……はあ。それで……どういうことですか?」
「彼の血液を他人の体内に入れさせないようにしてほしいんです」
「え?」
「個性因子が、彼の血液……赤血球のヘモグロビンですね。その部分と、血液型を決める抗原ですね。そこに個性因子が加わって、彼への輸血が彼以外の血液で行うことが出来ません」
「どういうことですか!?」
「つまりですね、この血液型と血液そのものが彼以外に存在しないんです。摂取すれば拒否反応を起こし、毒のように身体を蝕んでいくんです」
「そんな……」
「ですので、定期的に個性病院へ行ってもらって、献血をします。年齢の問題がありますが、こちらで色々と報告をすれば大丈夫ですので」
「……わかりました、ありがとうございます」
・・・・・
それから、献血には行き続けている。
そうだ。俺の血は、他人には毒だ。体内に入ればたちまち拒否反応を起こして、体の機能を妨げる。
「叩きこんでやる……!!」
思いっきり圧縮した血液だ、緑谷のパンチでも効かなかった身体貫くには十分だろ!?
「あぁっ!!」
脳無の左肩に、圧縮した血液を押さえつける。百歛に神経を使っていたらしく、思わず百歛が解ける。
全方位に散るが、それでもかなりの血液が脳無の体内に入ったはずだ。
「毒なら効くだろ……!?」
途端に悶え苦しむ脳無を見遣る。緑谷が俺を引き離してくれて、すかさず追撃をいれようと穿血を放とうとしたところで──
「もう大丈夫……私が来た!!!」
ちなみに、漿くんが赤燐躍動をしている間は左頬に血が滲んで、模様が浮かび上がります。どんな模様かは決めてません。
あと、赤血操術は血に付着したものも操れると呪術に書いてあったので、それもちゃんと個性に組み込んでおきました。流石は赤血、汎用性が高すぎる。