『おい!こっちに洞窟があるぞ!此処に入ったかもしれねぇ!』
入口から盗賊団の声が響いて聞こえてきた
「!?・・・・あの盗賊団が入ってきます!」
ミルフィーネは盗賊団の声に動揺すると
「心配するな。俺は従魔、主を守る為に倒そう」
そう言うとヴェルガルトはゆっくりと起き上がると入口の方に歩いて行った
洞窟の入口では
盗賊団全員揃っていた
「全員揃ったな?」
盗賊団の頭らしき人物が声を掛けると周りにいる中間は頷いた
「騎士の連中によって数は減ったが、些細なことだ!目標は目の前だ!捕まえて、犯せ!その後に家族に身の代金を要求してやる!さあ!行くぞ!」
その時
『ズシィン!』
「あ?何だぁ?」
『ズシィン!』 『ズシィン!』
「お、お頭!洞窟の方から何か来ます!」
中間の一人が慌てて叫んだ
盗賊団全員洞窟の方に視線を向けて見ると
「俺の住み処に攻め込もうと言うのか?クズ共・・・・」
洞窟からヴェルガルトが出てきた
「「「ド、ド、ド、ドラゴンだぁぁぁぁ!!!」」」
盗賊団全員目玉と舌が飛び出すような感じで叫びながら驚愕した
「お、お頭!ドラゴン相手じゃあ、無理ですぜ!」
「あ、ああ!俺達じゃあ倒せねぇ!全員撤退だ!!」
盗賊団はドラゴンから逃げようとした時
ヴェルガルトは口を少し開けると黒い炎が溜め込んだ
「逃がすと思うか?全員消え去れ!【獄炎】(ヘルフレア)!」
『ゴォォォ!』 「「「ギャァァァ!!」」」
ヴェルガルトの獄炎によって盗賊団全員黒い炎を纏いながら倒れてしまった
ヴェルガルトの後ろからミルフィーネとシェリカがやって来て、ミルフィーネはヴェルガルトに尋ねた
「ヴェ、ヴェルガルト・・・・あの黒い炎は?」
ミルフィーネの質問にヴェルガルトは答えた
「あれは【獄炎】(ヘルフレア)・・・対象を完全に焼き尽くすまで決して消えることが無い地獄の炎だ」
ヴェルガルトの言葉にミルフィーネはゾッとした
「そ、そんなに恐ろしい炎なんですね・・・・」
「所で、ミルフィーネ達は何処から来たのだ?」
ヴェルガルトの質問で今度はミルフィーネが答えた
「そ、それが・・・・盗賊団から必死に逃げていたのであまり方向が分からないんです・・・・」
「ならば、俺の背中に乗ると良い。空から飛んだ方が見つけやすいだろう」
そう言うとヴェルガルトはミルフィーネ達を乗りやすいように足を曲げて座り込んだ
「良いのですか?」
「君は俺の主だ。遠慮は無用だ」
「分かりました」
ミルフィーネとシェリカはヴェルガルトの背中に乗ると
「では、行くぞ」
ヴェルガルトは翼を羽ばたくとゆっくりと宙に浮かんでから飛んだ
ミルフィーネとシェリカを乗せたヴェルガルトは翼でバルディアの森の上空を滑空していると
「ヴェルガルト!あそこです!」
ミルフィーネが指した方へ視線を向けると街道らしき道の近くに騎士の死体が転がっていた
ヴェルガルトは騎士の死体を避けて着地するとミルフィーネとシェリカを降ろした
「騎士様達には感謝と安らかな眠りを・・・・」
「お眠りを・・・・」
ミルフィーネとシェリカは転がっている騎士の死体に向けて感謝と供養の祈りをした
祈りを終わると
「ヴェルガルト、私達の住む王都へ行きましょう」
ミルフィーネはヴェルガルトにそう言うと
「騎士の死体はどうするんだ?」
「私達ではとても運べないですし、ヴェルガルトに頼んであの【獄炎】で死体を焼き尽くしても死んだ騎士の家族に会わせられませんので・・・・お父様に頼んで早く死体を回収するしかないのです」
「・・・・そうか・・・・なら、何も言わん。王都はこっちの方へ進めば良いのか?」
「はい。この街道を通って北へ進めば王都に着きます」
「では、死んだ騎士達の為にも行くとしよう」
ヴェルガルトはそう言うと王都へ向けて街道を歩き出した
「飛んでいくでは?」
ミルフィーネは不思議そうにヴェルガルトに尋ねると
「主であるミルフィーネとシェリカが乗って飛んでも王都に居る民達が混乱してしまう恐れがあるからな・・・・お主達と一緒に歩いて行った方が混乱が大きくならずに済むからな・・・・」
「あ、あはは・・・・それもそうですね・・・・」
ヴェルガルトの答えにミルフィーネは苦笑いしながら納得した
「では、行きましょう。シェリカ!ヴェルガルト!」
「はい。ミルフィーネ様」
「初めての王都であるか・・・・楽しみではあるな」
ヴェルガルトはミルフィーネとシェリカと一緒に王都へ向けて街道を歩いて行った