仮面ライダーAGー1T0【メカニック✕警察✕アギト】 作:DEZI&CoMa星人
誠剛「がっ…!くあっ……!」
殴られ、蹴られ、吹き飛ばされる。
?「ハ"ァ"ァ"………!」
白く熱い吐息を放ちながらも更にこちらへと近付いてくる。
誠剛「はぁ…はぁっ…はあっ…!」
止まりかけの身体にムチを打ち、張り付くばり、歩む。
1幅、1幅、汚れを身体に擦り付けるように。
AXー07に手が届く。
?「ウ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!」
こちらへ走ってくる緑の装甲を持つ暴者は、強化ガラスを割るような声を発し、掴みかけた希望を破壊し、踏みにじる。
金属が、機械が強く軋み壊れていく音。
鋭い左手で黄金のアーマーの胸ぐらを掴み、右手をより鋭くする。
鈍く、鋭く光る、右手を赤い目に突き立てようとしたその時。
「誠剛!何をしている!」
飛んでくる弾丸。一発で正確に右手を撃ち抜く。
衝撃が与えられた左手は誠剛を手放す。
誠剛「お…前……要克……?」
真見「天願君?!なんで現場に!」
八尾「残念だけど天願君。これは貴方が解決できる案件じゃないわ、下がりなさい」
AGー05を右肩に背負う機械の戦士。
天願「八尾警部。今だけは許してください…!何より…ライバルが他のやつにやられるのは私にとっても胸糞が悪い!」
走りながらAGー02を構え、撃ち続ける。
?「ウ"ガ"ァ"ァ"ァ"!!」
走り抜けようとする天願の胸の前に現れる緑色の腕。
拳の先には、ヒビが入る金属の胸板。
天願「カハッ……!」
数m先まで吹き飛ばされ、火花、コンクリート、それと共に地面に落ちる。
軋む骨と機械音を立てながら、まだ立ち上がる。
?「ア"ァ"!!」
確実に、瞬時に、近付いてくる緑の暴者の拳。
天願「ウッ……!クッ………!!」
右腕を左手で支えるように受け、去なすも衝撃は凄まじく、仰け反り、腕のアーマーの回路が見える。
誠剛「ハッ……はぁっ……はぁっ……う"グ"ァ"っ"……!」
八尾「誠剛君?!何をしているの!離脱しなさいと言ったはずよ!」
背中のバックパックのロックの金属を無理やりねじ曲げるように外し、AGー01を取り出す。
赤の瞳よりも強く光るボタンをタッチし、機械のモーター音や回路音を鳴らしながら変形し、拳銃サイズへと。
一発、空気を切る轟音を放ちながらそれは緑の装甲の背中へ着弾する。
火花は小さく散るも、怯む様子は無い。
しかし、衝撃を与えられた影響からか、それは突如として頭を抱え、苦しみ出した。
?「…………ウ"ッ"……!グ"ァ"ァ"………!!……………」
地面に転がり、数秒間苦しみの声だけが響く。
鳥が1羽鳴き出す。
その瞬間に、ピタリと、充電が切れたかのように止まり、段差で転んだ人間が立ち上がるように立ち上がる。
そのまま、敵はいないと言わんがばかりに、歩きながら去ろうとする。
誠剛「待……てぇ…………!!」
AGー01を震える手では掴めず、這いつくばりながら、まだ追おうとしている。
天願「ク"ッ"……!」
去ろうとする足を掴み、その歩みを止めようとする。
?「……」
天願「ク……アッ…………!」
掴んだ手は、簡単に離され、踏みにじられる。
?「……二度とその力を使うな………」
既に気が飛び、動かないスーツのまま横たわる誠剛を、眺め、そのように言った…はずだろう。
八尾はトレーラー内で焦りを覚える。
八尾「真見君、今すぐ救急に連絡しなさい。」
真見「りょ……了解…………」
惨状を見た人間は、言葉が上手く回らないとは、こういう事なのだろう。
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薄暗い、狭い、路地、道路。
その中に、煙、汚れ、人間。
薄汚い、闇市のような物がそこら中に存在し、破れたようなそんな服を着ている店員や客、人間もそこら中に。
その中でも1番奥の巨大な崩れ掛けのような廃墟からは、猫や犬の鳴き声が聞こえる。
?「……今日の餌だ。食え。」
黒いフードを深く被り、両手にビニル袋をもった男。
楕円で茶色のペットフードの入った袋を手で割き、床に撒き、コンクリートが1部茶色に染まる。
そこに、男の合図を受け集まるかのように、廃墟中の猫や犬がやってくる。
「相変わらず凄いとこに居るよなぁあんた……」
背後から聞こえる声に思わず鋭くした手を伸ばす。
?「兎沢……」
兎沢「うおっ……相変わらず警戒心強いね、多治見さん。」
両手を、上げながら鋭い手先から離れる。
多治見「こいつら以外は一々信用してられない……」
猫の1匹が寄ってきたため顎を人差し指で撫でる。
兎沢「…………そろそろ僕には信頼を向けてくれてもいいと思うんだけどなぁ。」
多治見「…………」
多治見は黙ったまま、暗闇の先へ消えていく。
兎沢「……面倒見とけって事かなぁ………随分と僕も信頼され始めたもんだ。」
そう皮肉を言いながら餌を食べ尽くした動物たちの方へ行く。
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病院
医者「この傷では、直ぐに現場復帰、というのはかなり難しいでしょう。」
病室の小綺麗な白いベッドで瞼を閉じ続ける誠剛。
八尾「誠剛君…………天願君、一体何があったの。」
腕に包帯を巻いた天願に語りかける。
天願「私にもさっぱりです……しかし、あいつは……暴者の権化のように暴れ回っていました。……最後に、何かあいつが喋ったような気がしたんです……何かは、分かりませんが……」
真見「まるで暴走車だ……」
八尾「突然現れて、去っていく、緑の暴者……」
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AGー10トレーラー内
真見「一体あいつは何なんでしょうか……」
散り散りに暴者の映る映像を眺める。
八尾「データを調べてもさっぱり。全く何も分かんないわ。」
八尾「だけど今はひとまず……誠剛君の回復を待つしか無いわ………」
真見「そう……ですね………」
データの散らかった画面内を整理してる中、ある物を見つけた。
八尾「これは………」
真見「どうしたんです?」
八尾「これを見てちょうだい………」
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アラートの鳴らない、誰も駆け付けない。
捨てられた猫の前に立つ灰色のジャージを着た女。
灰色のジャージを着た女「あなた……綺麗な目だねぇ……その目で、私が殺す人間を定めてくれなぁい?」
多治見「その薄汚れた手を離せ……」
灰色ジャージを着た女「あら?もう来ちゃったぁ?残念。今からが楽しいのに……あ〜ん………」
そう言いながら、一口で猫を飲み、骨が折れ、砕ける咀嚼音を鳴らしながら、金色の液体が入った注射器を取り出す。
多治見「貴様ッ……」
怒りで体を震わす。
女の身体からジャージから漏れ出すほどの光を放ちながら変形する。
ODAー7「フフッ……同じ力を持つ者同士、仲良くやらなぁい?」
多治見「ふざけるな……お前達と俺は違うッ………!」
多治見は胸の前にクロスした右手と左手を持ってくる。
左手を右腕肘あたりまで下げ、拳を握る。
多治見「変ッ……」
開きかけたかのような右手をそのままに、左手を右半身の腰辺りまで下げ、左腰へ平行移動させる。
平行に移動する中で現れたのは、金色の、そして中央に瞳のような緑色の輝石。
多治見「身ッ……!」
その時、多治見の周辺が白い光に染まる。
光から現れた、緑の暴者。
多治見が1歩後ずさると、暴者は1歩進む。
光が途切れた瞬間、立っていたのは緑色の暴者であった。
「俺は善でも悪でもない……犠牲者だ……」
ODAー7「Victimって言う訳ね……この力に染まっておいてよく言うわねぇ……」
苦笑しながら喋る。
V「黙れぇ……!…フゥッ……ハァッ……」
白く熱い吐息を出し始める。
ODAー7「本性を早く出しなさいよ。ほら早くぅ!」
足の形を骨と筋肉が急速に変化していき、猫のようになる。
そして駆ける。
爪は異様に伸び切り、それで筋肉の露出したような緑の装甲を引き裂く。
V「クッ……!ハァッ……!ハァッ………!ハァッ……!」
立ち上がろうとする。
ODAー7「早くしないと死んじゃうよぉ!」
空を切るような速さで駆ける。
鋭い手が、止める間もなく突き刺さる。
V「ぐぅッ……ガ"ッ"………!」
血を、腹から、口から、吐く。
ODAー7「ハ"ァ"ァ"ァ"!!」
そのまま腕ごと貫こうとする。
V「………………ウ"ゥ"ア"ァ"ァ"!!!」
動かそうとする腕を掴み、骨を軋ませる。
そのまま体を寄せる。
V「グ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!」
天を向き、銀色の口が開く。
中には、人間のような、剣のような歯、そして赤黒く染まっている口内。
その刃は肩へと振り下ろされる。
ODAー7「クギッ……!グアッ………!」
肩を歯という刃で削られ、血を大量に吹き出す。
V「ア"ァ"ァ"ァ"!!!」
ODAー7を蹴り飛ばし、自らも腹部を流血する。
コンクリートの床、壁に赤黒い溜まり場を残しながら、近づいていく。
ODAー7「そう……来るぅ……?………随分……ふざけちゃ───」
右頬に拳が吸い込まれる。
脳でも揺れたかのようにフラフラと動き、吐息を漏らす。
ODAー7「ホンットに……気分下がっちゃうわぁ………」
そう言いながら、走りかかってくる。
ぶつかり、顔面を殴る。
両者が雄叫びを上げながら殴り、蹴り、血がそこら中に滲む。
決着は、一瞬であった。
V「ハ"ァ"ァ"ァ"ァ"………!!!」
蒸気を発しながら、緑の歪なホーンを伸ばす。
右のふくらはぎにある、小さく、しかし鋭い刃を伸ばす。
それは熱く、赤い、空気を帯びていた。
飛び上がり、血のにじむ肩へ突き刺す。
ODAー7「クッ……こんなものぉ……!」
突き刺さる刃から逃れようとするも、地面へ突き落とされる。
V「グ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!!」
真下に緑の暴者の顔を模した様な紋章が出現する。
それは刃に飲み込まれ、より強く叩き込まれ、流し込まれる。
ODAー7「ア"ァッ……──────」
巻き込まれるように爆発の中の渦に佇む。
足元の朽ちた生命は、崩れ落ちる。
「ハァッ……ハァッ………!」
立った右手心臓を抑えるように胸を掴み、多治見の姿へ戻っていく。
苦しみ呼吸を荒らげながら、歩いていく。
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AGー10トレーラー内
八尾「AGーIT0……1番最初の………次世代のアギトよ」
真見「僕たちにとっての……最初のアギト……」
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時間が経った病室
一角の部屋が強く光り出す。
誠剛「ぐぅッ!アァ"ッ!!」
腹部が光り、飛び出す痛みに襲われる。
痛みに反例し、傷が有り得ないスピードで癒えていく。
兎沢「多治見さんの言ってた事、何となく分かる気がするなぁ……」
第3話 終