ヒロインになる事は決まってるのでね。
まぁ殆ど主人公君の自業自得ですね
忠告されたし最近調子乗ってたし仕方ないね。
虹星 「………此処まで来れば後はロビーから外に出るだけか…。」
ロビーに辿り着き、そのまま門へと向かおうとする。
虹星 「………あれ?入口の扉が開かない…?」
……入口の鍵が開かない、そう気付いた瞬間だった。
「ご機嫌よう。この館の主人である私に無断で館に立ち入り、更には妹の心の隙間に入り込んで…言葉巧みに誑かした…愚かで哀れな鼠。」
「………レ、レミリアさん…!」
ロビーから別の部屋に繋がっている扉全てが閉じる音が聞こえた…退路を絶たれた。
レミリアさんは優雅にロビー二階から階段を降りて自分の元へと向かって来ていた。
虹星 「………丁度良かったです…!貴女に言いたい事があったので…!」
レミリア 「…はぁ、必要ないわよそんな事…だって───。」
レミリアは言葉を言い終える前に…虹星に反応出来ない程の速度で虹星の眼前に移動し…
その瞬間………虹星の腹部から小気味の良い音が鳴った。
虹星の身体は大きく弾け飛び…ロビー奥の柱に激突して地面に崩れ込んだ。
虹星 「………あ…?ああああ…あああああああっっ!!!!??」
虹星は自分が蹴られた事に漸く気付いたと同時に全身の激痛に思わず叫び声を上げた。
レミリア 「…ふふ、ごめんなさいねぇ。まさか軽く蹴っただけで骨が砕けちゃうなんて…。貴方やっぱりどうしようもない雑魚ね。………言いたい事がある?言う前に貴方は死ぬわ。今から此処で…。」
レミリアは腹部を抑えて蹲る虹星の前に立ち…虹星の服を掴んで背後の入口横の柱に投げつけた。
虹星 「がぐああアアッ!???」
投げ飛ばされた虹星の身体はロビーの柱を打ち砕き…壁に窪地が出来る程に強くぶつかった。
虹星は再び地面に倒れ込む…。既に抵抗できない程の怪我と床に血溜まりが出来る程の出血をしていた。
レミリア 「ほんっと脆いわねぇ…。まるで人形を投げた気分だわ…肩を壊しちゃったら貴方のせいね?
…貴方は私の妹を傷つけた。だから…簡単には死なせてあげない事にしたわ。咲夜、ナイフ。」
レミリアの横に咲夜がパッと現れる…しかし、見たくないものがあるのか、酷く俯いていた。
咲夜 「………ですが、その方は───」
レミリア 「ナイフッ!!!」
咲夜 「………っ…!………か、畏まりました…。」
咲夜はレミリアにナイフを渡した後、いたたまれなさにその場から姿を消した。
レミリアは咲夜が差し出したナイフを手に取り、どうにか動こうと壁に手をつけ立ちあがろうとする虹星の前髪を掴み壁に押さえつけ…。
虹星 「〜〜〜〜〜〜っ!!!」
虹星の頬を少しずつナイフで裂いて行った。
レミリア 「………ふふ。ほら、痛いのなら叫んだらどう?醜く汚らしくね…?
ほらぁ…叫びなさいよっ!!」
虹星 「…………ああ…っ………!」
虹星は全身の痛みで痛覚がオーバーフローし…ナイフで裂かれても然程叫べなかった。
レミリア 「………つまらないわねぇ…。ふふっ…それならぁ…これならどうかしらっ!!!」
レミリアは虹星の右腕を掴み…小指を握り潰した。
虹星 「ごひ…ゃっ…あ゛あいっっっ!!!?」
レミリア 「素敵よ…その叫び声…!」
それから薬指中指人差し指と…指が砕かれる毎に虹星は声にならない叫び声を何度も上げた。
レミリア 「………そうねぇ。どうせ死ぬのだし…最後に一度だけチャンスを上げようかしらぁ…。
但しぃ………!」
レミリアがナイフを虹星の胸に押し付ける。
虹星 「………やだ…!いやだいやだ…おねがいします……それは無理だ無理無理無理無理………」
あまりの苦痛に涙ながらに懇願するが…レミリアに虹星の言葉など届く筈もなく………
虹星 「いあ゛ぁ゛っ゛っ!????」
胸に押し付けられたナイフが虹星の中に入ってきた。
虹星 「ゃ゛め゛でぇ゛ぇ゛ぇぇ!」
ナイフはどんどんと虹星の内部に深く潜り込み、虹星の服を真っ赤に染めていく。
虹星 「い゛だい゛ッッッ!!
あ゛づい゛ぃっっ!」
ナイフの刃先が中心まで入り込んだ時…レミリアは持っていたナイフを虹星に………根元まで深く突き刺した。
虹星 「あ゛ぁぁぁぁぁぁぁあ゛ああっ!!!?」
レミリア 「………ふふ…ふ!そのナイフを自らの手でで引き抜きなさい…?そうしたら話を一度だけ聞いてあげる。まぁ、どのみちそれっきりだけど!」
虹星 「…あ………あああっ!!!」
虹星は震える左手で…無理矢理ナイフを引き抜いた。
途端に…虹星の身体と口から大きく血が吹き出した。
虹星 「げぼっ…ゴボッ………オエエッ!!!」
ゴポゴポと口から溢れ出る鮮血に前のめりに倒れ…
レミリア 「アハハ!馬鹿すぎて笑えてくるわ!肺に刺さっていたナイフを引き抜いたらどうなるかも分からなかったの?可哀想…喀血が喉に詰まって苦しそうねぇ………ほら、もう楽になったら?…あ、ああそうだわ!言いたい事があったのよね?ほら、言ってみなさい?遺言として聞いてあげる!」
虹星 「……ぼ…どう……に………だ…じん………でず…………が……?」
レミリア 「………何?楽しいかって?そりゃそうよ…目障りな雑魚が消えてくれるもの…。」
虹星 「じ………あ……ど………じて……ないで………る………で……ず………?」
レミリア 「………え…?」
レミリアは漸く………自身が涙を溢していた事に気がついた。
レミリア 「……な、何…これ…?私………。」
何で?何で今更…?
人間は嫌いだった…
一人じゃ何もできない弱い人間が。
あれだけ親しく接していたお父様を裏切って………
私から全てを奪った。
だから強い者なら兎も角………弱い人間には価値がないと吐き捨て、フランに近づく可能性があった者を全て排除して…数え切れない程その命を奪った。
何百、何千と命を奪ってきた。
なのに…もう慣れた筈なのに…!
……違う、分かってる。
彼は………唯一、妹と吸血鬼だと…化物だと理解していながらも…向き合った男だったから。
妹の友達として…本当に妹を救えてしまうのではないかって…私は………内心焦っていたから…。
フランから目を背けただけでなく…沢山の命を奪って………私以外の誰かがフランを救ってしまったら…私が本当のクズになってしまうって……。
だから、彼を何の理由もなく傷つけた…。
そして傷つける度に…私が最低のクズって自覚させられた。何より…彼が本当に優しい人間だって心の底では分かっていたから………だから…?
虹星 「ゲボッ……あ…あんた…だって………分かって……だろ…!ガハッ…ゴホッ…。あんたの…両親…は………こんな事……あんたに…して欲しくないって…!フラン……と…幸せに……生きて欲しいって…!そう思って………に…決まってる…だろ……!」
レミリア 「………黙れ…黙れェェッッッ!!!」
レミリアは壁にもたれかかった虹星を持ち上げ…背後の地面に叩きつけた…。
レミリア 「何もっ!!私達の事何にも知らないくせにッッッ!!!」
そのまま動けない虹星を何度も力任せに殴り付ける。
レミリア 「知ったような口で
指図するなぁッッッ!!!」
虹星が叫び声すら上げず、ピクリとも動かなくなっても…泣きじゃくりながら何度も何度も………
なんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんども
私はもう後戻り出来ない所まで来てしまった。
もう…私はお父様やお母様の様にはなれない。
だから…もういい……。
レミリアが漸く我に帰った時には………その両手は既に紅色に染まっていた。
腕だけじゃない。服が…ロビーが…彼の体が………
目に映る全てが…紅だった。
レミリア 「…………あ、ああああ…。私……!?」
レミリアが自分のした事の罪の重さを認識した瞬間………運命が見えた。
地面に倒れ血溜まりを作り…とっくに事切れている少年と………クズの自分の末路が。
レミリア 「………咲夜、この子を急いで医務室に運びなさい。パチェと美鈴を呼んで応急手当てを…。」
咲夜 「………お嬢様…。」
咲夜からは俯いているレミリアの顔を見る事は出来なかったが…酷く声が震えていた。
咲夜 「…畏まりました。」
凄惨な状況と悲哀に満ちた小さな背中に咲夜は何も言えなかった。
咲夜が虹星を抱え、時を止めて移動しようとした時…
レミリア 「その子は死なないわ、運命が見えたもの…これからどうなるかもね。」
咲夜 「………お言葉ですが…。」
咲夜から見ても、少年が助からない事は明白だった。全身の傷と血を流し過ぎている事に加えて、心肺も停止していたからだ。
レミリア 「…美鈴に気を流させて心臓を無理矢理動かすの。…それと食糧保管庫の血も自由に使っても構わないわ。その子、AB型だからね。」
咲夜 「…善処致しますわ……失礼します。」
咲夜が移動し…姿が見えなくなってからレミリアは一人呟いた。
レミリア 「…そう、死ぬのは私。愚かで哀れでクズの私にぴったりの死に様。…許して下さいお父様、お母様。もう私には…どうすれば良いか分からないもの。」
(¬︿¬ ) 「折れるって言っても妹の友人だし程々にするでしょ…」
( ゚д゚) 「そこまでするんか…?」
この手の物に大切なのは飴と鞭だと個人的には思っています