ハイスクール・フリート 〜白鯆の卵たち〜   作:翔鉄

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えーはい、3作目です
はいふり2作目ですが誰の物語でしょう……?

それでは第1話、どうぞ


#1 入学式と懐かしき出会い

チャラララ チャラララ チャララ~『ご乗車、ありがとうございました。まもなく、終点、東舞鶴です。小浜線はお乗り換えです。今日も、特急まいづる7号にご乗車くださいまして、ありがとうございました。またのご利用をお待ちしております。お降りの際は、車内にお忘れ物の無いようご注意ください。まもなく、終点東舞鶴です。 Thank you for using JR West. We will soon arrive at Higashi-Maizuru Terminal.……』

 


 

「ここが舞鶴かぁ…新生活、楽しみやな」

 

東舞鶴駅のホームに降り立ったとある少年はそう言うと改札へと歩き出す

 

「あ、すみません無効印お願いします」

 

「分かりました」

 

JR西日本の制帽を被った駅員が無効印を押し、それを少年へと渡す

 

「ようこそ舞鶴へ」

 

「ありがとうございます」

 

そう言ってお礼を言った少年はホテルへと向かう

 

「入学式は明日やし…いいや、今日は休もう」

 

チェックインを済ませた少年は部屋へと入り休む。夕食を食べ、風呂に入った後は移動の疲れか直ぐに寝てしまうのだった…

 


 

─翌朝、東舞鶴男子海洋学校

 

「結城くん」

 

「ん……雫さん!?」

 

昨日の少年──倉本結城は名前を呼ばれ、そして呼ばれた相手にびっくりしていた

 

「雫さん来るならゆーとってよ〜!!びっくりするじゃないですか」

 

「ふふっ。サプライズよサプライズ」

 

そう言われ諦める結城。その時

 

『まもなく入学式を開式致します。新入生は整列して待機、保護者の方はフロート艦又は軽巡洋艦、駆逐艦へとご移動ください』

 

と指示がかかる

 

「懐かしい話に花を咲かせたいけど…もう入学式も始まっちゃうからまた今度にしようか」

 

「そうね。それじゃ頑張って」

 

「はい!」

 

そうして結城は席へと向かう。そして…

 

「これより東舞鶴男子海洋学校、入学式を開式致します」

 

と開式の言葉があり、始まる。結城の出番は2回、クラス委員長─つまり艦長の発表時と新入生代表の言葉の時だ

 

「次にクラス委員長の発表に移ります。呼ばれた方は大きな返事をし、教壇へと上がってください」

 

「大型直接教育艦、尾張艦長、倉本結城!」

 

「はいっ!」

 

結城が呼ばれた後も大型巡洋直接教育艦、利根の艦長や小型巡洋直接教育艦、阿賀野の艦長、睦月型航洋艦の航洋艦長、伊号潜水直接教育艦の潜水艦長などが呼ばれていった

 

「総員、敬礼!」

 

司会の声がかかり艦長陣とその他の生徒が敬礼する。そしてそのまま結城のスピーチとなる。それらも無事終わると船員名簿を見ながら結城は家族と話していた

 

「兄上、ご入学おめでとうございます」

 

「柚希か。ありがとな。そしてそっちもおめでとう」

 

と柚希の言葉に結城が返す

 

「それじゃうちは艦に行かなきゃいけないからここで」

 

「ええ。それでは兄上もお達者で」

 

「それじゃあな」

 


 

ガチャ

 

「失礼するぞ」

 

士官服を着用して制帽を被り、教室へと入る。その場の全員が敬礼する。結城は答礼をし、席へとつく。直ぐに教官が入ってくる

 

「艦長」

 

「はっ!総員、起立!礼!」

 

号令に合わせ全員が立ち上がり、礼をする

 

「訓練教官の名立です。今日から貴方方は本校を拠点として元戦艦、大型直接教育艦尾張を使い、学んでいきます。時には荒波を受けることもあるでしょう。しかしその荒波こそ成長するチャンスです。この航海が終わった後、みなさんの成長した姿をみられることを楽しみにしています。それでは総員出港用意!」

 

「「はっ!」」

 

教官の指示に合わせ、敬礼し、それぞれの持ち場へと向かう乗組員。結城は一度艦長室に戻り、マントを羽織ると艦橋へと向かう。途中、副長と合流し、そのまま艦橋へと入る

 

「艦長入られます」

 

副長の言葉に合わせ艦橋メンバーが敬礼する。結城も答礼で返し自己紹介をする

 

「この度、本艦─大型直接教育艦尾張艦長に任命された倉本結城だ。正直に言うと形苦しいのは苦手。だから皆基本はラフな形でいい。教官がいる時は除いてな。以後よろしゅうね」

 

その言葉に艦橋の緊張がほぐれる。そしてそのまま副長が自己紹介に入る

 

「この度、大型直接教育艦尾張副長を拝命しました、相田由良です。よろしくお願いします!」

 

「記録員の野町晴弘です」

 

「砲術長の神田宏光です」

 

「水雷長の野町唯太です。晴弘は双子の弟です」

 

「航海長の知床裕太です」

 

と副長に続けて自己紹介をする艦橋要員。そして艦内の伝声管から

 

『機関長の大森春樹だ。よろしく』

 

と声が来る。そして主要メンバーの自己紹介が終わったことを確認した結城が号令をかける

 

「よし、皆準備はいいな?出港よーい!錨を揚げ!」

 

パラララーパラララーパラララッパパッパパー

 

結城の指示に合わせ宏光がラッパを吹き、主計科や航海科の生徒が錨を揚げる

 

「両舷前進びそーく!320度宜候、尾張、出港!」

 

ブォーー!

 

利根から汽笛が鳴り響き、ゆっくりと船体が動き始める

 

「手空きの者は帽振れ!」

 

学校フロート艦にいる家族へ向け航海科や主計科、砲雷科の人々が帽振れを行う。結城も帽振れをしつつフロート艦で待機する教官を見つけ敬礼をする。それを見た教官はタブレットの「出港確認」の欄にチェックを入れ答礼する。それを見た結城は艦内に戻り指示を出す

 

「航海長操艦!」

 

「「「「「航海長操艦」」」」」

 

結城の言葉を艦橋要員全員が復唱する

 

「両舷前進強速、赤黒無し、針路0度宜候」

 

「頂きました航海長。両舷前進強速赤黒無し、針路0度宜候」

 

ブォーー!!

 

利根はもう一度汽笛を鳴らすとそのまま演習地点へ向け、航行するのだった

 


 

「して?航海の様子は?」

 

艦長室にて結城が聞く。そして由良がタブレットを見せながら説明する

 

「何ら問題ありません。順調に進んでおります。またこの後の航路ですが学校側からの変更の通達がありまして」

 

「ん?どういうこと?このまま琵琶湖を抜けて太平洋側へ行き、そのまま小笠原諸島沖まで行くんじゃないっけ?」

 

由良の言葉を聞き、結城は疑問を呈す

 

「もともとの航路はそれだったんです。しかし来島の巴御前が会いたがっているから呉へ向かうと…」

 

「真雪さんか…分かった。では航海長へ通達。本艦は一度呉軍港方面へと向かう」

 

「はっ!」

 

敬礼し、そのまま部屋を出る由良。それを見た結城は携帯を取り出す

 

プルルル…カチャ

 

相手は1コールで応答した

 

『どうした?結城』

 

「もしもし父さん。さっき呉へと向かう指示が出てさ、真雪さんと会うんだけどなんか艦内で作らせて持っていくべきかな…?っていうのをこの携帯の試運転も兼ねて聞きたいんよ」

 

『なるほどな。作る必要は無いよ。こっちにも電話があってね。こちらからも護衛兵を出すことで向こうと話しつけたから護衛に持たせる』

 

「分かった。ありがとう父さん」

 

そう言って電話を切る結城。「ふぅ」と息をつき航海日誌を開くと今までのことを振り返りつつ今日の分を進める。とその時

 

ジリリリリリン

 

と艦内電話がなる

 

「こちら艦長室。どうした」

 

『こんな時間にすみません。至急艦橋へ来ていただけますか?』

 

「分かった」

 

何だろうと思いつつ艦橋へと向かう

 

「艦長入られます」

 

安定となった副長の掛け声と敬礼を済ませ、何があったのかを聞くと

 

「海上安全委員会からの指令で琵琶湖沿岸にある海賊拠点の殲滅のための支援砲撃を行ってほしいとのことで…」

 

「まぁーたなして学生艦にやらせるかなぁ……確か今日は琵琶湖に軽巡大淀がいたなぁ…よし」

 

というとまた携帯を取り出し電話をする

 

「短時間にごめんな。父さん。確か今琵琶湖に大淀以下第一水雷戦隊がおったやろ?それをこっちに派遣してくれないか?」

 

『どうしたんだ?また急に…とりあえず手続きは進めるが…』

 

2度目の電話がいきなり軍事に関することで驚く結城の父親。その驚きは気にせず結城が続ける

 

「海上安全委員会から海賊拠点を殲滅するためにうちの艦に支援砲撃して欲しいんだと。じゃけん対潜とかの為に艦が欲しいが付近に学生艦なくてな。そういうことや」

 

『なるほどな。わかった。それじゃあ派遣しておく』

 

「ありがと。うちは現在地で少し待機するわ」

 

そう言って電話を切ると直ぐに艦内へ通達する

 

「これより本艦は海賊拠点への支援砲撃を行う為、海軍第一水雷戦隊と合流する。機関出力最低限。両舷てーし!錨は降ろさんでよか」

 

「『はっ!』」

 

春樹と由良の声が重なる

 

「ところで艦長、一つお聞きしたいことが」

 

「んどうした?」

 

由良の疑問が何かと思い即座に反応する

 

「艦長の父親って…どんな方なんです?」

 

その言葉にはっとした表情になる結城

 

「あー…言っとらんかったな。うちの父親は海軍で少将を拝命しとる。艦隊司令部付のな。んで母親は現役のブルマーや。宗谷家までには行かないが代々海軍やブルマーを輩出してきた家の一つよ。倉本家(うち)はね」

 

突如言われる情報についていけず目をパチパチさせる艦橋要員

 

「えっと…つまりそのお父様の権限を使ってこちらに派遣してもらうってことですか?」

 

なんとか思考が復活した由良が聞く

 

「ん、まぁそういうこと」

 

「艦長の父さんすごい人やん…」

 

続けて思考が追いついてきた宏光が声を漏らす

 

「ということで合流まで20分弱待機!機関長!機関はいつでも出力上げられるように用意しておいてくれ!」

 

『おう!任せとけ!』

 


 

「艦長。海軍の一水戦が合流しました。また通達で一水戦の指揮権は艦長にあるとのことです」

 

晴弘が電信員からの報告を聞き、それを結城へと伝える

 

「了解。機関長!両舷前進半速!赤黒なし。半速になり次第黒10。段階的に強速へ。また一水戦にも同様に通達」

 

「『はっ!』」

 

春樹と晴弘が返事をし、機関が動き出す。またそれと同時に第一水雷戦隊への指示も飛んでいた

 

「砲術長!右舷砲撃戦よーい!弾種徹甲榴弾!」

 

「了解!右舷砲撃戦よーい!弾種徹甲榴弾!」

 

宏光が復唱し艦前後部に2基ずつ備えられた4基の主砲が右を向く。長門型戦艦、土佐型戦艦の発展型として計画された尾張型は史実では45口径三年式41cm連装砲が搭載される予定だったが、他国も同等の主砲を装備する可能性が危惧された結果、優位性を持つため、45口径六年式46cm連装砲を装備されていた(他国への情報統制のため、就役時は50口径六年式41cm連装砲と呼称。1945年の日本國への国号変更と同時に情報統制解除)

 

「撃ち方よーいよし!」

 

宏光が声を上げる

 

「よろしい。撃ちぃーかーた始め!!薙ぎ払え!」

 

ドドーン!ドドドーン!!

 

結城の声にあわせて主砲弾が放たれる。また第一水雷戦隊も同様に砲撃を行う。そして第五斉射が着弾した頃

 

「面制圧率75%!ブルマー艦より通信!『ご苦労。お疲れ様でした』とのことです」

 

由良から報告が入る

 

「了解。ほなもとの航路に戻ろう。一水戦にも協力感謝の旨を通達。砲撃辞め。これより呉へ向かう!」

 

「「「「「『了解!』」」」」」

 

結城の指示に艦橋要員と機関長が応答した頃一水戦旗艦大淀では

 

「にしても大した指揮でした…流石少将のご子息」

 

「えぇ。これで高一とは…信じられませんね」




今回も(?)読んでくださりありがとうございました!
読んでくださる方に最大級の感謝を

最初の放送、あれ普通に2026年現在のものです…設定的には2004年なのですが…時刻表もないので調べられません。許してください
そして主人公は倉本結城です。はい、学生時代のお話が書きたかっただけです。ん?結城は海軍行っただろって?キニスルナ
長くは書かないと…思う

このお話はかなりのオリジナル設定を入れています。また公式から追加の設定が公開された場合は改編する場合があります。ご注意ください

尾張型大型直接教育艦は八八艦隊計画上の紀伊型戦艦です。紀伊は佐世保の大和型に取られているんで繰り上げました。東舞鶴の尾張、長浦の駿河、大竹の近江、長崎の出羽が在籍しています。今度艦影描きます

次回、第2話、瀬戸内海でハッピー(仮)
明日へ向けて、ヨーソロー!!
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