【クソ養父全員殺すまで終われない異世界転生】本編よりも超バッドな世界に転生した。主人公は頼れないから、今こそ世界をシンプルにしてあげよう。 作:sakigake2004
オリジナル:ファンタジー/冒険・バトル
タグ:R-15 残酷な描写 転生
これじゃ最推しの武器使えないし掘れない、なんてこった。
だが、逆に考えればチャンスでもある。こんな世界でも諸悪の根源を倒せば世界平和が実現できるし、原作キャラと一緒に武器掘りできるしオールハッピー! 特に主人公とかね!この世界ではもう死んでそうだけど。
本編終了後に世界を救い、推し武器を拾う。ついでにラスボス達も懲らしめて、好き放題武器を掘ろう!。
そんな無敵・散財・収集の物語が今始まる────!
え、私以外の転生者が世界を救おうとしてる?
はあ。まあ、そういう事も……え、お兄ちゃん!?
あれお兄ちゃんじゃないのかこの転生者……じゃあ誰!?。
チートできない、実力オーバーフロー、上手くいかないはずなのになぜかそれっぽくなったりする三枚目主人公が、なんやかんやありつつもハッピーエンドを掴み取るゲーム転生サスペンスバトル~PVPなんてやってられるか!~の予定です。よろしくね。
竜王暦2025年/魔王暦25年1月1日
この日、25年続いた戦争が終わり
ルカ・スレッドは骨となった父と再会した。
『人類の尊厳を賭けた戦争』
人々にそう言われていた魔王戦争の始まりから25年。
ルカが産まれる前からやっていた戦争は、当然ながら多くの被害を生み出し、引くに引けなくなった人と竜が殺し合い続けた。
そんな中で彼の父は言ってしまえばよくいる人間だった、戦争の狂気に飲まれ、家に妻とルカを置いて戦地に行き、妻が死んでも帰らず、手紙もよこさなかった。
葬式と通夜を済まして二週間もすれば、そんな父の痕跡は家のどこにも無かった。
「はあ…どうしようかな」
ルカは意味もなくぼやいた。
母の死から二年、父の仕送りと日雇いの仕事で細々と生きてきた20歳には、頼れるものが何も無いのだ。
この田舎には戦地から帰ってくる人々も、都会の文化も、戦争兵器も無い。
ほんの最近疎開しにきた人々が故郷に帰れば、ここからは何もかもなくなるだろう、そういう場所だった。
「すいませーん!!!誰かいませんかー?すいませーん!」
誰だろうとルカは思った、母の友人達は今のタイミングでこの寂しい家に来るわけも無く、軍や役所の手続きもとうに終わったのだ。
「はいはい、今開けます、どちら様で…
扉を開けて目の前に立っていたのは、深い紫の髪をした少女だった、ずいぶん着込んでいたが、その端からは
「角?尻尾?」
黒い角と黒い尾が見えていた、少女の種族は竜であった。
「あ、はい!竜なんです、この辺では珍しいですよね!あ、その前に自己紹介か…
「初めまして!私はフィフティー・P・ブラックです!戦地で色々あってテオ・スレッドさんに会いに来ました!よろしくです!」
「あー…ルカ・スレッド、テオの息子です。よろしく」
「よろしく!」
フィフティーは思いきり頭を何度も下げていた、もはや頭を振っていると言ってもいい
「それで、その残念なんだけど親父は…テオ・スレッドは死んだよ、戦地で…」
「え…
ええ〜!?」
竜の国と人間の国の25年も続いた戦争が終わったのはほんの二週間前である。
色々な手違いやトラブルがあったのでは無いかとルカの脳裏には様々な可能性が過ったが
「とりあえず、入ってください、寒いでしょう」
この日の体感気温は-5度、この町では珍しいぐらいの寒さであった。
「それで、親父…テオとはどういう関係で?」
ルカの脳内には様々な可能性が過っていた。
戦友、友人、愛人、宿敵、上司、部下、赤の他人、詐欺師。
どれにせよロクでもない、戦場の縁がマシなものを運んでこれるなら、自分のところにはもっと早く助けが来ていたはずだからだ。
「…まずったなあ…ここどう考えても黒い点線じゃん…バッドエンド確定だよ…」
「あの、大丈夫ですか?」
「えっ!あっはい、えっとですねえ…そもそも私って竜の国の兵士だったんですよ!」
「はあ…」
「それで、まあ戦場でテオさんのところに捕まってですね!捕虜になって…まあそれなりの待遇だったものですから、お礼というか、今後の相談がしたくてですね!」
「お礼…お礼参り…?」
「まさかまさか!?そんなことしませんよ!ええ!全く!この牙にかけてもいいです!」
フィフティーと名乗った少女は、自分の口を開けてその鋭く尖った歯を見せつける。
「信じますよ、わざわざ見せなくていいですから。」
「よかった…ルカさんはテオさんがどこでどうやって亡くなったのかご存知ですか?」
「いえ、帰ってきた時には骨で…いつ亡くなったかもはっきりしないと…」
「え!そりゃ変ですね。」
「何か知ってるんですか!?」
ルカは天涯孤独の身であった、頼れるものはわずかな遺産と父の過去だけであり、急な来訪者の発言に興味を示すのも当然である。
「あ〜いや、そんなに詳しいわけじゃなくて…」
フィフティーは口籠る、複雑な感情が見え隠れするその表情は、それ以上の真実を提示しなかった。
「お願いします!もう頼れるところが…いえ、すいませんでした、父を頼ってきてくれた人に、息子である僕が頼るなんて、変な話ですよね。」
「…これから言うこと、他言無用ですよ。」
私って、竜の国でもそこそこ強い方だったんですよ。
ざっと一年前ぐらいまで、まあめちゃくちゃ調子こいちゃってて。
それで人間の国の英雄…『ホワイトアウト』って言ったらわかりますか?
あの人にコテンパンに負けちゃいまして。
それで、英雄の仲間だったテオさんに見張られながらの捕虜生活だったわけですよ。
まあそれなりに仲良くしてくれまして。
なんでも「息子と歳が近そうだから」とかなんとかって。
「いざとなればウチを頼ってくれ」って住所教え出すんですから、笑っちゃうぐらい不用心だとは思いましたけど。
戦争終結の少し前に捕虜の収容所が移設されまして、最後にテオさんと顔を合わせたのはその時でした。
移設されてすぐに祖国からの刺客が私を襲ってきて…
その瞬間はホワイトアウトが助けてくれてなんとかなりましたけど。
「解放されたらとにかく逃げろ」って言うもんですから、それで憶えのあるここに逃げてきたんです。
「そういうわけなんです!」
「」
ルカは絶句していた。
父が英雄の仲間だと言うのは今の今まで聞いたことがなかった、葬式にも、通夜にも、父の戦友は誰も来なかった。
「えーと、まあですから、私が最後に会ってからテオさんが死ぬような時間はないんですよ
誰かに後から刺されでもしない限り。」
「それは…」
「息子さんに聞かせるような話でもありませんでしたね!お世話になりました!お茶美味しかったです!」
徐に立ち上がり、荷物をまとめ、そそくさと玄関から出ようとするフィフティーであったが
『
轟音と共に降り注いだ火球によって足を止めた。
「フィフティーさん!」
玄関は火球により吹き飛んでいたが、ルカはかすり傷で済んでいた。
それはフィフティーが魔法で庇ったのだとルカは察知していた、しかし自分を守ることに意識を割いたフィフティーは重傷を
「いや〜!まさかここにまで刺客が来るなんて、ちょっと想定外ですね!」
重症どころかかすり傷一つ無かった。
『
刺客と呼ばれた二足歩行の
「あーもーそういうのいいから『
『!』
はるかに格の高い魔法を放って、怪物の魔法を弾き飛ばし。
そのまま怪物の半身を粉々に打ち砕いた
『…ニ…ゲ…レル…ト…オモ…ナ…』
怪物はいまだに生きていたが、満身創痍であった。
「それを言わせるために貴方をよこしたの?お父様達の性格の悪さには飽き飽きする…
さようなら、名前も知らない弟、来世は平和にね。『
フィフティーの手から黒い液体が溢れ、怪物を包み、溶かしていく。
「フィフティーさん、貴女って…?」
「…まあここまで見ちゃったら仕方ないですね
私はフィフティー・ピリオド・ブラック
竜の国の最終兵器たる
あとたぶん…予言者?転生者?そういう感じですね!」
「はは、は…」
ルカは気絶した、過剰な情報に精神が耐えられなかったのだ。
「起きてくださいよ!手持ちを整備するのは不得意なんですから!」