田舎村の魔導塾   作:鵲一号

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026:商人の町

「今日の行き先はマレット王国だ」

 

もはや恒例になってきた、修学旅行。

既に準備は済んでいるのである。

先んじて明日も行くぞ、なんて言われたら、準備してないほうがおかしいとも言う。

 

「どんな国なの?」

「商業が盛んな国だな。中でも、武具の売買にかけては世界でトップクラスになるだろう」

 

武器とか防具とかかあ。

戦争に使われるのは分かるけど、他にも用途があるのかな?

 

「商売相手は、主に傭兵だな」

 

あ、そっちか。

そういえば先日、傭兵さんについて詳しく聞かされたばかりであった。

忘れてない、忘れてないよ?

ホントだよ?

 

「………………」

 

先生からの視線が冷たい気がするけど、気にしてないよ?

ホントだよ?

それから逃げるように、あたしはさっさと“ポータル”に乗り込んだ。

視界が白んで、また戻ると、三度目になる光景が広がっていた。

 

「やあやあ、アンナちゃんにミナカミさん。おはよおう」

 

やっぱりいた、ラウさん。

ここでも分身なのだろう。

以前見た姿と全く同じ姿である。

 

「朝からお疲れ様」

「いやいやあ、常に動いてるしねえ、朝も夜もないよお」

「え?」

 

常に……って?

 

「分身体は寝る必要ないからねえ」

「ええええええええ!?」

 

ラウさん寝てないの!?

どっかおかしくなっちゃったりしないのかな。

心配になってくる。

 

「まあ、代わりに本体が寝っぱなしだからねえ」

「へ?」

 

寝っぱなし。

どういうことだろう。

 

「彼女の本体は、彼女の言う通り、魔導研究局の本部で常に眠っているんだ。本部の局員がその介護をして、暮らしている」

「…………じゃあ、寝ながら分身を動かしてるの?」

「そうでもしなきゃあたくさんの分身を動かせないとも言うねえ」

 

すごい話を聞いてしまった。

そこまでして分身を動かす理由とは何なんだろう……。

 

「前も言ったけど、楽しいからねえ。後はまあ、人件費削減?」

「主に後者の比率が大きい気がするのは私だけだろうか」

「あははあ、わたしもそう思うかなあ」

「ええ……」

 

それでいいのか、魔導研究局。

倫理観とか、ぶっちぎっている気がしてきた。

そんな、一見して元気そうに見える、やはり頬杖をついてひらひら手を振るラウさんに見送られ、支部を出ると。

 

「わあ」

 

なんというか、賑やかな景色が広がっていた。

むき出しの地面には、馬車が通ったであろう跡が無数にできている。

そこら中に個人でやっているような露天が開かれていて、ひっきりなしにお客さんが殺到している。

あちらこちらで客を呼び込む声が轟いては、雑踏の中に消えていく。

道を行き交うのも、なにやら商売品を背負った人達ばかり。

村じゃまずお目にかかれない光景だった。

 

「なんていうか……」

「騒がしい?」

「かも」

 

種族も多種多様だ。

村で見たこともない人もいれば、よく村に行商に来る犬人種(キャニス)やエリンサさんみたいな爬虫類人種(レプタイル)など。

むしろ祖人(ホミネース)の方が少ないんじゃないかと思わされる。

あたしにとっては新鮮な光景であった。

 

「はい退いた退いたァ! 馬車が通るよォ!」

「うわわ」

 

怒鳴り声と同時に結構な速度で馬車が通りを過ぎ去っていく。

道行く人々はそれに何も思わないのか、自然に道を開けては戻っている。

これがこの国の日常なんだろう。

いい意味で活気があると言えた。

 

「まあ、まずは一息つくと良い」

「あ。ありがと」

 

先生が何処かの露店から買ってきたのか、果物をくれた。

一口かじると、甘くて美味しい。

そうして落ち着いて見渡してみると、本当にいろいろな商品を売っているのが分かる。

貰ったように、新鮮な果物を売っているところもあるし。

なにやら、飲み物を売っている屋台もある。

その場で料理した食事を売っている屋台も見かけるし。

武器をむき出しのまま置いて売っている露天も見かけた。

同じように、防具をたたき売りしている店もある。

“一品物の盾だ”と売り文句を言っていたけど、どこかどう良いのかよくわからなかった。

良く見たらなんと、動物を売っている露天もある。

ペットにするらしい。すごい。

それに、よくよく目を凝らしてみると、なんだか。

 

「背が小さい人が多いような……」

「それは矮人種(ミノル)だな」

「ミノル」

 

初めて聞く種族である。

どんな人達なんだろう。

 

亜祖人(スブル・ホミネース)と言って、祖人(ホミネース)から見た目は大きくかけ離れないものの、体躯や内蔵など、細かな差異が隔たってきた人類種だ。外観は祖人(ホミネース)にほど近いが、どこかに明確に違う部分を持つのが特徴だ」

「確かに、言われてみれば、小さくて耳が長い祖人(ホミネース)って感じかも」

「って……この説明、以前授業でしたはずなんだけどな。一言一句違わず」

「…………そ、そうだっけ?」

 

記憶にないなあ。

それはともかく、言われてみると確かに。

まるで、子供の祖人(ホミネース)が大人の仕事をしているように見える。

 

矮人種(ミノル)は大人になっても祖人(ホミネース)の子供程度の大きさしかない人々でな。手先が非常に器用であり、彼らの創る工芸品・武具・魔導具の外装などは人気が高いんだ。だから、こうして売買をしにマレット王国まで来ているんだろう」

「なるほど?」

 

出稼ぎ、ということなのかな。

村の大人たちが帝都に行くようなものなのかもしれない。

 

「彼らは小柄な見た目に反して膂力が発達しやすく、力持ちだ。男女問わず天寿を全うするまで若いままでいるのが特徴だな。大多数は矮人島(わいじんとう)と呼ばれる列島にしか定住しておらず、独自の生活様式は“矮風(わふう)”と呼ばれ、オリエンタルだと評価を博している」

矮人島(わいじんとう)?」

「極東にある、小さな島国だよ」

「へえー」

 

島国かあ。

いつか行ってみたいものだなあ。

 

「以上の特徴から、矮人種(ミノル)は労働力としても、職人としても他国から人気が高い。だから、そのどちらもを求めているマレット王国では珍重され、こうして多くの移民を受け入れているんだな」

「ははぁん、そういう事なんだね」

 

なるほど、言われてみれば納得である。

小さい人達、矮人種(ミノル)が多い理由が理解できた。

なんてことを納得していたら、大声が聞こえてきた。

 

「“獅子腕”が来たぞーーッ!!」

 

その声に、周囲からわあっと歓声が上がる。

なんだろう?

 

「おお、“獅子腕”だ!」

「“獅子腕”の武具が届いたか!」

「はいはい、“獅子腕”は逃げないよー。はいはいはい、道を開けた開けた」

 

褐色で赤髪で体格の良い女の人が、雑踏を切り開くように歩いてくる。

その後ろに続くのは……。

 

「でっか!!」

「ほお、合成人種(マエラ)か」

 

先生が物珍しそうな声を上げる。

そこにいたのは、あたしより頭五つ分は大きい体をした、腹筋バキバキの女性だった。

頭からは長い耳と長い角が突き出ていて、ガタイの良い二の腕から先は、獣のような毛に覆われている。

それは下半身も同様で、毛に覆われた足はまるでウサギのように逆関節になっていた。

ヘビのような尻尾も生えており、雑踏を苛立たしいそうに追い払おうと動いているのが見える。

黒髪を生やすその顔は無骨な無表情で、口を真一文字に結んでいた。

まるでいろんな生き物をごちゃまぜにしたような外見をしている。

 

「先生、合成人種(マエラ)って?」

「多方面で生きるために、色々な生物と交わった結果、めちゃくちゃな外見になってしまった人類種のことだな」

「あ、それで……」

 

なるほど、ごちゃまぜに見えるわけである。

“獅子腕”と言われていたけど、本当に獅子の腕なんだろう。

 

合成人種(マエラ)は個体によって合成された生物の要素が違い、ものすごく種類が多い。かなり異形が多いのが特徴だが、彼らは特に奇異な目で見られることは気にしていないようだ」

「ふーん……」

 

確かに、“獅子腕”と呼ばれた女の人は、周りからの視線を気にしていないようだった。

多少鬱陶しそうにしているのは、単純に人の多さからなんだろう。

褐色のお姉さんと、“獅子腕”さんは、最初から決まっていたかのように空いていた一角に陣取ると、どすんと音を立て、背負っていた重そうなカバンを置いた。

 

「さあさあ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい! かの名工“獅子腕”が打った一点ものの武器に防具だ! どれもこれも頑丈で壊れにくい、刃が鈍りにくい、切れ味鋭いと三拍子揃った名品ばかりだよ! おっと防具の方も忘れちゃいけない! どんな武器だって跳ね返す鎧に、見事な加工のされた盾だって持ってきた! さあさあ誰も彼も買った買った!!」

 

褐色のお姉さんが売り文句を述べると、お客さんが殺到する。

それほど人気なのだろう。

初めてみたあたしでもわかる。

商品は飛ぶように売れていった。

 

「おいダリアよ! “獅子腕”の槍と盾がぶつかったら、どっちが勝つんだい!」

「そんなの……、どっちも持ってるやつが最強に決まってるじゃないか!」

「違いねえや!」

 

周囲から笑い声が上がる。

上手いことを言う人だなあ、と思った。

商売が盛んな国で、飛ぶように売り物を売る人なのだ。

口の方も達者でなければ務まらないんだろう。

と言うふうに見学していたら、広げられた商品は全部なくなってしまっていた。

ひとつくらい買うべきだったかな、なんて売れてから惜しくなるのであった。

 

「おっと悪いが品切れだ! 今日はもう店じまい! さあ散った散った!」

「おいおい、次は何時来るんだ!?」

「悪いけど“獅子腕”は気まぐれでね! そればっかりはわからないよ!」

「いつもそればっかりじゃねえか!」

「悪いねえ!」

 

周囲の文句を軽くいなすと、褐色のお姉さんはそそくさと店じまいを始めてしまった。

何時来るかも分からないものを見られたとは、なかなかあたしはラッキーだったのかもしれない。

 

「ふむ、後学のためだ。少し話を聞くか」

「え?」

 

そういうと先生は、店じまいをしている所に近づいていった。

 

「もし」

「はいはい、品切れったら品切れだよ、って……んん? そちらのお嬢さん、この辺じゃ見かけない顔つきだね。どこから?」

「え。あたし? えっと、ソディア帝国から……」

「ソディア帝国! そりゃまた遠路はるばるご苦労さん! 大変だったろう!」

「いや、彼女は私の塾で受け持っている生徒でしてね。“ポータル”で移動したので、すぐですよ」

「ありゃ、なんだい。そいつは便利でいいもんだ。というとあんたは魔導師かい?」

「その通り。今は彼女の課外授業中でしてね。なかなか見受けられない商人ということで、後学のためお話を伺いたく」

「ふーん……」

 

褐色のお姉さんは、訝しげに目を細めていたが。

 

「この街で一番の料亭をご馳走しましょう」

「乗ったーーッ!!」

 

かなり気っ風の良い人だったようだ。

ついでにあたしまでごちそうになるのが確定して、内心ほくそ笑んだ。

 

 

「自己紹介しとこうか。アタシはダリア。ダリア・サルヴィ。しがない武器商人だよ。で、こっちが“獅子腕”の────」

「フェイ・ディニオンだ」

 

片方は快活に、片方は無骨に挨拶をしてくれた。

こちらも自己紹介で返す。

 

「アンナっていいます」

「私はケイ・ミナカミ。魔導研究局公認魔導師をしています」

「公認っていうと、本部の?」

「ええ、まあ」

「そりゃあまた、随分と。こっちからお近付きになりたい人材だねえ!」

 

前々から思っていたけど、公認魔導師ってすごいことなんだなあと思った。

 

「それで? どんな話が聞きたいんだい? 高い飯を奢ってくれた礼だ、教えられることならなんでも話すよ!」

「やけに名が売れていたようですが」

「ああ、それか。こっちのフェイと知り合ったのが始まりでねえ……」

 

それから、ダリアさんの思い出話が始まった。

 

…………

……

 

もともと、アタシは売れない商人だったんだよ。

まあ言っちまえば、商人未満の武器マニアだったからねえ。

それでも目利きだけは自信があったんだ。

これはなまくら、こいつは名剣、なんてね。

でも、それが災いしたのか、周りの鍛冶師はなまくらばっかり打つヤツばかりでねえ。

商品としちゃ、まともなものを仕入れる機会に恵まれなかったんだよ。

まあ、別にこのままただの武器マニアでもいいか、なんて諦めてたところだったんだけどねえ。

ある日ふらっと、この首都マハンにフェイが現れてね。

誰に許可を取ったわけでもない場所に、値札も付けずに、場所取りのシートも敷かずに、ごろんと武器を投げ捨てるだけ。

初めはいらないゴミを捨てに来たのかと思ったさ。

だから、この街の住民として、それを注意しようと駆け寄ったら、目をひん剥いたね。

その無造作に放り投げられた武器の質の良いことったら無かったよ。

今まで見たどんな名剣、名槍よりもいっとう輝きを放ってた。

それがまるで、いらないものかのように放り投げられて、フェイはそのままどっかに行こうとしてたんだ。

慌てて呼び止めたよ。

なんのつもりだ、こりゃなんだって。

そしたら、信じられるかい?

こいつ、こんなこと言ったんだよ。

 

「作った。やる」

 

ってね。

ただ趣味で打っただけのものを、“誰でもご自由にお持ち下さい”って、その場に置いていっただけだったんだ。

宝の持ち腐れとはこのことだよね。

あんまりにも信じられなくて、フェイのことを突っ込んで聞いたのさ。

普段は何してるのかとか、さぞかし名のある名工に師事してるんだろうかとか。

またもう一回驚かされることになったよね。

普段はねぐらにしてる洞窟で寝るか、鍛冶をするか、どちらかしかしていない出不精者。

時折ふらりと近場の街に現れては趣味で打った武具を置いて、また来たら無くなっているから、誰かが持ってったんだろうとしか思ってなかったって。

間違いない、そりゃゴミとして回収されて捨てられてんだよ!

しかも行動圏内はこのマレット王国に集中してるとはいえ、首都マハン以外にも出没してるっていうじゃないか。

絶対、悪い方の噂にしかなってないって。

アタシはそれを聞いて“もったいない”って思ったんだ。

きちんと商人にして商売すりゃあ商売繁盛、なんて目論見があったのは否定しないけどね、

これだけの名品が誰の手にも渡らず捨てられるだけなんて、武器マニアからすれば耐えられない事実だったわけさ。

だからアタシは、フェイのそのことを必死に説いて、商品として売り物にすることを決めた。

最初は渋られていたよ。

こいつ、見ての通り他人嫌いだからね。

商売なんてめんどくさい、持っていきたいやつが持っていけば良い、って突っぱねられてね。

それでも懲りないアタシに根負けしたのか、渋々諦めてくれたけどね。

それからさ、単なる武器マニアだったアタシが、売り文句を学んで一人前の商人になろうと努力したのは。

最初はそうそう見向きもされなかったな。

アタシの売り方が悪いのもあったけど、フェイの名前も知られていなかったからねえ。

だけど、見る目があるやつは居るもんで、そのうちこれはいいもんだって見つけてくれるやつがぽつぽつ現れ始めた。

そっから、口コミっていうのかい?

フェイの腕が知りわたり始めたみたいでね。

こいつはいつのまにか、その腕から“獅子腕”なんて異名で呼ばれるようになって。

アタシはその専属の商売人になっていたってわけさ。

今じゃあさっきみたいに、今度は何時来るんだ、なんて聞かれるような有様でね。

有難いやら、困ったことやら。

嬉しい悲鳴ってのかい?

おかげで名品が広く知れ渡るようになって、アタシも満足してるんだよ。

 

…………

……

 

「────ってとこかな」

 

懐かしむように、思い出話を一通り語り終えたダリアさんは、飲み物を飲んで一息ついていた。

そして、フェイさんはその間食事しかしていなかった。

はっきり分かれているようなコンビだなあ。

 

「なるほど。非常に勉強になりました。な、アンナ」

「えッ」

 

こっちに振る?

どのへんが? とは眼の前のダリアさんたちを前にして言えず、何も言えないまま固まることになってしまった。

 

「あっはっは、お嬢ちゃんにはまだ少し早かったかな」

 

大笑いされてしまい、顔が赤くなる。

しかたないじゃないか、商売についてなんて、まだ学んでないのだもの。

 

「要するに、客商売とは地道にコツコツと、ということさ」

「そういうこったね。品が良くても、顔が売れなきゃ物は売れないのさ」

「はぇー」

 

そういうものかあ。

うちの村に来ている行商さんも、初めは大変だったのかな?

 

「さて、と……。まぁ、こんなもんかな。将来のためになりゃ、良いんだけどね」

「貴重なお話、どうも有難うございました」

「こちらこそ。ごちそうさん。普段食えないメシが食えてありがたかったよ」

 

そうしてあたし達は席を立ち、お店を出た。

どうでもいいけど、フェイさんは本当に何も話さないままだった。

と、思っていたら、店を出た時に、布にくるまれた棒状のものを不意に渡された。

 

「ん」

「…………え、ええっと……」

「やる」

「あ、くれるんですか」

 

どうやれくれるようだ。

なんなんだろう。

 

「へえ、珍しい。フェイが自分が打った武器を他人に渡すなんて、そうそう無いんだけどね」

「そうなんですか?」

「さっきもいったけど、他人嫌いだからね、こいつ」

「うるさい」

「はいはい、悪かった悪かった」

 

武器なんだ。

なんだろうと思って布を捲ってみたら、槍だった。

確か、短槍、ショートスピアと分類される長さのはず。

 

「なんで槍を?」

「長物使いだろ、あんた。見りゃ分かる」

「えっ、見ただけで?」

「鍛冶師舐めんな」

「ふぇー」

 

す、すごい。

確かに普段は木槍で鍛錬してるけど、見ただけで見抜かれるとは。

鍛冶師ってすごいなあ。

そう思わされた。

 

「そんじゃね。あんたらのことはよーく覚えとくよ!」

「……またな」

 

そういってダリアさんとフェイさんは去っていった。

なんだか、すごい人にすごいお土産を貰ってしまったような気がする。

 

「よかったじゃないか」

「う、うん」

 

よかったけど……、なんであたしなんだろう?

横には先生もいたのに。

それが不思議でしょうがなかった。

 

 

「なあフェイ」

「ん」

「どうしてあのお嬢ちゃんに、わざわざ売らないで取っていおいた()()()()()をくれてやったんだい?」

「…………なんでだろうな」

「いつもの“勘”かい?」

「いや…………」

「じゃあなんだい」

「何か、あいつは……。将来、とんでもない武器を握るような気がした。だから、渡してみたくなった。それだけだ」

「なんだ、結局“勘”じゃないか」

「うるさいな」




◆ダリア・サルヴィ

【性別】女性
【種族】祖人(ホミネース)
【身長・体重】180cm 75kg
【年齢】20歳
【好きなもの】商い 質の良い武具
【嫌いなもの】詐欺師
【特技】目利き
【食事の嗜好】パスタ類
【性格】気っ風が良い
【一人称】アタシ
【武器】売り物

・マレット王国で商売している。
 フェイの武器を主に取り扱っている武器商人。
 武器以外にも防具を色々と売っている。
 もとは目利きが行き過ぎてたいしてモノを仕入れることが出来ない商人未満の武器マニアだったが、フェイの武具を取り扱ってから人気商人に成り上がった。
 骨太で長身なのを気にしており、自分よりでかいフェイを比較対象にしている部分がある。

◆フェイ・ディニオン

【性別】女性
【種族】薄血の合成人種(マエラ) 血統:雄山羊・ライオン・アナコンダ・ヒト
【身長・体重】287cm 391kg(身長は頭角の長さ抜き)
【年齢】19歳
【好きなもの】暴れること 寝ること
【嫌いなもの】面倒ごと 安眠妨害
【特技】鍛冶
【食事の嗜好】質より量
【性格】寡黙
【一人称】アタシ
【武器】大斧

・マレット王国周辺に出没する鍛冶師。
 異名は『獅子腕のフェイ』『幻の鍛冶師』『安い! 硬い! 上手い!』など。
 結構な他人嫌いだが、社交辞令くらいは弁えている。
 そのため普段はねぐらにしてる洞窟で寝るか、鍛冶をするか、どちらかしかしていない出不精。
 時折ふらりと近場の街に現れては趣味で打った武具を置いて、二束三文だけ貰い帰っていく。
 そのあまりにも消極的な商売スタイルを惜しんだダリアと組んでからは、売買は全て彼女に丸投げしている。
 現れる街は完全にランダムで、彼女の気まぐれな足が向かう先としか言いようがないため、“来たらラッキー”程度に思われている。

◆ラウ

【性別】女性
【種族】祖人(ホミネース)
【身長・体重】161cm 50kg
【年齢】不明
【好きなもの】サボり 接客
【嫌いなもの】書類仕事
【特技】分割思考
【食事の嗜好】魚介類全般
【性格】ダウナー
【一人称】わたし
【武器】杖

・魔導研究局支部の受付を担当している局員。
 支部“全て”の受付を担当している。
 自らの分身を生み出す魔導の使い手であり、それを極めたと言っていいほどに熟達している。
 さらに複数の分割思考を得意とする人知を超えた頭脳を持ち、リアルタイムに全ての支部で受付として働くという離れ業をやってのけている。
 その代償として本体は常に寝たきりであり、本部の職員により栄養補給などの介護を受けて生活している。
 分身体はメガネを掛けているが、本体はしていない。
 本体は本部に就職した時から眠りについており、誰も経過年数の計算をしていないため、年齢は不明。
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