四糸乃デンドログラム   作:姫河ハヅキ

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思ったより時間がかかったうえに短い……すまぬ……
よしのん、もといザドキエルの口調のエミュが思ったより難しいですね。これからも一話あたりの文字数は少ないでしょうし投稿間隔は不定期でしょうが、読んでいただけると嬉しいです。


第三話 【ザドキエル】

「そこ!?」

 

「そこです」

 

「いやいやいや! もっとあるでしょ!? 感動の再会とか! 運命の出会いとか!」

 

「初対面です」

 

「マスターの対応が冷たいよぉー!」

 

 ザドキエルがぴょこぴょこと耳を揺らしながら騒ぐ。

 しかし四糸乃はそれを無視してステータス画面からエンブリオの詳細を確認していた。注視したのは保有スキル。

 

【氷結傀儡 ザドキエル】

 TYPE:ガードナー・アームズ

 到達形態:Ⅰ

 

 

『保有スキル』

 

《術式共有》

マスターが習得している魔法系アクティブスキルをザドキエルも発動できるようになる。

パッシブスキル。

 

《魔法強化Ⅰ》

マスターおよびザドキエルが魔法系アクティブスキルを発動した際、その効果を10%強化する

パッシブスキル。

 

「……なるほど」

 

「お?」

 

「《術式共有》」

 

 四糸乃はザドキエルへ視線を向けた。

 

「魔法を使用できるんですよね?」

 

「へ?あー、はいはい!《ファイアーボール》 」

 

 ぽん、とその口元の辺りに小さな火球が出現して飛んでいき、【リトルゴブリン】の顔面に直撃した。

 

「ギャッ!?」

 

 一匹が吹き飛ぶ。

 

「こんな感じー」

 

「手数が増えて便利ですね、これ」

 

「いやそこはもっと喜ぼう!?」

 

 その間にも【リトルゴブリン】たちは我に返ったらしい。

 《ファイアーボール》を受けた個体を除いた五匹が今にも突撃しそうなほどこちらを睨みつけている。

 

「ザドキエル」

 

「はーい」

 

「ろくな防御手段がなく、ステータス的にも耐久が望めない現状では長期戦は愚策です。攻撃魔法をひたすら撃つことでこちらのHPが全損する前に六匹全員を打倒します」

 

「『やられる前にやれ』ってやつだねぇ?」

 

 四糸乃は冷静に敵の配置を確認する。

 前方三、左二、そして火傷に悶えているのが右一。

 自分たちとの距離が一番近いのは―――左の二匹。

 

「先に左の二匹を狙います」

 

「りょーかーい!」

 

 同時に。

 

「《ファイアーボール》」

 

「《ファイアーボール》!」

 

 二発の火球が飛び、狙い通り左から接近している二匹へ命中。

 二匹が少なくないダメージを受け、怯む。

 

「おぉー! 息ぴったり!」

 

「〈エンブリオ〉とそのマスターなら当然かと」

 

「ひどい!」

 

 よろけながらも右側から飛び掛かってきた一匹へ、四糸乃は狙いすましてナイフを突き出す。

 目に命中。そのまま押し込み、抉るようにナイフを動かすことでさらなるダメージを与え、HPを全損させる。

 これで一匹撃破できたが、まだ五匹いる。しかも前方から迫りくる三匹はまだ無傷だ。

 

「うわ来た!」

 

「「《ウィンドカッター》」」

 

 重なる四糸乃とザドキエルの声。

 二つの風の刃が放たれ、示し合わせることができなかった故に同じ個体に向かっていき、刃同士が衝突した直後。

 

 二つの刃が合わさって一つの巨大な刃へと姿を変え、三匹の【リトルゴブリン】をまとめて真っ二つにした。

 

「「··············え?」」

 

 二人して固まる。【リトルゴブリン】達も突然の大火力に唖然とする。

 

「·······なんですか今の?保有スキルに今の減少を引き起こすものはなかったはずですが」

 

「んー·······多分『累ね』って奴だね!複数の人間が同じスキルを同じタイミングで発動させることで威力や射程を伸ばす高等技術が偶然発動したんだよ。やっぱしボク達の相性ってば最高ー!」

 

「なるほど」

 

「反応が薄い!」

 

 思わぬ事象が発生したが、自分たちに害を及ぼすどころかメリットしかない。難易度は兎も角として、そういう技術があると知れたこと、体感できたことは予想外の収穫だ。

 

「もう一度やりましょうか。今度は《アイスバレット》で」

 

「おっけーおっけー!」

 

 今のは偶然の発生だが、意図して起こすことはできるのか。

 意識してみれば、互いが何をしようとしているかがぼんやりと感じられる。魔法を放とうとしているタイミングが何の合図をせずとも揃う。

 

「「《アイスバレット》」」

 

 なりたての【魔術師】と孵化したての〈エンブリオ〉では到底作れないほど巨大な氷の弾丸が形成され、残り二匹を吹き飛ばす。

 

「初勝利だぜー!」

 

「そうですね」

 

 ザドキエルが言うには高等技術らしいが普通に連続で成功したあたり、「ジョブに就いてすぐの初心者にとっての」高等技術のようだ、と四糸乃は結論付ける。

 手数が二分の一になるデメリット以上に火力の上昇というメリットが大きい。

 

「『累ね』の練習とレベリングを兼ねてここらのモンスターは狩っちゃおうよー!」

 

「構いません」

 

 

「いやっふー!天下無双!」

 

「井の中の蛙、ですね」

 

 草原の初心者モンスターたちが次々と光へ変わっていく。

 四糸乃は思った。

 最初に抱いた印象より。

 ずっと。

 この〈エンブリオ〉は――賑やかだ、と。

 




〇【氷結傀儡 ザドキエル】

【氷結傀儡 ザドキエル】
 TYPE:ガードナー・アームズ
 到達形態:Ⅰ
 装備攻撃力:5
 装備防御力:20
 ステータス補正
 HP補正:ー
 MP補正:D
 SP補正:D
 STR補正:ー
 END補正:ー
 DEX補正:ー
 AGI補正:D
 LUC補正:F

『保有スキル』

《術式共有》
マスターが習得している魔法系アクティブスキルをザドキエルも発動できるようになる。
パッシブスキル。

《魔法強化Ⅰ》
マスターおよびザドキエルが魔法系アクティブスキルを発動した際、その効果を10%強化する。
パッシブスキル。


(╹ x ╹)<一応全体としてはこんな感じです

(╹ x ╹)<なぜ孵化の時点でステータス補正がここまで尖っているのか……

(◕ x ◕)<さぁ?

(╹ x ╹)<ちなみに現状がアームズ形態でもありガードナー形態でもあります

(╹ x ╹)<俗に言う「インテリジェンス・ウェポン」というやつですね
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