雑です
次の日………虹星は再び紅魔館を訪れた。
虹星 「昨日と同じ時間に来たけど…今日は魔理沙と一緒じゃないから昨日よりも慎重に行こうっと。」
美鈴 「…!こんにちは、虹星くん。今日も妹様の所に?」
虹星 「こんにちは美鈴さん、今日も通してもらって大丈夫ですか?」
美鈴 「それは構わないけど…決してお嬢様には見つからないようにね?」
虹星 「分かってます!見つからないようにこっそりと忍び込むつもりです。」
??? 「その必要はありませんわ。」
虹星 「うわっ!?」
銀髪のメイドさんが自分と美鈴さんの間に音もなく現れた。この人が………。
美鈴 「………咲夜さん。」
虹星 「貴女があの……万能メイドの咲夜さん!?」
咲夜 「……どういった噂をされているかは存じ上げませんが…一応自己紹介を。十六夜咲夜、この館のメイドを取りまとめるメイド長です。」
虹星 「僕は虹星です。苗字は…訳あってないです。」
咲夜 「よろしくお願いいたします虹星様。さてと…本題に入りましょう。妹様が貴方を客人として招き入れたいとの事で……貴方の事情は理解していますので、時を止めて妹様のお部屋までご案内しても宜しいでしょうか?」
虹星 「(そっか…時を止めてバレないように連れて行けるんだ…!)よろしくお願いします!」
咲夜 「…畏まりました。」
次の瞬間、僕はあっという間にフランの部屋の前に辿り着いていた。
虹星 「すごい…!有難うございます!」
咲夜 「礼には及びませんわ。では失礼致します。」
音もなく咲夜さんが消えた、やっぱり時を止める能力って凄い便利だなぁ。
虹星 「さて…フラン、遊びに来たよー!」
扉を開け、フランの部屋に入る。
フラン 「…待ちくたびれたわ。さて…今日はどんな面白い物を持ってきてくれたのかしら、虹星?」
虹星 「ふふふ…今日はぁ〜ってあれ、パチュリーさん?何でフランの部屋に…?」
パチュリー 「…何?私がフランの部屋に居ては駄目なのかしら?それとも…二人きりがお望みで?」
虹星 「そういう訳では無いですけど…あっ!も、もうチェスは嫌ですよ!?」
パチュリー 「分かってるわよ、私は唯貴方がどんな物を持ってくるか気になっただけ。」
虹星 「(見張り役…って事なのかな…?)分かりました。…という訳で今日持ってきたのは…。」
それから…僕はほぼ毎日フランと遊ぶようになった。
まぁ当然毎日というわけではなく…時々、咲夜さんに断られる日もあった。大体は体調が優れない所為らしい…。嘘である事は分かっている。…自分にはきっとあるのだろう………知らなくて良い事が、知らないべきである事が。自分は…友達として決して深く潜り込まないようにするべきだから、此方も何も聞かなかった。
………フランと遊び始めてから、早一ヶ月が経とうとしていた。パチュリーさんももう大丈夫だと思い始めたのか、少し前から部屋に着いて来なくなっていた。
虹星 「よーし、今日は将棋で勝負をしよう!」
フランの前に持ってきた将棋盤と駒入れを置いた。
フラン 「…将棋?それは何の遊びかしら?」
虹星 「分かりやすく言うとチェスの日本版!まぁ、ちょっとした違いはあるけどね。………チェスでは好き勝手やられたからね〜今回はこっちの番!」
フラン 「…ふーん、チェスと似ているルールという事は…私が負ける道理はないわね。先ずは詳しいルールを教えなさい。」
その後、フランに将棋のルールを教え何度か対局を行った。
初めの一回はフランも慣れていなかったのか楽に勝つ事が出来たけど…飲み込みが早く二回目の時点で接戦になっていた。
自分も幻想郷に来てから霖之助さんと二、三回指したぐらいだけど…それでも上達が凄まじい。
虹星 「う〜ん…やるね、フラン。二回目でもう僕と大差ないよ。まあ…僕もあんまり上手ではないけどさ。」
フラン 「………ねぇ、虹星。私達を将棋の駒に例えると………私は何になるかな。」
虹星 「……ん?どうしたの急に?そうだなぁ…。」
フラン 「例えば、咲夜は…飛車だね。時を止めて誰よりも早く動けるもの。」
虹星 「じゃあ…美鈴さんは?」
フラン 「門番だし…銀将?金将って感じではないし。」
虹星 「(美鈴さんは銀将っぽいのか…?)じゃ、じゃあパチュリーさんと小悪魔さんは?」
フラン 「パチェと小悪魔は歩兵、のろまだもの。」
虹星 「のろまって…パチュリーさんたちは角行とか似合うんじゃないかな、魔法使いとして遠距離攻撃はお手のものだろうし。」
フラン 「…まぁそれで良いわ。………そして、私は………桂馬…ね。」
虹星 「……?どうして桂馬?てっきり王将って言うと思ったけど。」
フラン 「理由は一つよ。………桂馬は真っ直ぐ進もうとするでしょう?でも…如何やったって真っ直ぐには進めない。必ず左右どちらかに曲がってしまうのよ。………そう、私にそっくり。」
虹星 「フラン………?それって…。」
虹星が館を訪れる少し前……。
レミリア 「………入るわよ、フラン。パチェに貴女が話したい事があるって聞いたから………それで話って何?」
フラン 「………えっと、その…私、ずっと地下に閉じこもってたじゃない?だから…そろそろ外に出てみようかな…って。巫女や魔理沙にも会いに行きたいし…」
レミリア 「………駄目よ。分かっているでしょう?フランにとって最も安全で、平穏で居られる場所は此処以外にない。それに…貴女自身の事は貴女が一番理解しているでしょう?」
フラン 「………で、でも…。」
レミリア 「でもじゃない…お姉様を困らせないで。それと、魔理沙は兎も角…あの襯衣服の男と関わるのは辞めなさい。バレていないとでも思っていたのかしら?」
フラン 「…!それは嫌っ!!虹星はお姉様が思っているよりずっと良い奴なのっ!」
レミリア 「彼奴は貴女に悪影響しか及ぼさない。現に貴女はあの雑魚に要らぬ事を吹き込まれ、外に出たいと言い始めた…そうでしょう?」
フラン 「私自身の意思よ!虹星は関係ない!」
レミリア 「以前は聞き分けの良い子だったのに…矢張りあの人間は邪魔でしか無いわね…。兎にも角にも…もうあの人間とは会わないようにしなさい。………貴女がもし暴走した時…彼奴は間違いなく貴女に殺される。……貴女の言う大切なお友達を貴女自身の手で殺す光景………それを目の当たりにしたいの?」
フラン 「───っ…。嫌よっ!どっちも…!絶対嫌っ!!」
レミリア 「……今はまだ見逃してあげる。私が優しくしてあげている内に早く結論を出しなさい。そうでなければ代わりに私が……あの人間をズタズタに引き裂いてあげるから。」
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フラン 「………私…ね。495年間、外に出た事がないの。…それは、私自ら引き篭もってる事が理由でもあるけど…でも、紅白巫女…霊夢?の事をお姉様とのやり取りで聞いたり、魔理沙や虹星に会って…初めて外に出てみたいって思えたの、人に興味が湧いたの。………でも、お姉様や皆は…外に出るのを許してくれなかった。我儘言うなっていっつも私のことを無視するの。
………アイツは好き勝手してるのに…皆私の事なんか気にも留めない癖に…!」
虹星 「………。」
何も言えなかった。
唯…震えるフランの手が目に映る。
唯それだけしか分からなかった。
フラン 「………ううん、これは仕方の無い事なの。………私は駄目な子だから。それに…最近は二人やパチェも会いに来てくれるし!…だから、こんな事言っておいて悪いけど…虹星も変に勘繰らないで。きっと…虹星が私の本当の事を知ったら………私、虹星とは友達でいたいの。だから…お願い。」
フランが微笑みかけた………でも、身体は大きく震えていた。
虹星 「…フラン。」
フランの手を両手で握った。
フラン 「………どうしたの…?」
虹星 「フランが自分の事を知らないで欲しいっていうなら…僕はもうこれ以上詮索はしないよ。…でも、別にフランの過去に何があったって…僕はフランの事を嫌いにはならないし、友達も辞めないよ。」
フラン 「………!」
虹星 「それに…フランのいう桂馬だって成れば真っ直ぐにも進めるようになるんだ。…‥踏み込む事、それが何より大事なんだと僕は思うよ。外に出てみたいのだったら…僕からも皆を説得してみるよ!…今、フランが踏み出した一歩…絶対無駄にはさせないようにね。」
僕はこの子の事を全く知らなかった。
この子の過去に何があったのか。
どういう境遇なのか。
でも…だからこそ、僕には出来る事がある。
この子を友達として支えてあげる事、その気持ちを無碍にさせない事。
それが僕に出来る…友達としてできる最善だから。
フラン 「………虹星こそ歩兵ね、弱いし。」
虹星 「うっ………まぁ弱いのは認めるけど。」
フラン 「………でも、将棋にとって歩兵は無くてはならないもの、歩兵が無ければ攻めも守りもままならない…私にとっての虹星と一緒…かもね。」
虹星 「………そ、そう?(こういう事言われるとちょっとむず痒い…。)」
フラン 「…ふふ。貴方と友達になれて良かったわ…虹星。」
主人公君調子乗ってますね
まぁ後々…