【Fate×ネギま】正義の味方の在り方   作:そもゆえに

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──新しい世界。

──新しい日常。

──新しい居場所。

そして。

自らの夢、その再出発。

始まりこそ、剣戟と血煙の中だった。

だが。
今は違う。
久しく縁遠かった平穏が、そこにはあった。
店の準備。
仕入れ先との交渉。
厨房設備の確認。
最低限の備品。
食器。
調味料。
そして。

何よりも――料理。

忙しさの中にある、確かな充足。
かつては存在しなかった時間。
誰かを斬る為ではなく。
誰かに食べてもらう為に、思考を巡らせる日々。

悪くない。

そう思えた。


第三章【正義の味方の在り方】─魔法使い達の夜─  第8話異邦人への試金石

 

麻帆良学園都市。

 

女子中等部方面へ続く商店街本通り。

 

その喧騒から少し外れた路地の先。

 

そこに、店はあった。

 

どこか古びた。

 

だが、落ち着きのある外観。

 

レトロという言葉が似合う、昔ながらの喫茶店。

 

カウンター席。

四人掛けのテーブルが二つ。

二人席が三つ。

満席でも二十人程度。

 

 

広すぎない。

だからこそ、良い。

 

料理を食べる表情が見える。

空気が分かる。

店の温度が伝わる。

一人で始めるなら、この規模が最適だった。

 

店前のスペースを使えば、簡易的なオープンテラスも可能。

 

学生街らしく、賑やかな食事会にも使えるだろう。

 

「……悪くない」

 

ぽつりと呟く。

 

自分の城。

 

そんな言葉が脳裏をよぎり、僅かに苦笑する。

 

――その時だった。

 

携帯が震える。

 

着信。

 

仕事用として学園長から渡された端末。

 

表示された名前を見て、小さく息を吐く。

 

「……学園長か」

 

通話ボタンを押す。

 

『おぉ、エミヤ君。警備員の仕事についてなんじゃが――』

 

内容は単純だった。

学園警備として働く以上。

他の魔法使い達から信任を得る必要がある。

ぽっと出。

経歴不詳。

得体の知れない男。

そんな存在に、誰も背中は預けられない。

当然の判断だ。

 

だからこそ。

 

顔合わせの場を設ける。

 

――そういう話だった。

 

「構わない」

 

短く返す。

 

むしろ、避けては通れない道だ。

 

警戒されるのは当然。

 

ならば。

 

実力なり、態度なりで覆すしかない。

それだけの話だった。

 

そして、当日。

 

時刻は夜十時を回る頃。

 

春先。

 

まだ夜気は冷たい。

 

だが。

 

「……静かすぎるな」

 

人気が無い。

 

いや。

 

“無さすぎる”。

 

世界樹前広場。

本来ならば、まだ人の流れがある時間帯。

にも拘らず。

 

空白。

不自然なほどの静寂。

 

「人払いか」

 

恐らくは遮音結界。

あるいは認識阻害。

魔法使いらしい配慮だ。

その中心。

 

ぽっかりと切り取られたような空間に、人影があった。

 

「よく来てくれたのぅ、エミヤ君。夜分に済まんの」

 

近衛近右衛門。

 

相変わらず飄々としている。

 

その背後。

 

老若男女。

十数名。

視線だけで判断する。

年齢層は幅広い。

下は中高生程度。

上は三十代前後。

 

――魔法先生。

 

――魔法生徒。

 

(頭が痛くなるな……)

 

中学生が実戦に立つ。

 

その時点で、自分の価値観とは相容れない。

 

もっとも。

 

事情があるのも分かる。

 

人手不足。

脅威。

現実。

理想だけで回るほど、裏側は甘くない。

 

既に顔見知りもいた。

 

高畑。

龍宮。

そして。

刹那。

 

だが。

 

大半は初対面。

 

当然だ。

だからこその場なのだから。

そして。

向けられる視線。

 

好奇。

 

困惑。

 

猜疑。

 

警戒。

 

露骨な敵意こそない。

 

だが。

 

歓迎されている空気でもない。

 

――当然だ。

 

得体の知れない男。

 

突然現れ。

 

高位戦力として組み込まれた。

 

面白いはずがない。

 

(さて)

 

アーチャーは静かに周囲を見渡す。

 

(まずは品定め、か)

 

そして。

 

その空気を破るように。

 

一人が前へ出た。

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