名だけの幸せは何を得るか   作:磁石とオニスズメ

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 この手の奴では珍しい…のか?
 多分そうでもない


妹の方がマトモってマジ?

 

 虹星 「…凄く広いねこの館。外で見た時も豪勢って思ったけど…外観以上に広い気がする。」

 

 魔理沙 「そりゃあ咲夜が空間を弄ってるからな…咲夜は時だけじゃなく空間も操れるんだ。」

 

 虹星 「…メイドさんってそんな何でも屋みたいなものだったっけ。」

 

 魔理沙 「………咲夜が凄えってだけだよ。少なくともそこら辺にいる妖精メイドには出来はしない事だ。」

 

 …館に入ってからも魔理沙の箒に横乗りし、飛びながら進んでいるが…紅魔館にはメイドの姿の妖精が至る所で働いているのを見る事ができた。

 

 ………妖精が働く必要ってあるのか?

 お金が欲しかったり暇潰しであったり…妖精にも考えがあるのだろう…そう思う事にした。

 

 物思いに耽っていたら…

 

 魔理沙 「着いたぞ。この図書館を通った先にある地下室にお前に会わせたい奴がいるんだ、此処からは歩いて行こうぜ。」

 

 魔理沙が扉を開けると…

 

 そこには見渡す限りの本、本、本………

 

 虹星 「…凄いなぁ、此処まで大きな図書館は初めて見たよ。」

 

 魔理沙 「小説、漫画、果てには魔導書まで…要するに此処は宝の山って事だ、ついでに何冊か借りていこうぜ。」

 

 虹星 「………そんな勝手に借りてって良いものなの?」

 

 魔理沙 「こんだけ本があるんだ。何冊か無くたって気づかないと思うぜ。気づくのは気持ち悪い本の虫くらいだ。」

 

 ??? 「………何よ、また来たの?以前無断で持って行った本の返却がまだ何だけど、それも盗んで行くつもり?」

 

 魔理沙 「………例えばこいつだな。」

 

 虹星 「目の前にいるのに…豪胆過ぎでしょ。」

 

 目の前に現れた女の人は全身紫…ドアキャップみたいな帽子を被りゆったり目の服を堂々と着こなしていた。

 

 虹星 「………寝巻き?」

 

 ??? 「初対面で初めに言う事がそれ?随分と失礼な子。魔理沙と同じ盗人かしら?」

 

 魔理沙 「死ぬまで借りるだけだ、盗んでなんかないぜ。」

 

 ??? 「…大差ないのよ。…で、このカチッとした服装の子は誰?」

 

 魔理沙 「半袖ワイシャツにネクタイ…言う程カチッとしてるか?こいつは虹星、私の友達で…記憶がないから取り敢えず幻想郷に滞在してるんだ。」

 

 虹星 「よ、よろしくお願いします!」

 

 パチュリー 「はぁ…大変ねぇ。私はパチュリー、パチュリー・ノーレッジ。この館の居候兼図書館の主。」

 

 魔理沙 「見ての通り根暗なんだ、仲良くしてやってくれ。」

 

 パチュリー 「余計なお世話よ…。で、あんたらは何しに来た訳?」

 

 魔理沙 「虹星とアイツを会わせる、きっと良い友達になれるぜ…ついでに本も何冊か借りてく。」

 

 パチュリー 「………はぁ、目の前の白黒の二人を消極的に帰らせるには………。」

 

 魔理沙 「わーったわーった!今回は本は借りないでおいてやるって!でも虹星には会って欲しいんだよ!アイツ私以外にも友達ほしいって言ってたからさ!」

 

 パチュリー 「問題は本を借りる事じゃないのよ。その子とあの子を会わせたら虹星の為にならない。」

 

 虹星 「(美鈴さんと一緒の事…僕が今から会う人ってそんなヤバイ奴なのかな…。)」

 

 …やっぱりちょっと会いたくなくなってきたかも。

 

 魔理沙 「問題ないさ…それにお前らがそう言う程アイツが危険だとは私は思わないがな。」

 

 パチュリー 「貴女が会いに来ている時が丁度機嫌が良い時なだけよ…貴女の運が良いだけ。」

 

 魔理沙 「…仮にお前らの言う通り、アイツが暴れ出したとしても…虹星は私が守るから無問題だ。」

 

 虹星 「………!」

 

 ちょっとドキッとしてしまった。…本来逆の立場じゃないといけないのに…面目ないなぁ。

 

 パチュリー 「…しょうがないわね。小悪魔、ちょっとこっち来なさい。」

 

 小悪魔 「はいはいー!何でしょうパチュリー様!

………あら?其処にいらっしゃるのは魔理沙さんと…初めて見る顔ですね…。」

 

 虹星 「虹星です!よろしくお願いします!」

 

 奥の本棚からひょこっと顔を出したのは自分よりもかちっとした如何にも司書といった服装…よりも、その赤髪と頭と身体から生える翼に目がいってしまうような少女だった。

 

 小悪魔 「ご丁寧にどうも!私は小悪魔、この図書館の司書兼パチュリー様の使い魔です!」

 

 パチュリー 「小悪魔、二人をあの子の部屋の前に案内してあげて。」

 

 小悪魔 「………!分かりました。お二方、着いてきて下さいませ。」

 

 魔理沙 「…別に、私は場所知ってるし案内は必要無いけどなー。」

 

 小悪魔さんに言われた通りに図書館を進んでいく。………背後からはパチュリーさんがふよふよと空を飛びながら着いてきていた。

 

 虹星 「………一緒に来て下さるんですか?」

 

 パチュリー 「あの子に勝手に血を与える訳には行かないし貴方に死なれたら紅茶の後味が悪くなるもの。」

 

 虹星 「…お優しいんですね。」

 

 パチュリー 「……別に。唯の気紛れよ。」

 

 そうこうしながら階段を降りていると…一際大きな扉の前に辿り着いた。

 

 魔理沙 「………フラン、遊びに来たぞ…入るぜ。」

 

 魔理沙が扉をノックした後、部屋の中に入っていく…自分もそれに続いた。

 

 部屋の中は手鏡、ぬいぐるみ、チェス盤…色んなものが辺りに散乱していた。奥のベッドには如何にも吸血鬼が眠っていそうな棺が……………いや、待て。

 

 それはつまり………。

 

 虹星 「(何となくは予想してたし、部屋入ったら即目に入ったから理解はしたけども…。)」

 

 散乱していた物の真ん中にいたのは一人の少女。

 

 紅い瞳に黄色い髪にパチュリーさんのと似ている変な帽子、んでもって…あのにっくき吸血鬼と瓜二つの顔と服装………紛れもなく吸血鬼の血縁だろう。

 

 魔理沙 「よおフラン、友達がもっと欲しいって言われたから連れてきてやったぜ。」

 

 フラン 「………それってその男の事?」

 

 魔理沙 「紹介するぜ。こいつは虹星、私の友達で霊能力者だな…仲良くしてやってくれ。」

 

 フラン 「………魔理沙、確かに私はもっと外の世界と関わりを持ちたいと言ったわ。………でもね、当然誰でも良い訳ではないのよ。私は…貴女の様な聡く面白い人間を期待していたの。………果たしてこの人間は私の要望通りと呼べる程の知性と興趣を供えているのかしら?」

 

 魔理沙 「………虹星、面白い事をするか、面白い話をしろ。」

 

 虹星 「え、ええっ!?きゅ、急には無理だって!」

 

 フラン 「………無理なの?無意味な期待をさせられたわぁ…。責任は取るわよね?」

 

 魔理沙 「すまん…な、何とかしてくれ!フランの気が立ってきてる!(小声)」

 

 虹星 「(どうするどうするどうするどうする…!!

か、かくなる上は………!)じゃ、じゃーん…お近付きの印にフランさんにこれをプレゼントしまーす…。」

 

 懐からお菓子………一か八か金平糖を取り出した。

 

 フラン 「………これは何?」

 

 虹星 「これは金平糖…僕の名前と同じ、星の形をしていてとーっても甘い和菓子ですー…。」

 

 フラン 「……こんな簡単に壊れそうなのが星…貴方の未来を暗示しているのかしらねぇ…。」

 

 フランが口の中に金平糖を放り投げた。

 

 頼む……!気に入れ、気に入れ……!

 

 フラン 「………悪魔の様な甘さね。生憎と好みじゃないわ。」

 

 虹星 「(…だ、駄目か……?どうしよう…次の策を何か考えないと……。)」

 

 フラン 「………とは言え、悪魔の妹である私には御誂え向きかしらね。………これ、まだ残ってたりしない?」

 

 虹星 「あ、ああ!まだまだあるよ!」

 

 残りの金平糖を渡した途端に、子供みたいに貪りついてた。そういう所は見た目らしいんだけどなぁ…。姉と同じでこの子も絶対力強いでしょ。

 …まぁ、とにかく気に入ったみたいで助かった。

 

 虹星 「お口に合っていたようで良かったですー…。では、今日は顔合わせのみという形でまた後日…。」

 

 フラン 「………何言ってるのよ。次は?もしかしてこれでもう終わりなんて言わないわよね?私に会いに来たんだもの、面白い事の二つ三つ…用意してきたのではなくて?」

 

 虹星 「ゑ。え〜っと………そ、そうだ!自己紹介を互いにしてませんでしたよね!僕は虹星と申します、しがない剣士です…。」

 

 フラン 「はぁ………もう何も無いって言うのね。

……まぁ、貴方は生かしていればまた何か興味をそそる物を持ってきてくれそうだから………今日はチェスで遊びましょう?久しぶりに自分以外と勝負したいのよ。」

 

 ………一人でチェスを…?………途端に可哀想に思えてきたな…。僕からの憐れみなんてうざったいだけか。

 

 虹星 「え、え〜と…僕、チェスやった事無くて…」

 

 フラン 「え〜…。じゃ、パチェ!コイツにルール教えたげて!」

 

 パチュリー 「………はいはい。」

 

 その後はパチュリーさんにチェスのルールを教えていただきながらフランさんとチェスをした…のだが…。

 

 虹星 「こ、こう?」

 

 ナイトを真正面に進ませる。

 

 フラン 「キャハハ!違う違う〜!ナイトはL字に動くんだよ〜?」

 

 パチュリー 「だー!もう!何度言ったら覚えるの!?ビショップは斜め!ポーンは縦横!クイーンは両方!一回で覚えなさいよ!」

 

 将棋とは何処となく勝手が違うんだよなぁ…取った駒が自分の駒として使えなかったり…。

 

 それと!駒の使い方を一回で覚えれなかったのはパチュリーさんがよく分からんルールを追加で教えてくるからだもん…!

 

 虹星 「(キャスリング?プロモーション?アンパサン?…訳が分からないよ〜!)」

 

 フラン 「はーいチェック! …いや〜?これはチェックメイトだね〜!うふふふ!」

 

 虹星 「ぐ〜!はいはい!リザインです!」

 

 フラン 「リザインだけは一丁前だね〜!」

 

 パチュリー 「その手だったらそうなるに決まってるでしょ!馬鹿!阿呆!才能なし!」

 

 虹星 「うっ…だ、だったら何処に進ませればいいのか直接教えてくださいよ!」

 

 小悪魔 「え〜。それは良くないと思いますよ虹星さん。」

 

 魔理沙 「小悪魔に同意見だな、一対一…勝負は公平であるべきだと思うぜ?」

 

 いつの間にか皆チェス盤の周りに集まってるし…。

………フランさんは楽しんではくれてるのかな…どんどん話し方も柔らかくなってきてる気がする。

 

 パチュリーさんはパチュリーさんで負けず嫌いなのかなんかどんどんキャラ変わってきてるし…。

 

 結局一勝どころかチェックすら出来なかった。

 

 フラン 「ふ〜、楽しかった!偶にはチェスをやるのも良いものね。」

 

 虹星 「僕は只ボコられただけですけどね…。」

 

 フラン 「………ねぇ。あんた、私の友達になったんでしょ?」

 

 虹星 「………え?え〜…まぁ、貴女が仰るなら?」

 

 フラン 「そう。それなら…また明日も来なさい。次に来た時は私の知らない面白い物を見せて。約束ね、虹星!」

 

 虹星 「わ、分かりました!」

 

 フラン 「私はフランドール・スカーレット!友達なんでしょう…敬語はやめて?フランって呼ぶのよ、分かった?」

 

 虹星 「わ、分かったよフラン。」

 

 パチュリー 「明日もチェスよ!このままじゃ私のプライドが黙っちゃいないわ!フランから一勝するまで永遠にやらせるわよ!」

 

 虹星 「えぇ〜!?もうチェスは懲り懲りですって〜!」

 





 
 普段は強がって姉の真似をしてます
 チェスやってる時がありのまま的な
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