仮面ライダーAGー1T0【メカニック✕警察✕アギト】 作:DEZI&CoMa星人
無機質なコンクリートの四角形の部屋。
目の前には地面が少し沈んだリング状のエリア。
背後には強化ガラス、その外にはPC等の製品とAGユニット、の語が書かれているワッペンを付けた人物が2人。
「誠剛君、これが最終調整テストよ。心して掛かって」
一方の女性が固定マイクに口を近づけ喋り始める。
機械型のスーツを装着した男性は装着感を確認するかのようにグローブ部を引っ張りもう片方を握り開きを少しする。
誠剛「了解です。八尾さん」
行動補正用の機器が動く音と足音を同時に響かせながらリング内へと歩いていく。
八尾「AR戦闘システム、接続」
目の前に広がる市街地の景色、正面7m先に映るは60年前、不可能犯罪を引き起こした存在、アンノウン。
八尾「真見君、補助お願い」
真見「り、了解」
八尾「戦闘システム始動開始3秒前」
コンクリートにジリジリと擦りながら右足を下げ、ボクシングポーズのように構える。
八尾「戦闘システム……始動!」
誠剛「ハッ!」
コンクリートを壊す勢いで飛び上がり、右ストレートでアンノウンに殴り掛かる。
アンノウン「グッ……アァ!」
顔面に直撃し、仰け反るも、殴り振り抜いた腕を掴まれてしまう。
誠剛「何だとっ!?うわぁっ!!」
掴んだ腕をハエを振り払うかのごとく吹き飛ばす。
AGー1はビルに吸い込まれるように叩き込まれる。
誠剛「うがぁっ……!八尾さん!」
八尾「え、えぇ。AGー01の使用を許可します」
ガチャッと背面のバックパックから縮小化されたハンドガンのような物を取り出す。
赤く光るボタンをタッチすることで、拳銃が本来のサイズへ。
誠剛「行くぞ……!」
両手で重々しく構える。
アンノウン「ア"ァ"ァ"!!」
アンノウンが走りかかってくる刹那、何度も撃ち抜く。
誠剛「ハァァァ!!!」
アンノウンは悲鳴を上げながら爆破し、朽ちていく。
それとほぼ同時に街の風景データが崩れていく。
誠剛「はぁ……はぁ……」
部屋の後ろの重い鉄扉が機械音を立てながら開く。
八尾「お疲れ様、最終調整終了よ」
頭部マスクに触れ、口元のマスクパーツを取り外す。
背面のメットパーツが収納され、誠剛遼介の顔が現れる。
真見「お疲れ様、誠剛さん。」
誠剛「はい……ありがとうございます……」
八尾「……でもね、撃破まで24秒。誠見君、腕を掴まれる直前の行動ログを確認して。誠剛君、今のままじゃ実戦なら左腕は千切れていたわよ。……次は完璧にやりなさい」
誠剛は下を向く。
誠剛「……はい………」
八尾はデータの入ったタブレットを持ち、去っていく。
黙りこくりマスクを見つめる誠剛。
真見「……そんなに落ち込まなくたっていいじゃない!きっと八尾さんだって本気では言ってないよ!……多分………」
誠剛「ありがとうございます、真見さん……しかし今回は僕の不甲斐なさが原因でもあります、精進しないと………」
スーツの脱着後、糸がプツリと切れるように汗だらけの誠剛は倒れる。
真見「誠剛さん……?誠剛さん?!」
何度も体を揺さぶるも返答は無い。
────────────
晴天の空、横断歩道で手を挙げる黄色の頭の子供達に、白線の横で車を止め、子供たちを渡らせる警察官。
「おはよう!おじさん」
子供は手を挙げながら元気に言う。
「おう!……って俺はまだ22だよばっきゃろい!」
警察官は半分優しく、ノリツッコミをしつつ子供を見送る。
「ガキ共!ちゃんと学んでこいよ〜!」
手を振りながら大声で言う。
「おじさんも頑張ってね〜!」
走り、後ろを向き輝くランドセルを見せながら手を振る。
「だからおじさんじゃねぇっつってんだろ!」
瞬間、胸元の無線から流れる。
八尾「那須くん、ODAの出現よ。至急急行頼めるかしら。」
那須「……了解っす。那須 涼現場急行しまぁす!」
近くのバイクに跨り、走り去る。
─────────
真見「……誠剛さん………」
病室の白い部屋の中でベッドにもたれながらも座る誠剛とベッドの横のパイプ椅子に座る真見。
誠剛「真見さん……そこまで心配されなくて大丈夫です。それに付き添いまでしてもらってしまって……」
突然会話を遮るように真見の無線から八尾の声が聞こえる。
八尾「真見君、誠剛君と一緒かしら?。至急AGー10トレーラーに集合して、緊急案件よ」
真見「しかし誠剛君はまだ完全に回復は……!」
八尾「人の命が掛かっているのよ?そんな事言ってる場合?!良いから至急集合!!」
プツリと無線は切れる。
真見「……流石に酷すぎる……誠剛さんは回復するまで休んでて下さい。」
パイプ椅子から立ち上がり走っていく。
誠剛「い、いえ!しかし!」
走り去っていく真見には聞こえなかった。
─────────
『あっ……あ"ぁ"……!』
首根っこを掴まれ、呻き声を上げるサラリーマン。
首を掴み今にも折ろうとしている、髪と眉を剃り刺青を右腕に入れた男。
刺青を右腕に入れた男「ちょっと可愛子ちゃんと遊ぶ金が無くってなぁ…ちょっと貸してくれや…まぁ、返すか分かんねぇけどな!ハハハッ!」
『だ……れ……か……』
抵抗する腕が力無くだらりと垂れ下がる。
刺青を右腕に入れた男「なっさけねぇなぁ…ま、いいや……金金ぇ〜っと…」
那須「てめぇか、今回のODAは…」
刺青を右腕に入れた男「んだよサツか……ここん所すぐ嗅ぎつけてきやがるな……国家の犬ってのはよぉ……」
那須「んだと?!八尾さん、早く装着許可を!」
AGー10トレーラーから固定マイクで無線へ。
八尾「分かったわ、AGー05システム起動!」
那須がバイクのハンドルを捻ると、バイクが体に吸い付くように装着され60年前のG3のような姿形へとなる。
那須「早く来やがれ、化け物!」
八尾「那須君、落ち着きなさい。AGー02の使用許可を出します。冷静に戦いなさい。」
飛び跳ねながらパンチの素振りをする那須。
那須「分かってますよぉ……!」
刺青を右腕に入れた男「なんだかぺちゃくちゃ喋ってるみてぇだが……意味ねぇぞ。どんなのがかかってこようが皆ぶっ殺して……そうだな、臓器でも売ってやろうかなぁ……」
そう言いながら取り出した注射器を右腕に突き刺し、薬品を入れ込む。
体が割れ始め、隙間から黄金の光が漏れ出す。
ODAー4「これだよこれぇ!ぶっ壊れそうになるこの感じ……!てめぇをぶっ殺してまだまだ味わってやんよぉ!」
那須はハンドガンに似たAGー02を構え、突っ込んでいく。
那須「オラオラオラァ!テメェにはそんなもんよりこの鉛玉がお似合いだよ!!」
ODAー4「クっ……グッ……ハハハッ……ハハハハハッ!こんなもんで倒せると思ってんなら笑いもんだなぁ!」
ODAー4は1度火花を散らしながら仰け反りかけるも、直後に持ちこたえ火花を散らしながら走りかかってくる。
互いにぶつかる瞬間、ODAー4が横に腕を出し、ラリアットを決める。
那須「うぐあっ……!」
地面に吸い込まれるように頭から地面に倒れる。
那須「くっ、あぁ……」
フラフラとしながら、立ち上がり、ファイティングポーズを取る。
ODAー4「おうおう!そうだよなぁ、さっきのだけで終わりじゃ殺りがいねぇもんなぁ!!!」
那須「あの程度で落ちる訳ねぇだろぉ……!」
八尾「ごめんなさい、那須君、離脱して…と言いたい所だけど、もう少し耐えて!」
那須「分かってますよぉ!」
AGー02は踏み潰され破損した。ならば素手で、走りかかり殴る。
那須「ハッ!」
ODA「クっ……そが!お"ら"ぁ"!」
火花、血、破片が飛び散る。
─────────
AGー10トレーラー内
八尾「チッ……あの二人まだなの……?!」
パトカーのサイレン音が近く、近くに、鳴り響いていく。
真見「すみません!八尾さん!」
八尾「遅いわよ!……って誠剛君は……?!一緒じゃなかったの?!」
頭をすこしかきながら
真見「それが……」
目を逸らす真見の後ろの扉が勢いよく開く。
誠剛「はぁ……はぁ……すいません……遅くなりました……」
真見「誠剛さん!?休んでてって言ったのに…!」
八尾「どんな事があったのか教えてもらうのは後にします。とにかくAGー1システム、起動!」
ロボアームで囲まれる足場に立ち、アーマーが装着されていく誠剛。
誠剛「AGー1、出動します!」
AGー1を装着した誠剛はタイヤ部がロックされたAGー10チェイサーに乗り込む。
真見は八尾と共にオペレーション場へ座り、タッチパネルを操作する。
真見「AGー10チェイサー、離脱!」
荷台が開き、AGー10チェイサーのロックが解除され、コンクリートの道路へタイヤを擦る。
─────────
ODAー4「おいおい!まだやれるよなぁ!」
那須「はぁ……はぁ……あったり前……だろ……ゲホッ……」
無傷同然のODAー4に対し、大部分の機能が停止したAGー05。
近づくサイレン音と共に聞き覚えのある声が聞こえる。
誠剛「大丈夫か!那須君!」
那須は倒れふしながらまだ立ち上がろうとする。
那須「心配なんか向けてんじゃないっ……すよ……!まだ……出来ますから……!!」
八尾「那須……君……も……だ…丈夫……り……つしなさい」
那須「する訳……無いで……しょ……う…………」
立ち上がりかけ、気絶する。
誠剛「後は任せてくれ……」
ODAー4「何人来ても一緒だっつってんだろぉ!かかってこいよ!」
地面を抉る跳躍をし、殴り掛かる。
八尾「AGー50の使用を許可するわ。思いっきりやりなさい」
誠剛「了解!」
ガチャンと、大きな音を鳴らし、拳銃サイズのミニガンを取り出す。
赤いボタンをタッチし、大型のミニガンへ変化する。
周りを割る程の威力を放ちながらODAー4を追い続け、直撃させ続ける。
ODAー4「グググッ……!ぐはぁッ!」
何度も当てられた衝撃で何mもの先へ吹き飛ばされる。
AGー50を投げ捨て、素手の格闘に移行する。
誠剛「ハッ!フッ!」
バキッ!バキッ!となんども骨を折るような音を鳴らしながら腹部や頭部を殴る。
ODAー4「グッハハッ……やられっぱなしは……いけねぇよなぁ……!」
AGー1の腹部を蹴り、少しノックバックをさせる。
誠剛「ッ……!」
その後は、防ぎ殴りの攻防戦が繰り広げられる。
ODAー4「ハァァァ……オラッ!」
AGー1頭部に右ストレートを入れる。
誠剛「ぐっ……くっ………!」
衝撃に倒れ、気絶しそうになる。
真見「右腕部、左脚部に続き、マスク部大部分破損!」
八尾「誠剛君!離脱しなさい!」
片膝を支えにし立ち上がろうとする誠剛。
誠剛「……嫌です!」
八尾「なんで?!」
ODAー4「おうおう……まだ立ち上がるか……飛んだヒーロー気取りだな……笑えるぜ!」
ゆっくりとODAー4は近付いてくる。
誠剛「……ヒーローってものは分からない……しかし、今は僕が…俺が人間を守るアギトだ!」
その瞬間をODAー4を吹き飛ばすほどの熱波を吹き出し、スーツが赤く、染まる。
ODAー4「うわぁぁッ!!な……なんだお前ぇ?!」
AGー10トレーラー内では異様な数値をたたき出すスーツを写す。
八尾「有り得ない……こんな数値……」
誠剛「ハァァァ……」
息を吸い、徐々に、足に力を溜めるような動作を行う。
少量ではあるが、床にアギトの紋章が現れる。
ODAー4「や……やめてくれぇ……!」
誠剛「ハッ!!」
AGー1は飛び上がり、右足に溜めた紋章のエネルギーを叩き込む。
ODAー4「ぐァァァァァ!!!」
爆発の渦に包まれる。
中から出てきたのは、干からびたも同然の人間であった。
誠剛「はぁ……はぁ……なんだ……この力は……」
赤く染った体は徐々に黄金の輝きを取り戻す
真見「これが……新しいGシステム……」
八尾「これが……アギト……」
第1話 終