怖い夢を見た。
でも、貴女がいれば。

一応、キャラ崩壊とR15描写注意。

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貴女を想う。

 

「ごめんね、化歩ちゃん」

 

そんなこと言わないで。

 

「私はもう、ダメだから」

 

そんなことない。

だから、待って。

 

「らぷらす、お願いね」

「分かってる。…すまない」

「私こそ、ごめんね」

 

らぷらすが私の体を優しく咥えて、凄まじい速度で戦場を離れる。

 

「離して!狸眼ちゃんが死んじゃーーー」

 

私の叫びを掻き消すみたいに、甲高い金切り声が響いた。

それと同時に、倒れた狸眼ちゃんにたくさんのテセラクターが群がる。

 

ばきっ、ごきっ、ぐちゃっ、

 

離れてても、聞きたくなくても、聞こえる。

水音の様な、咀嚼音の様な音が聞こえて、鮮血や臓物があたりに飛び散る。

けれど悲鳴は聞こえなかった。

 

もう悲鳴を出す気力さえなかったのかもしれない。

悲鳴を上げる間もなく絶命したのかもしれない。

 

けれど、その場にただ一つ残された、

見覚えにある袖に通った腕が、

 

狸眼ちゃんが死んだことをーーー

 

 

 

「ーーーっ、はぁっ、はぁっ…」

 

そこで目が覚めた。

見覚えのある天井、知ってる布団の暖かさ。

 

全部、夢だった。

 

「大丈夫か?」

 

隣を向くと、そこにはらぷらすがいた。

無表情の奥に不安さを隠して。

 

「…うん、大丈夫。ちょっと、嫌な夢を見ただけだから」

「……そうか。ちょっと待ってろ」

 

らぷらすはそう言うと部屋から出ていった。

部屋に静寂が降りる。

 

やがて、階段から足音が聞こえてきた。

でも、らぷらすじゃない。

これはーーー

 

「化歩ちゃん、大丈夫?」

「……狸眼ちゃん」

 

らぷらすは凄いな。

 

「怖い夢見たって、らぷらすに聞いたよ。どんな夢?」

「…聞いたら、不快に思うかもしれないよ」

「化歩ちゃんの言うこと不快に思うなんて、ありえないよ」

 

狸眼ちゃんはクスッ、と優しく微笑んだ。

その顔に、私は少し救われて。

 

「…狸眼ちゃんが、死んじゃう夢見たの」

「私が?」

「うん。…それで、それで…」

 

どうしようもなく、怖くなってきた。

狸眼ちゃんが死んだら、いなくなったらって。

そう考えて、涙が理由もなく溢れてきた。

 

「…怖かったよね」

 

優しく、狸眼ちゃんが私を抱きしめてくれた。

その暖かさで、少し落ち着く。

けれど、涙は止まらない。

 

「よしよし…だいじょうぶ、私はここにいるよ」

「ほんと…?ちゃんと、いる?」

「うん。化歩ちゃんの、側にいる」

 

頭をふと、エリカ姉ちゃんが過ぎる。

あの優しい顔。

あの時からもう二度と見られない顔。

 

「んっ、どうしたの?」

「…怖いよ」

 

思わず、抱き締める手に力が入る。

 

あの時の、体が二つに分かれたエリカ姉ちゃんの姿。

 

今でも鮮明に思い出せる。

 

「……そっか、怖いよね」

 

多分、狸眼ちゃんは気づいてると思う。

 

「狸眼ちゃんは、いなくならない?」

「うん。ずっと化歩ちゃんの側にいるよ」

「……そうして」

「もちろん」

 

なんだか、気分が落ち着いてきた。

 

「…私、なんだか重い彼女みたい」

「重くても私は、化歩ちゃんのこと好きだよ?」

「……狸眼ちゃん、そう言うところずるいと思う」

「なんのことかな?」

 

その夜は、狸眼ちゃんに抱きしめてもらいながら、静かで暖かい夜を過ごした。

 




ありがとうございました。

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