「貴方たちは既に包囲されています。無駄な抵抗は辞めて、メルティ王女を解放してください」
弓の勇者は正義は我にありといった目で俺たちに言い放った。
三勇者はみんな武器を持ち俺たちに向けて構えている。
「解放もなにも、別に拘束してないぞ」
「白々しいことを。既に証拠は上がっているんだぜ。お前に正義はない!」
槍の勇者も弓の勇者と同じように正義は我にありって感じだ。
証拠は上がっているといってもその証拠はめっちゃ歪められてるし、その証拠を作ったやつらが犯人っぽいけどな。
犯人と言えば今回の騒動を計画したのは一体誰なのだろうか?候補は、クズ(王)、ビッチ、三勇教会だ。
まずクズ(王)。考えられる動機としては、尚文への嫌がらせ。でも嫌がらせのためだけに実の娘を殺すのか?
それに、メルティは動機はともかく、やり方が強引すぎるから犯人では無さそうと言ってた。でも尚文はクズならやりかねないと思っている。俺はクズ(王)がメルティをどう思っているのか知らないのでなんとも言えない。動機も、この後の犯人候補のたちのことを考えると犯人である根拠は薄い。
次にビッチ。メルティはビッチの可能性があると言ってたので今回の騒動の犯人候補の中ではかなり怪しい。動機もビッチの性格を考えれば予想できる。王位継承権第一位のメルティを殺して、ビッチ自身が王位継承権第一位の座を獲得しようとしているといったところか。
最後に三勇教会。こいつら確実に黒だな。まず、メルティを亡き者にしようとした実行犯が三勇教会の騎士たちなことに加えて、盾は悪と断言しており、映像を捏造し準備していたように俺たちを指名手配した。
三勇教会だけ証拠めっちゃ揃ってるな。
問題はこの三組の内、単独犯なのか、それとも犯人候補たちが共謀しているのかわからないところだ。可能性が高そうなのが、ビッチと三勇教会が共謀しているところか。次にクズとビッチと三勇教会の全員が協力しているとかか。
「剣の勇者様、弓の勇者様、槍の勇者様。盾の勇者様は無実です。むしろ私の命を守ってくれました」
メルティは、王女然とした言葉遣いと態度で三勇者に話す。
すると、三勇者が動揺し始めた。おそらく、聞いてた話と違うのだろう。
実際、剣の勇者が「ちょっと待て、尚文がメルティ王女を誘拐したんじゃないのか?」と言ってる。
「どうか信じてください。此度の騒動には大きな陰謀が隠されています」
「しかし、メルティ王女が尚文に連れ回されているのは事実じゃないか」
「それこそ、私が自ら盾の勇者様に守ってもらうように私から依頼しました」
メルティが槍の勇者に自信を持って言うと、槍の勇者は更に動揺し始めた。
「勇者様方も考えてみてください。盾の勇者様が私を誘拐して何の得があるのですか?」
「確かに…尚文が王女を誘拐してなんのメリットが……」
「母上は仰っていました。今は人と人とが手を取り合い、一致団結して厄災を乗り越えなければなりません。そして、世界の希望である勇者様方には少しでも早く強くなっていただかなければなりません。強くならなければいけない勇者様方をこのような不必要な時間を浪費させている余裕はこの世界にはないのです。どうか、武器を収めてください」
メルティは勇者たちに言い放つと、勇者たちは使命を思い出したようで武器を握るの力を弱めた。
前回の波でグラスに敗北したことを思い出しているんだろうな。
俺たちも、少しでも強くならないとグラスに敗北して尚文が殺される可能性が高い。もうラフタリアとフィーロの資質向上も限界だ。2人が強くならないといけない。
三勇者が武器を握る力を弱めたことを尚文が確認すると三勇者に向けて話始めた。
「第二王女の言う通りこれは陰謀だ。これから俺が知っていることだけを話す。戦うかどうかはそれからでいいだ」
「耳を傾けてはいけません!」
尚文が三勇者に話している途中で、ビッチ槍の勇者の隣に現れて尚文の話をデカい声で遮った。
「勇者様方。今回の事件が明るみになった際に三勇教会が説明していたではないですか!盾の悪魔は洗脳の盾を持っていると!」
何言ってんだあのビッチは?
「あの盾は相手と少し話すだけで洗脳することができるのです!」
「そんな嘘、誰が信じるんですか?」
ラフタリアがビッチに突っ込みを入れるが、ビッチは無視して話を続ける。
「いつごろ覚醒したのかは不明ですが、三勇教会の推測では一月ほど前からだそうです」
その頃は確か行商が軌道に乗り始めて、神鳥の聖人と呼ばれ始めた頃だな。時期は合っているな。色々と三勇教会の都合の良いように歪められているけどな。
「三勇教会によると、盾の悪魔と少し話をするだけで相手を自らの思うように洗脳できると予測されています。つまり、盾の悪魔は神鳥の聖人と名乗り国中の人々を洗脳していたのです!」
「んな力あるかボケ!」
尚文がツッコミを入れるが誰も反応しない。
「マインの言う通りだな。実際、国中の奴等が尚文を庇うように情報を教えてくれなかったからな」
「確かにそうだな。盾の勇者様が誘拐なんてする筈がないと言うし、元気なお婆さんは、尚文のことを崇拝しているかのように絶賛していたからな」
あのやたら強い老婆のことか。剣の勇者の言葉で誰なのかすぐにわかった。
国の人たちは、尚文のことを庇ってくれてたんだな。
あれ?そうなると、なんで俺たちの位置が兵士たちにバレたんだ?
それと、なんとなくだが三勇者側で何があったのか予想ができてきたぞ。
おそらく、三勇者は王か国の依頼で尚文とメルティの情報を探したが、何故か国中の人たちが尚文のことを庇って情報を教えてくれない。こんなにも情報が集まらないのはおかしいと三勇者が思う。
ここで、ビッチか三勇教会が尚文に洗脳されていると三勇者に伝えたってところか。
洗脳の力がいつ頃使われたのかと、三勇者の誰かに聞かれたら、神鳥の聖人と呼ばれ始めた頃だと話したってところか。
すんごい捏造だな。しかも、この捏造を弓の勇者と槍の勇者は信じていると。剣の勇者だけは洗脳の力をそこまで信じてなさそうだな。一応筋は通ってるから納得はしているってところか。
「姉上…」
メルティは、裏切られたような声色で声を出した。
心のどこかではビッチが、今回の騒動が三勇教か王または両方であることを三勇者に説明し、説得してくれるかもと思っていたのだろうか。
「まぁ、メルティ。かわいそうに、既に盾の悪魔に洗脳されているのですね」
ビッチの奴、メルティの表情や声色を聞かずに洗脳されているで片付けやがった。
こいつ本当にクズだな。
「そうか!ラフタリアちゃんもフィーロちゃんもホムラ君も尚文に洗脳されていたんだな!」
槍の勇者のやつビッチと三勇教会の言い分を信じてるようで、俺たちが尚文について行ってることを洗脳されてると言いやがった。
「違います!私たちは洗脳なんかされていません!」
「そうですよ槍の勇者殿。俺たちは自分の意思で尚文に着いていくと決めたんです!」
「フィーロはごしゅじんさまといっしょにいたくているんだもん!」
「大丈夫。俺が必ず君たちを救ってみせる!」
槍の勇者は俺たちが洗脳されていると思い込んでいるようで、俺とラフタリアとフィーロの説得を全く聞かない。
「とにかく俺の話を聞け!場合によっては第二王女をお前たちに渡してもいい」
「え!?」
メルティは信じられないって声を出した。
でも、三勇者に渡した方が良いかもしれない。
いくら守ることに秀でた尚文でも、大人数の敵や勇者クラスの敵がいると、メルティを守り切れるとは限らない。
もし、今三勇者が襲ってきたら俺たちはメルティを守り切る自信はない。
それなら守ることに関しては尚文より劣るかもしれないが勇者が三人もいる剣・弓・槍の勇者たちに預ける方が安全だろうな。
「…話を聞こうか」
剣の勇者は尚文の話を聞くようで、弓と槍の勇者よりも前に出た。
「そもそも洗脳の盾なんてものはない。仮にあったとしたら、俺なら国の兵士や騎士、他にも魔術師を洗脳して既に国取りでもしている。最低でも第二王女を誘拐した段階で国や国の上層部に何かアクションを起こす。つまり、こんな状況になる前に何かしら手を打つ。だが、俺は国の武力方面等には何もしていない。それが証拠だ」
「話はわかった。たが、真偽を確かめる為に時間をくれ。その間お前達を拘束し、同行してもらう。その代わり、メルティ第二王女と尚文と仲間のパーティメンバーには危害を加えないと約束する」
「練!尚文の言う事を信じるのか!?」
槍の勇者が剣の勇者に信じられないって顔をしながら、剣の勇者に近づくが、ビッチが槍の勇者を止めた。
「剣の勇者であるレン様の言う通りですわ。メルティには、盾なんかと共にいるよりも私たちの目の届く場所にいる方が大切ですもの」
ビッチは剣の勇者の肩を触れ、メルティに向けて手を差し出した。
「さあ、メルティ一緒に帰りましょう」
ビッチは慈悲深い様な笑みを浮かべながらメルティを見た。ただ、ビッチの口角が上がっている。あれは、なんか企んでいるな。
俺がメルティを見ると、メルティは尚文のマントを掴んですごくか細い声で「ダメ…たぶん…殺される…助けて」と言い、尚文に助けを求めた。
尚文はメルティの助けを求める声を聞きため息をした後、覚悟を決めた目になった。
「練!申し出はありがたいが、お前達の中に第一王女がいる限り第二王女を引き渡すことはできない!」
「どう言うことだ!?」
「そこの第一王女は王位継承権が2位なんだ。ここで王位継承1位の第二王女を預けたら洗脳を解除するとか言って第二王女を連れ出し、隙を見て殺すつもりだ」
「な、何を言うのよ!メルティは私の大切な妹なのよ!」
「何が大切な妹だ!お前の中でメルティは自分よりも王継承権が上の邪魔な存在なんだろ!」
ビッチはメルティを亡き者にしようと考えていたのを見破られたようで、何も言わない。
その沈黙は肯定のようなものだぞ。
「守るって言ったからな」
尚文はビッチを睨みながら呟いた。
その台詞、メルティに向かって言ったな。
メルティもわかったようで安心した様な顔になった。
「フィーロ!」
「はーい」
尚文がフィーロを呼ぶと、フィーロはフィロリアル・クイーンの姿になった。
「乗れ!」
尚文が俺たちに言うと、俺たちはフィーロの背に乗った。
フィーロは岩場に向けて走り出した。
「エアストシールド」
尚文が岩場に向かう途中で空中にエアストシールドを出した。
フィーロは出現したエアストシールドを踏み、跳躍した。
そのまま、脚を岩の出っ張りを掴み方向を変えて飛んだ。
見ると、下には道があった。
この道を進んで逃げるのか!
そう思ったのとほぼ同時に槍の勇者が動いた。
「させるか!」
槍の勇者はフィーロの脚に何か輪っかのような物を引っ掛けた。
その瞬間フィーロの姿がフィロリアル・クイーンから人型に変化した。
俺たちはフィーロの姿が変わった所為で、地面に向かって落ちる。
尚文は盾をロープシールドに変更して、ロープを崖の出っ張りに引っ掛けて、メルティを掴んだ。
俺とラフタリアはなんとか着地した。
危なかった。レベルアップの影響で身体能力と動体視力が上がっていたおかげで着地できた。
俺たちが着地したのとほぼ同時に、上空で紫色の強い光が辺りを照らした。
光は数秒で消えた。
照明弾か?
「増援を呼びましたわ」
ビッチの奴が三勇者と俺たちに伝える為自信満々に言い放った。
増援を呼んだから諦めろってか?
絶対に嫌だね!
「くぬ……この…と、とれない」
フィーロは脚に引っ掛かっている輪っかを取り外そうと必死にもがくが、全く取れない。
輪っかは、色から判断すると金属製か?
「フィーロちゃーん♡」
槍の勇者はもがいているフィーロに抱きついた。
「フィーロちゃんがずっと天使の姿でいられるアイテムを国の錬金術師に頼んで作ってもらったんだ」
「放せー!」
フィーロは、槍の勇者から離れる為に暴れるが全く離れなれない。
「しかも、フィーロちゃんが暴れないようにパワーを抑える効果も付与されてるんだ」
フィーロが槍の勇者から離れられないのはそれが理由か。
というか、変身した姿で固定させると同時にパワーもとい物理攻撃力まで弱体化できるってどんなピンポイントなアイテムなわけ?
槍の勇者は、俺たちに見せつけるように、フィーロも俺たちに向けて持ち上げる。
「さあ、メルティちゃんもこっちにおいで。こっちに来ればフィーロちゃんと一緒だよ」
「やー!メルちゃん!ごしゅじんさまー!」
フィーロはかなり嫌がっており、メルティと尚文の名前を叫んでる。
「なあ、樹…これは…」
「ええ。わかりますよ。練さん」
剣の勇者と弓の勇者は、フィーロを人質にしている状況を見て固まっている。
この状況で、槍の勇者に手を貸すのは勇者としてはどうなのだろうと考えているのだろうな。
ビッチが剣と弓の勇者に尚文を捕まえようと頼んでいるが、2人は言葉を濁している。
「槍の勇者様!フィーロちゃんを解放して!」
「ダメだ!フィーロちゃんを解放したら君は尚文に連れ去られてしまう」
槍の勇者はメルティの願いを否定した。
でも、槍の勇者の言うことも尤もだ。
三勇者の目的はメルティを取り戻すことだ。ここで、フィーロを解放すれば俺たちの機動力がフィーロによって大幅に上がり、メルティの発見と確保が難しくなる。
「解放しないって言うのなら解放させるまでです!」
「力の根源たる我が命ずる。真理を今一度読み解き、彼の者を水の刃の如き一撃で切断せよ!」
「ツヴァイト・アクアスラッシュ!」
メルティが魔法を発動させると、水の刃が槍の勇者のすぐ横の木に命中した。
槍の勇者は攻撃されたのが、ショックなのか固まっている。
「槍の勇者様!フィーロちゃんを解放しないと次は当てま」
「ツヴァイト・ヘルファイア!!」
「危ない!」
メルティが魔法を放った直後、ビッチの奴がデカイ火球を放ってきやがった。
尚文が咄嗟に前に出てメルティを守ったからメルティは無傷だけど、あんな攻撃をメルティが受けたら大ダメージだぞ!
ビッチの奴、尚文がメルティを守ったのを見て舌打ちしやがった。
やっぱり、メルティには死んで欲しいんだな。
しかも、尚文がメルティの前に出るとさっきよりも威力の高い魔法を発動しやがった。
資質向上と盾の勇者故の防御力がある尚文はノーダメージで、守られているメルティもノーダメージだけど、尚文が守らないとメルティが死ぬほどの威力だぞ!
「おい!幾らなんでもやりすぎだ!やめろ!」
「そうですよマインさん!メルティ王女を殺す気ですか!?」
剣の勇者と弓の勇者がやりすぎだと、ビッチを注意するが、ビッチの奴「先に攻撃してきたのはあっちです。それにメルティがモトヤス様を攻撃したのは盾の悪魔に洗脳されている証拠です」と言い放ち、メルティと尚文目掛けて魔法を連発してきた。
メルティが槍の勇者を攻撃した理由なんて、フィーロを助けようとしたからに決まってるだろ。
てか今の状況って、ビッチは尚文とメルティを攻撃中で、槍の勇者はフィーロに夢中。剣と弓の勇者と兵士たちは動いていない。
これ、俺とラフタリアが完全にフリーだな。
俺はラフタリアに話しかけた。
「ラフタリア。今俺とラフタリアは完全にフリーだ。勇者達が動いていない今のうちに槍の勇者と外道(ビッチ)をどうにかしよう」
「確かにそうですね。ですが、どう動きますか?」
「俺はマスターから馬車を引くことができるグローブをフィーロに渡してくる。輪っかの効果でパワーが弱体化していてもフィーロのステータスはかなり高いからグローブを渡せばどうにかできる。ラフタリアは外道(ビッチ)の方を頼む」
「わかりました」
ラフタリアは幻影の魔法を使用して、姿を隠して移動して行った。
俺は尚文に近づく。
「マスター。フィーロを助けに行くから親父からの餞別のグローブを貸して。あれをフィーロに渡せればフィーロは槍の勇者から逃げ切れるぐらいの力を取り戻すはずだから」
「わかった。頼んだぞ」
俺は尚文からグローブを受け取る。
「俺が奴らの注意を引く。その間にフィーロの元まで行け」
「わかった」
俺が返事をすると、尚文は盾を憤怒の盾に変えた。
憤怒の盾に変えたことで辺りに赤い閃光が駆け抜けた。
憤怒の盾を使用すると、フィーロが暴走するんじゃないかと思いフィーロの方を見るとフィーロは暴走していなかった。
なんで暴走していないんだ?
俺はステータス魔法を見ると、尚文の盾のアイコンが赤く光っており、赤い光はフィーロに向けて伸びているが、何故か弾かれている。
もしかして、フィーロにつけられた輪っかには憤怒の盾の暴走を受け付けなくさせる効果があるのか?
「ッ!」
敵は尚文の盾が禍々しくなったことに驚き、警戒している。
「なんだ?俺が怖いのか?この腰抜けども!」
「なに!」
「我々が腰抜けだと!」
「ふざけるな!」
「殺してやるわ!盾の悪魔!」
「許さんぞ!犯罪者め!」
尚文が挑発すると、弓の勇者の仲間全員と槍の勇者の仲間の1人と多くの兵士が尚文に武器を構えながら走ってきた。
剣の勇者の仲間は4人中、3人が警戒して様子見、1人が尚文の挑発に乗り走り出したが、剣の勇者が止めた。
「みなさん戻ってください!」
弓の勇者は尚文の盾を警戒して仲間たちに戻るように指示を出したが、誰も弓の勇者の指示を聞かずに尚文に接近する。
「死ね!盾の悪魔!」
弓の勇者の仲間の派手な鎧を着た奴が尚文に向けて武器を振り下ろした。
攻撃が尚文の盾に命中し、反撃の炎が尚文に近づいてきた敵全員を包み込み吹き飛ばした。
「「「ぐわああああ!」」」
「「「ぎゃああああ!」」」
「「「うわああああ!」」」
俺は敵がまとめて吹き飛ばされた瞬間に、炎と同じ色のホムラ形態に変身し、駆け出した。
敵を見ると、敵は尚文に釘付けになっている。
俺が変身して駆け出したことは誰も気づいて無さそうだな。
「おのれ!よくも勇者様の仲間たちを!」
「許さんぞ!盾の悪魔!」
「怯むな!三勇教の誇り高き兵士たちよ!」
「進めー!」
尚文の憤怒の盾の範囲外にいた兵士たちがそう言いながら尚文に突っ込んで行った。
たった今の光景を見てなかったのか?
剣の勇者と弓の勇者も「馬鹿!やめろ!」「そうですよ!今の光景を見てなかったのですか!?」と言いながら兵士を止めようと尚文の元に向かった。
槍の勇者の元に着くと、槍の勇者は尚文の憤怒の盾を凝視している。
そういえば、尚文が憤怒の盾を使ったのは三勇者が気を失った後だったな。
兎に角、今なら奇襲できる!
「てやぁ!」
「うぐっ!」
俺は全力で槍の勇者を攻撃した。
どうせ、レベル差で負けてるんだ。死なないだろうさ。
槍の勇者は俺の奇襲を受けて、フィーロを手放した。
「フィーロ。これを使って」
俺はフィーロに親父からの餞別のグローブを渡した。
「ありがとうホムちゃん!」
フィーロがグローブを装着したのとほぼ同時に槍の勇者が立ち上がった。
「いてて、一体何が…」
もう立ち上がるのか、国の兵士ならしばらく気を失う程度の攻撃なんだけどな。
「えっ、かわいい」
槍の勇者は視界に入れた俺(ホムラ)の姿を見て呟いた。
確かにホムラはメインヒロインを張れる程ビジュアルがいいからな。
てか、槍の勇者の奴、俺(ホムラ)を見て止まってる。
「今度はフィーロの番!」
フィーロは人型で、槍の勇者を全力でぶん殴った。
「ぐわぁぁああああ!」
槍の勇者はフィーロの攻撃で岩盤に叩きつけられた。
「「モトヤス様!」」
「槍の勇者様!」
槍の勇者が岩盤に叩きつけられたのと同時に、槍の勇者の仲間らしき3人の女性がやってきた。
2名が高級な装備に身を包んでおり、1人はそこまで高級そうな装備をしていない。おそらく、自前の装備だろう。
槍の勇者仲間の1人が仲間と槍の勇者に防御力上昇の支援魔法を発動し、1人が槍の勇者に回復魔法を使い、1人が俺とフィーロに武器を向けている。
「ありがとう。みんな」
槍の勇者は助けにきてくれたパーティメンバーに礼を言いながら立ち上がった。
「ねぇ、赤い髪のかわいい子。君」
「ぎゃあああああああああああああああ!!!」
槍の勇者が俺に何かを聞こうとしていると、どこからか誰かのデカイ絶叫が聞こえた。
俺もフィーロも槍の勇者も槍の勇者の仲間たちも絶叫が聞こえた方向を見た。
俺たちが目を向けた先では、ラフタリアが魔力剣でビッチを貫いていた。
魔法に関するオリジナル設定
ファスト、ツヴァイト、ドライファの詠唱文を固定します。
ランクに応じて変わるものかと思っていたけど、ドライファでも理を読み解きだから訳がわからないよ。
ファスト…力の根源たる我が命ずる。理を今一度読み解き
ツヴァイト…力の根源たる我が命ずる。真理を今一度読み解き
ドライファ…力の根源たる我が命ずる。森羅万象を今一度読み解き
槍の勇者のパーティメンバーについて
槍の勇者の現段階の仲間は、ビッチ、ビッチの悪友(魔法剣士で魔法の方が得意)、エレナ(アニメでは剣を使っていたので魔法剣士)、新入りの子((魔法使い)教皇戦の前にはビッチによって消される)