結構過酷な個性社会を生きる 作:エタるマーン!
というわけでこんな作品を楽しんでくださる皆さんのためにも毎日投稿継続です
……明日には途切れるかもだけど
今回は爆豪の著しいキャラ崩壊と霊夢たちがあんまり出ないことに注意です
『その爆発は我が盟友お祭り型匠氏では……?』
結構過酷な個性社会を生きる
『さぁ今日も元気に保健室のベッドで寝転んでいきましょう』
【体の方は大丈夫なのか?】
『私たちはクラフターだよ?この程度食料を飲み食いすれば治るさ』
[それもそうだったわね。この世界がリアル寄りすぎて忘れていたわ]
〘じゃあ次の試合は問題なく出れそうなんだな?〙
『もちろん。こっちは優勝が通過点って決めてる身だ。こんなところでへばってる場合じゃないからね』
【じゃあとっととこれから来るであろう患者のためにも、ベッドを空けてやらないとな】
『そうだね』
『というわけでもう行きますね、リカバリーガール』
「おや、もういいのかい?」
『傷はもう癒えましたので』
「あれだけの重症が短時間で……お前さんも中々に強い個性の持ち主みたいだけど、だからって無茶はしすぎるんじゃないよ。ましてや慢心なんてね」
『心得てますよ。それじゃ』
『私は王様じゃないからね。慢心なんて無縁だよ』
[わりと慢心してた気がするのだけれど……]
〘調子乗って慢心しない霊夢とか逆に霊夢じゃないだろ〙
『そんなことないって。だって今だってあの轟に勝ったぞヒャッホーイ!って気分を抑えてるんだから』
【感情をコントロールできるのは立派なことだが、盛り上がるにはまだ早いんじゃないか?】
[この後に控えている相手は原作通りの流れなら飯田と爆豪。A組内でも明確な戦闘強者側よ]
『それはわかってる。わかってるんだけど……これそもそも爆豪勝ち進める?』
〘何が言いたいんだ?〙
『今の爆豪って原作みたいな勝利への執着とか圧倒的プライドとか、そういう「爆豪勝己」を構成する要素がガッタガタなんだよね。そんな状態で原作通りにいくかっていうと……』
【でもここで爆豪を軌道修正しとかないと後に響くんじゃないのか?】
『それはそう。でもだからって安易に踏み込んでいい領域でもないしな……』
[霊夢にマトモなカウンセリングは無理そうだものね。かといって彼が自力でどうにかできるとも思えない]
〘無理ゲーってか詰みじゃね?〙
『最悪の場合でもリカバリできるので続行はします。でもできるならどうにかはしたい』
【運を天に、って感じか】
『そうなるね。それにもしかしたら、彼を救えるのは私たちじゃないかもしれないし』
[それはどういう……?]
『まあ先の話……いや、今目の前で起こってる話かもね』
〘今は件の爆豪と切島が戦ってるところだが……〙
【爆豪の攻め手に躊躇いがある……ってわけでもないが勢いがないな。あれじゃあ切島には通らんだろ】
[あの戦いで何かが変わるとでも?]
『わっからん。でも爆豪って私たちが説得するには相性が悪いんだよね』
〘相性?〙
『そそ。心操はいわば目的を果たす力がなかった者で、轟は目標への道筋を間違えていた者。目的に向かってひた走る私たちとは相性がよかった』
【同じ目線で話せるから同調や説得もしやすいってことだな】
『うん。それに対して今の爆豪は目的どころじゃなくなっている。人間関係や己の過去、何より無敵だった自分自身という虚像にヒビが入ってしまっている。その悩みを、迷いをぶち壊すのに向いてるのは私たちじゃないってことさ』
[この世界における人間関係は希薄で、己にとっての過去は乗り越えてきた苦労と成功の産物でしかない。何より自分自身を無敵だなんて思ったことはない。そんな私たちじゃあ同じ目線で話すなんてことは無理ね]
〘じゃあどうするっていうんだ?私たちじゃできないから諦めるのか?〙
『まさか。何もメンタルケアができる要員は私たちだけじゃないってことだよ』
Side爆豪
硬化した拳が胴に突き刺さる。その衝撃で体がふらつく。今にも倒れそうになる。……今までの俺だったら何事もなく立っていられただろうに。
「おいおいどうしたよ爆豪!こんなもんかぁ!?」
「……んなわけあるかよ!」
言い慣れた罵声じみた言葉が口を衝いて出る。本当はそんなこと思っていないのに。思えるわけがないのに。
「あれ?……かっちゃんって、こんなに弱かったっけ?」
あの日。雄英にヴィランが襲撃してきた日。ワープさせられた先で待ち構えていた有象無象を片付けた俺は首謀者共にお礼をしてやろうとして広場の中央に向かっていた。そこにいたのは、行方不明になっていたはずの幼馴染だった。
「やっ、かっちゃん。久しぶりだね」
前と変わらない笑顔で、前と変わらない声音で、前と変わらない態度で、
「なんでテメェがそっち側にいやがる。デクゥ!」
「なんで……か。まあかっちゃん風に言うなら『ワンチャンにかけた』って感じかな。まあそんなことはどうでもいいんだ。かっちゃんは強いからさ。邪魔されると困るんだ。だから……足止めさせてもらうね」
全力で戦った。手も足も出なかった。
「これだったらさっき戦った全身真っ黒の女の子の方が強かったな。……もしかして、かっちゃんって意外と大したことなかったのかな?」
俺はこんなに弱い人間だったのか?あのデクに、出来損ないのデクにボロボロに負けるような、弱っちいやつだったのか?……あの日から、そんな考えが消えない。
黒女……博霊。あいつは俺よりつえぇ。
半分野郎……轟。あいつも俺よりつえぇ。
そしてこいつ……切島。こいつも多分俺よりつえぇ。違う。俺が誰よりも弱かったんだ。
生まれ持った力でイキって、努力したフリをして俺はすごいやつなんだって勘違いして、誰よりも馬鹿にしてたやつに、心の何処かで怖がってたやつに負ける。そんなみみっちい野郎だったんだ。
「オラッ!……まだ倒れねえか。やっぱお前はそうだよなぁ!」
ちげぇ。今の俺は「爆豪勝己」の残りカスだ。「爆豪勝己」は倒れない。「爆豪勝己」は徹底的に相手を見下す。「爆豪勝己」は必ず勝つ姿に憧れていた。だから今の「俺」もかろうじて負けていない。それだけだ。
でもそれもここまでだろう。あいつにはまだ余裕がある。個性による耐久力と、本人が持つ根性がある。じゃあ俺にはどうだ?何もない。「爆豪勝己」にあったもんが全部なくなっちまったみたいに、俺の中には何もない。あるのはただ、諦めと恐怖だけ。デクが、出久が敵になっちまったら駄目だ。きっと俺じゃああいつには勝てねえ。怖いから。誰より見下してたあいつにすら勝てないなら、誰にも勝てねえ。だから諦めるしかねえ。
もう終わりにしちまえば……
「でもな爆豪!俺はお前に勝つぞ!絶対にな!」
「……でだ」
「ん?」
「なんで俺なんかに勝ちたいんだ?」
俺に勝ちたいと叫ぶ切島に、ついそんな言葉が漏れた。こんなやつ簡単に倒せるだろ。こんな何もなくなった俺なんて。
「なんでってそりゃあ……お前がつえぇからだよ!そりゃまあ口は悪いと思うけどよ。そこまで個性の扱いが上手いのも、戦ったら強いのも、全部お前が努力してきたてことだろ?それってすげぇ漢らしいじゃねえか!」
漢……らしい?俺が?こんなみみっちいやつが?
「……最近のお前はちょっとあれだけどよ、それもあれだろ?作戦ってやつだろ?」
「んなわけ……」
「だってお前の漢らしさは変わってねえしよ!うちのやつらはみんなヒーローになりたくてここにいるけど、あそこまでガッツリ前を向いてんのはお前と轟、博霊くらいなもんだぜ!だからよ……そろそろ手加減やめてもらえねえか?」
はっと戦場のど真ん中でただ何もせずに話していたことに気付いた。こいつには俺の話に付き合う意味なんてねえ、じゃあなんでだ?
「博霊が選手宣誓で言ってたろ?全員超えて上に行くって。せっかくなら俺もそうしたい。どっか腑抜けたお前じゃなくて、本気のお前と戦って勝ちたい。だからなんか理由があんなら悪いけどよ、こっからはガチで来てくれよ。じゃねえと……俺が勝っちまうぜ?」
俺を、超えたい?こんな俺を?漢らしさは変わってないだぁ?馬鹿言ってんじゃねえよ。俺は、俺はなぁ……!
「俺はこの程度のやつなんだよ!だからこのまま勝っちまえよ!お前は俺よかつえぇんだよ!」
「ちげぇ!ほんとのお前は俺よりつえぇ!だから超えてぇんだよ!何があったかは知んねえけどよ!この程度なんて言うなよ!俺はお前のこと、尊敬してたんだぜ!?」
尊敬?あんなやつのことを?昔も今も、俺は誰かに尊敬されるような人間じゃなかった。畏怖こそされど、根っこからすげえって言えるようなやつじゃなかったはずだ。
そんな俺を、「爆豪勝己」を尊敬してくれるようなやつ相手に無様な姿を見せていいのかと誰かが囁く。こういうやつを完膚なきまでに負かしてこその「爆豪勝己」だろと、心の奥の俺が言う。そうだ。俺は何も変わってねえ。今も昔もクソみてえにみみっちくて弱っちいやつのままだ。じゃあせめて、そんな醜い「俺」を尊敬してくれるなんて言ってくるようなやつの前だけでも、いい顔は、
BOOM!
「俺のことを尊敬だぁ?お前も見る目がねえなあおい!じゃあとっとと超えちまえよその憧ってやつをよぉ!まあ……こっちもそう簡単にはいかせねえけどなあ!」
「やっとマジんなってくれたかよ爆豪!じゃあこっちもマジのガチだ!漢らしく張り合おうぜ!」
やってやる。やってやるよ。こんな俺でもできることはある。ならまずは……それ全部こなしてから悩みやがれこのボケ野郎がぁ!
「食らえやぁ!」
「効くかよ!」
まずは手始めに、こんな俺に憧れる馬鹿の眼を覚ましてやるとこからだ。
俺は最大火力の爆破を切島に向けて放った。
Side G.N
『お?なんかいい顔になってきたかな?』
【ステージ上でなんかあったのか?】
[ここからじゃよく聞こえなかったわね]
『まあいいさ。クラスメイトと切磋琢磨して自分の殻を破る。少年漫画の醍醐味でしょ?』
〘ところでこのままいくとあの復活した爆豪と戦うことになるわけだがそれについては?〙
『正直真正面から戦いたくないです』
【なんか変な方向に吹っ切れてるっぽいもんなあれ】
[下手したら前より強くなってるまであるわよね]
『味方陣営が強くなってほしいのとその味方と戦いたくないという思いは両立する!』
〘諦めろ霊夢。あれはお前が天運に任せた結果生まれ強敵だ。願ったのも祈ったのもお前。つまり全責任はお前にある〙
『嫌だぁ!あの推定覚醒爆豪の相手とかしたくないぃ!』
【つっても優勝のためにはあれを超えなきゃいけないわけだしな】
[相手は轟と同レベルかそれ以上な上想定外の怪物よ。心構えだけでもしておきなさい]
『がんばりまーす……というわけで次回、トーナメント戦決着の予定だよ。はぁ……多分あの爆豪とも戦うよ。はぁ……』
〘霊夢さん終わり際の空気が悪すぎます〙
『しょうがないでしょ、あれの相手とか気が乗らないし。なんで優勝するとか言っちゃったんだろ過去の私』
【慢心してたんだろ】
[「慢心は身を滅ぼす」のいい例ね]
〘慢心していいのは王だけだな〙
『うぐぐ……これでも一度は生態系の頂点に立った身なのに……』
【この世界じゃまだ強者とはいえないだろ。少なくとも王様を名乗るなら爆豪くらいは倒せないとな】
『はぁ……まあがんばるよ。そんじゃ、まったのーう……はぁ……』
今作爆豪
ヴィラン堕ち緑谷との対面で自己肯定感が最低を更新
その後は惰性と無意識下での過去の自分エミュでもって生活を続けるも、切島とのやり取りである意味吹っ切れ「自分は弱い。だからこっから這い上がってやる」というある意味原作初期緑谷に近いメンタリティになった
なおこれらは全て作者の感覚くんが導き出した「爆豪はこういう局面になったらこうなるんじゃね?」というフィーリング百パーセントの捏造結果によるものなので今後ぶれまくる可能性があります
メンタルダウンから一時的に復帰したら実質爆豪のためだけに一話使う羽目になったし肝心の霊夢達はほぼ出てこないんですけど
それもこれも誰が悪いかと言われたら全部霊夢をうっああさせたいがために緑谷をヴィラン堕ちさせた作者が悪いんですけどね
過去の自分からの贈り物に苦しむ霊夢の気持ちを味わえたよ、やったね!じゃねえんだよマジで
多分というか確実にこれからも緑谷ヴィラン堕ちの影響は出まくるしその影響を考えて描写する作者もそれに対処する霊夢もうっああするんだろうな……おんなじだ……(名場面を最悪の使い方をする作者の図)
そんな失踪チキチキレースをしている作者を応援するためにも感想をいっぱいください(幼女並感)