押し入れの向こうは異世界でした   作:Brooks

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第244話 ひと月後にまた詰まる

 

 原酒の売買をまとめた紙をリュシアが鞄へ収めたところで、応接室の扉が叩かれた。

 

「ギルド長。近郊向けの最初の荷が出ます」

 

「もうか」

 

「はい。積み替えだけで済みましたので」

 

 報告に来た職員の後ろでは、廊下を急ぐ靴音が途切れない。

 

 グスタフは椅子から腰を上げた。

 

「見ておくか。持ち込んだ本人たちも来るじゃろう」

 

「行くよ」

 

 リュシアが立ち、真壁も地図を畳んだ。

 

 澪はその後を追った。

 

 大倉庫へ戻ると、先ほどまで整然と床を埋めていた大麦と豆の列が、もう崩れ始めていた。

 

 開け放たれた大扉から夕方の冷たい空気が流れ込み、穀物の乾いた香りに馬と革具の匂いが混じっている。荷役人は10kgの包みを持ち上げると札へ目を走らせ、そのまま行き先の荷車へ運んでいく。

 

 秤の前は空いていた。

 

 検品用の卓にも、朝から集められていた人数は残っていない。

 

 計量し直す必要がなく、中身を開いて等級を分ける必要もない。札を読めば重量も品質も期限も分かるため、荷受けの工程そのものが薄くなっていた。

 

「近郊行き、これで最後だ!」

 

「次は南へ回す分を持ってこい!」

 

 声が飛び、包みが荷車の板床へ置かれるたびに鈍い音が重なる。

 

 澪は荷の山より、そこを行き来する人の足を見るようになっていた。

 

 レヴァニアでは、食料が多すぎて人が立ち止まっていた。

 

 ここでは同じ食料が、人を止めない。

 

「ずいぶん早いですね」

 

 澪が言うと、隣に立ったリュシアが荷車へ目を向けた。

 

「受け取ってから商品にしなくていいからね。そのまま次の客へ渡せるのは大きいよ」

 

 御者が手綱を引く。

 

 馬が一度鼻を鳴らし、荷を満載した車がゆっくり門へ向かった。

 

 その後ろへ、空の荷車が入ってくる。

 

 真壁は、入れ替わる2台をしばらく見ていた。

 

「グスタフ殿」

 

「何じゃ」

 

「今回の荷、いつまでに捌ける」

 

 グスタフが顔を向けた。

 

「売れるかどうかではなく、いつまでにか」

 

「そうだ」

 

 グスタフは近くを通った職員を呼んだ。

 

「今決まっておる行き先は」

 

「王都と近郊はかなり埋まりました。地方へ回す分も振り分けています。加工向けは粉屋と醸造関係から返事待ちです」

 

「残りは長く掛かりそうか」

 

「この形なら、かなり早いと思います。少なくとも、ひと月も倉庫へ置くことにはならないかと」

 

 職員はそう答えると、別の呼び声に振り返った。

 

「失礼します」

 

 小走りに去っていく。

 

 グスタフは真壁を見た。

 

「聞いたとおりじゃ。今回程度なら、そう長くは残らん」

 

「そうか」

 

 真壁はそれ以上聞かなかった。

 

 利益がいくらになるかも、何軒へ売れたかも尋ねない。

 

 視線はまた門へ戻っている。

 

 2台目の荷車が動き出した。

 

「真壁さん」

 

「何かね、リュシア君」

 

「何を見てるんだい」

 

「次の荷だ」

 

 リュシアの表情が変わった。

 

 澪も、数時間前に見た光景を思い出した。

 

 空になったレヴァニア王都の倉庫。

 

 床が見えたことで、商人たちは喜んでいた。

 

 これで次に北から来る大麦を入れられる。

 

 外へ置いていた豆も中へ戻せる。

 

 倉庫を空にしたことで終わったのではない。

 

 次の荷を受け入れられるようになっただけだ。

 

 真壁がグスタフへ向き直った。

 

「もう一つ聞きたい」

 

「まだあるのか」

 

「この冬、食料は足りなくなると見ているな」

 

 グスタフの白い眉が下がった。

 

 外では車輪が石を踏む音が続いている。

 

「今すぐ王都の棚が空になるわけではない。各地に備えもある。じゃが、西であれだけの騒ぎがあったからのう」

 

 グスタフは倉庫の奥へ目をやった。

 

「例年なら入るはずの荷が減っておるうえ、西へ回す分も増える。このままなら冬は厳しくなる」

 

「不足が表へ出るのはいつ頃だ」

 

「冬には――」

 

「市場に出る時期だ」

 

 真壁が短く返す。

 

「値が上がり、在庫が減る。それはいつだ」

 

 グスタフはすぐには答えなかった。

 

 目の前の荷だけではなく、王都へ集まる商人たちの顔を思い浮かべているようだった。

 

「今の入荷量が続くなら、ひと月ほど先じゃな」

 

 白い髭を撫でる。

 

「最初は値に出る。その後も荷が戻らねば、春まで残すつもりの備えに手を付ける所も出よう」

 

「ひと月……」

 

 澪の口から小さく漏れた。

 

 今日空にした倉庫へ、また袋が積まれていく。

 

 北から大麦が来る。

 

 豆が来る。

 

 だが火山東街道は何も変わっていない。

 

 高価な荷なら護衛費を載せられても、大量の安い穀物では採算が崩れる。その事情は、倉庫を空にしたくらいでは消えない。

 

「レヴァニアも、その頃だ」

 

 真壁が言った。

 

「何がじゃ」

 

「また余る」

 

 グスタフが目を細める。

 

 先に理解したのはリュシアだった。

 

「そうだね。今日、買ったからって生産が止まるわけじゃない」

 

「そうだ」

 

「北からの荷も来る。火山東街道は相変わらず。なら、また倉庫へ溜まり始める」

 

「同じ量になるかは分からん」

 

 真壁は門の外へ消える荷車を見送った。

 

「だが、似た状態にはなる」

 

 グスタフがゆっくり息を吐く。

 

「向こうが余り始める頃に、こちらが足りなくなるということか」

 

「そうなる」

 

「ならば、また買えばよかろう」

 

「買える」

 

「おぬしなら運べる」

 

「出来る」

 

「では何が問題じゃ」

 

 真壁は門の向こうではなく、石床に残った車輪の跡へ目を落とした。

 

「このままでは、また詰まる」

 

 荷役人の声が飛び交う中、その一言だけが澪の耳に残った。

 

 

 

 

 

 応接室へ戻る頃には、窓から差す光が赤く傾いていた。

 

 グスタフは椅子へ座るなり、真壁へ杖の先を向けた。

 

「先ほどの話じゃが、おぬしが定期的に運べば済むのではないか」

 

「運べる」

 

「なら――」

 

「それでは運送ではない」

 

 グスタフが黙った。

 

「今回は私が運んだ。次も出来る。だが、私がいなければ止まる」

 

 澪は思わず口を挟んだ。

 

「真壁さん自身が、大きな荷車になっているだけですね」

 

 言ってから、少し言い方が悪かったかと思った。

 

 けれど真壁は普通に頷いた。

 

「そのとおりだ」

 

 グスタフの髭が揺れる。

 

「本人が認めるのか」

 

「事実だからな」

 

 リュシアが笑いを堪えながら地図を引き寄せた。

 

 真壁も卓上へ身を寄せ、王国とレヴァニアの間に指を置く。

 

「品はある。買う者もいる。時期も合う」

 

 指先が火山東街道から外れた。

 

「足りないのは運ぶ手段だ」

 

「護衛を増やすだけでは駄目か」

 

 グスタフが聞く。

 

「穀物の値に乗らん」

 

「荷車の数を増やしても同じ、か」

 

「危険な道へ増やすだけになる」

 

 グスタフが腕を組んだ。

 

「では?」

 

「新しい運送形態が要る」

 

 リュシアが椅子の背へ身体を預けた。

 

「飛行船の予定を早めるんだね」

 

「予定より早いが、その段階へ進む」

 

 グスタフの視線が2人の間を往復した。

 

「待て。わしの知らぬ話が混じっておるぞ」

 

「前から考えてたんだよ」

 

 リュシアは地図上の街道を指でなぞった。

 

「道に頼らず、大量の荷を運ぶ方法をね」

 

「空を使うという話か」

 

「そうだ」

 

 真壁が答えた。

 

「船は?」

 

「まだない」

 

「ないのか」

 

「だから作る」

 

 グスタフは額へ手をやった。

 

「毎度、順番がおかしい気がするのう」

 

 澪は何も言わなかった。

 

 今朝レヴァニアへ渡り、大量の食料を買い、鉄と銅を供給し、侯爵家と商業ギルドへ納品した。さらに大麦から別の商品まで作った末に、今は新しい運送事業の話をしている。

 

 グスタフがそう言いたくなる気持ちは分かる。

 

「飛べば終わりじゃないよ」

 

 リュシアが地図を自分の方へ寄せた。

 

「レヴァニアから食料を運ぶなら、戻りに鉄や銅を載せたい。空で帰ってたら商売にならない」

 

「その方がよい」

 

 真壁が答える。

 

「それに、真壁さんが毎回乗らないと動かない船じゃ意味がない」

 

「そうだ」

 

 澪は地図の上にないものを考えた。

 

 船が浮くかどうかだけなら、真壁は技術の問題として片付けてしまうかもしれない。

 

 だが、定期的に動かすとなれば話が違う。

 

 荷を積む人がいて、整備する人がいて、出発を決める人がいる。客から荷を預かり、到着した先で引き渡す者も要る。

 

 壊れれば直さなければならないし、若い人へ技術を教える人も必要になる。

 

「船だけあっても駄目ですね」

 

 澪が言った。

 

「動かす人たちがいないと」

 

「その話だ」

 

 真壁が頷く。

 

 リュシアが真壁を見る。

 

「じゃあ、先に船を作るんじゃないのかい」

 

「先に人だ」

 

 リュシアの手が止まった。

 

「リュシア君。今回の利益を使い給え」

 

「何に?」

 

「侯爵領へ、優秀な人材を集める」

 

「今回の利益を、人に使うんだね」

 

「そうだ」

 

 リュシアは少し考えたあと、卓の端に置かれた紙を引き寄せた。

 

「船を作れる人だけじゃ足りないよ」

 

「分かっている」

 

「木を扱える職人がいても、金具を作る人がいなきゃ困る。大きな布を扱える人も欲しいし、作った後に直せる人も必要になる」

 

「荷を扱う者もじゃ」

 

 グスタフが口を挟む。

 

「どれほど良い船でも、荷主を集められねば置物じゃ。倉庫を見る者も、商売をまとめる者も要る」

 

「帳場も必要ですね」

 

 澪が言った。

 

「行きと帰りで荷主が変わるなら、運賃も受け渡しもありますから」

 

 飛行船の話だったはずが、気づけば一つの会社を作る話になっていた。

 

 グスタフが真壁を見る。

 

「何人ほど欲しい」

 

「人数を先に決める必要はない。使える者を広く見ればよい」

 

「腕のよい者ほど、今の土地から動かしにくいぞ」

 

 今度は真壁が問い返さなかった。

 

「移住の条件は用意している」

 

「ほう」

 

「住む家がある。家族ごと来ればよい。子どもの教育も受けられる」

 

 グスタフが真壁を見直した。

 

 リュシアも、持っていた紙を卓へ置く。

 

「そこまで揃ってるなら話が違うね」

 

 彼女の声から笑いが消え、商談をするときの調子に変わった。

 

「腕のある人ほど家族がいる。給金を上げるだけじゃ、妻子を置いて来いって話になる。でも家があって、子どもも学ばせられるなら、家族ごと動ける」

 

 グスタフが白い髭を撫でる。

 

「若い独り者だけでなく、親方格まで狙えるということか」

 

「そういう人の方が欲しいよ。若い人を育ててもらえる」

 

「その通りだ」

 

 真壁が答えた。

 

 澪は、その会話を聞きながら窓の外へ目を向けた。

 

 人を集める、と言えば、働く本人の話だけを考えてしまう。

 

 けれど生活は一人分ではない。

 

 家を移せるか。

 

 子どもの生活を変えられるか。

 

 新しい土地で何年も暮らせると思えるか。

 

 その条件まで揃って、ようやく腕のある人へ「来てほしい」と言えるのだ。

 

「グスタフ殿にも協力されたい」

 

 真壁が言った。

 

「王都の人脈を使えということじゃな」

 

「そうだ」

 

 グスタフは即答せず、椅子の背へ寄り掛かった。

 

「協力はする」

 

 一拍置き、真壁とリュシアを順に見る。

 

「じゃが、一つ忠告がある」

 

「聞こう」

 

「侯爵家を看板にするな」

 

 リュシアの眉が上がった。

 

「侯爵領でやるんだよ?」

 

「侯爵領でやるのと、侯爵家肝いりと触れ回るのは別じゃ」

 

 グスタフは杖の頭を指で叩いた。

 

「『侯爵家の新事業』などと書けば、来る者まで構えるぞ」

 

「どうしてだい」

 

「腕のある職人ほど、自分の客と看板を大事にする。貴族直属になれば、仕事を囲われるのではないか、途中で軍の都合へ回されるのではないか、辞めにくくなるのではないかと考える」

 

 リュシアの表情が引き締まる。

 

「商人も同じじゃ。他領との取引へ政治の色が付くのを嫌う」

 

 グスタフは地図上の侯爵領へ視線を落とした。

 

「まして新しい運送網じゃ。ヴァルディス侯爵家が職人を集め、人も荷も囲い込もうとしておると見られれば、面倒になる」

 

「商売じゃなく、勢力争いに見えるってことだね」

 

「そうじゃ」

 

 真壁はすぐに頷いた。

 

「侯爵家は看板にしない」

 

「それでよい。ただし、無関係にせよという話ではないぞ」

 

「分かっている」

 

 真壁が答える。

 

「領内で人を受け入れる以上、侯爵家には話を通す」

 

 リュシアも頷いた。

 

「戻ったらアルベルト様に説明するよ。使える住居と受け入れられる人数、それに教育側で無理が出ないかも確認しないとね」

 

「それが先じゃ」

 

 グスタフが満足そうに顎を引いた。

 

「侯爵家は土地と治安、領内の許可、それに用意してある住居と教育の基盤を支える。商売の看板はおぬしらが背負え」

 

「募集と雇用はリュシア商会と押入商会」

 

「その方が人は動きやすい」

 

 澪も内心で線を引き直した。

 

 侯爵家が受け入れを支えることと、侯爵家が商売を直営することは違う。

 

 どちらかへ全部寄せる必要はない。

 

「では、今日は候補を拾っていただきたい」

 

 真壁が言った。

 

 グスタフが片眉を上げる。

 

「もう始めるのか」

 

「侯爵家へ話を通す前に、募集は出さない」

 

「ほう」

 

「だが、人を探すことは出来る」

 

 グスタフの口元が少し上がった。

 

「そこまで考えておるならよい」

 

「明日に延ばす理由もないだろ」

 

 リュシアが紙を取り直す。

 

「王都にどんな人がいるか、先に知っておきたいね」

 

「おぬしまで真壁に似てきたのう」

 

「それは褒めてるのかい」

 

「さてな」

 

 澪は口元だけで笑った。

 

 

 

 

 

 日が沈む前には、グスタフの執務室へ2人の職員が呼ばれていた。

 

 まだ募集状は作らない。

 

 まず、商業ギルドが持っている人のつながりから、声を掛ける価値のある者を拾う。

 

「船大工だけ探すな」

 

 グスタフが職員へ言った。

 

「金工、木工、大物の縫製を扱える者、倉庫や荷役に慣れた者。新しい技術を覚える気のある職人もじゃ」

 

「今の店を辞めたがっている者を探しますか」

 

「そこだけに絞るな。引き抜きに見える」

 

 グスタフは手を振った。

 

「独立の機会を探しておる者、工房を畳む親方、後継ぎがなく腕を残したい者もおる。商人側も同じじゃ。何が出来るかを先に見ろ」

 

 職員が紙へ書き留めていく。

 

 リュシアはその横から覗き込み、1か所を指で示した。

 

「家族の有無も分かる範囲でお願い。本人だけの条件を作っても仕方ないからね」

 

「侯爵領へ移住出来るかどうか、ですか」

 

「そう。ただ、今は誘わなくていいよ。条件を正式に出すのは侯爵家へ話を通してからだ」

 

「承知しました」

 

 もう1人の職員がグスタフを見る。

 

「地方の商人にも聞きますか」

 

「候補の名前だけ集めろ。募集の話はまだ流すな」

 

 そこでグスタフが真壁を横目で見た。

 

「ここは待てるのじゃな」

 

「順番の問題だ」

 

「安心したぞ」

 

「何がだ」

 

「いや、何でもない」

 

 グスタフは紙へ戻った。

 

 澪は少しだけ笑った。

 

 真壁も、ただ急げばいいと考えているわけではない。

 

 進められるところは今日進める。

 

 権限が必要なところは、持つべき相手へ渡す。

 

 止まっているようには見えないが、線は越えない。

 

「真壁さん」

 

「何かね、澪君」

 

「そっちは何を書いているんですか」

 

 真壁は別の紙から顔を上げた。

 

「人が来た後に使う作業場所だ」

 

「もうそこまで?」

 

「候補が決まってから探す必要はあるまい」

 

 澪は紙へ目を落とした。

 

 飛行船そのものの図ではなかった。

 

 職人が集まった時に使えそうな場所と、訓練に回せる場所を思い出せる範囲で書き出しているらしい。

 

 船を先に完成させるのではない。

 

 人が来て、働いて、覚えて、次の人を育てられる状態から作ろうとしている。

 

 その方が、毎月飛ばす船には必要なのだろう。

 

「ところで真壁」

 

 グスタフが手を止めた。

 

「何だ」

 

「その飛行船とやらは、本当にまだ1隻もないのじゃな」

 

「ない」

 

「それなのに、もう働く人間を探しておる」

 

「船だけ作って、誰が動かす」

 

 グスタフが口を閉じた。

 

 正面のリュシアが笑う。

 

「そこだけ聞くと普通なんだけどね」

 

「そこだけなら、そうですね」

 

 澪も小さく同意した。

 

 真壁が2人を見る。

 

「何か問題があるのかね」

 

「ありません」

 

 澪はすぐに答えた。

 

 窓の外では、今日レヴァニアから運ばれてきた大麦を積んだ荷車が、王都の通りへ出ていくところだった。

 

 車輪が石畳を踏み、夕暮れの向こうへ音が遠ざかっていく。

 

 まだ新しい船はない。

 

 侯爵領へ移ると決めた職人も、まだ1人もいない。

 

 それでもグスタフの机では、これまで別々の工房や店で働いてきた人々の名前が、一つずつ拾われ始めていた。

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