【Fate×ネギま】正義の味方の在り方   作:そもゆえに

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以前2012年頃に執筆した小説を、誤字脱字及び内容をAIで加筆修正して投稿しています。


剣の丘の残滓

体は剣で出来ている。

 

「我が骨子は捩じれ狂う(I am the bone of my sword.)」

 

血潮は鉄で、心は硝子

 

「鋼鉄は我が身、炎は我が血」

 

幾たびの戦場を越えて不敗

 

「幾たびの戦場を越えて不敗」

 

ただ一度として敗走はなく

 

「ただ一度として理解されない」

 

担い手はここに独り

 

「彼の者は常に独り、剣の丘で勝利に酔う」

 

故に、生涯に意味はなく

 

「故に、その生涯に意味はなく」

 

その体は、きっと剣で出来ていた

 

「その体は、きっと剣で出来ていた」

 

 

 

深い闇だった。

 

深海よりなお深く、光さえ届かぬ静寂。

 

千切れそうな意識を漂わせながら、男は思考する。

 

――まさか。

 

まだ青臭く、未熟としか思えなかった衛宮士郎が。

 

世界と契約した英霊エミヤですら辿り着けなかった“答え”を見せるとは。

 

いや。

 

だからこそ、か。

 

かつて否定し、殺そうとすらした少年。

 

その未熟さこそが、最後まで失わなかったものだったのだろう。

 

悔やむべきことがあるとすれば。

今回の邂逅で得た答えを、英霊の座へ持ち帰れないこと。

聖杯戦争の記録。

あの四日間の記憶。

 

全ては帰還と共に“記録”へと変質する。

この微睡みすら、いずれは埋没するのだろう。

 

――もし。

 

――もしも。

 

この答えを抱えたまま、やり直すのではなく。

別の道を歩めるとしたら。

 

……だが、あり得ない。

英霊として召喚され。

奇跡のような四日間を経て。

待つのは、ただ世界の掃除屋としての役目だけ。

本来の彼なら、そこで諦めていただろう。

 

――だが

あまりにも青臭く。

呆れるほど愚直で。

それでも眩しかった、かつての自分。

衛宮士郎という少年の残滓が、胸の奥で囁く。

――諦めたくない。

 

その願いが、確かにあった。

その瞬間。

「――ッ!?」

 

意識が揺らぐ。

英霊の座へ還る過程に、何者かの介入。

引き裂かれるような感覚。

 

これは――召喚?

 

そこで。

 

かつて聖杯戦争において“アーチャー”と呼ばれた男の意識は、唐突に途絶えた。

 

 

 

 

────チチチチ。

 

──チチチチ。

 

─チキ、チキ、チキ。

 

 

耳に届いたのは、耳障りなほど静かな蟲の声だった。

肌を撫でる冷気。

 

葉擦れの音。

 

鼻腔を満たす湿った土の匂い。

 

そして、背中に感じる硬い地面。

 

「……」

 

薄く目を開く。

どうやら自分は倒れていたらしい。

しかも――森の中で。

 

ゆっくりと上体を起こす。

反射的に周囲を確認。

視界に映るのは木々ばかり。人の気配はない。

記憶を辿る。

 

確か、自分は英霊の座へ還る途中だった。

そこで何者かの介入を受け――

 

「……その先が無い、か」

 

小さく嘆息。

状況確認が先だ。

 

慣れた手つきで己の内側へ意識を向ける。

 

「――投影、開始(Trace, on)」

 

魔術回路が起動する。

 

己自身を“武器”として解析する、いつもの確認。

 

────基本骨子。

────構成材質。

────魔術基盤。

────身体状態。

 

静かに情報を拾い上げる。

 

そして。

 

「――解析、完了(Trace, off)」

 

わずかに眉をひそめた。

……妙だ。

まず、霊体ではない。

英霊としての肉体ではなく、完全な“受肉”。

当然ながら霊体化は不可能。

それだけならまだいい。

問題は――身体能力だ。

 

魔術回路。

 

その数が、明らかに異常だった。

メイン、サブ共に、かつての自分を大きく上回っている。

遠坂凛ですら主回路四十、副回路三十。

 

それを基準に考えても、今の自分は異質と言っていい。

しかも。

投影。

固有結界。

剣技。

千里眼。

 

英霊エミヤとして積み上げた技量、その全てが問題なく機能している。

 

いや。

 

むしろ、馴染みすぎている。

 

「……気味が悪いな」

 

英霊という存在は、本来そこまで都合よくは出来ていない。

何かがある。

 

だが――

 

ガキンッ!

 

甲高い金属音が森に響いた。

 

続けて。

 

剣閃。

 

そして、人の声。

言い争い……いや、戦闘か。

 

耳を澄ませる。

 

複数。

 

距離はそう遠くない。

 

「……やれやれ」

 

面倒事の匂いしかしない。

本来なら関わらない方が賢明だろう。

状況も不明。

敵味方も不明。

何より、自分は世界の便利屋ではない。

だが。

足は、既に音の方向へ向いていた。

 

「――【正義の味方】、か」

 

自嘲混じりに呟く。

まったく。

どこまで行っても、性分というものは始末が悪い。

 




以前2012年頃に執筆した小説を、誤字脱字及び内容をAIで加筆修正して投稿しています。
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