【祝・原作漫画完結&アニメ4期連動待機中】機動戦士ガンダム とあるアクシズの超電磁砲 〜あたしはニュータイプ、指先ひとつで宇宙世紀を撃ち抜く電撃使い〜   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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AIMバースト

片付いたと思った事件は、たいてい、片付いていない。それがアクシズの流儀だ。

 

宇宙世紀0088年。第13レーザー通信塔・頂上部。ローレンが倒れ、マスター・ユニットが沈黙した——その瞬間。

 

「な、なんですの……空間が、歪んでいますわ!」

 

キャラ・スーンが、震える指で虚空を指した。ネットワークに繋がれていた1万人分の思念波が、行き場を失って1つに溶け合い、どす黒い光を放つ巨大な異形へと変貌していく。

 

特定のパイロットの意志を持たない、純粋な渇望と負の感情が物理的な質量を得た怪物——サイコ・シャドウ。1万人分の脳波が並列化したことで生じた、宇宙世紀史上最悪のサイコ・フィールドの暴走体だ。

 

『プルさん、大変です!末端の犠牲者たちの脳波が臨界点を超えています!あの怪物を今すぐ霧散させないと、1万人全員の精神が焼き切れます!』

 

「……あたしが止める!誰かの道具にされたみんなの心が、あんなバケモノのまま終わるなんて、許さないんだから!」

 

あたしは、バイオ・センサーを最大出力で解放し、光り輝く異形の懐へ飛び込んだ。凄まじいプレッシャーが全身を押し潰そうとする。1万人分の「力が欲しい」「認められたい」という悲鳴が、濁流となって脳内へ直接流れ込んでくる。

 

「くっ……痛い、痛いよ……でも、逃げない……逃げないんだから!」

 

歯を食いしばり、自分の純粋な生命エネルギー(オーラ)を放射する。けれど、1人分の感応波では、1万人の絶望に飲み込まれそうになる。

 

そのとき、ミリィの声が通信に割り込んだ。

 

『プルさん、思念の集まる場所がわかりました。アンテナではありません。破損したマスター・ユニットに残った、最後の接続点です』

 

「そこを切れば、みんなの声は戻る?」

 

『断言はできません。でも、これ以上ひとつに束ねられるのは止められます』

 

あたしは異形の光から目をそらさなかった。

 

「だったら、やる。ミリィ、回線を開いて」

 

接続点を覆う電磁ロックが外れる。あたしは指先に電流を絞り、装置の中枢だけを撃ち抜いた。光は激しく揺れ、やがて、いくつもの弱い波へとほどけていった。

 

誰かひとりの巨大な力じゃない。ひとりひとりの声だ。

 

「……聞こえるよ。もう、無理にひとつにならなくていい」

 

医療班への引き継ぎを終えても、あたしはしばらく通信塔を離れられなかった。助けられた人が何人いるのか、まだわからない。だからこそ、最後まで確かめようと思った。

 

力の使い方を教わるのは、力の振るい方を教わるより、ずっと難しい。

 

宇宙世紀0088年。軍事研究セクター・第4訓練場。レベルアッパー事件の終結に伴い、関与した全少年兵とジャッジメントのメンバーには、軍上層部から「感応波再固定のための特別講習(スキルチェック)」が義務付けられていた。




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