救えなかった手と、それでも伸ばした手 ~元自衛官が行く、異世界戦記~   作:ホビット

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第三十四章 幼王と老騎士

 遼が救われた、その翌日。

 

 帝都内、

 玉座の間に通じる長い廊下では、

 多くの人間が、紙を握りしめていた。

 

 皆、一様に、焦りの表情をしている。

 廊下を行ったり来たりする靴の音が、

 コツコツ、と響きまわっていた。

 

 ギィィィ……。

 

 ゆっくりと、

 玉座の間に通じる扉が開くと。

 

「西方属州で、反乱が起こりました!

 反乱軍の正確な数は不明ですが、多数の模様!!」

「一部都市では、帝国側の寝返りもあるとのこと!

 情報が錯綜しており、正確な状況は不明です!」

「国境都市カーレアでは、都市内の市民と

 警備兵の間で、暴動騒ぎが起こっているそうです!」

 

 堰を切ったように、

 悲鳴のような報告が次々と上がった。

 

 その惨状に、玉座の間に並ぶ、

 クラウスの顔にも脂汗が滲む。

 

「……静まれ」

 

 古い弦楽器の様な、

 重く低い声が玉座から放たれた。

 

 その一声だけで、

 部屋の中だけでなく、廊下の喧騒も静まった。

 

「クラウス。

 物資の流通状況を報告せよ」

 

 端的な問い。

 クラウスは背筋を伸ばし直すと、

 紙面に目を落としながら報告した。

 

「現在の状況は芳しくありません。

 ルヴァンを失ったこともあり、

 流通量は以前に比べ、四割ほど減少しています」

「見通しは」

「厳しい、と言わざるを得ません。

 備蓄はあるので、直ちに市民たちの

 生活に影響が出る程ではありませんが、いずれ……」

 

 報告を聞いた皇帝は、

 頬杖をつきながら、目を瞑る。

 

 トン、トン、トン……。

 

 反対の手では、

 漆黒の玉座を、人差し指で叩いていた。

 

「…………」

 

 しばらくの間、

 誰かが唾を飲み込む音と、

 微かに紙が擦れる音だけが、

 その場の空気を支配する。

 

 ――トン。

 

 やがて。

 皇帝の指が止まった。

 

 ゆっくりと目を開けると、

 重苦しく、皇帝は口を開いた。

 

「軍を動かす。

 目標は、反乱軍」

 

「なっ……!」

「それは……っ!」

 

 にわかに、ざわめきが起こる。

 

 クラウスは、

 確かめる様にモノクルを向けた。

 

「……よろしいので?」

「このまま座しておれば、帝都にも影響が出よう。

 それに、奴らとて短期決戦は望むだろうよ」

「と、言いますと?」

「先日の小競り合い。

 ……アレは、氷山の一角に過ぎぬ。

 いかに王国の旗が美しかろうと、

 長く対陣が続けば、何が起こるか分からぬ」

 

 いちど、言葉を区切る。

 そして、淡々と、続けた。

 

「親衛隊並びに、帝都警備隊に通達。

 直ちに軍を編成し、反乱軍との決戦に備えよ。

 今回は、余も出る」

 

「………ッ!」

 

 息を呑む音が、辺り一面から聞こえた。

 思わず、皆、皇帝の目を見る。

 

「……恐れながら、進言致します」

 

 将校のひとりが、

 緊張した面持ちで、皇帝に上奏した。

 

「申してみよ」

「陛下の玉体に万が一があってはなりません。

 ここは我々にお任せ頂けないでしょうか」

「余が、足手まといだと?」

「そ、その様なことは……滅相もございません!」

 

 蒼白になった将校の顔から、

 サーッと汗が引く。

 

「……陛下が自ら、反乱軍を討つことに意味があるのです」

 

 クラウスが、静かに口を開いた。

 

「属州の反乱は、

 いわば、反乱軍の勢いをアテにしたもの。

 敵の首魁を、陛下直々に討ち取ったとあらば、

 勢いを殺すことが出来ます。

 ……陛下、私の意見ですが、御心はいかがでしょうか」

 

 クラウスの言葉に、

 皇帝は鷹揚に頷く。

 

「クラウスの言った通りである。

 反乱の勢いは、ここで完全に断つ。

 だからこそ、余が出る必要がある。

 貴様の疑問は、解決したか」

「ハッ!出過ぎた意見、大変失礼いたしました!」

「よい。

 余とて、臣に心労を掛けることは理解している」

「勿体なきお言葉……」

 

 将校は深く、頭を下げた。

 

 他に、意見を述べるものはいない。

 

 皇帝は、立ち上がると、

 玉座から一同を見下ろした。

 

「それでは、各自、直ちに行動を開始せよ。

 これは、勅令である」

 

 その様子に圧倒された後。

 

「「「皇帝陛下の仰せのままに!」」」

 

 皆、一様に頭を垂れた。

 

**

 

「腹、減ったな……」

 

 王国軍の野営地。

 遼は気の抜けた愚痴を溢していた。

 

 あの避難民たちは、

 兵士たちが食事を譲ってくれたお陰で、

 飢えを凌ぐことが出来た。

 

 事前に計画していた炊き出しも、

 オルウェンたちの尽力もあり、

 予定通りに行うことが出来ていた。

 

 しかし、その代償として、

 遼も含め、皆が腹を空かせていた。

 

「気を抜き過ぎでは?

 帝国兵の姿が無いと言え、

 いつ戦闘開始するか、分かりませんよ」

 

 ジトリ、と。

 少し気の抜けた遼を、

 ミレイユが遼を見咎めた。

 

「まぁまぁ……。

 お腹が空いているのは、私もですから。

 ……ダイエット、と割り切るしかありませんね?」

 

 苦笑しながら、

 エリシアが遼をフォローする。

 

「お嬢様は十分に痩せています。

 寧ろ『お身体に触るのでもっと食べてほしい』と、

 料理長殿も苦言を呈されていましたよ?」

 

 思わぬ反撃を受けたエリシアは、

 気まずそうに目を逸らした。

 

「うぅ……」

「一本取られたな、エリシア?」

 

 遼が軽口を叩く。

 

「何を言っているのですか?」

 

 ギロリ。

 ミレイユの目線が遼を向いた。

 遼は堪らず、うっ、とたじろぐ。

 

「そもそも、私はリョウに注意していたのです。

 お嬢様を隠れ蓑にして、逃げないでください。

 ……前よりも素直になってくれたのは、良いのですが」

 

 はぁ、と嘆息するミレイユ。

 

「それとこれとは別問題です。

 お腹を空かせているのは、リョウだけでは無いのですよ?」

「わかったわかった!」

 

 遼の降参に、

 ミレイユは小さく鼻を鳴らした。

 

「……でも」

 

 エリシアが、ぽつりと切り出す。

 

「リョウがこうして、

 軽口を言える様になってくれて、良かった」

 

 儚げな笑み。

 

 遼は気まずげに目を逸らし、

 頭をガシガシと掻く。

 

「…………まぁ。

 迷惑をかけた。

 自分の中では、まだ、上手く言葉には出来ないけど。

 折り合いがついたっつーか、

 一人でやらなくてもいい、っていうか……」

「それで良い、と私は思います。

 ……ここに来るとき、

 リョウ自身が言ってくれたことですよ?」

 

 くすくすと笑いながら、

 エリシアが返す。

 

 過去の自分の言葉を返され、

 遼は目を泳がせた。

 

「まぁ、そうかもしれない、が……。

 でも、皆にも迷惑を掛けてるし……」

「そうですね」

 

 ミレイユが割って入る。

 

「お嬢様の号令によるものでしたが、

 リョウは、あの女の子たちを助けたかった。

 だからいま、私たちはお腹を空かせている」

 

「けれど。

 あの人たちを捨てる様な人なら。

 私は、ここにいませんからね?」

 

 ミレイユが悪戯っぽく笑った。

 いつも真面目な彼女にしては、珍しく。

 

「……それは反則だって」

 

 遼は、ついにそっぽを向く。

 その頬は少しだけ、紅潮していた。

 

**

 

 そこへ。

 

 慌しい靴音が、三人の耳を打った。

 焦った表情のローデンが、こちらへ駆け込んでくる。

 

 即座に、表情を切り替える。

 

「ローデン、何事ですか?」

 

 エリシアが、静かに問う。

 

「帝都から、敵部隊が出撃したようですじゃ!

 数はこちらより少ないですが……。

 見張りからの報告によると、旗印は三つ!」

「三つ?」

「はい。

 ひとつは、灰白に、三つの円。帝都警備隊のモノ。

 ふたつめは、黒地に剣。皇帝親衛隊じゃ。

 そして、赤黒に、金獅子。

 ――とうとう、皇帝が出てきおった!」

 

 ローデンの報告に、遼にも緊張が走る。

 

「……皇帝が、ついに動いたか」

 

 奥歯から、ギリリ、と音が鳴った。

 

「しかし……

 なぜ、このタイミングで出撃を?」

 

 戸惑った様子のミレイユが、

 疑問を口にする。

 

「難民たちの話では、

 西方属州で反乱が起きているとのことじゃ。

 皇帝も、このままワシらとお見合いになるのは、

 避けたいのやもしれぬな」

「西方が……」

 

 ミレイユの瞳が揺れた。

 彼女の故郷。

 唇を、きゅっと結んだ。

 

「ミレイユ……」

 

 エリシアが心配そうに、ミレイユに声を掛ける。

 

「……いえ。

 私のことは、気にしないでください」

「……強がりじゃ、ないのか?」

 

 気丈に振舞うミレイユへ、

 遼も、おそるおそる声を掛ける。

 

「正直言って、複雑ではありますけど……。

 でも、私の一番は、お嬢様ですから。

 ――今は、それでいいんです」

 

 ミレイユの微笑みに、嘘は無かった。

 

「ありがとうございます、ミレイユ。

 ……あなたは、いつも私に勇気をくれますね」

「そう思って頂けるのであれば、

 私としては至上の喜びです。

 ただ……髪が解けていることに気付いてくださると、

 もっと良いのですが」

 

 ミレイユの慇懃な指摘に、

 エリシアは、バッと髪に手をやる。

 赤面しながら、言い返した。

 

「ミレイユ!今はそういう場合じゃないでしょう!」

「事実ですので」

 

 二人のやりとりに、

 遼が口を挟む。

 

「ミレイユも、エリシアを弄るのは、

 そろそろ止してくれ。

 ……緊張は、ほぐれたからさ」

「何のことでしょうか」

 

 あくまで、澄まし顔だ。

 

 その様子に、頭を掻いた後、

 遼は、真剣な表情でローデンに向き直った。

 

「ローデン。みんなを集めてくれ。

 ……これが、最後の戦いになるかもしれない」

「分かっておる。

 ……姫殿下、どうか、我らに勝利を」

 

 震える声で、ローデンは深々と頭を下げる。

 

 エリシアはそれに、

 大きく頷いた。

 

**

 

 軍議は、すぐに開かれた。

 机の中央には地図が置かれ、

 青い駒と赤い駒が、綺麗に並べられている。

 

「ローデン。

 帝都の軍は、どれくらい強いか知ってるか?」

「直接戦ったのを見たことは無いのじゃが……。

 噂程度なら聞いたことはある」

 

 遼の問いに、ローデンは顎鬚を撫でる。

 

「まず、帝都警備隊。

 これは、大きな問題にはならんじゃろう。

 流石に弱兵ではないと思うが、

 ガルドやレクトールの兵ほどの強さは無いじゃろうな」

「ああ。

 潜入した時にも軍服を着た連中も見かけたけど、

 圧倒的な強さは感じなかったな」

 

 遼も、自身の見た情報をもとに、

 ローデンに頷く。

 

「そうなると問題は。

 皇帝親衛隊、ということでしょうか」

 

 オルウェンが口を挟んだ。

 

「私も、信者の皆様から噂を伺っております。

 なんでも、帝都と皇帝陛下の剣として、

 各地から選り優られた精鋭部隊だとか」

「……事実なら、厳しい相手になるな」

 

 遼が渋面を作る。

 

「今回の戦い。私は、何もしません」

 

 王国軍の幕舎に、

 白銀の玲瓏な声が響いた。

 

「治安維持のために協力を申し出はしましたが……。

 陛下からは、これまでの働きに報酬を頂戴していました。

 剣を向けることは出来ません。

 ……それに」

 

「それに。

 私は、貴方を見定めると言いました」

 

 セリアの冷たい眼差しが、

 エリシアを射抜く。

 

「わかりました。

 セリア将軍、これまでのご協力に感謝します。

 ……あとは、私たちを、見届けてください」

 

 エリシアは瞳を逸らさず答えた。

 

 セリアは、ただ黙って、

 静かに頷いた。

 

**

 

 エリシアとセリアのやり取りの後。

 

 少し空気が落ち着いたのを見計らい、

 遼が口を開く。

 

「今回の戦い。

 俺たちは数では勝ってるけど、

 相手は精鋭だ。

 ……真正面から戦うのは得策じゃない」

「それはそうですが……。

 リョウ、何か考えが?」

 

 遼の言葉に、エリシアが問い返す。

 

「ああ。

 狙うのは、ひとつ。

 ーー皇帝の首だ。

 それを取れば、戦いは終わらせられる」

「あまりに楽観的過ぎるのでは?

 皇帝を討つことが出来たとしても、

 停戦に応じるかどうかは、分かりません」

 

 若い騎士の一人が冷静に意見を返す。

 

「ああ。普通に考えれば、キミの懸念は尤もだ。

 ……ただ」

 

 天幕から差し込んでいた光が途切れ、

 一瞬、遼の表情に影が出来る。

 

「ただ。

 皇帝は、無意味に戦い続けることはしない。

 直接会って、話して。

 俺は、そう確信してる」

 

 遼の言葉を受けた若い騎士は、

 少しだけ何か言いかけて、やがて閉口した。

 

 書記官がペンを走らせる音だけが、

 軍議室に響く。

 

「皇帝の部隊を狙うとして、だ。

 問題はーー」

「精鋭である、

 親衛隊の足止めをどうするか、ですね」

 

 エリシアが、神妙な様子で続ける。

 遼は、大きく頷いた。

 

「ああ。

 こっちは腹ペコだってのに、

 帝国最強の部隊と戦り合う必要がある。

 勝つ必要は無いとはいえ、

 奇襲を成功させるには、確実に足を止めなきゃならない。

 ……犠牲は、大きいだろうな」

 

 遼は苦しそうに下を向く。

 また、沈黙が落ちた。

 

 そして。

 

「……その役目。

 この老骨に任せてはくれぬか?リョウよ」

 

 ローデンが、胸を張っていた。

 

「ローデン?

 ……いや、でも」

「まさか、自分で言い出した事を撤回するのか?

 姫殿下をお支えする最後の大仕事。

 ワシとて、手柄を立てたいと思っただけじゃ」

 

 ローデンの鼻息は荒い。

 

 そこへ。

 

「勇み足ですね。死にますよ」

 

 氷の一言が、空気を冷却した。

 セリアが、ローデンを睨みつける。

 

「個人の武勇はガルドや私には劣るでしょうが、

 親衛隊は帝国軍で最も練度の高い部隊です」

「おいおい……。

 嬢ちゃん、手は出さないんじゃなかっかのか?」

 

 見かねたレオンハルトが、

 セリアを諌めるように発言する。

 

「事実です。

 それに、無駄死にを見るのが不快なだけです」

 

 セリアの態度は、硬い。

 テーブルの下の拳には、力が篭っていた。

 

「……」

 

 セリアの言葉を受け止めたローデンは、

 椅子から腰を上げ、彼女の前まで歩み寄ると。

 

「……セリア将軍。ご忠告、感謝いたします」

 

 深々と腰を曲げていた。

 最敬礼だった。

 

 セリアは老将の態度に、

 珍しく目を見開く。

 

 ローデンは、頭を下げながら続ける。

 

「王国が滅んだあの日。

 ワシは、一度死んでおったのです。

 ……それを、姫殿下がここまで、

 連れてきてくださった」

 

 ゆっくりと頭を上げ、

 少しだけ、エリシアの方へ目線を送る。

 

「ですから。

 これが最後の大一番となるのなら、

 喜んで礎となりましょう。

 ……若いのには、まだ早い」

 

 ローデンは、若い騎士たちにも視線を送った。

 

 アイゲンシルトの時、方針の違いから、

 あわや取っ組み合いになりかけた者たち。

 

 ローデンの言葉は、

 彼らへの祝福の様にも聞こえた。

 

「……ローデン殿」

「ふん。

 それに、ここで手柄を奪われるのも、

 シャクなもんじゃからの。

 何なら、こっちの理由の方が大きいわい」

 

 顔を背けながら、

 ローデンは言い切った。

 

「……忠告はしましたよ」

 

 セリアは、腕を組みながら、

 一言だけ呟いた。

 

 ローデンは一瞬だけ、

 顔を綻ばせそうになるが、我慢して。

 エリシアに、頭を下げた。

 

「姫殿下。

 この老骨に、どうか死に場所を命じくだされ」

 

 エリシアは、ローデンの覚悟を受け止めて。

 

「いいえ」

 

 否定の言葉を言い放つ。

 

「私は、ローデンに死んでほしくありません。

 ですから、私は貴方に命じます。

 ーー必ず、生きて返ってきてください」

 

 その言葉に、

 ローデンの髭が震えた。

 

「……ローデンの旦那。

 あんたの負けだな」

 

 振り向くと、レオンハルトだった。

 くっくっ、と笑いながら、続ける。

 

「それに、俺としても。

 あんたにゃあ、賭けのツケが残ってるしな?」

 

「わ、私たちも!

 ローデン殿とは、まだ決着が着いておりません!」

「秘蔵の酒、

 飲ませてくれるって仰ってましたよね!」

「私、地図の読み方をまだ教わっていません!」

 

 おどけるレオンハルトに、

 他の者たちも続く。

 

「人気者だな?ローデン」

 

 遼も、やれやれ、と。

 肩をすくめてみせた。

 

 ローデンの唇が、何度か開き、結び。

 

「……生き恥を晒し、無様に泥を啜り。

 それでも、こうやって姫殿下や皆と。

 ……いえ。

 エリシア陛下と、共に戦えたこと。

 本当に。……本当に幸せでした」

 

 老将は、万感の思いを噛み締める。

 

「過去形にしないでください。

 それに、賭けについては、

 終わったら詳しく説明してもらいますからね?」

 

 エリシアも、指先を口に当てながら、

 悪戯っぽく微笑んだ。

 

「全く……。

 こんな時くらい、キチンと決めて頂きたいものです」

 

 ミレイユは、額に手を当てて、

 呆れ混じりにため息をついた。

 

「全くだな。

 ……でも、俺たちらしい」

 

 遼も、苦笑しながら、それに続く。

 

「ええ。

 ……ローデン。貴方を待っている人は、

 ここに沢山居ます。

 必ず、成功させてください」

「……はっ!

 エリシア陛下のため、必ずや!」

 

 王から騎士へ。

 誓いは交わされた。

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