〈個性〉を奪い、ストックし、与える能力の転生者:ヴィラン   作:アマテス豆

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やっぱり、【無個性】を表現するのは難しい…なんか良い感じの【無個性】感て無いんですかね…多分ブレてるし…

あと、なんか行けそうなんでリメイク前にら出ていた話までは1日1投稿を目指します!
今回は頑張って完結させるぞ!!

てことで本編をどうぞ!


第六話【無個性】麗日お茶子

雄英高校、期末試験当日。

 

「期末試験、頑張りましょう」

 

お茶子がクラスの皆に向けて意気込みを口にする。

だが、その声は以前のような弾むような響きを失い、どこか平坦で、聞きようによっては冷淡にさえ聞こえた。

 

「……やっぱ、慣れねーんだよな。麗日のこの感じ。見た目も、まるまるしてねーし」

「慣れないよね……。リカバリーガールも、直し方が分からないみたいだし。考え方や行動は麗日さんのままなんだけど、それが外側に反映されないというか……」

 

瀬呂の言葉に、デクが沈痛な面持ちで同意する。

 

そう、今の彼女は、中身は間違いなく「麗日お茶子」だ。しかし、それを表現するための『外面的な個性』――愛らしい表情や、柔らかな声の抑揚、親しみやすい雰囲気――を根こそぎ失われている。

 

「そうね……。見た目と話し方が違うだけで、こんなに別人に見えるなんて。でも、間違いなくお茶子ちゃんなのよね…」

 

蛙吹が心配しながら麗日を見つめ、

 

「〈ユニークバンパイヤ〉とかいうヴィランの仕業なんだろ! さっさと捕まえて元に戻させるしかねえ!」

 

蛙吹が心配しながら麗日を見つめ、切島は拳を手のひらに強く押し当てる。

 

「そうですわね、ですがプロヒーローに任せるしかありませんわ。先生たちも捜索に協力してくれていますの。」

 

「あ〜!ちくしょう!こんな時に何もできないのが悔しいぜ!」

 

クラス中に無力感と怒りが広がる。

以前のお茶子そんな皆の気遣いに「そんな気にせんでええよ、ありがとう!」と顔をほころばせていた。

だが、今の彼女がいくら笑おうとしても、顔の筋肉は「標準的な微笑」以上に動かず、声も震えない。

 

「大丈夫ですよ。今のところ、学業に支障はありません。それよりも、林間合宿がかかった期末テストに集中しましょう」

 

お茶子はもどかしさを押し殺し、努めて冷静に皆を試験へと促した。

 

――筆記試験が終わり、実技試験が始まる。

 

お茶子と青山のペアの番がやってきて…案の定、13号の『ブラックホール』により、ピンチに陥っていた。

 

「いつまでも掴まっていては、クリアできませんよ!」

 

「うわー、うわー」

 

棒にしがみつく麗日の声が響く。

必死に叫んでいるつもりなのだが、声のトーンが一定なせいで、どうしても冷静に、あるいは棒読みのように聞こえてしまう。

 

「……麗日さん、それ、演技でやってるのかい?」

 

青山の問いに、お茶子は内心では、「ちゃうわ!」と思いながらも、平坦な声で答えた。

 

「いえ、必死です。一ミリの余裕もありません。」

「そうだよね。あ、前から気になってたんだけど。」

 

青山は、こんな状況の中、会話が聞けたのなら場違いだと全員が思う質問を打っ込む。

 

「緑谷くんのこと好きだよね?」

 

青山の唐突な指摘。

 

その瞬間、お茶子の内面は、かつてないほどのパニックに陥った。

(えっ!? なんで今!? 私がデクくんを好き!? そんなわけ……あ、いや、そんなわけなくはないけど、今は試験中やし!!)

心の中は大荒れだが、今の状態なら外側は、クールに対処できると少し思っていた。

だが、『外見』はそれを裏切る。

 

プシュー

 

「? え、私が緑谷さんのことを好き? そんなことは……」

 

全力で否定しようとしたが、心臓の鼓動(内面)と、思うようにならない表情(外面)のギャップに、脳がバグを起こした。

一瞬だけ、声に微かな震えが混じり、自分でも驚くほどの熱が遅れて頬に上ってきた。

 

「いえ、別にそういうのではなく、尊敬していると言いますか、その、本当に好きとかそういうのでは……っ」

 

必死に弁解するお茶子だったが、自分を隠そうと焦るあまり、棒を掴む手が疎かになってしまった。

 

「危ない!」

 

13号が反射的に『ブラックホール』を解除する。

 

その瞬間、お茶子は「女の子らしい柔らかさ」を奪われた結果、予想以上に「普通ぐらいに硬い」外見になっていた体で13号に激突し、そのまま押し倒した。

 

「痛っ……。あ、でも、今なら行けます!『ガンヘッド・マーシャル・アーツ』」

「確保!」

 

お茶子はガンヘッドのところで学んだ、技を使い、13号に手錠をかけ、ようやく息を吐いた。

 

『麗日、青山チーム、試験クリア』

 

勝利の放送が流れる中、お茶子は「嬉しい」はずなのに、心と表情が制御できず立ち尽くしていた。

 

試験を終えたお茶子は、火照る顔を抑えることもできぬまま、一足先にモニタールームへと戻っていた。

 

「あ、麗日さんナイスファイト! あの絶体絶命の状況で自分から突っ込んでいくなんて、本当にすごかったよ!」

 

戻るなり、デクが眩しいほどの笑顔で駆け寄ってくる。

本来なら「えへへ、必死やったんよ」と笑い返せるところだが、今の彼女にそれはできない。

 

「…………ありがとうございます」

 

声は低く、平坦。顔も硬くなっていた。

 

「どうしたの、お茶子ちゃん。何かあったのかしら」

 

梅雨ちゃんが首を傾げて覗き込んでくる。

お茶子の内面は、今も青山くんの余計な一言のせいで大パニックの最中だ。

 

「………………………いえ……何も……」

 

プシュー! と音がしそうな勢いで、お茶子の頬が遅れて赤く染まっていく。

「外面」が感情の流出を抑えきれず、まるで制御不能になった機械のように熱を噴き出し始めた。

 

「どうしたんだ! 様子がおかしいぞ! まるでオーバーヒートした猫型ロボットのようじゃないか!」

 

飯田くんが手足を激しく動かしながら心配する。

 

「違います。違います。そんなの、全然違います」

 

お茶子は必死に否定しようとした。

 

だが、バクった『外側』のせいで変に抑揚がつき、その否定はラブコメの肯定とも取れる言葉ように聞こえてしまう。

 

「私は、緑谷さんのことを尊敬しているだけです。決して好きなどでは……あ、あああああ!」

 

ついに内面の感情の処理の限界を超えた。

お茶子はそのまま、全速力でモニタールームを飛び出していった。

 

「え…………」

 

残された一同。

 

特に名指しされたデクは、あまりに淡々と、かつダイレクトな「好き(否定形)」を投げつけられ、真っ白になって唖然と立ち尽くしていた。

 

「……麗日さんは、とんでもない地雷を落としていってしまいましたわね……」

「青春さねぇ……」 

 

八百万の呟きと、リカバリーガールののんびりした声が響く。

 

その後、二人の距離が気まずさで離れたのはいうまでもないだろう。

主に、緑谷のクソナードっぷりのせいで…

 

 




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それでは、また次回。

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