浅羽復刻してましたね、思わず笑っちゃいました。
ここまできたらまるまる2年復刻しないほうがおもし───ん?こんな時間に誰だ?、、、
「ネームドって、髭剃らないの?」
Random Play スタッフルーム内部。キャスター型の椅子をネームドの座っている場所。作業台まで座ったまま移動してきたリンがそう言う。
作業台の引き出しに入れていたままの手鏡で自分の髭を確認するネームド。映っているのは数日前に抜糸された完治している裂け傷と解かれている長髪。そして
確かに最初の頃よりかは伸びている。かなり。
毛の長さはおよそ3センチほどか。
───伸びるのが速いな。
同時に傷跡も増えた、と考える。
「一回ネームドの髭全部剃った顔見てみたいな〜。」
『
頬の大部分、顎、上唇を覆っている髭。このまま伸ばすのもいいかもしれない、と思ったが、今の状態は少し不恰好に見えてしまう。
プレートキャリアに装着されている鞘からコンバットナイフを抜く。砥石で少し丁寧に研げば髭を切り始めた。
手鏡を壁に立てティッシュを作業台の上へ。全ての髪を後ろに結えば髭摘み少し残した状態になるまで短くする。およそ7mmを目標にした。
じょりじょりと音がなれば切れた毛が何本か空中を舞う。そのまま空中を舞う髭の残骸を少し見ればまた切り始めた。
約十分、髭が短くなった見慣れたネームドの姿が手鏡に映っている。
髭が散っているティッシュを丸めゴミ箱へと入れればちょうどアキラが帰ってきた。ホロウデータの解析整理を終わらせラーメンを食べに行くと言っていたのは三十分ほど前の話だ。
電気をバカ喰いしているおかげで弾薬やら手榴弾を買えなかったのは一週間以上前の話。未だにあの日のことが鮮明にネームドの脳裏を焼いている。
悪い予感は当たっていたのだ。11号と会ったあの日に見た上がり続けている電気メーター。1ヶ月の更新日となり届いた電気代の請求書。
サラリーマンの平均月給を優に超える額。それを払うため溜め続けていた金が一瞬にして消え去った。
自然と敵意にも似た誰かの視線がアバターが映っているモニターに向かった。
「ところでネームド。今日は仕事の日だ。11号からの言伝で【今夜、いつもの場所で、忘れないように。】とのことだ。」
了解のグットマーク───が出ることはない。無表情でロッカーを開き弾薬が入っている弾薬箱を開ける。黒ずんだ薬莢しか入っていなかった。
残り少ない小銃弾、拳銃弾、手榴弾二つ、一発も残っていない散弾。あまりにも心許ない。
「まぁ、、、近接戦で節約するしかないな。なんとかしろ、としか僕からは言えない。」
そうするしかない状況にため息が出てしまうネームド。後ろ髪が引かれるような思いで準備を始めた。
「そう言えばもう一つ言伝があったな。11号からプレゼントがあるらしい。楽しみにしておいてとのことだ。」
その言葉には対して期待はしなかった。
裏口を開いたネームドはスナイパーベールを被っている。いつも通りではあるが今回はプレートキャリアを装着していた。
バックパック、ショルダー等のアーマー、銃器を壁にかけ待つ。もう少しで約束の時間だ。【今夜、いつもの場所で、忘れないように。】という言いつけ通り待っていればネームドの耳に車のエンジン音が聞こえる。
───普通のエンジン音ではない、軍用車両だ。
それを誰が運転しているかは簡単に想像がついた。その時ネームドの体が明るい光で照らされる。視線を向ければ駐車場のフェンス前で待機している車が目に映った。
打掛け錠のレバーを上に上げ開放すれば予想通り防衛軍の車両だった。ゴツゴツしたフレームをした車両が低速で駐車場へと入り中央で止まる。一応車と駐めるための区画線はあるのだが。
フロントドアが開き降りてきた人物は11号だ。変わらず以前の姿でこちらへと来る。
「こんばんわスナイパーベール。以前と同じ遅刻していない。その調子と言いたいけどその前に渡したいものがあるわ。」
なぜわざわざ軍用車両で、と聞くためメモ帳に文字を連ねていたネームドの手が止まる。会って早々に渡すものが気になったためだ。
軍用車両を使う必要があるほどのものか。11号が車の後部座席を開ければ何かを取り出す。深緑色の大きいそれは弾薬箱でありかなり重量がありそうだ。
それを見てネームドは思い出した。アキラは確かプレゼントがあると言っていたのだ。
まさか
「私はあなたに期待した。」
三つ目の箱を取り出してから11号がそう言う。ネームドがドラム缶を二つ持ち近くに置けば机代わりとなりその上に弾薬箱を置いた。
金属の箱が二つと合成樹脂が一箱と計三箱がドラム缶の上に並べられている。箱側面には受領伝票なのか紙が付属していた。相変わらずネームドには字が読めないが書かれている数字から何発入っているかは理解できた。
「前回のあなたの働きを評価をして戦闘物資をあなたに支援する。受領して。」
空弾倉を取り出しいつも通り弾を入れる。ガチャガチャと弾を十発毎入れるごとにドラム缶へ何度か叩く。銃弾を整えながら込めていった。
一つ目の弾薬箱に入っていた小銃用の弾で六弾倉が満了となった。計240発が入っておりやや少ない、と思ったがそれを伝えることはしない。防衛軍所属の軍人でもないのに補給をもらえるのだ。文句は言ってられない。
二つ目の弾薬箱には9mm弾が40発。同時にショットシェルボックスも入っており30発分の散弾。
前回の迎撃とも言える白兵戦で散弾は打ち尽くしたのだ。今回持っていくつもりはなかったが散弾銃も持っていく必要がある。
「ネームド、忘れ物だ。」
そのところへタイミングよくアキラがショットシェルホルダーと散弾銃を持ってきた。ナイスの意味を込めたグッドマークを送り受け取れば装填する。合成樹脂の箱にも入っていた手榴弾は二つ、どれも衝撃手榴弾だ。
『
補給できた弾薬と衝撃手榴弾三個と破片手榴弾が一個。これだけあれば以前のような事態が起こらない限り当分は戦えるだろう。
「今日の作戦が終わったら、余った分はこっちに返すことは忘れないで。」
その言葉を聞いたネームドが少し固まる。ほんの少しではあるが、アキラにとっては残念そうにも見えた。
「さて、今回の作戦を伝える前に、状況が変わったことを伝えておくわ。」
「状況が変わった、とは?」
弾薬の補給を受け取り上機嫌となっていたネームドはすぐに雰囲気が変わる。いつもの、ホロウへと入る前のような真面目な雰囲気だ。
その頭に被っているスナイパーベールの下の表情はどうなっているだろか。アキラは頭の片隅にそれを置いておいて11号へと耳を傾ける。
「モグラさんから新たな条件が掲示されたの。本来は反乱軍と共同で動くはずだったけど、これからは私たちだけで任務を遂行することになる。」
ウエストベルトから小型の装置を取り出しドラム缶の上へと置く。一つのボタンが押されれば青色の光が眩しく飛び出しホログラムを映し出した。ホロウ内安全活動推奨時間を超えたことを知らせるためだけの機械ではなかったのだ。
映し出された画面にはホロウ内と思わしき地図が表示された。内部のエーテル活性を示していると思わしき何かのデータ表示体が蠢いている。
「随分高性能な
「優秀な戦闘員と優秀な案内人である【パエトーン】がいるなら。わざわざ彼の勢力を動員するリスクを冒す必要がない、ということみたい。」
以前のエーテル活性上昇による大量のエーテリアスを対処しきり、スムーズに早く盗聴器を設置しエーテル活性を感じ取る。これを見ても本物なのか確かめるべく今回のような少数で動け、と言う命令なのだろう。
正直、ネームドはよかったとも思っていた。少人数で動くというのはネームドにとってもやりやすかったのだ。
しかし、どこか怪しい。
「反乱軍からの支援なし、私たちだけで動く必要があるから今回補給をあなたにさせた。前回かなり消費しただろうから。」
『
「正式よ。私が使うと言って申請したもの。銃器も借りたけど使うかどうかはあなたの好きにして。」
あそこに、と親指を後ろに立てた先は車両の後部座席だ。見れば奥には銃床がいくつか見え何挺か銃があると分かった。
「けど、その前に今回の作戦を説明するわ。今回はそれなりに大きいことになる。」
指で空を切る。描写されていたホログラムの画面が操作され画面が切り替わる。写された画面の数々には今回の作戦において説明するであろうことが書かれていた。
「今回私たちは防衛軍の極秘資料を手に入れる必要がある。目的地までの道中には正規軍が設置しているロボットや兵士がいる。」
画面が変わり映されたのは目的地であろう最終地点のマーク。そしてそこまでの道に赤い丸点が記されている。タップすれば敵情報が映し出されロボット、兵士、エーテリアスの写真が表示される。
「交戦は避けて進むわ、最短距離で行くためにこの施設を通り抜ける必要があるけど中にも敵がいる。メインゲートから侵入して通り抜ける。見つかってしまったら速攻で片付けて。」
「ここ、施設を抜けた先であなたたちは待機。行く道とは別でホロウを脱出するルートを検索して。理由はその時に話すわ。最後に、、、」
「これは極秘資料、だからあなたたちのような軍人以外の部外者が見てはならないものよ。これだけは守って欲しい。最後に質問は?、、、何?」
「本当にメインゲートからしか入れないのかい?」
アキラからの質問を聞いた11号がホロフラムを操作する。ルート上にある施設が拡大されれば様々な文献や文字が映し出された。しかし英語ではなく、ネームドには読めなかった。
「施設は何年も前にエーテリアスの襲撃、そして侵食によって大部分が機能していないわ。」
「メインゲートはどうやって解放を?大部分が機能していないんだろう?」
「直接行って確認するしかないわね。安心して、もし開かなかったとしても私には【プランB】がある。」
なるほど、と納得すればアキラからの次の質問が出ることはない。ネームドからも何かが聞かれることはなうこれ以上のブリーフィングは続けても意味がない。
右上に表示されている時間を見た11号は作戦を開始する時間を伝えた。
「それじゃあ準備ができたら車に乗り込んで。作戦開始時刻は
「調整をしてくるから待ってて欲しい、すぐに終わらせる。」
駆け足で店内へと入っていったアキラを見送り11号が装置をウエストベルトへ戻す。ネームドがプレートキャリアのポーチへと弾倉、手榴弾を納めコンバットナイフと手斧の状態を確認する。いつも通りの装備確認を短く終わらせれば気になっていた物を手に取った。
後部座席に乗せられている銃器を一つ持つ。大口径自動小銃のため銃身は長い。だというのに軽量である。幾度かコッキングレバーを操作し引き金を引く。問題なく撃てるがやはり違和感を感じてしまう。
両手で構え、銃床に頬付けする動作をする。素早いが、軽さ故いつもより銃口が跳ね上がってしまう。コッキングレバーの機関部に耳を近づけゆっくり引く。潤滑油の上で擦れる音が聞こえる。引き金も引き、何度か指の第二関節部の骨で銃全体を叩いた。
───耐久性が高くない。
なんとなく、意識していないのにそんなことを考えてしまう。
極度環境ではまともに動きはしないだろうと考える。この銃が活躍する場は街中で発生したテロ事件だろう。それに──[[rb:見た目 > フォルム]]が好きじゃない。
同じく散弾銃、自動拳銃も持ち確かめるがネームドの手には合わなかったらしい。スナイパーベールの下の顔は眉間に皺でも寄っているだろう。
興味がなくなった、とでも言わんばかりに後部座席へ銃を投げ入れる。一応借り物ではあるため優しく入れたつもりだ。
「今回は狙撃支援をしなくてもいいわ。ダスキーレッドアフターグロウと私と共に行動して。」
親指を立て装備を車両へ詰め込む。作戦開始までまだ時間があるのを考えたネームドは暇な時間を練習に打ち込み始めた。
負い紐がついている小銃を肩から脇下に通し射撃姿勢を何度か取る。そして弾切れになり再装填する暇がない瞬間を想定しチェストホルスターから自動拳銃を取り出す。銃把から手を離し片手で、両手で構える動作を何度か繰り返す。
その様子を、腕を組み背中を壁に預けている11号が見ていた。
表情を変えることなく脚、腕、体を交互に見ており観察している。練習の様に口出しをしないのはやり方が間違っているわけではないということだろう。
こうも見られていては少し気まずい、とネームドが思ってしまう。
「、、、あなたのその脚にある大きいリボルバー、それは何?」
不意にそんなことを聞かれネームドの視線が11号に向く。頭を動かすことなく眼球を裏返し横に向けており、スナイパーベールを頭に被っているため反応されているのか11号は分からなかった。
武器を納めネームドがレッグホルスターから大口径回転式拳銃を取り出す。デカく、重いということがホルスターから抜かれる途中でも分かった。重厚な銃身に書かれたFormerという文字が異彩を放っている。
「持っても?」
どうぞ、と言葉の代わりに11号の手に大口径回転式拳銃が持たされる。バレル部位を持ち銃把を握ればネームドの手が離れる。
その瞬間、一気に重さがの押しかかり11号の体が一瞬揺れる。
重い、と感じ留め金を押せば弾倉が横に出た。現代の回転式拳銃に多く普及されている振出式に出てきたシリンダーは四発が最大の設計だ。耐久力向上のためであろうシリンダーに装填されているその一発一発ずつがデカく、他の者が見れば「馬鹿か?」という言葉が出ることだろう。
「これは小さな大砲ね。」
まさしくその言葉が似合う銃だ。
「鬼火隊長に装填されている五十口径の炸裂弾よりも大きい銃弾。こんなもの撃ったら手が壊れるでしょうね。」
『
ノイズキャンセリングが搭載されているヘッドセットにも関わらずうるさかった記憶を思い出しつつレッグホルスターへしまう。
リアドアを開き下車する。窓からも確認したがやはり敵影はない。耳、身体中の気配にも意識し索敵するがいないのを確認すれば銃口を下げ左手で親指を立ててハンドサインを送る。それを受け取った11号と
「、、、クリア、敵影なし。」
「周囲に潜んでるエーテリアスはいない。進もう。」
「先頭をお願い、ヘリアッドビリアードポイントマン。」
いつも通りの独特な名前センス。コッキングレバーを引き薬室に初弾が装填されているのを確認すれば3m先をネームドが歩き始めた。
ポイントマン、部隊の先頭に立ち警戒しながら隊を先導する役割。一番先というのもあり敵に最も狙われやすく、重く言えば敵の待ち伏せやトラップに気づかなければ部隊部隊全体が危機にさらされる重要な役割である。
───
本来は11号が先を行くはずだった。しかしネームドが[[rb:先導 > ポイントマン]]をすると言い出し今の状況がある。正直言えば心配であった。
彼が怪我をするのではという心配ではない。索敵と警戒、ルート選定をし隊の先頭に立つほどの実力があるのかという心配があった。
今回は正規軍が配備されているというのもありエーテリアスのみではない。交戦が開始されれば面倒なことになるのは目に見えていた。
狙撃支援に回しておくべきだったか、そんなことを考えていればネームドの動きが止まる。続いて後の
───
ハンドシグナルを11号に向けて送れば電車から頭を出す。わずかに片目のみが奥を見れるようにすれば見えたのは一体のロボットだ。
下半身のような機体を持ち逆関節の脚部が全体を構成している。上部の二つに開いた電磁砲のような部位には何かが発射されそうだと遠くからでも分かった。そして側面と後部に降りたため折りたたまれているあれはシールドだろうか、中央にぶら下がってるのは明らかに主な攻撃すべき所だろう。
「自律補助ユニット・駿足ローバー。全く面倒ね、、、迂回できるルートは?」
「あるけど裂け目の位置の関係性でかなり遠回りになる。時間がかかるよ。」
考え込む様子を見せ時間が経つ。一分にも満たない時間だが考えが収まったのか前に進み始めた。
「効率的に進みたい。排除する。」
走り始めた11号に続きネームドも続く。軽装備、そして訓練とこれまでの任務により効率的に腕と脚を動かし地面を蹴る11号をネームドが抜いた。あれほどの装備にも関わらず抜かれた11号は存外な表情をした。
既に解除している安全装置をもう一度指で確認し引き金を引くと同時に遠くにいるロボットも二人の存在に気づく。電車の隙間から観察し、走り近づいてもう一度観察した中心脚部は平らななエーテル合金が組み合わさり脚を形成している。その平らなところには”やはり”わずかに膨らんでいる箇所があった。
潤滑油、オイルを流しているであろう箇所を集中的にフルオートで撃ち続けていれば【駿足ローバー】は後方へジャンプした。逆関節の特性をこれでもかと活かした跳躍はネームドの想像以上に距離が遠くなる。遠のいたが裏を返せば”攻撃されたくない場所”ということだ。
「まずは脚部の中心を断裂しましょう。私が温度を上げて融解させるからそこに。」
ナタを【DANGER】と書かれている背中の装備からナタを引き抜く。火花が散ると同時に中に注入されているエーテルエネルギーが変形し温度が上昇する。連鎖的な酸化反応を引き起こしナタに炎が纏われた。
金属が融点に達し液体になる現象を引き起こすのが目的だが
連続の攻撃、蓄積する熱は着実に〈駿足ローバー〉を追い込んでいる。攻撃されているというのに、本人が目の前にいるというのにあまり注意が向いていないように見えた。
視界を映す眼部カメラ。駿足ローバーの視線は走り移動しているネームドに注目していた。
奴は危険だ、先ほどからの移動速度と射撃精度からそう認識した〈駿足ローバー〉はネームドを【高危険度ターゲット】に設定し機体上部に収納されていたドローンを二機展開した。
「後退する!」
橋の鉄道を支えていた鉄骨に身を隠しナタに温度を充填する。交代したネームドが小銃で展開されたドローン二機に対し射撃開始。遅くなった射撃間隔は単発射撃をしているからだろう、約五発が放たれた時には既に一機が撃墜された。
撃墜されたのを認めたもう一機と〈駿足ローバー〉は高危険度ターゲットに集中攻撃を開始した。ドローンがレーザーでネームドの胴体に狙いを定め、〈駿足ローバー〉は発射ボックスを展開する。圧縮されたエーテルエネルギーがレーザーとして発射され、発射ボックスから無数のミサイルが放たれた。
レーザーを捉えたネームドはかわしすぐに走る。次々に発射されるミサイルはネームドの走り抜ける道に落ちていく。
向かう方向は〈駿足ローバー〉本体だ。散弾銃に持ち替え引き金を引けばペレットが集中的にドローンへと当たる。散弾のため数個が外れるがそのうちの一つがドローンの飛行を担当していた機械部位に命中しあらぬ方向へと飛んでいく。
このように詰められてはミサイルが自分に当たってしまうと〈駿足ローバー〉が発射を停止。脚部を前に押し込むが鈍重な動きにより避けられる。
中央にぶら下がっている銃器が唸り声をあげる。何かが装填され始めていると気付けば銃口部分を踏み射程を地面へと向けた。
予想通り発射される。高温の炎が地面を炙りなんとしてもネームドを焼こうと離れようとするところをネームドが蹴り上げた。
火炎放射する発射機を左足で踏んだまま回転し右足で機体中央部を蹴り上げた。そこは機体の脳部分なのか動きが明確に鈍くなる。
散弾銃をマグネット部位につけ小銃を素早く構える。放射器をぶら下げている接続部で近距離でフルオート射撃をした。
みるみる装甲が削れていき内部が見え始める。そこで丁度というべきか間が悪いというべきか弾切れを起こした。同時に〈駿足ローバー〉も体勢を立て直す。ステップで後ろへと下がり再装填をしているところに11号が横に入る。右手に持っているナタは薄く赤くなっていた。
「火力支援!!」
ナタを振り上げ斜めにすり抜けるように放射器へ刃先を向ける。ナタが振り下ろされた軌道には烈火が舞っていた。
駆動させるための配線が見えるほど損傷していた放射器の接続部が刃が赤熱したナタにより切断された。物理的打撃と高温により切断面の金属が橙色に染まる。
続けて撃ち続けていた脚部へも何度も斬撃を食らわせる。しかし予測していたのか後ろに下がり猛突進を始めた。
攻撃に身を投じていた体は自分以上の質量を迎え打つ準備をしていない。距離が一秒にも立たず眼前に迫るそれは猪のようにも見えた。
そこへ大柄の人間が11号の横を駆け抜ける。両手に握られたコンバットナイフと斧は〈駿足ローバー〉と接触した瞬間に耳をつんざく金属音と激しい黄色い閃光がその場に走った。
え?エーテリアスを投げ飛ばすやつが空島とやらにいる?いやうちにもおるがな
ネームドの小銃の使用弾薬は7.62x63mmあたりの大口径小銃弾を妄想。
・編集追記