赤き血の英雄、悪を穿つ。   作:ただねこ

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9話

血液パック……足りるか……!?

 

「赤燐躍動」

 

いや。

 

(まずは散らばった血液を集める……!)

 

地面、服、顔。様々な場所に散らばった血液を集めて、一旦1つにまとめる。

 

(この脳無は、俺のことを殺せる。赤子の手を捻るように。血星磊を一撃で割ったんだ……。こんなパワー、そうそうない。……耐えうる構造を探せ……!)

 

「百歛……と!!」

 

集め損ねたやつに付着した瓦礫で……!

 

「ふんっ!!」

 

脳無の腹に集めて、足止め……!!

 

「!!」

 

ヤバ、もう突破してくる……

 

「SMASH!!!」

 

緑谷……!?なんでここに……!!

 

いや、今はいい!時間が出来た!

 

「もっと……もっとだ」

 

もっと圧縮しろ……!!こんなものじゃ足りない……!

 

「……今」

 

 

・・・・・

 

 

「漿くん、君の個性は”血液操作”だね」

「けつえきそうさ?」

「ああ。君の体に流れてる血を操れるんだ!」

「……ち」

「そう、血」

 

幼い頃、姉と行った個性検査。その時既に個性が発現していた姉が付き添ってくれて、嬉しかったことを覚えてる。

そして、それと同じくらい覚えてるそこで言われた言葉。

 

「それで、これは親御さんにもお願いしたいんですが……」

「はい。なんでしょうか……?」

「操作出来るのは、自分の血液限定です。他人の血液は、たとえ血液型が同じだろうと操作できません」

「……はあ。それで……どういうことですか?」

「彼の血液を他人の体内に入れさせないようにしてほしいんです」

「え?」

「個性因子が、彼の血液……赤血球のヘモグロビンですね。その部分と、血液型を決める抗原ですね。そこに個性因子が加わって、彼への輸血が彼以外の血液で行うことが出来ません

「どういうことですか!?」

「つまりですね、この血液型と血液そのものが彼以外に存在しないんです。摂取すれば拒否反応を起こし、毒のように身体を蝕んでいくんです」

「そんな……」

「ですので、定期的に個性病院へ行ってもらって、献血をします。年齢の問題がありますが、こちらで色々と報告をすれば大丈夫ですので」

「……わかりました、ありがとうございます」

 

 

・・・・・

 

 

それから、献血には行き続けている。

そうだ。俺の血は、他人には毒だ。体内に入ればたちまち拒否反応を起こして、体の機能を妨げる。

 

「叩きこんでやる……!!」

 

思いっきり圧縮した血液だ、緑谷のパンチでも効かなかった身体貫くには十分だろ!?

 

「あぁっ!!」

 

脳無の左肩に、圧縮した血液を押さえつける。百歛に神経を使っていたらしく、思わず百歛が解ける。

全方位に散るが、それでもかなりの血液が脳無の体内に入ったはずだ。

 

「毒なら効くだろ……!?」

 

途端に悶え苦しむ脳無を見遣る。緑谷が俺を引き離してくれて、すかさず追撃をいれようと穿血を放とうとしたところで──

 

 

 

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「もう大丈夫……私が来た!!!」




ちなみに、漿くんが赤燐躍動をしている間は左頬に血が滲んで、模様が浮かび上がります。どんな模様かは決めてません。

あと、赤血操術は血に付着したものも操れると呪術に書いてあったので、それもちゃんと個性に組み込んでおきました。流石は赤血、汎用性が高すぎる。
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