宇宙戦艦ヤマト2199 アルドノアの輝き 作:アルドノアって魔法みたいなもんじゃね?
地球へ帰還したフリージアに待っていた命令は局地防衛任務で、邀撃任務だった。
割れた月の破片が広がるサテライトベルトは、地球連合のガミラスへの最終防衛ラインにも位置づけられており、サテライトベルトの中のひとつにあるアフロディーテ島・アフロディーテ基地がその中心だ。
艦艇は輸送艦などが停泊できるバースの他、小規模な艦隊が一時的に寄港して補給を受けられる程度の泊地が形成されていた。昨今の艦隊喪失も重なって今では活用されていないが。
ガミラスとの戦闘で、アステロイドベルト以上に複雑なサテライトベルトでは特に、かつてより何度もここを戦場にしてきた地球連合・ヴァースによって人型機動兵器の有用性が実証されている。
ガミラスの艦載機や艦艇もサテライトベルトへ減速なしで突入してくることは不可能に近い。減速してサテライトベルトを避けつつ地球へ降下しようとする艦艇などをサテライトベルトの衛星群に隠れて待ち構えていたカタフラクトによる十字砲火が、ガミラスによる直接侵攻を妨げているのだ。
また、遊星爆弾についても、サテライトベルトの衛星群に衝突することもあるため、全部が地球に落ちているわけではない。
1999年…ちょうど200年前に起こったヘブンズ・フォールという大災害の爪痕が、地球の要塞化に一役買っていた。
『ザザ…こちらデューカリオン、ジンメ0-0、着艦を許可します。6番格納庫へ誘導』
そして、アフロディーテ基地に唯一残存する艦艇がデューカリオンである。
かつて、第二次ヴァース戦争で活躍した頃から5代目になるが、搭載されているアルドノアは当時より受け継がれている。
5代目デューカリオンは、初代よりもアルドノアへの研究が進んだことで重力制御能力は反重力による飛行能力以外にも広がっている。
特に未だに核融合エンジンのエネルギーを持ってしても常時慣性制御による擬似重力の利用が難しい非アルドノア搭載艦と比較して、艦内に重力を発生させて長期間の宇宙活動を可能にする能力を持つ大型戦艦である。
かつて第二次ヴァース戦争当時、地球連合に鹵獲されたマズゥールカ伯爵のカタフラクト『シレーン』の技術も応用されており、外部に重力干渉を行い空間を歪ませることで、ガミラスの攻撃からこれまで生還してきている。
地球連合が最終防衛ラインに位置づけるサテライトベルトでのカタフラクト運用拠点として、アフロディーテ基地と共に重要視されているため、め号作戦には参加していなかった。
アルドノアは核融合エンジンの実用化によって、出力的な優位性を減らしたが、それでもその特殊能力は存在感を放っている。
さて、デューカリオンに話は戻るが、5代目デューカリオン…オルレイン子爵のカタフラクトを含めれば6代目になるが…その主機はアルドノアであるが、補助機関として金剛型と同等の核融合エンジンを2基搭載している…もはや核融合エンジンの方が主機に近いが。
その船体はなんと402mの全長と、113mの全幅、99mの全高を誇る地球連合の総旗艦である。どちらかと言うと移動要塞とも言えるサイズである。
「お待ちしておりました…姫殿下」
「マズゥールカ准将、今はフリージア・エンヴァース准尉よ。一士官に姫殿下は言い過ぎじゃないかしら?」
「一士官は准将にそんな言葉遣いはしませんな」
「あら、一本取られたわね、マズゥールカ伯爵」
初老とも言える年齢の軍人は、整えられた顎髭を撫でた。