ウィストリアの混じりモノ   作:ロクた

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なにげにウィストリアって学院の登校シーンとかないよね。


ガイダンスと属性検査

「あっ!おはよう、ライト!」

 

『ふぁ〜・・・おはよ、ウィル』

 

「なんだか眠そうだねライト。昨日はちゃんと寝れたの?」

 

『・・・ちょっといろいろ考え事があってあんまり眠れなかった。ウィルもこの寮に来てから初日だったけどぐっすり寝れたのか?』

 

俺の言葉に何かビクッとウィルが反応すると、周りをキョロキョロ見て誰もいないことを確認すると、俺の耳元に秘密にしてねと、念押しをされて言われる。

 

「実はエルフィが女子寮を飛び出して僕の部屋まで来たからそのまま一緒に寝ちゃったんだよね。」

 

『まじか・・・せめてバレないようにはしろよ。』

 

「あはは、そうするよ」

 

そうして、2人で話しながら女子寮の近くに向かっていると、正面からエルフィが走ってきてそのままウィルに飛びついてきた。

 

「ウィル〜おはよう!」

 

「ちょっ!?エルフィみんなが見てるって!」

 

「そんなの気にしなければ良いの!ほら、早く行こう!」

 

ウィルはエルフィにくっつかれたまま先導されるが、俺はその後ろから追いかけるようについていく。

 

『そういえば、今日から授業が始まるって昨日に言ってたけど具体的に何するんだっけ?』

 

「たしか、概略説明(ガイダンス)があるらしいよ。多分学院のルールとか、いろいろなことの説明のことだと思うけど。」

 

『へぇ~・・・なぁエルフィ、寝たりするなよ。』

 

そう言われたエルフィはこっちを見るとほおを膨らませて、いかにも不服だと言わんばかりの様子で

 

「むぅ〜・・・ライト、私は寝たりしないからね。」

 

『いや、でもお前、前に孤児院で長い話を聞いてた時にずっと寝そうになってたろ。』

 

「そ、それは・・・でも今はそんなことしないからね!」

 

『どうだか・・・』

 

「ライト、僕も見てるから大丈夫だって・・・多分」

 

ウィル、そこは嘘でも大丈夫だと言い切ってくれ。エルフィがまた拗ねる。

 

・・・

 

・・・・・

 

・・・・・・・

 

「諸君、静粛に!」

 

あれから俺たちは学院の第一校舎に向かうとある程度の人数に割り振られてそれぞれの教室へ向かうことになった。俺達はワークナー先生に先導されると大学の講義室のような部屋に入った。人数は50人ほどだがそれでもまだ余裕があるほどに大きい。

 

席についてしばらくするとこの部屋の教壇に立って話し始める。その口元には小さな魔法陣があり、マイクのような役割の物のようで声がこの大きい教室全体に響いていた。

 

「無事入学式を終え、まずはおめでとうと伝えておこう。私はワーグナー・ノーグラム。風魔法を中心に教えている学院の教師だ。今日は君たちへの概略説明(ガイダンス)を務めさせてもらう。」

 

「・・・」

 

ワークナー先生の後ろにはもう一人教師がいるがあっちは知らない教師だ。

 

それからしばらくはこの学院の説明が行われた。ダンジョンのことが中心で、曰く「私達魔導士(メイジ)が研鑽する上で欠かせない修練の場であり、未だ『未知』が連なる異界である」らしい。

 

修練の場か・・・今までは基本的に一人の修行だったし試したかったことを色々出来そうだな。・・・それにしても

 

チラッと横を見るそこには一緒に並んで座っているウィル達がいるのだが

 

「・・・zzz」

 

「エルフィ、寝ちゃ駄目だって!」

 

『やっぱり寝たか・・・はぁ。』

 

「学院から『塔』に上れるのは成績上位者のみ。たった五人しかいない「至高の五杖(マギア・ヴェンデ)」になるには、それこそ想像を絶するほどの狭き門をくぐらなければならない。もし「塔」の頂きを目指す者この中にいるのなら、並大抵の努力では至れないとあらかじめ言っておこう。」

 

「「ッ」」

 

その言葉に隣の二人が反応する。

 

「頂、って言ってたし、やっぱり「塔」の天辺(てっぺん)に行くには・・・」

 

至高の五杖(マギア・ヴェンデ)・・・魔導士(メイジ)の頂点まで到達しないと無理ってことだな。』

 

「私達ならなれるよ!三人一緒なら!」

 

俺達がそう決意を固めるため、不安を拭うために喋っていると後方の座席から赤い髪をした俺の見覚えのある容姿よりも小さい人が笑いながら話しかけてくる。

 

至高の五杖(マギア・ヴェンデ)になる?平民が?おいおい、やめてくれよ!」

 

こいつは・・・

 

「君は?」

 

急に話しかけられて困惑したウィルが問い返す。

 

「僕はシオン・アルスター。見ての通り貴族で、あのアルスター家の長男さ。」

 

シオン・アルスターか、こう近くで見るとあっち側の世界で見たウィストリアのアニメのまんまだな。だけど、態度はまだ十歳ってこともあってか典型的なクソガキって感じだ。

 

そんなことをボケェっと考えていると、シオンはこっちを見下すような眼差しを向けながら話し始める。

 

「僕達貴族は平民と違って、学院に入る前から魔法を学んでいるんだ。そんな僕達を差し置いて平民ごときが至高の五杖(マギア・ヴェンデ)になるだなんて、これは侮辱だよ?」

 

「そ、そんなつもりは・・・」

 

「そもそも、このリガーデンは選ばれた貴族が通う名門中の名門。平民が来ること自体間違ってるって、父様も言ってたよ。お前たちは卑しい金をどれだけ積んだんだ?」

 

イラッ

 

こっちのことはお構い無しと言わんばかりの様子で話し続けるからか、俺は段々とイライラしてくる。

 

『ウィル、こんな奴の相手なんかしなくていい。俺達は堂々としてればいいんだ。別にやましいことなんかないだろ?』

 

「ライト!」

 

俺の言葉で、シオンに気圧されていたウィルの表情がもとの笑顔に戻っていく、しかしそれとは対象的にシオンの方は自分のことが無視されたことに相当腹が経ったらしく・・・

 

「おい!平民、僕を無視するな!」

 

『別に無視はしてねぇよ。貴族の長男ならもっと落ち着こうぜ。それに今は一応概略説明(ガイダンス)の時間だろ?』

 

そしてシオンはイライラを隠せないような様子だったが、先程大声を出したために目立ってしまったことでワークナー先生に「そこ!何をしている!」と怒られてしまい、渋々といった様子でこちらを睨みつけながらもとの席に座った。

 

そして、エルフィはまだウィルにいろいろ言ったシオンに不満がいっぱいらしく・・・

 

「・・・私が”お話(わからせ)”してもよかったんだよ?」

 

『お前のお話はただの力ずくで黙らせることだろ。はぁ、だからそうお互いに睨むな。』

 

それからエルフィはシオンをこの概略説明のなかで睨み続けていた。

 

・・・

 

・・・・・

 

・・・・・・・

 

〜翌日〜

 

概略説明を終えて次の日になるとついに今日から本格的に授業が始まる。俺達はこれまでの教室はどこも凄いものだったため今度はどんな場所なのかと少しワクワクしていたが、そんな期待はすぐに打ち砕かれる。

 

「朝の挨拶など不要だろう。なにせ昨日、歓迎の言葉を嫌になるほど浴びた諸君等のことだ、闇のように深く、永遠の学習意欲が高まっているに違いない。」

 

俺達の最初の授業の場所は不気味な様相をした地下室だった。

 

エドワルド先生・・・たしかにこれは印象が最悪ってのも分かるかもしれないな。

 

作中でよく陰湿な先生だと言われ続けていたのが身にしみて分からされたと俺は感じたが、その様子は止まらずその口からはねちねちという効果音がつくような言葉を並べていく。

 

「むしろ高まっていないというのなら、私は今年の芽は不作だと校長に断じ、この六年間を牢獄の日々と忌々しく恨むとしかなくなるだろう・・・・・嗚呼、全くもって度し難い。」

 

出たー。エドワルド先生の口癖の「全くもって度し難い」。ここまで来るとむしろ感動すら覚えてくるな。

 

この陰湿な雰囲気から目をそらしてそう考えていると

 

「時間は有限だ。早速始めるが・・・・今回行うのはなんてことはない、ただの「属性検査」だ。」

 

属性検査か、最初にする授業ってのも納得の内容だな。

 

「リーガーデン魔法学院では、生徒個々人の属性魔法を極めることを推奨している。まずはそれを把握したうえで「筆記」や「実技」、そして「実習」の授業に進むのが慣例だ。」

 

そして、これは複数属性者を見極めるものでもあると、補足を受けると少しだけエドワルド先生の闇魔法の講義(陰湿な独白)を受けさせられる。

 

エドワルド先生は教卓の上に置いてある棒状の携行用光具のようなものに魔力を流し込むと、黒い光が灯りこのように属性を図っていくと説明を受ける。

 

「導きのカンテラ」ねぇ。これに反応した魔力の性質に応じて色が変わるみたいな仕組みか。

 

隣のウィルはこの説明の最中はずっとソワソワしており、おそらく緊張しているであろうことがが分かった。

 

「ウィル、大丈夫?」

 

「・・・え?」

 

『明らかに緊張してるって様子だったけど平気か?』

 

「・・・・僕でも出来るかどうか不安で・・・」

 

「上手くいくよ、きっと」

 

そうしてウィルが目をつぶりながら祈るように力を込めると、その手からカンテラに力が流れていき「青い光」を発した。どうやらウィルは、エルフィと同じ水属性だったようだ。

 

「やっ・・・やったぁ!」

 

「すごい、ウィル!」

 

『よかったな、ウィル!エルフィと同じ水属性じゃねえか!』

 

俺達はウィルが上手くいったことに喜びの声を上げるが、すぐにハッとしたようにお互いを見つめると、俺の方に顔を向けてきて・・・

 

「次はライトの番じゃない?」

 

『そうだな、じゃあ俺も・・・』

 

さて、俺はどの属性になるのやら。

 

教卓の前まで行き、俺もウィル達と同様に導きのカンデラをつかみ魔力を流す。するとカンデラからは”黄金(こがね)色”の光が迸り・・・

 

 

・・・

 

・・・・・

 

・・・・・・・

 

 

生徒全員が属性検査を終えると判明した適正属性ごとに分けられて、これから行われる属性ごとの授業が行われる。ウィルとエルフィは同じ属性のため、同じ授業なのだが俺は二人と違い・・・

 

『それじゃあ、ここらへんで一旦お別れだな。俺はお前らと違って”水属性じゃなくて雷属性”だったから別の教室だ。』

 

「本当は一緒が良かったけど、ライトも頑張ってね。」

 

『あぁ、そっちも遅刻しないように急げよ。』

 

そう、俺の適性は「雷」だったのだ。本当は俺も二人と同じ水属性が良かったのだが、こればかりは仕方ないだろう。二人と別れると指定された教室へ向かうが、いかんせん大きいこの校舎では迷子になりそうと思ってしまうがそこは上手くできていて

 

にしても、喋る彫像から道を教えてもらえばこんな迷宮みたいな校舎でも割とサクサク進めるもんなんだな。

 

そうして彫像に道を教えてもらいながら進むと目的地に到着する。

 

『意外とここまで来るのに時間食っちまったな。よし、早く教室に入っとくか。』

 

そうして、教室のドアノブに手をかけて手前に引いて扉を開く。しかし教室内はガラっとしておりまだ俺以外の生徒は来ていないようだ。

 

『は?』

 

生徒はいないが、教師は既に教卓の前にいる。しかし、その教師というのが予想外の人物なわけで、つい昨日合ったばかりということもあって、しっかりと覚えている。その人物とは・・・

 

『なんで、オマエがここにいる?』

 

「開口一番の言葉はそれかい?」

 

「そりゃあ、私も教師の一人だからね。コホン、では改めて自己紹介をしよう。私は「ギデン・ブルース」。主に雷魔法の授業の担当だ。改めてよろしくね、ライト君。」

 




なんか最近は書いていくたびに文字数が増えていって成長を感じてます。(微々たるもの)
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