第八話 ----メ号作戦前後----
西暦2199年初頭・・・・・
国連宇宙軍よりメ号作戦が発令された。
表向きの発表は地球最後の反抗作戦というものだ。
しかし実際は・・・・・・
「沖田司令は何を考えているのでしょうか父上。ヤマト計画発令直前のこの時期にヤマト計画主要メンバーまで戦闘に参加させるとは?しかも御自分まで。土方中将に任せればいいのでは?」真田小夜が問う。
「人員が足りないんだよ。土方中将もいろいろと忙しいお方だ。前線に出るわけにはいかないんだろう。」真田志郎が言う。
そう、このメ号作戦とは、イスカンダル星よりの二人目の使者の来訪をガミラス側に悟らせないために立案された陽動、つまりはおとり作戦だったのだ。
「資源がほとんどヤマト計画にまわされている現在、艦隊の整備補強に使えるのはたった少しだけです。これではとてもガミラスに対するには不足です。」小夜が言う。
「ああ。この状態で戦場に出るんだ、生存率は低いだろう。友人を、古代をこんな艦隊で戦場に送りだすのは辛い。」志郎が言う。
それから約二週間後の1月17日、メ号作戦によるガミラス軍との戦闘勃発、地球側は大損害を受け、旗艦キリシマを除き撃沈、さらに真の目標であるイスカンダルよりの使者が乗る宇宙船も火星に墜落、搭乗者は死亡してしまった。
墜落現場の付近で彼女が地球に送り届けようとしていた物資を発見、これを火星で待機していた古代進、島大輔の両名が回収しキリシマに収容、地球への帰路についた。
西暦2199年2月8日キリシマが地球に帰艦。
キリシマのドックにて・・・・・・・
「沖田司令、ご帰還お待ちしていました。」志郎が言う。志郎の隣には小夜も待機している。
「真田君か、小夜君も。犠牲はあまりにも大きかった、だが作戦は成功だ。これでヤマト計画が実行できる」沖田が返す。
「沖田さん、古代は、古代守は無事ですか?」志郎が問う。
「真田君、古代守のユキカゼはこのキリシマを守るためにガミラス艦隊に特攻をかけ、おそらく撃墜された。古代ももう・・・」沖田が返す。
「そうですか・・・・・」志郎が呟く。
「真田君、今までの犠牲を無駄にするわけにはいかない。さっそく回収したものを波動エンジンに取り付けるんだ。」沖田が言う。
沖田の後ろに待機していた一人が前に出て、アタッシュケースに入っているものを真田たちに見せる。
「これが波動コアか。了解しました。すぐに作業にかかります。」志郎が呟く。
「父上、波動コアを手に取ってみてもいいですか、詳しく見たいのです。」小夜が問い、真田がうなずくと波動コアを手に取った。
そしてそれを持つ手がその場にいるものの視界に入らぬよう後ろを向いた、その瞬間彼女の手がぼんやりと輝き、その輝きが波動コアを覆ったあとすぐに消えた。
「ありがとうございました。」小夜が言い、波動コアをアタッシュケースに戻した。真田がアタッシュケースを受け取り、ヤマトへ向かう。
そして小夜はハウニブの格納庫へ行く。
数時間後ハウニブ格納庫にて・・・・・・・・・
「波動コアは思ったより単純な機構だった。まさかあのような性質を持つ物質があったとは驚きだ。私が試作した波動コアの機構のほとんどの働きをこの物質がしているとは。この物質はイスカンダリウムと呼ぶことにしよう。まあ本物の波動コアの仕組みはわかった、あとはこのイスカンダリウムの代わりを見つければ・・・・・・回収されたガミラス艦の残骸に同じような物質が使われているようだ。わずかに違うようだが、こちらはガミラシウムと名付けよう。
よし、これを使うとしよう。この改修で今のハウニブより出力は跳ね上がるだろう。これですべての装備が使えるようになる。」
そう言って小夜はハウニブの改修作業に取り掛かった。
そしてその作業が終わるころ、敵襲来の警報が鳴り始めたのだ。
「ガミラスの襲撃です。敵目標は九州、坊ケ崎沖・・・・・・・」敵襲撃の襲撃詳細を知らせるアナウンスがなる。
「敵の目標はヤマトか。偽装がばれてしまったのか、まずいな。波動コアを取り付けたといってもエンジン点火には莫大な電力がかかる。ヤマトの装甲ならやすやすと
破壊されはしないが・・・・・。」小夜がそう言い考え込む。
数秒後、何かを思いついた彼女ハウニブに乗り込み、通信機を使って司令部に通信を始める。
「司令部、こちらハウニブ格納庫、真田小夜一尉であります。敵の襲撃の詳細を伺いたいのですが。」小夜が言う。
「小夜君か、こちら司令部の藤堂だ。敵はヤマトに気づいてしまったようだ。現在航空隊に出撃命令を出した。」
通信に出たのは藤堂平九郎行政長官だった。彼は小夜に現在の状況を説明する。
「長官、私もハウニブで迎撃に出たいのですがよろしいですか?」小夜が問う。
「小夜君、ハウニブはまだ武装が使えないだろう、忘れたのかね。」藤堂が言う。
「たった今改修が終わりました。これでハウニブは戦闘武装も十分に稼働できるはずです。テストはまだですが。この格納庫は幸い坊ケ崎に近い。」小夜が言う。
「そうか、では頼む。航空隊もすぐ行く、無理は禁物だよ。」藤堂が言う。
「了解しました。直ちに出撃します」小夜が言い、通信を切る。
「私もこのハウニブも実戦は初めてだ。いくぞ!波動エンジン始動」小夜が呟き波動エンジンを始動する。エンジンはテスト時と同様に始動、動き始めた。
「ふむ、新しい波動コアでも問題はないな、出力も十分なほどある、武装も問題ない、いけるな・・・。出撃する。慣性制御開始。ゲート開放命令送信。」
格納庫のゲートが開き発進準備が整った。
「ハウニブ発進!」
ハウニブが少し浮き上がり、格納庫を出て上昇していく。そして九州坊ケ崎、ヤマト偽装のある地点を目指して飛行していった。
数分後ヤマト偽装地点付近、墜落したコスモゼロコックピットにて・・・・・・・・・・
「おい、古代、レーダーを見てみろ。何かが高速でやってくるぞ。」島大介が言う。
「新しい敵影か、味方の増援が来たのか」古代進が問う。
「分からない。一機だ。大きさはこのコスモゼロのちょうど二倍くらいなんだが、敵にしては少ない。味方にしては速すぎるんだ。そろそろ見えるんじゃないか?」
そう島が言い、二人でコスモゼロから出てその物体がやってくる方を見上げる。だんだんその飛行物体が近づいてくるのが見えた。
「おい島、あれは何だ?あれはガミラスのものじゃないぞ。形が違いすぎる。なんであんな形であんなに速く飛べるんだ?」古代が言う。
「古代、俺はあれと似たものを見たことがある。あれは昔の映画に出てきた宇宙人の乗り物にそっくりなんだ。」島が言う。
「じゃあ地球の物か?変なものを作ったんだな。」古代が言う。
そう言っているうちにその飛行物体は敵母艦に近づき、光線を発射した。敵母艦に光線が命中し、爆散した。
「おい島、今撃ったのってショックカノンじゃないか?」古代が言う。
「ああ。そう見えたな。でもショックカノンは出力の関係で小型機には搭載できないはずだ。新開発された戦闘機か?」島が言う。
・・・・・・・・・・・・島と古代はその後、出撃してきた航空隊に発見され無事回収された。その時に航空隊隊長の加藤三郎に一発もらったのは言うまでもない。
ところは戻ってハウニブのコックピットにて・・・・・・・・
「ショックカノンの威力は敵航空母艦を破壊するだけはあるということか。いいデータが取れた。これなら実戦は問題ないな。あとは航空隊に任せよう。
しかし敵の艦にもイスカンダリウムとほぼ同じ物質、ガミラシウムが使われていた。敵も波動エンジンと同等のエンジンを積んでいるということだ。
おそらく仕組みも同じだろう、ということはガミラスとイスカンダルはほぼ同じ技術体系を持つということだ。このことからガミラスとイスカンダルは
互いに交流があってもおかしくない、そう離れた距離にないと考えられる。まあ、これは憶測でしかない、考えないでおこう。」
その後、ハウニブは格納庫へ帰還した。
その後到着した航空隊のよって敵艦載機は全機撃墜された。しかし、ハウニブが到着する前に敵航空母艦が発射した光線によって待機していたヤマト搭乗員は
その多くが死傷していたことがその後判明した・・・・・・。
お粗末様です。