黒服さんに拾われたのでゲマトリアに所属してみようと思います   作:スーパーマグロトルネード

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黒服との出会い

 

「あれ私、いつの間に寝て……」

 

目が覚めると私は知らない路地裏に座っていた。

日が当たっていないのか湿気ているのか地面が少し濡れている。

 

「身体が重い。それよりなんでこんなところに?ダメだ全く何も思い出せないや。尻尾もビショビショだし…ひとまず状況を確認し……痛っ」

 

立ち上がろうとしたその時、いきなり頭にかなりの激痛が走った。

あまりの痛さにバランスを崩してしまい地面に倒れてしまった。

 

「はぁはぁ痛い……ぐうぅ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくじっとしていると少しづつだけど痛みが引いてきた。

 

「ど、どうしたら……」

 

今の動けない状況に絶望して頭を抱えているとそばにカバンがあった。

カバンを手繰り寄せてみる。

黒い少し小さめの斜め掛けのカバンだ。

私はカバンを開けてなかを確認する。

中にはいくつか物が入っているみたいだ。

 

「よ、良かったスマホだ。あっでも電源が入らない……」

 

まず一つ目スマホが出てきた。

起動するため横のボタンを長押ししてみるが全く起動する気配がない。

おそらく電池切れなのだろう。

 

「次……これは」

 

次に出てきたのは一枚のカード。

黒いカードだ。

おそらくクレジットカードなのだろうか?

どのくらい使えるのかわからないので使うのは控えた方が良さそうだ。

そして次に出てきたのは

 

「銃……」

 

カバンから出てきたのは銃。

拳銃だ。

少し心もとないが無いよりはマシだろう。

 

「とりあえずここから動かないと……」

 

こんな薄暗いところに長居するよりかは少しでも動いて誰かに助けて貰った方が良いかもしれない。

痛みを我慢して重たい足を頑張って動かして移動していく。

 

「おや。ここに居ましたか」

 

「だ、誰?!」

 

突如路地裏の奥から出てきた謎の人物。

真っ黒なスーツに真っ黒でヒビ割れてるような顔。

明らかに不審者だと一瞬でみてわかる。

 

「……黒ひび割れ卵」

 

「かなり失礼なことを言いますね」

 

黒い不審者は一歩、また一歩と私に近づいてくる。

私はとっさに手元にある銃を黒い不審者に向けた。

 

「ち、近づくな!」

 

「こちらに敵対の意思はありません。ですから銃を下ろしてください」

 

そう言いながら両手をあげる不審者を見てゆっくりと私は銃を下ろすが銃はまだ手に持っておく。

 

「あなたは誰なの」

 

「申し遅れました。黒服とでもお呼びください」

 

「黒服……?」

 

まったく聞きなれない名前だ。

間違いなくこの辺の人ではなさそうだ。

 

「とりあえず私はあなたに構っている暇なんてな…ぐっ……また頭痛がっ」

 

またもや頭に強い激痛が走る。

先程よりも強い痛みで思わず頭を押さえた。

 

「どうやらお身体の調子が悪いようですね」

 

「私ならその不調を取り除くことができますよ」

 

不調を取り除ける?

この訳のわからない頭痛から?

この痛みから解放されるなら……

 

「はやく……早くしてっ」

 

「わかりました。それでは失礼します」

 

黒服はゆっくりと私に近づくと

 

「ひゃっ!?」

 

いきなり視界がふわりと持ち上がった。

 

「は?え、ちょっと待って」

 

「どうかしましたか?」

 

「な、なんでお姫様抱っこなの!?」

 

「こちらの方が運びやすいので」

 

人が見ていないとはいえさすがにこれはとても恥ずかしい。

 

「ちょ、ちょっと離してよ!勘弁してよ!……あっまた頭が痛いっ!」

 

しつこいこの痛みがさっきより強く、頭がかち割れるくらいの痛さが襲ってきた。

 

「あっ……いし…き……が…………

 

私の意識はゆっくりと暗闇に沈んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

「やはりアレの影響を…………呑み込まれていないとはいえ軽く触れてしまっているので身体にかなりの負荷がかかっているようですね」

 

「クックックックッ……楽しみですねぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んぅ…ここは……?」

 

気がつくと私は知らない部屋でベッドに横たわっていた。

視界に変な管が写ったので手で触り辿っていくとおでこにたどり着いた。

どうやらこの変な管は頭に着いているようだ。

 

「なにこれ?」

 

なぞの管に困惑していると足音が聞こえ部屋の扉がガチャリと開いた。

 

「おはようございます。調子はどうでしょうか」

 

「黒服……」

 

部屋に入ってきたのはあの不審者で黒ひび割れ卵こと黒服だった。

 

「頭に着いているこれなに?」

 

「こちらは頭の脳波を調べる機械です。酷い頭痛に苦しんでいたようなので少々調べさせていただきました」

 

そう説明しながら黒服は一本一本頭に着いている管をゆっくりと取り外していく。

 

「はぁーこれからどうしようかな」

 

「行く当てはあるんですか?」

 

「正直ないかな……」

 

今も思い出そうとするけど何も覚えてない。唯一覚えているのは名前だけ。

家も、家族も、友達も……何もかも覚えてない。

 

「記憶がないから……」

 

「でしたら私の元で働いてみませんか?」

 

「黒服の元で?」

 

「えぇ私はあなたのその力、神秘に興味があるのですよ」

 

「私の力……」

 

「もちろん住む場所は提供いたしますよ。仕事の内容によっては謝礼も」

 

正直記憶がほとんどない今の私にはどこに行けば良いかもわからない。

この人は私のことを助けてくれた。

だったらこの人の仕事を手伝っても良いのかな。

だったら答えは一つ

 

「私、黒沢 アイ(クロサワ アイ)。よろしく黒服さん」

 

 

 

 

 

 

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