その少女、最高につき。
※こちらの作品はとある方からのリクエスト作品でございます。
※続きません、多分、恐らく。
「よっ、まぁたそんなしょぼくれた顔してんの?」
「むっ……うるさいよ、睦月」
俺は汗を垂らし、言う。
目の前に立つ女子は、はっはっはっ、と笑って俺の肩を叩いてくる。
なかなか、元気だな。ほんっとに、毎日毎日。
「元気が取り柄だからね」
「人の心の中を読むな」
「ごめんって」
ほんとにそう思ってるのか……。と、怪しくなるような笑みを浮かべている。
この少女の名前は、
身長250cmほど、女子にしてはというより、全世界を見ても、高すぎる身長。
体重は毎回殺意を向けられるので聞いていないが、相当あるだろう。
そしてなによりも、体格がいい。まるで、プロのラグビー部のような、そんな巨体をしている。
ギネス取れるだろ、それ。
「ふふん、また私の体じろじろ見ちゃって……変態♡」
「うっせーやい。てか、席座れよ」
俺はキレながらそういうと、はいはーい、と席に戻っていく。その後を目で追いながらまったく、といい……机の上に突っ伏していた顔を起こすのだった。
今日も、授業のチャイムが鳴り響いた。
◇◆◇
俺、
いや、物理的にではない。可能ではあるだろうが、そういう意味の振り回される、ではない。
なんと言っても、睦月はなぜだか、俺の前だと凄く……なんというか、無防備なのだ。
睦月の身長は、大きい。だからこそ、色んな人に見られるのだから、無防備なのは危ないのだが……。
なんでだろう。
いつもなら、スカートの中に見せパン、と言うやつを履くのだろうが、今日の睦月にはそれが見えない……気がする。
もちろん、覗いた訳では無いのだが。決して。
「ふふ、どこみてるの? 視線がすごいよ?」
「っ! うるさいよ。見てねぇし!」
「ほんとかなぁ?」
俺はたじろぐ。
コノヤロウ、明らかに動揺してる俺を見て面白がってるのか……っ!
俺は歯ぎしりしつつ、睦月から目を逸らす。
睦月は、ムーっ、と怒りながら俺の頭にその胸を乗せてくる。
これも、いつも通りの日常と言うべきか……なんというべきか……。
その怒っている顔も、ムカつくが、可愛らしく……あと、髪型が好みすぎて、そのポニーテールに、何度目線を持っていかれたことか。
「ねぇ、駿斗〜、今日の昼休み一緒に食べていい?」
「ああ、いいけど」
俺はそう返す。
というよりも、いつも食べているだろう。なんでわざわざ許可を取ってくるんだコイツは。
俺はため息を吐きつつ、次の授業の準備をするのだった。
体育館は蒸し暑く、半袖短パンにならなきゃ汗を大量にかくであろう程の暑さであった。
ここ最近の気候はどうなってるんだ、はやく秋が来てくれないか、と思いつつも俺は何とか服で汗を拭い、バスケットボールを手に持つ。
「っ!」
走り出し、隣の仲間にパスをして、ゴールを決める。
俺ら男子がいるスペースの隣でも、女子だけでバスケしていた。
「どっ……せい!」
ジャンプすらせず、バスケットボールを手に持った睦月は、バスケットコートに、ゴールを入れた。
やっぱり、睦月がバスケをすると、まるで勝てる気配がしないな……。
そのあとも、ボールを貰ってはそれを片手でごすんっ! とバスケゴールにぶち込む睦月。
服が揺れて、腹が見える時がしばしばあるる。
ほんとに女子か疑いたくなるような、筋肉がついている。
そこから見える腹筋や、半袖の体操着だからわかる、本当に女子なのかと思えるような、ゴツイ腕。
睦月のその身体を見るだけでわかる。この少女は規格外であると。
だがしかし、その顔は確かに……女の子であり笑えば花が咲き乱れるほど、可愛らしいのだ。
そんなのだから、一定数の厄介ファンのようなものがいるのだ、と思いながら汗を垂らす。
睦月は、こちらの視線に気づくと、ニコニコと笑って、手を振ってくる。
その笑顔を受けて、周りの男子がヒソヒソと笑う。
「おい、こっちに手ェ振ってるぞ」
「脈アリなんじゃね?」
じゃあかしいぞ者共。
俺は心の中でツッコミつつ、手を振り返すのであった。
睦月と出会ったのは、たしか、小学生の頃である。
まだ、身長が低かった睦月は、他の男子クラスメイトに意地悪をされて、泣いていた。
そこで助けに入ったのが、俺ということだ。
昔の記憶だから、なんと言って助けたかは覚えてないけど、それからずっと、睦月はベッタリとついていた。
俺は睦月が好きであるか、と言われたら……どうなのだろう。
ただの友達かもしれないし、ただの親友なだけなのかもしれない。
けれども、あいつが俺のことを信用してくれて、信頼してくれてるなら、それでいいのかもな。
……それでもやはり、モヤモヤが残る。
俺ってこんなめんどくさかったっけ。そんなことを思いながら、ゆっくりと息を吐いて……体育館を離れるのだった。
体育が終わり、お昼になった。
ガヤガヤとする中、中庭にて俺と睦月はベンチ座って、
「うーん、やっぱり卵焼き美味しいなっ、あむ!」
「ほんとよく食うよなぁお前」
俺はそう言いながらご飯を口の中に掻き込む。
そりゃあそうだよ、と言いたげな睦月に苦笑する。
「あんなに動き回って、頑張ったんだもの!」
「というか、ほとんど動いてなかった気がするけどな……」
俺はいいながら目を向ける。
お前のやったことといえばボールを受け取ってすぐ目の前にあるゴールにダンク決めるだけだろ……。
俺はそんなことを思いつつ、よく食べる彼女をジーッと見つめていた。
そんな彼女は俺が見ていることに気づいたのか、顔を赤らめてきた。
「なにさ」
「なんでもないよ」
俺はいいながら、バクバクと残りのご飯を掻き込み食べ終えるのだった。
午後の授業は普通に平和……とも限らなかった。
たまにこちらに向けて紙を投げてイタズラしてくる睦月。それに顔を顰めて返せば、クスクスと笑うだけ。
完全にバカにされてる、と思いながらふんっ、と鼻を鳴らす。
◇◆◇
私には好きな男子がいる。
その男子は、まだ私が幼い頃、いじめられていた私を身を呈して守ってくれた。
その男子は、いま、私の隣にいる。
「ねぇ、駿斗」
「なんだ」
帰り道。
夕日に照らされて、周りの木がザワザワと揺れる中、私は目の前を歩く駿斗に声をかける。
私はその夕日に照らされている彼を見て、ふと、笑うのだった。
「ちっさいね」
「うっせーよ!」
その返しを聞いて、クスクスと笑う。
私はゆっくりと歩き始めて彼の隣に立つ。250cmほどある私からすれば、大体170cm前後しかない駿斗は、とても小さい。
私はそんな彼を抱きしめる。
「な、なにすんだよ! は、離せ!」
「慌ててるの可愛い」
「はぁっ!?」
駿斗が汗を垂らして離れようとする中、私はゆっくりと微笑む。
あのね、駿斗。私、そんな駿斗が大好きなんだよ。
身長を伸ばそうとしているところも。
運動神経を良くしてかっこよく見せようとしてるところも。
私の隣に立ってもいいように、勉強を頑張ってるところも。
全部全部、好きなの。
愛らしくて仕方がないの。
「駿斗、いなくならないでね」
「何の話だ、飛躍してるぞ……って言うか話せ!」
私の腹辺りに顔があるから、息がくすぐってくる。
けれども、そんなの関係ないの。私にとって? 駿斗は大切な友達で、家族のようなもので……愛おしい、「私のモノ」なんだから。
だから、誰にも汚させてあげないもん。
だから、誰にも渡してあげないもん。
私が、いつか壊れちゃうけれども。理性って言うブレーキが壊れても。
愛し続けてる。
上手く書けているかどうかがわからない……!
リクエストありがとうございました!!