機動戦士ガンダム とあるアクシズの超電磁砲 宇宙世紀0088 最強のニュータイプは妹達を救うため、指先一つで宇宙世紀の歴史を貫く   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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学園都市

宇宙世紀0088年。

小惑星基地アクシズ、中央第2庭園。

非能力者の不満分子「スキルアウト」との小競り合いから一夜明け、アクシズの人工太陽はいつも通りの淡い光を降らせていた。

 

あたし、エルピー・プルは、珍しく非番だった。ミリィ・チャイルドを誘って、居住区のカフェテラスで、山盛りのアイスクリームを突っついていた。

 

「ねえミリィ。ミリィはどうして治安維持部隊(ジャッジメント)に入ったの? ミリィの能力なら、もっと安全な研究セクターにだっていけたでしょ?」

 

あたしの問いに、ミリィはタブレットを操作していた手を止め、少し困ったように笑った。

 

「プルさんみたいに、モビルスーツを操って最前線で戦えるわけじゃありませんから。……でも、私は自分の『マルチデバイス並列接続能力』……この高度な電子戦適性が、誰かの盾になれるなら、それが一番いいと思ったんです」

 

ミリィはアクシズの年少兵の中でも、直接的な戦闘力より、情報処理能力に特化した調整を受けていた。それは、華々しいエースパイロットの影に隠れた、地味で、けれど過酷な役割だ。

 

「……あたし、時々怖くなるんだ。この力が、誰かを傷つけるためだけのものだったらどうしようって」

 

あたしはスプーンを口に運ぶ。かつての「レベルアッパー事件」で見た、制御不能な力。スキルアウトがぶつけてきた、持たざる者の憎しみ。あたしたちがニュータイプや強化人間として特別であればあるほど、周囲との壁は厚くなっていく。

 

その時、テラスの騒がしい一角から、非能力者の少年兵たちがミリィに嫌がらせをしているのが見えた。

 

「おい、そこのジャッジメント! お前らエリート様はいいよな、そんな端末一つで何でもわかった気になれてさ。……俺たちの気持ちなんて、スキャンしてもわからないんだろ?」

 

「……。治安維持部隊の職務として、公共の場での威圧行為はやめてください」

 

ミリィは毅然と言い返したけれど、その指先は小さく震えていた。あたしが立ち上がろうとした瞬間、イリア・パゾムが背後から彼らの肩を掴んだ。

 

「そのくらいにしなさい。彼女たちが背負っている能力の重圧も知らずに、よくそんな口が叩けるわね。……消えなさい。次は軍法会議よ」

 

少年たちが逃げ出した後、イリアさんはあたしたちのテーブルに座った。

 

「プル、ミリィ。私たちがここにいるのは、誰かに認められるためじゃない。このアクシズという箱舟を、最後の一人まで生かして地球へ届けるためよ。……そのために、私たちは人間であることを少しだけ捨てて、兵器(システム)の一部になる覚悟をしたはずよ」

 

イリアさんの言葉は、重く、鋭かった。

 

宇宙世紀0088年。

ここは選ばれた者たちの楽園じゃない。戦うことでしか存在を許されない、漂流者たちの城塞だ。

 

「……あたし、決めた。ミリィが演算で守ってくれる世界を、あたしがこの力で、全部守ってみせる!」

 

あたしは、残りのアイスクリームを一気に口に放り込んだ。冷たさが頭にツンと抜けて、迷いが少しだけ消えた気がした。

 

「ふふ、プルさんらしいですね。……私も、もっと処理速度を上げて、プルさんが迷わず飛べるようにサポートします」

 

夕暮れ時、宿舎へ戻る道すがら。

あたしは、自分の掌を見つめた。

この手は、モビルスーツのレバーを握るためのもの。けれど、友達の手を握るためのものでもあるんだ。

 

あたし、エルピー・プル。

このアクシズで生きていく意味を、あたしは明日も、みんなと一緒に探し続けるんだから!

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