(トレーナーさんの)賢さが不足しているようですね 作:龍角散ガム
ミスターシービーは自由なウマ娘です。
何かに束縛されることを嫌い、風の吹くままに行動する。そのようなウマ娘です。
そして、彼女の晒す常識に縛られない雰囲気は、不思議なカリスマ性を生み出していました。
けれど、納得できないことは絶対にしないという頑固さも持っています。
実際の彼女は、人一倍不器用なウマ娘でもあるのです。
そんなミスターシービーに、『あなた』はずっと付き合ってきました。
納得できないことがあれば徹底的に追求する。
理不尽なことがあれば、その常識をぶち破る。
それが、『あなた』とミスターシービーなのです。
「ねぇ、トレーナー。駅から離れた静かな田舎で暮らすのと、駅から近くてどこへでも自由に行き来できる都会で暮らすの、どっちが良いと思う?」
今日もまた、ミスターシービーの気まぐれな質問が飛んできます。
『あなた』としては、どちらにも良さがあると思っていました。
ですが、実際に暮らすのはミスターシービーです。
なら、ミスターシービーが好きな方を選べば良い。
そう『あなた』は答えました。
「そっか♪♪」
そうしてミスターシービーは、上機嫌で物件情報を調べ始めるのでした。
「ねぇ、トレーナー。キングサイズのベッドとクイーンサイズのベッド、どっちが良いと思う?」
いつものように飛んでくるミスターシービーからの質問。
『あなた』としては広い方が好みでしたが、ミスターシービーのことを考えると、クイーンサイズくらいが良い気がしました。
自由が好きな彼女でも、広すぎるベッドは逆に寂しく感じてしまうかもしれない。
そんな気がしたのです。
だから、『あなた』はクイーンサイズの方が良いと答えました。
「そっかそっか♪♪」
そうしてミスターシービーは、嬉しそうに家具のカタログを読み漁り始めるのでした。
「ねぇ、トレーナー。和式と洋式、どっちが好き?」
またまた飛んでくるミスターシービーからの質問。
『あなた』は一瞬考え込みました。
『あなた』としては、現代人らしく洋式派でした。
祖父の家が和式だったこともあり、その大変さはよく知っています。
特に女性ならなおさらでしょう。
だから『あなた』は、洋式の方が良いと答えました。
「えー? でもアタシ的には、和式も捨てがたいんだよねー」
これは『あなた』にとっても意外な答えでした。
とはいえ、ミスターシービーが和式を好むのであれば、それでも良いのでしょう。
「うーん……いっそのこと両方やっちゃう♪?」
それも悪くないかもしれません。
少し前の家なら、一階に和式、二階に洋式がある家も珍しくありませんでした。
そう考えれば、両方置くのもありなのでしょう。
「それじゃ、決まりだね♪♪」
そうしてミスターシービーは、嬉しそうにゼクシィを読み漁り始めました。
『あなた』は不思議そうに首を傾げます。
何故、トイレの話をしていたはずなのにゼクシィを読んでいるのか。
けれど、それもまたミスターシービーらしい自由さなのでしょう。
そう結論づけながら、『あなた』は再びトレーナー業務へ戻るのでした。
一方その頃。
ミスターシービーはゼクシィの結婚式特集ページを見つめながら、にこにこと頬を緩めているのでした。
「………♡♡♡」
たづな「自由にさせすぎるのも良くありません。ウマ娘に生殺与奪の権を与えてはいけないという富岡さんの言葉を思い出してください」