押し入れの向こうは異世界でした   作:Brooks

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第223話 浄化は休息になるか

 

 転移の光が収まると、靴の裏へ凍りかけた土の硬さが戻ってきた。

 

 ルーデ村外れの街道脇には霜を残した枯れ草が伏せ、低い木柵の向こうから薪を割る音が届いている。鍋へ柄杓を当てる金属音も混じり、風には煙と煮た穀物の匂いが乗っていた。

 

 真壁とヴァルトは、その場から動かなかった。

 

 エルトを離れる直前に起動した認識不明化の境界が、まだ2人を覆っている。

 

 ヴァルトが地図を開いた。

 

 街道にも、木柵の裏にも、人の反応はない。村の見張りからも、積まれた薪と納屋の壁が遮りになっている。

 

「周囲に人はいません」

 

「結構。解除しよう」

 

 2人が境界魔道具への魔力を止めた。

 

 景色は変わらない。だが、薄い布を顔から剥がした時のように、自分の声と身体の輪郭が近くなる。

 

 ヴァルトは村へ向かおうとして、片足を上げたまま止まった。

 

 外套は汗と土を吸い、肩から裾まで灰色に染まっている。髪の間にも細かな砂が入り込み、襟を動かすたびに首筋へ乾いた粒が落ちた。靴の中では、一歩ごとに砂が革と靴下の間を擦っている。

 

 真壁も自分の袖を払った。

 

 表面の土が落ちた下から、さらに薄い灰色が現れた。

 

「疲労度は?」

 

 ヴァルトは返事をする前に、自分へ鑑定を向けた。

 

 表示へ目を留め、眉を寄せる。

 

「……60%を超えています」

 

「やはりな」

 

 ヴァルトは転移を繰り返しながら結界騎士を操り、2本の白刃を別々に制御していた。最後には2本分の収束路を1本へ集め、樹喰い巨人を断てる長さまで伸ばしている。

 

 戦っている間は、次に動かす腕と結界だけを見ていればよかった。

 

 ルーデへ戻った途端、肩と腰へまとめて重さが落ちてきた。

 

 真壁も自分へ鑑定を向ける。

 

 ヴァルトほどではない。戦闘と収納作業、転移の疲れが数値へ残っていた。

 

「ああ、土埃も酷い」

 

 真壁はヴァルトの頭から靴までを眺めた。

 

「どれ。浄化」

 

 淡い光が2人を包んだ。

 

 髪と衣服へ入り込んでいた土が浮き、灰色の靄となって消えていく。袖口の砂も、靴の中のざらつきも抜けた。汗を吸って重くなっていた布が、元の形へ戻っていく。

 

 ヴァルトは長く息を吐き、肩を回した。

 

「ああ、ましになりました」

 

 首を左右へ傾ける。

 

 襟が肌から離れ、冷たい風が外套の内側へ通った。

 

 そのまま2歩進み、もう一度止まる。

 

「どうしたね」

 

「心なしか、疲れも減ったような……」

 

 ヴァルトは再び自分へ鑑定を向けた。

 

 先ほど見た項目を確かめる。

 

 数字が下がっていた。

 

 衣服が軽くなった分では済まない。疲労度の表示そのものが、見間違いとは思えない幅で変わっている。

 

「下がっています」

 

 真壁も自分を鑑定した。

 

 しばらく表示を見た後、袖へ目を落とす。

 

「こちらもだ」

 

「土を落とした分ではありませんね」

 

「ああ」

 

 真壁は指先を開閉した。

 

 浄化が落としたのは、土や汗だけなのか。戦闘中にまとわりついた魔素や、吸い込んだ細かな異物まで取り除いたのか。

 

 今の1回だけでは決められない。

 

「睡眠不足にも効くのでしょうか」

 

「そこは別に見よう。空腹、魔力消耗、怪我も混ぜるべきではない」

 

「今回は戦闘後の疲労ですね」

 

「それで十分だ」

 

 真壁は村へ向かって歩き始めた。

 

「後で条件を分けて試そう。これは使える」

 

 歩調は戻っている。

 

 ただし、早足にはしない。

 

 ヴァルトも隣へ並んだ。

 

 肩は軽くなった。脚も動く。昨夜のように、身体が床へ沈んでいく感覚はない。

 

 それでも、自分の疲労を見なかったことにはしなかった。

 

 

 

 

 

 ルーデの広場には、2つの村の暮らしが押し込まれていた。

 

 家の軒下には負傷者の寝床が並び、納屋の前には毛布、水桶、薬草の包みが積まれている。焚き火に掛けられた鍋から、薄いスープの湯気が上がっていた。

 

 子どもの泣き声へ、少し離れた場所から母親の返事が飛ぶ。

 

 担架を運ぶ者が通れば、鍋を持った者が壁際へ寄る。

 

 普段なら広く見える村の広場も、2村分の人と荷が入れば、歩く場所まで足りなくなる。

 

 エルトの村長が、真壁たちに気づいた。

 

 片脚を引きずりながら近づき、口を開こうとする。

 

 真壁は先に、収納から小さな木箱を出した。

 

 蓋にはエルトの村印が刻まれている。

 

 村長の口が閉じた。

 

 脇へ置いていた斧を地面へ下ろし、両手を空ける。

 

「村の印だ」

 

「ああ……」

 

 村長は木箱を両手で受け取った。

 

 続いて、折り畳まれた土地の書付が出る。

 

 村へ戻れる日は決まっていない。それでも、村の名と土地を示す物が手元へ戻ると、上がっていた肩が少し下がった。

 

 真壁は広場の一角へ歩いた。

 

「共有の物はこちらへ出す」

 

 木挽き鋸、縄、斧、木槌、鍋、毛布。

 

 共同倉庫から収めてきた物が、用途ごとに分かれて現れる。

 

 鋸の柄には使い込まれた黒ずみがあり、木槌には乾いた樹脂の匂いが残っていた。

 

 1人の木こりが鋸へ近づき、柄の端にある傷を指でなぞる。

 

「これ、うちのだ」

 

「鍋もあるぞ」

 

「縄まで持ってきたのか」

 

 広場へ声が戻る。

 

 毛布が積まれると、子どもを抱いた女が足を止めた。鍋が置かれると、炊き出しをしていた者が振り返る。

 

 村長は、次々と現れる道具を眺めていた。

 

「倉庫の中まで持ってきたのか」

 

「戻った時に、鋸も縄もないのでは村を直せん」

 

「家財を出すだけでも大仕事だったんだぞ」

 

「だから私が持った」

 

 真壁の手は止まらない。

 

 村長が言い返す言葉を探している間にも、大鍋が1つ、木椀の束が2つ、広場へ置かれた。

 

 村長は諦めたように息を吐く。

 

「巨人は?」

 

「処理した。死体から漏れた魔素も残していない」

 

 近くにいた者たちの動きが止まった。

 

 鍋を持ち上げかけた男も、縄を解いていた女も、真壁へ顔を向ける。

 

「なら、戻れるのか」

 

 村長の声が少し低くなった。

 

 真壁は村の西を見た。

 

「侯爵家の兵に現地を見てもらう」

 

「巨人はいないんだろう」

 

「森の動きは残っている。道も村も確認が要る」

 

 村長は胸に抱えた木箱へ目を落とした。

 

「兵が来るまで待てと」

 

「ああ」

 

 真壁は共有道具を出し終えると、村長へ向き直った。

 

「これは君たちの物だ。受け取り給え」

 

 村長は村の印を抱え直した。

 

「分かった」

 

 ヴァルトは広場の荷を見ていた。

 

 真壁が出した鍋を受け取った女は、そのまま炊き出しへ戻った。木こりは自分の鋸を肩へ担ぎ、エルトの者たちが集まる場所へ運んでいく。

 

 毛布を抱えた子どもが、自分の寝床へ戻っていった。

 

 ヴァルトはその背中を見送った。

 

 

 

 

 

 荷を返し終えても、広場の混雑は残った。

 

 井戸へ水を汲みに行く者と、負傷者を運ぶ担架が同じ細道へ入り、互いに止まっている。荷車が納屋へ向かうたび、軒下の寝床へ泥が跳ねた。

 

 真壁は広場を1周して戻った。

 

「村長」

 

 ルーデ村長が、食料袋を運ぶ若者へ声を掛けていた手を止める。

 

「何か足りないか」

 

「道が塞がっている」

 

 真壁は井戸から納屋までを指した。

 

「人と荷車を分ける。兵が来るまでの形だ」

 

 ルーデ村長は、担架の前で止まった荷車を見た。

 

「こちらで続けられるようにしてくれ」

 

「結構」

 

 真壁は道を塞ぐ荷を収納した。

 

 食料袋、毛布の束、エルトの共有道具。それぞれを別の場所へ置き直す。村人が持てば何往復も必要な荷が、真壁の視線に合わせて移っていく。

 

 ヴァルトは地図を開いた。

 

「井戸までを人の通路にします。荷車は納屋の裏へ回せます」

 

「柵を立てるのか」

 

「足元で分かる程度にします」

 

 ヴァルトが地面へ手を向けた。

 

 薄い境界が道に沿って伸びると、歩いてきた者は足元でわずかに向きを変えた。

 

 子どもは母親に手を引かれ、井戸側へ進む。

 

 荷車を押していた男は、納屋の裏へ回った。

 

「これなら外すのも早いです」

 

 ヴァルトは担架が通れる幅を残し、負傷者の寝床を煙の流れから外した。

 

 真壁は食料と救援物資を村ごとに分け、荷札を上へ向ける。エルトの荷には村印を置き、ルーデの物と見分けられるようにした。

 

 最後の毛布を置き直したところで、ヴァルトは指を開閉した。

 

 腕の奥に鈍い重さが戻っている。

 

「疲労度を」

 

 真壁に言われ、ヴァルトは鑑定した。

 

「少し上がっています」

 

「休息は予定どおり取る」

 

「はい」

 

 ルーデ村長が、2人の間へ視線を動かした。

 

「まだ働くつもりなのか」

 

「兵が来れば渡す」

 

 真壁は広場を見た。

 

 井戸への道は空き、担架も止まらずに進んでいる。物資は村ごとに分かれ、鍋の周囲にも人が立てるようになった。

 

「ここまででよい」

 

 真壁は広場の中央から外れた。

 

 ルーデ村長が、空いた道へ村人を通し始める。

 

 

 

 

 

 見張りの声が上がったのは、陽が街道の向こうへ傾き始めた頃だった。

 

「兵が来たぞ!」

 

 馬の蹄が、凍りかけた土を連続して打つ。

 

 ベラクルス侯爵家の紋章を付けた先遣兵が、村の入口から入ってきた。馬の鼻から白い息が上がり、革具の軋みと武具の触れ合う音が、広場の騒ぎへ混じる。

 

 指揮官は馬を降りると、軒下の負傷者へ向かった。

 

 炊き出しと荷の位置を確かめ、村人へ人数を尋ねる。歩けない者の寝床を部下に確認させ、見張りの配置を先に決めた。

 

 真壁はルーデ村長とエルト村長を呼んだ。

 

 指揮官は広場の端にある木箱を机代わりにし、膝の上へ板を置いた。

 

「避難者の数は」

 

 ルーデ村長が答える。

 

 負傷者の人数、歩けない者、家族と離れている者。指揮官は順に書き取り、部下へ短く指示を出していく。

 

 真壁はエルトまでの道、巨人が倒れた伐採跡、魔素を取り除いた範囲を伝えた。

 

 ヴァルトが地図を開く。

 

「この方向では、まだ魔物が動いています。現地へ入るなら南側からがよいでしょう」

 

「巨人の死体は」

 

「残っていない」

 

 指揮官の筆が止まった。

 

「誰が倒した」

 

 エルト村長が口を開く。

 

「黒いローブの騎士だ」

 

「何人いた」

 

「3人……いや」

 

 村長は眉間へ指を当てた。

 

「2人だったか」

 

 近くの木こりが首を振る。

 

「3人だ。先頭に黒い騎士がいて、後ろに2人いた」

 

「俺は2人しか見てないぞ」

 

「白い剣を2本持っていた」

 

「男だった」

 

「声は若かった」

 

「女もいたような……」

 

 証言が増えるほど、人数も声も体格も崩れていく。

 

 指揮官は筆先を板へ置いたまま、1人ずつ顔を見た。

 

「名乗った名は」

 

 その返事だけは揃った。

 

「ジェダイ騎士団だ」

 

 指揮官は聞いたことのない名へ眉を寄せ、報告板へ筆を走らせた。

 

 ジェダイ騎士団。

 

 人数を問われた村人たちはあれほど迷ったのに、その名を口にする時だけは誰も言い直さなかった。

 

 ヴァルトは、書き終えられた文字を見て眉を寄せた。

 

 真壁は口を挟まない。

 

「エルトへの帰還判断は、現地を確認した上でお願いしたい」

 

 指揮官は板から顔を上げた。

 

「こちらで調査隊を出す。村の警備と物資配布も引き継ぐ」

 

「結構」

 

「仮の境界は」

 

「不要になれば外して構わん。配置も変えてよい」

 

 指揮官は真壁を見て、短く頷いた。

 

「救援に感謝する」

 

「まだ西は終わっていない」

 

 真壁の視線は、村の向こうにある森へ移っていた。

 

 

 

 

 

 引き継ぎを終えた真壁は、村外れの転移拠点へ戻った。

 

 ヴァルトも後から続く。

 

 広場では兵士が避難者の名を聞き取り、村長たちが物資の受け渡しを始めている。

 

 真壁は魔石の包みを開いた。

 

 結界騎士に使った物と転移用、棒状結界加熱器へ回す物を並べる。空いた区画が目立った。

 

「ヴァルト君。ここを頼む。補給を連れてくる」

 

「承知しました」

 

 真壁の足元へ光が広がり、姿が消えた。

 

 ヴァルトは地面へ布を敷く。

 

 使用済みの魔石と、再充填すれば使える物を分ける。結界用と転移用も別の列へ置いた。

 

 しばらくして、地図に新しい反応が現れる。

 

 ヴァルトは認識不明化の境界魔道具を起動した。

 

 転移光が立ち上がる。

 

 光の中から、真壁とロルフが現れた。2人の周囲にも、すでに認識を留めにくくする境界が掛かっている。

 

 ロルフは到着すると、先に周囲を見た。

 

 荷を置ける場所と村へ続く道、用途ごとに並べられた魔石を順に確かめる。

 

 転移前、真壁はロルフへ1つだけ念を押していた。

 

「現地では、私の名も同行者の名も、商会名も口にしないように」

 

「呼びかける時は?」

 

「こちら、そちらで足りる」

 

 ロルフはそれ以上尋ねなかった。

 

「追加分です。先に渡した保存食とは別にまとめています」

 

「内容は」

 

「食料、毛布、ポーション。魔石は用途ごとです」

 

 保存食の包みが現れ、乾いた穀物と燻製の匂いが冷たい空気へ漏れた。

 

 次に毛布の束、布を詰めたポーションの木箱、魔石用の小箱が並ぶ。

 

 ロルフは箱の向きを揃え、印をすべて通路側へ向けた。

 

「代金は、預かった魔物素材で足りています」

 

「次の便は、現地の不足を見てからでよい」

 

「こちらで種類を分けます」

 

 ヴァルトは使用済みの魔石を示した。

 

「使用済みはこちらです。これは再充填できます。こちらは交換が要ります」

 

 ロルフは1つずつ手に取り、箱の印と鑑定結果を見比べた。

 

「結界用の消耗が大きいですね」

 

「長時間、出力を上げました」

 

「次は同じ数では足りません」

 

 ロルフは空になった箱を裏返し、荷札の端へ必要数を書き加えた。続いて毛布を数え、ポーションの箱を村側へ近い位置へ動かす。

 

 真壁は、その手が止まらないことを確かめた。

 

「君はここへ残り給え」

 

 ロルフは箱から顔を上げた。

 

「補給と受け渡しですね」

 

「不足の把握もだ。戻るまでに分けておき給え」

 

「配布の順番は」

 

「兵と村長へ聞けばよい。君は物資と魔石を見たまえ」

 

「承知しました」

 

 ロルフは帳面を開き、毛布、ポーション、魔石の残数を書き込んだ。

 

 ヴァルトは地図へ目を落とす。

 

「周囲に人はいません。私たちが離れてから、境界を解いてください」

 

「分かりました」

 

 真壁とヴァルトが木柵の向こうへ離れる。

 

 ロルフは2人の姿が見えなくなるまで待ち、認識不明化を解除した。

 

 追加物資の目録を持ち、村へ向かう。

 

 先遣兵の指揮官へ、自分の名と、補給物資を預かる収納商人であることだけを告げた。

 

「警備と配布の順番は、そちらへ従います。残量と不足はこちらで見ます」

 

 指揮官は目録へ目を通し、部下の1人を呼んだ。

 

「補給はこの者と合わせろ」

 

 ロルフは兵士を連れ、村外れの箱へ戻っていった。

 

 

 

 

 

 日が沈み始めると、西の森は急に暗くなった。

 

 空には薄い赤が残っているが、木々の間は青灰色へ沈んでいる。

 

 真壁とヴァルトは、木柵の外で地図を開いた。

 

 広場では先遣兵が避難者の名を聞き取っている。

 

 その脇を、ロルフと補給担当の兵がポーションの箱を運んでいった。村長が置き場所を示すと、2人は軒下へ向かう。

 

 真壁は地図へ目を戻した。

 

 樹喰い巨人が消えたことで、周辺の赤い反応は散り方を変えている。

 

 逃げる速度は落ち、一部は森へ戻ろうとしていた。

 

 そのさらに西で、複数の赤が同じ場所を避けるように進路を曲げている。

 

 右へ回るもの。

 

 左へ逸れるもの。

 

 中央だけが、不自然なほど空いていた。

 

「真壁さん。奥に、魔物が近づかない場所があります」

 

 真壁は地図をのぞき込んだ。

 

「位置は押さえた。夜に入る理由はない」

 

「明朝ですか」

 

 真壁は交換用の魔石を包みから取り出した。

 

「先に交換だ」

 

 続いて保存食を出す。

 

「昼食だけでここまで動いた。食事の後、疲労度を見直す。睡眠も取る」

 

「浄化が効いていても?」

 

「余裕を残すために使う。休息は予定どおりだ」

 

 ヴァルトは腕を上げた。

 

 浄化直後には消えていた重さが、少し戻っている。

 

「再使用は」

 

「今夜は使わん。食事と睡眠でどこまで下がるかを見る。明朝の数値と比べよう」

 

 ヴァルトは地図を閉じ、腕を下ろした。

 

 真壁は西の空白へ目を留める。

 

「明朝、あそこへ入る」

 

「はい、真壁さん」

 

 陽が落ち、森の輪郭が夜の中へ沈んでいった。

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