存在しない男   作:いん22222

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 ここはH.A.N.D本部、対ホロウ六課オフィス、荒ぶった、襲撃されたようにも見えるそのオフィス中心に一人の男が椅子に縛られていた。

 手を両方後ろで手錠に掛けられており加えかなり乱雑にキツく縄も縛られていた。

 恐怖で覚えているその男、ガチガチと歯を連打噛みしている。その時、オフィスへと通じる短い廊下の先にあるエレベーターの到着を知らせる音が聞こえた。


──”あいつ”がくる


 目を見開きオフィスの入り口を見る。冷や汗が眼に入り見づらくなった。見たくはなかったが見なければならない、それが彼にとってのやるべきことでも合った。


 やがて、入り口の壁に手を置かれた。その手はどこかドス黒い瘴気が纏われている。

そしてその手をしている人間は、、、




 「ごっめ〜ん、ちょっと課長たちを待たせててさぁ、説得にちょっと時間かかっちゃった♪」

 濃い深青色の髪色を持っており、H.A.N.Dの制服でもある上着を腰巻きし額に黄色い巻物を巻いている男。


 浅羽悠真が、現れた。


 口がニコニコとしているが目は全く笑っていない。それどころか光がなくなっている。

 「それでさ、質問したいことがあるんだよね。」

 ポケットからくしゃくしゃになった髪を取り出し、広げれば尋問を始めた。

 「なんで、、、




















 僕が復刻しないの?」

 ゼンゼロver3.0変調の予定が組まれたその紙、前半にはヴェリナ、後半にはノルムーとが組み込まれていた。

 復刻は葉瞬光、そして千夏。

 もちろんそれは椅子に縛られている男は予告番組によって公開される前から知っていた。なぜならこの男、運営の幹部あたりの人間である。







 もう一度言う。葉瞬光、そして千夏だ。

 「あんた僕が変調に出てからどれくらい経ったと思ってんの?」

 「、、、二ひゃ──

 200日、だれでもわかる嘘が運営男を言い放たれる前に巨大なハリセンが頭へと振り下ろされた。

 バシンッと確実に効いた音がオフィスへと響き渡る。ハリセンを食らった運営男は頭を抑えようにも縛られており何もできない。体をどこかをつねる痛みを誤魔化すことなどできないのだ。

 「501日!!!!昨日で500超えたよ馬鹿野郎!!!もうすぐで2年経つ!!一体いつ僕を復刻させるつもり!!??」

 バシンバシンと頭に何度もハリセンを振り下ろす哀れな男浅羽悠真。彼の復刻される日はいつ来るのだろうか、、、


6. パエトーン君臨そして異変

 クリティホロウ、古い地下鉄分岐駅某所にて

 

 「あの上級エーテリアスの声はもう聞こえない」

 

 「よかった。足の油圧ロッドが折れるかと思ってた所だぜ、、、」

 

 「適度な休憩を取ることを提案する、いい?プロキシ先生」

 

 「問題ない、見張りは僕とネームドがするからみんな休んでてくれ」

 

 しばらく走り続けたため疲労困憊の息を漏らすアンビーに水を手渡し、警戒体制を取るネームドの横にポムポムとなんとも心和らぐ音を出しながらビリーたちの様子を確認するイアス(アキラ)がいた。

 

 

 

 「ニコのことだから節約のために自分でなんとかするよう言ってくるかと思ってた。それがかの有名なパエトーンを連れてくるだなんて」

 

 

──そこまで倹約家(ケチ)だったのか

 

 

 ニコのことだから、と言ってるあたり過去に何度かそうしたことがあるのだろう。ニコに対してネームドはバットを、アンビーはグットの正反対の評価二つを知らぬところでつけられたニコ。実質プラマイ0である。

 

 「ニコが僕たちのところに駆け込んできてね、助けてほしいと言われたんだ、それで馳せ参じたまでさ」

 

 「プロキシ先生か駆けつけてくれなかったら私たちはエーテリアスの領地を脱出することができなかったはず。ありがとう。」

 

 どうも、と頭を下げる二人の会話へと体を揺らしながらもビリーがしばらくの間抱えていた疑問をアキラへと問いかける。

 

 「何度も思ったけどよ、と言うか最初からだけど、なんで店長はホロウ調査協会に入んねぇんだ?プロキシやるよりもメリット多いだろうよ!」

 

 「あ〜〜はは、それは、、、」

 

 答えを濁らせ得るアキラ、理由はアキラとリンの出自(・・)に関係していた。

 

 

 旧エリー都を壊滅させた最悪の事件、旧都陥落

 

 零号ホロウが急激に拡大したことにより旧エリー都が飲み込まれ、人々は現在の新エリー都へと移住しなければならなかった。

 

 そんな中、零号ホロウ最深部で起きていた出来事。

 

 それを解決すべく、まだやることがある。

 

 

 確かに調査協会へH.D.Dシステムを提供すればアキラとリンは調査員のエース、いやそれ以上へとなっていたことは間違いないだろう。

 

 だがそうともなれば面倒臭い書類をいちいち書き、提出され承認が降りれば出動などと、自由に行動することはできなくなり、やるべきこともできなくなってしまう。

 

 ホロウ内外通信は不可能、というホロウの根本をの事実を覆しかねないこの技術、公になれば面倒なことになるのは確かだ。

 

 そのために自由度があり、世間に目を当てられることのないプロキシとして、パエトーンの物語が始まった。

 

 この選択は間違っていなかった。これによって救われた命は調査員になる未来よりも多く、そして頼りになる仲間が出来ることになるとはまだこの時彼らは知る由もない。

 

 

 閑話休題(それはともかく)

 

 

 エーテリアスの声が地下鉄内部にいる彼らの耳に届く。

 

 

 全員の視線がそちらへと向けた時にはすでにエーテルアス一体がイアス(アキラ)へと飛びかかっていた。

 

 

 

──間に合わない(間に合わねぇ)、、、!!

 

 

 

 急いで立とうにもしばらくの走行による疲労と冷却の放熱中だったことによりアンビーとビリーはすぐにカバーすることができなかった

 

 だが忘れないでほしい。この空間にはネームドがいる。

 

 

 

 

 

 ネームドがナイフでエーテリアスの攻撃を弾き、黄色い閃光がその場に走る。

 

 そのままの勢いで上を通り過ぎ、地面へと転がるエーテリアスにネームドがすかさず斧を振りかざした。

 

 コアの内部まで侵入した斧の刃先はエーテリアスのHPを100から0まで一気に削り、エーテリアスが消滅した。

 

 立て、移動するぞと手を上へと小さく振りネームドが促す。

 

 それに続きビリーとアンビー、イアス(アキラ)とネームドがホロウから撤退すべく移動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「やっとホロウから出られるぜ!」

 

 

 橋の上にある線路上を一団がエーテリアスを掃討しながら進んでいた。

 

 とはいえそこらにいる雑魚ばかりしかいなく、ほとんどネームドがエーテリアスたちを撃退している。

 

 銃は弾代がかかるため使用せず、コンバットナイフと斧を構えエーテリアスたちを出迎える。

 

 ふりかざしてきた一閃の攻撃を受け流し、相手の腕剣を切る、と言うよりも叩き切って落とせば今度はナイフでコアを刺す。

 

 次々とエーテリアスがネームドへと飛びかかる中、ネームドはまだ消滅していない先程のエーテリアスのコアを刺したままそれを相手に向け一時的な盾としてそれを使う。

 

 目の前のエーテリアスが仲間だとも思っていない容赦ない攻撃が加えられながらもその勢いに負けることはない。

 

 腕の筋肉を使い、刺したままのエーテリアスの体を一気に振ればそれはこれから倒される予定のエーテリアスたちの視界、もといコアを遮った。

 

 その体がぶつかることはなく、目の前で消滅した次の瞬間には斧、そしてコンバットナイフが平等に二体のエーテリアスへと振られる。

 

 脱線した電車の奥から別のエーテリアスが飛び出してくる。

 

 これまでの個体とは違ったエーテリアス、頭部部分にはいくつもの道路標識が埋め込まれており、もっとデカく、両手にはボクシンブグローブのような岩を纏った個体。メトロゴブリンが現れた。

 

 手強そうだ、そう思ったネームドは斧とナイフを鞘に収め、バックパックのサイドに留めていた散弾銃(ショットガン)に持ち変える。

 

 

 

 

 この散弾銃と斧、ネームドがアキラとリンに無理言ってブラックマーケットで購入したものである。

 

 ただあまり物騒なものは家にあってほしくないと言う要望がプロキシ兄弟の言い分であり説得には少々時間がかかった。

 現状新エリー都にH.D.Dシステムがひとつしかなく、それが銃の暴発事故にでも遭ってしまったらとんでもないこととなる。

 

 結論はリンに提案による家に置いてある時は弾倉を抜き、薬室も空にしておく、しばらくの間家事を全てやるという落とし所として購入が決定した。家事をするだけで散弾銃が手に入るなら安いものだとネームドも納得した。

 

 

 

 違法物品のため配送などはされず、実際に集合場所にて会う約束をし受け取ったブツだ。

 

 その購入先が(まだネームドがインターノットでの悪評を聞いていない)”新鮮””綺麗”な邪兎屋保証というのもありネームドは少々心躍らせしながら待っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目の焦点があっていないスーツ姿の男が来るまでは

 

 

 「エーーリエリエリエリエリエリィ!!!、あなたがうちの製品を買ってくれた消費者エリかぁ??????

 

 

 

 

──嘘つきめ、イカれ野郎(ヤク中)が来たじゃねぇか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この目の焦点が合っていないスーツ男の所属する組織、”エリヴァッフェ”は新エリー都だけでなく、郊外へと武器を製造、密輸しホロウレイダーに武器を提供し裏社会では中々に知名度のある武器商人グループだ。

 

 エリヴァッフェの取り扱う製品は多くが銃火器だ。だが防衛軍や反乱軍が廃棄したものではなく、その全てが彼ら自らの手によって作られている。

 構成員の多くが防衛軍や治安局の武器を製造しているスリーゲート重工や各種勢力の元製造課のものたちが集まってできており、そのすべてが彼らの現役時代、成し遂げれなかった”理想武器”を作るために集まったグループだった。

 

 

 

Example(例えば)

 

 

 

 ミニガンにロケットやチェンソーを搭載したり、目眩しで銃弾ではなく閃光手榴弾を発射しまくるアサルトライフル(?)、五つの銃を一気に連結させ弾幕を浴びせられる銃。銃とは違う振るたびに爆炎が広がる刀、拳銃弾を装填するただの拳銃、、、かと思いきやフレームを中折れ式にし一発のショットシェルや狙撃銃用大口径弾を発射する拳銃(?)を売っていたりと、なかなかにイカれている思想を持った人物で固められているのがエリヴァッフェだ。

 

 これほどのものがあると言うのに、もう一つの特徴として”エーテル資源”を一切使用していないというのがある。

 昔ながらの鉄や炭素銅、木材など使っており言うなれば古いものを売っていた。

 他にも覗いてもまともに見れない50倍率スコープや特大モーターをつけ光量をめちゃめちゃに上げた照明器など製造し色々売っていたりとしているが、なぜかそれが治安局やTOPSなどの目につくことはない。

 なぜならどういう仕組みかはわからないがエリヴァッフぇ組織が公的機関に存在がバレる前にバレる可能性のあるものが爆発四散するのだ。

 

 そんなよりどりみどりな商品をネームドが少し欲しがったのは内緒である。

 

 

それはともかく

 

 

 ネームド購入したものはシンプルなものだった。

 

 先台操作式(ポンプアクション式)の散弾銃と戦用斧この二つである。

 

 「しっかしつまらんものしか買わないエリねぇ」

 

 そう言いながらも散弾銃と斧二つを抱き抱えチュッチュとキスをしている武器商人、そして目がもはや自我を持っているのではと思うほどグリングリンに動き出している。危険生物に餌でも与えるかのようにディニーの入ったバックを渡した。

 

 「お!この重さはきっかりちょうど入ってるエリねぇ、いやぁこれでも私は銀行員だったエリ、金数えるのは得意エリね」

 

 

──金の数えすぎで目がイカれているぞ

 

 

 少し意外にも思いながらも渡された武器を簡単に点検する。

 

 先台(フォアエンド)を何度か引き、空撃ちする。斧の切れ味を指で確かめ、ガンバックの中へと散弾銃と斧を入れれば武器商人がネームドへ声をかけた。

 

 「あぁそうだ、これを渡すのを忘れていたエリ、初購入の消費者には等しく配ってるエリもんねぇ」

 

 なにやら一つの投げたそれ。それを受け取ってみれば、妙な懐かしさを感じるショットシェルがネームドに渡された。

 

 「そいつは昔の”ドイツ”という国が作ったものエリ、何やら特殊な火薬が使われててよくわからんものエリよ」

 

 あ、ちなみにスラッグエリ、と伝えられたそのショットシェルはたしかに散弾ではなく一つのモノが入っている。ドイツという単語を聞いた時に頭痛がしたがよくみれば先端が尖っていた。ポケットへとしまい、一つ気にあったことをメモ帳へ絵と書き上げその文を見せる。

 

 『Why this?(なぜこれを?)

 

 「ん?ただの気まぐれエリ、その”弾”が”たまたま”あんたに渡っただけエリよ」

 

 最近暑くなってきたからか、意識してないのか分からないが小さいギャグを言い放ち武器商人は去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先台を一度引き、散弾のショットシェルを一度筒状弾倉へと押し込む。

 

 その間に来ていたメトロゴブリンが腕を大きく振り開け体を回転させる。全体重を乗せた一撃を決める気だ。

 

 だがそんな巨体ゆえ大振りな攻撃に当たることなく後方へと下がり、地面に大きな亀裂が走った。

 

 大振りな攻撃をし、体制が崩れたメトロゴブリンが立て直そうと持ち上げるも、視界が急激に上に上がったことにメトロゴブリンは困惑する。

 

 

  1発の銃声

 

 

 コアを直接撃たれたのだ。攻撃されたと認識したメトロゴブリンは激しく吠えるもその口に帰ってきたのは12ゲージの鉛弾だった。

 

 会話のキャッチボールを銃弾で行いながらもネームドは蹴りでメトロゴブリンを転ばそうと試みる。

 

 体格の差は明らかであり、メトロゴブリンの方が大きい。だというのに関係ないと前蹴りでそれを転ばしたネームドにビリーとアンビー、そしてイアス(アキラ)は目を点にする。

 

 起きあがろうと上体を起こすもそれに手ではなく”足”と貸すネームド。

 

 また地面にコアをつけられたメトロゴブリンに数発の散弾が浴びせられようやくそれは沈黙した。

 

 

 

──彼には好戦的な一面がある。

 

 

 

 これまで、というか数回だけの彼の戦闘の様を見てきたイアスアキラがそう評価する。グットかバッドで言えばグットだ。

 

 

 戦闘音を聞きつけた他のエーテリアスたちが後方50m先まで迫っている。橋の道を遮っていた脱線車輌を飛び越え、ネームドのバックパックに掴まっていたイアス(アキラ)二名が先へと駆け出す、

 

 追いついたエーテリアスたちは咆哮をあげ、ビリーが二丁のリボルバーを発砲する。八発発射された弾丸がエーテリアス共を退けるもその攻撃に耐えた個体がビリーへと飛び下かる。

 

 二連撃を避けたビリーが空中へと跳び体を回転させながら四発を発射し再装填した。その隙をつくエーテリアス(サテュロス)がどこからか引き抜いた線路標識を振り上げビリーへと跳びかかった。

 

 その攻撃も回避し、線路標識を引き抜かれまいと足で押さえながら再装填されたリボルバーをスピンし、相手のコアへと零距離命中させる。

 

 コアが欠け、後ずさるエーテリアスサテュロスをどかし、もう一体のティルヴィンクが腕剣を振り下ろした。二丁を交差させ受け止めた。脚部パーツが悲鳴をあげ、耐えているビリーの横に三発の弾丸が通った。

 

 先を走っていたはずのネームドがティルヴィングのコアを撃ち抜いたのだ。

 

 ビリーがセンサーで距離を測定すればその距離約75m。

 

 役75m離れた先でネームドは小銃の光学機器(スコープ)を覗きながらエーテリアスが死んだを見れば頭上で手をぐるぐると回し、集合のサインを出す。

 

「すげぇなお前!あんがとよぉ!!」

 

 集まった先にいたネームドの肩を両手で掴みブンブンと激しく前後に揺らしたビリー、この間銃を向けていたとは思えないほどの距離感だ。

 

 そんな状況を微笑ましく見ているも脳内に響きわたる警告音により表情が険しくなる。

 

「エーテル活性上昇中、急いで移動しよう。」

 

 そうして移動し、イアス(アキラ)が突如止まればそこで旧なことを言い出いた。

 

「このまま直進だ!」

 

「了解!このまま、、、このまま!?」

 

 ビリーが驚くのも無理はない、というかネームドも疑いの目もした。なにせ目の前は行き止まりの細道だった。ろくに動くことができず、敵が来てしまえばそのままスライスされてしまう。

 

 だが何度も言うが、ここはホロウだ。常識は通用しない。

 

 心配しないでともう一人のパエトーン、リンが回線へとログインし兄の言葉に間違いはないと保証した。

 

「知っての通り、ホロウの中は秩序のない混沌、つまり──

 

「──生への道が死に見えたり、死への道地獄につながっていたりする。」

 

 腕を組み顎に手を当て、ホロウ内の貴重な常識を提供するアンビー。

 

 素直に喜べないビリーとなるほど、と理解してなくとも理解したネームドをを連れ3人とも裂け目へと入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「戻ってくるのが速すぎないか?」

 

 法定速度を常に飛び越えた速度で戻ってきた車から降りたニコにまた信号を無視したのかと尋ねるアキラ、ニコは説明する。

 

 「そんなわけないじゃない、普通の青信号とR値255の青を通過しただけだから!あと、来ると途中で確認したけど尾行はされてなかったわよ。」

 

 何色だ、とネームドが首を傾げ、ビリーが何色だとアンビーに尋ねた。

 

 「あなたのジャケットと同じ色」

 

 つまりは赤である。正確な色を聞きネームドは治安官とカーチェイスする羽目になるんじゃないか何度も考えたことを思い出しため息を出した。

 

 「ニコ、従業員たちを助けたんだからさっさとツケを払ってもらえる?」

 

 「待って!まだ終わってないでしょ?」

 

 

────まだ終わっていない

 

 

 眉間に皺を寄せ、どういうことだと一歩ニコに近づくネームドにもニコは説明する。

 

「あたしの依頼は【人と”モノ”、どっちもホロウから出すこと】。ほら、半分しか終わってないじゃん!あんたも聞いてたでしょ?」

 

 

────あぁ、、、

 

 

 あの時ホロウに向かう前、ニコの説明はアキラ、リンが聞いていたもののネームドは装備を着ておりよく聞いていなかった。たしかそんなこともいってたっけかとネームドは納得し皺を寄せるのをやめた。

 

 「撤退前に目撃した状況だと。対象の金庫は危険度の高いエーテリアスの活動範囲内にある。ホワイトスター学会のエーテリアス図鑑での登録名は【デュラハン】、上級エーテリアスよ。」

 

 上級、その言葉を聞いたネームドは心が躍っているような笑みを浮かべ、体の内の血が沸る。その感覚を感じ取りつつネームドはソイツを討伐すべくホロウで使用したコンバットナイフと斧のメンテナンスを始めた。

 

 「そうそれだ!赤牙組の親玉が強烈なエーテル物質に侵食されて高危険度のエーテリアスになっちまったんだ。俺とアンビーで金庫を奪おうとしたんだけどあいつ尋常じゃないくらい強くて撤退すんのがやっとで回収すんのに手が回らなかったんだよ。」

 

 うん、と頷くアンビー。電撃ナタを何度も最大出力でチャージしデュラハンへと攻撃したがほとんど効かず、左腕の盾のようなエーテル岩石で突き返されたのを思い出す。あの時ばかりは双剣(・・)が欲しくなった。

 

 何があったかの状況を聞き、尋常じゃないくらい強いとの言葉でネームドはさらにメンテナンスの手を強める。その様子に気づかず、ビリーは疑問に思っていたことをニコに質問した。

 

 「てかさ親分、あの中には一体何が入ってんだ?ここまで体張る必要あんのかよ?」

 

 報酬が良くなかったら割に合わねーぜと苦言を呈すビリーにニコは待ってましたといわんばかりに懐からなにやら動物の牙のようなものを取り出した。

 

 「これは、、、一見ただの精巧なペンダントだけど、実際はメモリディスクだね。」

 

 「えぇ、これは小型のメモリディスク、シルバーヘッドの所有物よ。十四分街から抜け出す前に、あたしがビルの中で拾ったの。事前に調査したところによるとあのクソオヤジ、これを肌身離さず持ってたらしいわ。きっと重要な何かが隠されてるはずよ!金庫の暗証番号とか中身と関係があるに違いないわ!」

 

 そう高らかに宣言し見せたメモリディスク。だがそれには少し焦げ跡があり破損していた。

 

 「ねねパエトーン、なんか方法ないの?あんたたちの店にあるあの複雑なコンピューター使えない?」

 

 「H.D.Dのスペックはほぼホロウデータの処理に割いてるんだよね。けど内部のデータを取り外すだけなら、、、お兄ちゃん!私インターノットの演算パワーを拝借して復元してみるね。」

 

 頼んだ、とグットマークをアキラが出しリンはメモリディスクを持ち解析へとスタッフルームに戻った。

 

 

 

 先ほどの演算パワーを借りるという発言。インターノットは違法掲示板でありながらも妙に・・セキュリュティーが高く、データ量が莫大だ。その理由を探すべくインターノット最新部へと迫ろうとしたハッカーは少なくないが、それと同時にアカウントが無事だったものもいない。

 それどころか使用した機器がすべて焼き切れるということが起きていたのだ。

 インターノット暗黙のルールという一覧にハッキングしないという掲示板が立つほど有名な話でもある。

 

 

 

「よし、じゃあ約束ね!こっちは何んとかしてホロウにある金庫の位置を確認するから、手掛かりがあったらまた連絡するわ。」

 

「あたしから金庫の回収作業の連絡がくるまで他の仕事しててもいいわよ。あ、メモリディスクからデータを抽出するのも忘れずにね!」

 

 

────何?今日じゃないのか

 

 

 メンテナンスの手を止め、一瞬で意気消沈したネームドをよそに邪兎屋の面々が別の話をし始める。聞いてみればインターノットでサブアカを作ってほしいとのことだ。

 

 パエトーンでの相場を崩しちゃ悪いとかなんだいってるが要するに金がないから割引してくれと言っている。

 

 しょうがないと言うアキラを大丈夫なのかと思いながらもネームドはスタッフルームへと戻った。

 

 

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 スタッフルームに戻り、ネームドはバックアップを床に下ろしボディアーマーを脱ぐ。

 

 大口径回転式拳銃の迅速装填具や自動拳銃の弾倉、ダンプポーチのついたコブラベルトを外し楽になったネームドに猫たちが駆け寄った。数日前、腹が減っていたところをネームドが猫缶を与え懐かれた際に飼い始めたのだ。

 

 「あぁ〜私が撫でてたのに〜、、、」

 

 悪いな、とリンに対し片眉を上げ作業台に乗った猫たちを軽く撫でる。そして今回使用した銃火器のメンテナンスを開始した。

 

 クリーニングロッドにウェスををつけねじ回しながらバレル内の火薬カスを拭きとり軽くオイルを差す。今回は数発しか撃ってないからこれだけで十分だろう。

 

 次に中断した近接武器のメンテナンスを開始、斧とコンバットナイフの刃を砥石で研ぎ鋭く仕上げる。

 

 そうこうしてるうちにアキラがスタッフルームへと戻ってきて、猫たちもおかえりといわんばかりに駆け寄る。

 

 やぁ、と猫たちに微笑み抱き上げるアキラに対しリンは頬を膨らませ不服申し立てを行った。

 

 「なんでお兄ちゃんにはそんなに懐いてるの!?ネームドはともかく、まだ数日しか経ってないのに、、、」

 

 「リンが構いすぎるからじゃないか?猫たちもうんざりしてると思うよ」

 

 嫉妬かい?と煽るような笑みをリンへと向け、そんなとがっくしするリンをよそにアキラはなにやら丸いおもちゃのようなものをネームドへと手渡す。おもちゃのように見えながらもそれなりに質量のあるソレ。よく見てみれば小さい文字でW-Engineという文字が刻まれている。

 

 『 What's this?(これは?)

 

 「【音動機】といってね、わかりやすく言えばエーテルの侵食を遅くしたり、装備者の身体能力をあげたりするものさ。」

 

 そんな都合のいいものが?と受け取って見てみてばスイッチのようなものがある。それを押すと音動機の各種パーツが飛び出した。作動音が聞こえると同時にキーンと耳鳴りのようなものが聞こえネームドは不快に思いながらもメモ帳に否定の文を書く。

 

 『This's Noisy、the enemy going to notice us(これはうるさい、敵に気付かれてしまう)

 

 「、、、うるさい?何も聞こえないけど。」

 

 ほら、と音動機をアキラの耳へと宛てるも不快になる様子はない。

 

 「やっぱり何も聞こえないな、、、もしかしてこれの発する超音波でも聞こえてるのか?」

 

 は?と思うネームド、そしてその事実に驚くアキラ。

 

 とりあえず使ってみればいいと言われるがままネームドはバックパックのサイドにあったカラビナへとそれをつけた。走るたびに揺れそうであり壊れなどしなければいいのだが。

 

 「それから、依頼を二件取ってきたからネームド、悪いけどまたホロウに行ってもらうよ。」

 

 了解、とグッドマークを出し依頼内容を聞いた。

 

 

 

 

 一つ目は滝湯谷・錦鯉の食材を運んでいた配達員がホロウを突っ切り結局遭難してしまったとのこと。二つ目はホビーショップの社長が独自でしている音動機ビジネスの密輸作業がめっきり連絡が取れなくなったから密輸ルートのホロウを調べてくれとのことだった。

 

 今の説明のなかでサラッと滝湯谷・錦鯉の店主がアキラのことをプロキシだと知っていたことにネームドは目を見開き驚いた。初見時のメインストーリー動画を見ながらこの小説書いてる著者も驚いた。

 

 

 閑話休題(それはともかく)

 

 

 あそこのラーメンがうまいことはネームドは知っている。ネームドはよく筋トレ後にラーメンを食べに行っていた。食べられなくなるのは困る。

 

 またボディアーマーとコブラベルトを装着しバックパックを背負う、銃火器を持ちネームドはまたホロウへと出向いた。

 

 面倒だとは一切思っていない、それよりも期待をする。

 

 

 戦場に向かう。それがネームドの楽しみでもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 クリティホロウ内部にて

 

 

 まずは一つ目の依頼、滝湯谷・錦鯉の配送トラブルを解決するべくクリティホロウへと入った。

 

 今回の目標は配達員の救出と物資の運搬だ。そのためネームドは使えそうだと思い六分街にいた自走カーゴを何体か連れて来ていた。ちなみに公的機関の所有物であるため犯罪行為である。

 

 ホロウへと入り裂け目を抜けた先には早速エーテリアス共がいた。

 

 

 『ン”ン“ン”、、、、

 喉を低く唸り、ナイフを抜いて構える。

 

 

 

 飛びかかったエーテリアス一体の攻撃よりも先にコアをぶち抜きキル。

 

 一体、また一体と次々命知らずエーテリアスが襲いかかるもネームドの先制攻撃でどれも傷一つつけることなく撃退される。

 

 

 

────Adove()

 

 

 後方へと下がった瞬間上からデカブツ(ファールバウティ)が降って来た。

 

 

 「危険個体、ファールバウティを確認、腕部で高下を防御します。」

 

 

 H.D.Dシステムのアシスタント音声がヘッドセットから聞こえた。これまでのエーテリアスとは違く、全身が深青色に染まっており内部には神経のようなものが透き通って見える。それは電離体と呼ばれるものだった。作業台にあるタブレットに保存されていたエーテリアスデータをよく見ていたネームドは覚えている。

 

 ゴリラのような身体をしているそれはゴブリンエーテリアスにも似たボクシンググローブを彷彿とさせるにはあまりにもでかいエーテル岩石を両手に纏っており、その先は棘が生えている。

 

 完全に殺すための武器を持っていたソレが両手を地面に叩きつけたと思えば何度も片方ずつ手を地面に叩きつけながらこちらへと迫っていた。

 

 後方へと下がりながらネームドは小銃で見え見えなコアへと射撃する。

 

 喰らってはいるが、喰らっていないようにファールバウティは猛進をやめない。

 

 ならばと次は散弾銃を取り出しコアへ射撃すれば今度は動きと止めコアを抑えた。

 

 効いたらしい、今のうちにと近づくネームドにファールバウティは急に邪魔なものをどかすように腕を振る。

 

 即座に反応に飛ぶと腕が対象に当たることなくスカっと空中を切った。

 

 その腕に乗るネームドがフォアエンドを引き排莢して次弾を装填すればコアへの連続射撃を開始する。

 

 至近距離から何度も12ゲージの散弾を浴びせられ雄叫びをあげればファールバウティが消滅した。

 

 撃退を確認したネームドはエーテリアスが銃声を聞きつけ集まるのを前にさっさと回収地点へと移動するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「本人情報の登録、補給消費の登録、関係者登ろうわぁあッッ、、、、!!??

 

 

 目標と思われるトラックが視認でき、その場にいた調査協会の調査員へと聞き取りを開始したが叫ぼうとしていたため胴体を足で押さえ小銃を頭に突きつけた。

 

 グリっと痕ができるまで強く押し、ハンドガードを握っていた手でシィーッと静かにするよう促す。

 

 「君に聞きたいことがある、このトラックにいた配達員はどこだ?」

 

 アキラが少し声を低くし聞き取り尋問を開始した。声で身元がバレないようにする為だろうか。

 

 「避難の第一陣でぇ、、もうホロウから脱しゅっ────

 

 十分な情報を引き出し首を締め付ければ意識を落とした。トラックの荷物を確認すればまだ食材があるにはあるも荷台の半分ほどしかない。

 

 後方支援の調査隊がこいつと食材を回収するだろうとアキラがいい調査員をトラックの荷台に運んだら二名がホロウから撤退した。

 

 

 「、、、少しやりすぎだったんじゃないか?」

 

 

 その問いにネームドは何も答えない、そのまま前進し外へと繋がっている裂け目へと入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「コホン、、、諸君、こちらにある新エリー都の地図を見てくれたたまえ。」

 

 翌日、映画のセリフだろうか。指揮官のような口調でアンビーは手に持っていた地図を展開した。

 

 ネームドがブリトーを食いながら見ればその地図にはヤヌス区やルミナスクエア、H.A.N.D本部、郊外、そして七個のホロウが記載されていた。

 

 特に目を惹かれるのこの【零号ホロウ】というもの、他のに比べ圧倒的にデカい。

 

 零号ホロウという単語を見るや頭痛がし、眉間に皺を寄せてしまった。

 

 「我々の行動計画のはクリティホロウに入り、上級エーテリアス「デュラハン」を倒して金庫を手に入れることである。」

 

 

 

 ・ ・ ・

 

 

 

 「それで、、、続きは?」

 

 説明が途切れてしまい忘れてしまったのかとアキラ、リン、ネームドの視線がアンビーへと向けられる。たが忘れたのではない、本当にこれで全てなのだ。

 

 「以上よ。」

 

「「、、、え?」」

 

 驚きの表情をするアキラとリン、表情がさほど変わっておらずとも目を大きく開き驚きを見せるネームド。

 

 もっとこう、金庫の位置は?敵の配置はと聞きたかったがネームドは喋れない。

 

 「じゃあ、わざわざ新エリー都の地図を用意した意味は?」

 

 「ニコは協力者にナメられないようプロらしく振るまえと言ってた、さもないとねぎりがめnんむむむむ、、、、

 

「また余計なこと言って!ビリー、なんでちゃんと見張ってないのよ?」

 

 「俺のせいじゃねぇって!アンビーが用意したプロ・・のミーティングがこんなんだとは思わなかったんだよ、、、あぁ!だからこっち来る前探偵映画のミーティングシーン見てたのか!」

 

 ようは計画がなく、準備完了を伝えに来た邪兎屋にため息を出しながらももう一つのブリトーを口に放り込む。

 

 「コホン!と、とにかく、アンビーが説明したように計画は至ってシンプルよ、金庫を探して取り戻す。外からじゃホロウ内の情報をリアルタイムで確認することはできないから中での戦闘支援とガイドは任せたわ!」

 

 ただのしらみつぶしではないかと思うネームド、了解の意味を示すグットマークを出しイアスを持てばネームドは車へと乗り込んだ。

 

 アキラもスタッフルームへと戻り、ホロウ突入の準備をする。

 

 

────────────

 

 

 

 

 裂け目からネームドを先頭にアンビー、ニコ、ビリーの四名がホロウへと入った。

 

 周囲を見回し安全確認クリアリングを済ませ問題ないと合図するとビリーはニコへ質問を始めた。

 

 「そういやニコの親分。一体どっから金庫の位置情報を入手したんだ?」

 

 「ふふん、それは企業秘密よ、そう簡単に教えるわけにはいかいないわ?でもまぁ?ここには部外者はいるにはいるけど、小さい声でならちょ〜っとだけ、教えてあげてもいいわよ?」

 

 

───俺のことだろうか

 

 

 振り向きはせずそう思うネームドの後ろにいたイアスアキラがニコに調子ずきながらもニコへと分かりきったことを聞いた。

 

「それは、是非とも聞かせてほしいな?」

 

「わぁ、お兄ちゃんが乗って・・・あげてる。こういう時のニコって意外と繊細だもんね。」

 

「な、何言ってんのよ!!」

 

 バレてしまいそうな企業秘密とやらに一度乱した呼吸を整え、得意げにニコはツラツラと訂正し始めた。

 

 「コホン、言ってしまえば単純よ、調査協会にツテがあるの。実は彼ら、ここ最近のホロウ定期観測任務とエーテル資源採掘任務の記録係を任されていたのよね。そこであたしは、奴らに決して断れない申し出脅しをして、ホロウ内で起こった直近2回の異変いついてデータを照合してもらったの、相違のあるポイントを羅列すればおおよその位置はよく定できるでしょ?」

 

 「さっっすがニコの親分!!」

 

 なるほど、意外に頭はいいのかとニコに対しの評価を改めた。

 

 親分天才と崇めるビリーとアンビー、そして”妙に”かしこまった直立をしているイアスをまとめるべくネームドは指を鳴らす。

 

 パチン、と乾いた音が空中に響き全員の視線を一つに収束すればネームドは人差し指と中指をたて前へと2回倒す。前進を合図をだし金庫の回収地点へと向かう、がイアスが動かない、それになぜか固まっている。

 

 

 近づけば急に動きだし列の先頭を走り出した。

 

 

───様子がおかしい

 

 

 タイムラグだろうか、と思いつつ一団は目的地へと前進する。

 

 

 

H.D.Dシステムがハッキングを受けているとはつゆ知らず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 道中の進行ルートにいるエーテリアスを撃退しながら進んでいた。

 

 ネームドとアンビーがほとんどのエーテリアスに猛威を振るって殺し回っており弾代が節約できるわと笑みを浮かべ遠くで見守る二コとビリー。

 

 ネームドとアンビーは背中を預け合い雑魚のエーテリアス共を迎撃している。

 

 ネームドは斧とコンバットナイフを、アンビーがエーテル燃料による電気をナタへ纏わせ蹂躙していた。

 

 エーテリアスの一閃攻撃を避け、腕剣を斧で叩き切りコアへ何度もナイフを刺す。その後ろにいるエーテリアスが腕剣を上げ攻撃しようとするも座った状態からネームドは後ろ回し蹴りをやってみせた。

 

 

 

 

 

 その時だった。ボンプサイズの小型エーテル爆弾を投げつけ支援していたイアスが急にエーテリアスが複数いるど真ん中へと飛び込んだのだ。

 

 目を見開き、ネームドが急いで走った。

 ボンプを破壊しようと腕剣を高く上に上げるエーテリアスの腹に全体重が乗った前蹴りを喰らわせ吹き飛ばす。何かが折れるような、壊れるような音が聞こえたがそんなことに気にしてる様子はない。残りのエーテリアスがその隙を狙うも遠くで見ていたニコとビリーがエーテル弾を撃ち、炸薬弾を撃ち込む。

 

 怯み収束したエーテリアス共をアンビーが胴体を一切りし殺す。そしてこれまでとは違う個体のエーテリアスホプリタイが現れた。

 

 全身武装化のようなエーテル岩石を纏わせたそれは威圧を放っている。

 

 イアスを遠くのニコへと投げ込み戦線離脱させる。その距離47m。

 

 ナイスキャッチとイアスを掴んだニコ、ぎゅむっと胸へ抱き寄せるも様子がおかしい。

 

 通常緑である丸い目が赤くなっていた。

 

 

 

 ネームドは武器を納め、ファイティングポーズを取る。

 

 アンビーは変わらず電撃ナタを構えたまま両者がエーテリアスエーテリアスをジリジリと挟みうちの隊列ができた。

 

 真ん中のエーテリアスが武器を何も持っていないネームドに斬りかかろうと三枚下ろしにしようとを飛び込む。

 

 だがネームドが一度のステップでそれを避け振り下ろされた腕剣を掴み、折った。

 

 刃先を根本側を掴み真ん中を足で突き折ったのだ。

 

 武装解除させられたエーテリアスの背中に斬られた感触が走る。

 

 アンビーが背中を斬り刻み、ネームドがハードナックルグローブを着た拳で胴体を殴る。

 

 ありとあらゆる場所が斬られ、殴られる。サンドイッチでもここまではされない攻攻にエーテリアスが悲しみを含んだ雄叫びをあげ、ようやく消滅した。

 

「うわぁ、、、、敵ながらかわいそう、、、」

 

「とんでもねぇな、、、」

 

 遠方でちょうどレタスとハム、チーズを挟んだサンドイッチを食べているニコ、そして引くビリー。

 

 周辺の敵をあらかた掃討したネームドとアンビーが拳を互いに突きグータッチした。

 

「いい戦術。」

 

 

───そっちこそ

 

 

 両指をアンビーへと指し、ネームド&アンビーのチームがエーテリアス掃討完了を遠くで見ていたサボり野郎どもへと合図を出す。

 

「よくやったわアンビーとネームド!そんじゃ金庫取りにいくわよ!!あとパエトーン、ちゃんとして頂戴。インターノットで低評価つけるわよ!」

 

 ネームドの真似事か、指を前に二回前に倒したニコに続き三名がついて来た。

 

 

───イアス(アキラ)はどこだ?

 

 

違和感の正体に気づいたネームドが周囲を見回せば先ほどの場所に体を一定間隔で震わせ倒れているイアスを発見する。

 

 なんだ?と急いで駆け寄り状態を確認すればボンプの目を表す液晶画面にノイズが走っていた。

 

 ERRORの文字が砂嵐に紛れ表示されているボンプを揺らし叩く。

 

「ちょっとどうしたのよ?」

 

 「ニ───さ─きから───のこえ───ぎれに───」

 

「ちょっとパエトーン、パエトーン??」

 

─────何が起きている?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 同時刻、ビデオ屋にて

 

「なんだ、伝説のプロキシと言ってもその程度かパエトーン。」

 

 ──H.D.Dがハッキングされた。

 

 ありえない事態が目の前で起きている。

 

 最新のファイアウォールで構成されているH.D.Dシステムがいとも容易く越えられている。

 

 「ま見ての通り、このシステムはすでに私が掌握した。いいか、よぉく聞け。私の要求は至って簡単、──【金庫の暗証番号】をこっちに寄越すんだ。」

 

(そう易々とH.D.Dを奪われてたまるか、、、!)

 

 ほくそ笑むような声で要求するハッカーをモニター越しに睨みながらキーボードを乱暴に位置直ししコマンドを打ち込むのすぐにシステムから締め出された。

 

おい、こっそりやればバレないとでも思ってたか?悪あがきはよせ。こちらの堪忍袋が切れる前に金庫の暗証番号を渡すんだを渡すんだ。」

 

 ハッキングしているのならすぐに取り出せばいいものを。どうやらH.D.Dシステムのみがハッキングされているらしい。だがそんなピンポイントでハックするものなど新エリー都で誰がいるのか。

 

「そんなこと言われても知らないものは知らないんだってば。」

 

「やれやれ0点の回答だな。往生際が悪いとはこのことだ。ならば事の重大さを再認識させてやろう。」

 

 その瞬間、H.D.Dの画面が勝手に切り替わり、データが保管されている場所へと移動すれば、アキラとリンが何をしようとしてるのか察知し目を見開く。

 

「嘘をついた罰だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【System Notification Formatting the data station】

 

 

 

 

 

 

 

【Format completed】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「そんな!αデータステーションが!!」

 

 「これで分かったか?私がその気になれば貴様らが誇るものなど一瞬にして無意味な1と0に分解される。」

 

 今回処分するのは一部だけにしておこう、と笑われてるような口調で舐められるアキラとリンが悔しさに歯軋りをした。これ以上データが削除されるのはまずい、あれはプロキシとして発足したあの日からのデータが全て詰まっているからだ。

 

 「そういえば、、、先ほどホロウ内部で”いいモノ”が撮れたんだ。パエトーン、転送したぞ。」

 

 「映像の保存と読み取り機能は残してやったぞ他の媒体で再生しろ今すぐにだ!!」

 

 責め立てるような口調で言い、その言葉の後には一気に言い続けたためか息遣いが微妙に聞こえる。どうやら人間らしい。

 

 リンがソファ前にあるテレビでそれを再生すればクリティホロウ内部の様子が映し出される。

 

 ただ歩いているだけかと思えばテレビのスピーカーからは銃声やなにかを斬る戦闘音が聞こえる。

 

 「ちょっとパエトーン!!ホントにこの道で会ってるの?!」

 

 「おかしいぜ親分、、、さっきっから戦闘を回避してる様子ねぇッッうおあっぶねぇ!?」

 

 記録映像内にビリーの姿が映る。エーテリアスの攻撃を回避したのかローリングしながらリボルバーの再装填をしていた。銃を向け撃つかと思えば何故か撃たない、静かになっている思えば戦闘が終了したらしい。

 

 「ねぇ、何かあったの?」

 

 ニコがイアスの前へと立ち、問いかけるも答える様子はない。ニコを見る丸い目が笑ってるようにも見えた。

 

 「あっ、ちょっと!」

 

 足元を通ったかと思えば次に現れたエーテリアスたちへと歩むイアス。それを傷ずけまいと四名がイアスよりも先に行き戦闘を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




マサマサくん、、、
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