黒服さんに拾われたのでゲマトリアに所属してみようと思います   作:スーパーマグロトルネード

1 / 1




黒服との出会い

 

「あれ私、いつの間に寝て……」

 

目が覚めると私は知らない路地裏に座っていた。

日が当たっていないのか湿気ているのか地面が少し濡れている。

 

「身体が重い。それよりなんでこんなところに?ダメだ全く何も思い出せないや。尻尾もビショビショだし…ひとまず状況を確認し……痛っ」

 

立ち上がろうとしたその時、いきなり頭にかなりの激痛が走った。

あまりの痛さにバランスを崩してしまい地面に倒れてしまった。

 

「はぁはぁ痛い……ぐうぅ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくじっとしていると少しづつだけど痛みが引いてきた。

 

「ど、どうしたら……」

 

今の動けない状況に絶望して頭を抱えているとそばにカバンがあった。

カバンを手繰り寄せてみる。

黒い少し小さめの斜め掛けのカバンだ。

私はカバンを開けてなかを確認する。

中にはいくつか物が入っているみたいだ。

 

「よ、良かったスマホだ。あっでも電源が入らない……」

 

まず一つ目スマホが出てきた。

起動するため横のボタンを長押ししてみるが全く起動する気配がない。

おそらく電池切れなのだろう。

 

「次……これは」

 

次に出てきたのは一枚のカード。

黒いカードだ。

おそらくクレジットカードなのだろうか?

どのくらい使えるのかわからないので使うのは控えた方が良さそうだ。

そして次に出てきたのは

 

「銃……」

 

カバンから出てきたのは銃。

拳銃だ。

少し心もとないが無いよりはマシだろう。

 

「とりあえずここから動かないと……」

 

こんな薄暗いところに長居するよりかは少しでも動いて誰かに助けて貰った方が良いかもしれない。

痛みを我慢して重たい足を頑張って動かして移動していく。

 

「おや。ここに居ましたか」

 

「だ、誰?!」

 

突如路地裏の奥から出てきた謎の人物。

真っ黒なスーツに真っ黒でヒビ割れてるような顔。

明らかに不審者だと一瞬でみてわかる。

 

「……黒ひび割れ卵」

 

「かなり失礼なことを言いますね」

 

黒い不審者は一歩、また一歩と私に近づいてくる。

私はとっさに手元にある銃を黒い不審者に向けた。

 

「ち、近づくな!」

 

「こちらに敵対の意思はありません。ですから銃を下ろしてください」

 

そう言いながら両手をあげる不審者を見てゆっくりと私は銃を下ろすが銃はまだ手に持っておく。

 

「あなたは誰なの」

 

「申し遅れました。黒服とでもお呼びください」

 

「黒服……?」

 

まったく聞きなれない名前だ。

間違いなくこの辺の人ではなさそうだ。

 

「とりあえず私はあなたに構っている暇なんてな…ぐっ……また頭痛がっ」

 

またもや頭に強い激痛が走る。

先程よりも強い痛みで思わず頭を押さえた。

 

「どうやらお身体の調子が悪いようですね」

 

「私ならその不調を取り除くことができますよ」

 

不調を取り除ける?

この訳のわからない頭痛から?

この痛みから解放されるなら……

 

「はやく……早くしてっ」

 

「わかりました。それでは失礼します」

 

黒服はゆっくりと私に近づくと

 

「ひゃっ!?」

 

いきなり視界がふわりと持ち上がった。

 

「は?え、ちょっと待って」

 

「どうかしましたか?」

 

「な、なんでお姫様抱っこなの!?」

 

「こちらの方が運びやすいので」

 

人が見ていないとはいえさすがにこれはとても恥ずかしい。

 

「ちょ、ちょっと離してよ!勘弁してよ!……あっまた頭が痛いっ!」

 

しつこいこの痛みがさっきより強く、頭がかち割れるくらいの痛さが襲ってきた。

 

「あっ……いし…き……が…………

 

私の意識はゆっくりと暗闇に沈んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

「やはりアレの影響を…………呑み込まれていないとはいえ軽く触れてしまっているので身体にかなりの負荷がかかっているようですね」

 

「クックックックッ……楽しみですねぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んぅ…ここは……?」

 

気がつくと私は知らない部屋でベッドに横たわっていた。

視界に変な管が写ったので手で触り辿っていくとおでこにたどり着いた。

どうやらこの変な管は頭に着いているようだ。

 

「なにこれ?」

 

なぞの管に困惑していると足音が聞こえ部屋の扉がガチャリと開いた。

 

「おはようございます。調子はどうでしょうか」

 

「黒服……」

 

部屋に入ってきたのはあの不審者で黒ひび割れ卵こと黒服だった。

 

「頭に着いているこれなに?」

 

「こちらは頭の脳波を調べる機械です。酷い頭痛に苦しんでいたようなので少々調べさせていただきました」

 

そう説明しながら黒服は一本一本頭に着いている管をゆっくりと取り外していく。

 

「はぁーこれからどうしようかな」

 

「行く当てはあるんですか?」

 

「正直ないかな……」

 

今も思い出そうとするけど何も覚えてない。唯一覚えているのは名前だけ。

家も、家族も、友達も……何もかも覚えてない。

 

「記憶がないから……」

 

「でしたら私の元で働いてみませんか?」

 

「黒服の元で?」

 

「えぇ私はあなたのその力、神秘に興味があるのですよ」

 

「私の力……」

 

「もちろん住む場所は提供いたしますよ。仕事の内容によっては謝礼も」

 

正直記憶がほとんどない今の私にはどこに行けば良いかもわからない。

この人は私のことを助けてくれた。

だったらこの人の仕事を手伝っても良いのかな。

だったら答えは一つ

 

「私、黒沢 アイ(クロサワ アイ)。よろしく黒服さん」

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

神と転生者達が送る自作自演(仮)(作者:晴天桜花)(原作:ブルーアーカイブ)

異形の神に拉致られた三人は先生をあわよくば曇らせて欲しいと頼まれる▼暇な神が設定を練りにねって考えたキヴォトスを滅亡しうる厄災。▼それに秘密裏に対抗する生徒、先生の邂逅、先生の勘違いと曇らせにより物語は加速する。▼意味深に言葉を紡ぐが意味はない。▼意味深な態度をとるが何もない。▼作者はブルアカ未履修です。調べたり、動画を見てフィーリングで頑張っていますのでキ…


総合評価:1319/評価:7.88/連載:16話/更新日時:2026年06月28日(日) 15:00 小説情報

TS外道人外ロリは怖すぎ聖女に遊ばれる(作者:適当うなぎ)(オリジナルファンタジー/ノンジャンル)

人食い幸薄青髪アルビノ美少女である俺は、恐ろしい森の中で食料となる人間を探していた。▼運のいいことに、すぐに食べごろそうな女を見つけるが……▼その女は恐ろしいロリペドサイコパス野郎だったのだ!!▼あっけなく囚われた俺は、この先どうなってしまうのか?!▼可哀想な目にあう彼(女)の生活を不定期で更新します。▼カクヨム様でマルチ投稿をしていますので、そちらでも評価…


総合評価:6064/評価:9.23/完結:15話/更新日時:2026年09月05日(土) 18:30 小説情報

先生がいないキヴォトスから来た一般生徒(覚悟ガンギマリ)(作者:かまくら御前)(原作:ブルーアーカイブ)

 ▼唐突だった、世界は紫光に包まれ天国は地獄と化した。光に包まれた生徒は我を失い、殺戮の限りを尽くすだけの人形となった。▼1日を超えるため、屍を増やし思いを託されその地獄を生きる。▼大切だった人達はいなくなり、終わらぬ絶望と孤独に苛まれる。何時だったか……心は凍り、生に意味を見いだせなくなる。▼ ▼そして、最後は頭を貫かれて意識は闇に呑まれた……はずだった。…


総合評価:832/評価:7.94/連載:10話/更新日時:2026年07月24日(金) 23:24 小説情報

転生ワンオペゲマトリア黒服概念(作者:地霊殿の壁)(原作:ブルーアーカイブ)

タイトル通り、元先生、現ゲマトリアの黒服となった憑依転生者がたった一人の(ワンオペ)ゲマトリアとして、全方位ヘイトタンク兼世界の調整役としての責務を果たすだけの話。▼その結果、極少数を除く全世界から身に余る程の憎悪と殺意、そして嫌悪感を抱かれようとも───▼-作品・更新情報-▼次の更新はだいぶ遅れます。▼理由はこのままノリで書き続けるとプロットから逸れるか、…


総合評価:3276/評価:8.69/連載:8話/更新日時:2026年08月19日(水) 17:01 小説情報

蜘ノ糸ノ青(作者:おねむなボンちゃん)(原作:ブルーアーカイブ)

リンバス・カンパニーとの戦いで命を落とした蜘蛛の巣のメンバー。目を覚ますと、そこは美しい青空が広がり、そこら中から銃声が聞こえる未知の場所で…?▼彼らはこの未知の場所、キヴォトスでどのような生活を送るのか。▼2026/7/19 現状の1話以降を人差し指編としました


総合評価:945/評価:9.07/連載:11話/更新日時:2026年09月02日(水) 20:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>